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2021-12-12 59:11

056. 熱と温度と熱エネルギー

熱と温度と熱エネルギーについて,長崎大学大学院工学研究科講義「デザイン情報学特論」より抜粋しました.

毎週金曜日朝7時にアート,リベラルアーツと科学技術に関するニュースレター『STEAM NEWS』を発行しています.YouTube,ポッドキャストでまとめもお送りしています.

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いちです、こんばんは。 今夜はですね、僕が長崎大学大学院工学研究科で持たせていただいている授業
デザイン情報学トップ論の中から、僕が出張中に取らせていただいた録画講義の一部を抜粋してお届けしようと思っています。
こちらはですね、僕がスティームニュースというニュースデータの中でお届けした内容をもとに、少し大学院生向けにアレンジしながらお話をさせていただいたもので
若干ね、長くなっているんですけれども、僕のポッドキャストYouTubeと合わせて楽しんでいただければと思っています。
では授業始まります。 長崎大学工学研究科の皆さんおはようございます。デザイン情報学トップ論担当の金谷です。
えーとですね、今日この授業の時間なんですけれども、僕が出張で、おそらく授業の正規の時間にはまだ京都にいるんじゃないかなと思いますので、
録画でお話をお届けさせていただこうと思います。今東京都内のホテルにいまして、朝です。
昨日は明治大学の方に行っていて、
今日はね、これから京都に移動して京都生化大学の方にね、行かせていただいたした
京都芸大、元京都造形大ですね、の方に行くというちょっと忙しいスケジュールの中なので、対面でね、あるいはの
ズームでオンラインでというのができないので、今回は動画でお話をさせていただければと思います。
今日のお話はね、実はの僕ポッドキャストもやっていて、そう実はのYouTubeもやってるんですけど、ポッドキャストもやっていて、ポッドキャストでねお話をさせていただいた内容ではあるんですが、
そんなにね、みんな聞いてないと思うので、多分聞いてないと思います。
で、ここでね、改めてお話をさせていただこうと思います。 今日の話、デザインにも関係あるし、サイエンス、科学にも関係があるし、
科学の中でも、まあ分野で言えばのケミストリーかもしれないんですけれども、それとフィジックスですね、
に関係するかもしれないけど、僕の中ではこれ結構大きなデザインのテーマだとも思っているので、皆さんちょっと何か掴んでいただけたらなと思います。
お茶を飲みながらね、お話をさせてください。 で、長くなりすぎないように手元にね、このホテルの目覚まし時計もここに
手元に置いています。後ろがね、ちょうどね、僕が泊まった部屋、後ろがというか、今いる部屋が泊まった部屋で、
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普通にベッドと、それから後ろにユニットバスが見えています。お茶の水なんですけどもね、
ちょっと乾燥していて声がガラガラです。 昨日飲んだとかそういうわけじゃなくて、
ホテルが乾燥しているからということでね、お茶飲みながらで許していただければと思います。 で、この動画を見ながら、
ウィンドウを小さくするとか、バックグラウンド、どうせ画面に変化はないので、もう声だけバックグラウンドで再生してくれたら構わないので、
少しですね、AmazonのサイトとかAmazonのアプリとかで構わないので、 Amazonでなくてもいいんですけども、
ネット通販のサイトでガリレオ温度計というのを探してもらえますかね。 ガリレオ温度計。
僕のね大好きな以前、どっかの授業のタイミングで熱く語ったガリレオガリレーの名前がついた温度計です。
今インテリアとしてね、あるいは贈り物として人気の商品なんだそうです。 僕もね欲しいなと思ってるんですけども、
ガリレオ温度計。これ実はね、あ、見つかりました皆さん。 ガラスの中に色の入った液体の入った、もう一個ガラス玉が入って、それを浮き沈みすることで、
気温がわかるというものですね。これ見せられるかな? 僕今ガリレオ温度計の写真をこのAmazonで、今手元の ipad で見てるんですけども、
見えますかね。 こんなやつです。
これ。 手元のね、
パソコンだとかスマホだとかタブレットとかで見ていただいた方が綺麗に見えると思うんですけども、
ガリレオ温度計、これね実はガリレオガリレーが発明したわけではないんですね。 ガリレオは今の形の、今の電子温度計は当然ないですけども、
皆さんご存知ですよね。アルコール温度計とか水銀体温計とか、
ご存知ですかね。 ちょっと今、ひょっとしたらもう時代が変わりすぎちゃってて、みんな電子体温計しか知らないかもしれない。
下手したら今、非接触体温計の方が当たり前になってきて、 放射温度計ですね。普通になってきて、
水銀体温計なんかもめちゃくちゃ過去のものになっちゃったかもしれないですけども、
このね、点の形して、点型でこうやって脇に挟んで、もちろんあの服の中で、
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肌に直接触れさせて挟んで、そうするとここに軸の中に水銀が、細いガラス管に水銀が入っていて、その水銀の膨張率で温度がわかるというものなんですけども、
おそらくガリレオは水銀を使ったのか、水を使ったのか、アルコールを使ったのかは定かではないですが、
そんな温度計、液体の膨張を使った温度計を発明をしています。ただ彼はね、それを発表してなくて、
彼の弟子の一人にトリチェリーという水銀を使って大気圧を計測した人物がいるんですけれども、
彼の時代ぐらいに完成したんじゃないかなとは思います。ガリレオが研究を続けたフィレンツェというのはガラス細工でも有名な町ですから、
細いガラスチューブで作ることができたんでしょうね。温度というものが、気温が液体を膨張させる、その膨張の長さを測ることで気温というものを知ることができるというのがガリレオが発見したそうです。
ただこの時は実用化されてないんですよ。ガリレオのトリチェリーをはじめとする弟子さんたち、何人かいらっしゃったようなんですけれども、
発明したのがガリレオ式温度計という別の原理に基づく温度計です。こちらも液体の熱膨張を利用しているんですけれども、その結果として
液体の密度が下がりますよね。例えば1キログラムの水の体積、これは気温が上がると水温が上がると膨張します。
水の場合はちょっと得意な液体なので、4℃前後で密度が最高になるので、逆に冷やすと今度はまた軽くなっていって、4℃からさらに冷やすと軽くなって、氷なんかが水に浮くという
普通の液体ではない性質を持っていますけれども、4℃以上だとだいたい温度に比例して、水温が上がると体積が増えて、つまり密度が下がって、ということは比重が小さくなると。
そうすると、その水の中にある比重が固定されたものを、金属とかですね、浮かせておくと
比重の違いによって浮き沈みというのが気温によって変わってくるというのを利用したのが
ガリレオ式温度計、ガリレオ温度計と言われるものの原理です。 お洒落なんですけどね、多分そんなにめちゃくちゃいい精度が出るわけではないと思うんですけどね。
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実際に僕のお送りしているニュースレターがあって、これ皆さん良かったら登録して、無料で読めるので登録してほしいんですけれども、ちょっと計算をね
しています。真水はね、摂氏20度の時に1リットルあたり998グラムなんですね。
だいたい水って1リットルが1キログラムになるようにメートル法で決まっているんですけども、正確に言うと20度で1リットルだと998グラムです。
30度だと996グラムの重さです。これは体積固定した場合ですね。1リットルという場合には
20度で998グラムで30度で996グラムと2グラムですね。 1リットルあたりの重さが変わる。
また比重がその分変わるということですね。
なのでその絶妙な、比重は1リットルあたり998と996で20度30度があるので、例えば比重が1リットルあたり997グラムぐらいに調整した
ガラス玉、中に空気とか入れて比重を調整したものを入れておくと、20度では
20度だと997だから
水の方が重いからそのガラス玉は浮くと。
30度になると水の方が軽いのでそのボールは、ガラス玉は沈むということになります。
それで今何度かなっていうのが、赤い量式温度計でわかる。
これはなかなかいいデザインではありますよね。
実用性でいうと、あまりそんなに正確性ってないかもしれないけども、ある意味
液体の膨張を使ったもの、水銀体温計であるとかアルコール温度計なんかが
アナログ値を、アナログメモリーですよね。
これ浮き沈みというのはある意味デジタルなので、読み取りの間違いというのは少ないという意味では、この時代
17世紀になってますかね、トリチェリーの時代ですから。
ガリレオが亡くなったのが1600年
じゃなかったかな。だから17世紀にかかって、その翌年がもう17世紀ですから
これは17世紀に入っていると思うんですけども、おそらく非常に初期のデジタル
計測機器と言えるんじゃないでしょうかね。 この前ネットでね、ソロ版がデジタルだという話をしたら信じてもらえなかったっていうね
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学校の先生の話が出てましたけども、ソロ版って電気使わないですけど、あれデジタルですよね。
あれ誤診数、下の部分が誤診数か
使ってて、もともとのソロ版ってね、下が5玉で上が2玉ですからね
5個あって誤診数ってわかりやすいんですけども、実際には5で一回くり上がるのでね、誤診数というデジタルのものです。
それに対してアナログというのは計算尺なんかがね、アナログに当たるんですけども
こういうデジタルの温度計というのは世界で初めて発明したのがガリレオの弟子たちということになります。
この浮力を利用しているわけです。温度によって浮力が異なる、比重が異なるから浮力が異なる。
浮力って何かっていうと、これ皆さん中学校の知識だと思うんですけども、ある体積あたりに押し抜けた
押し抜けた溶媒の重量ですね、質量ですね、の分だけ
押し上げられるというものですね。水の中に、これ後ろお風呂ありますけども、水の中にザブーンと入ると、その水を押し抜けた分だけ
体が軽く感じられる。これ発見したのがご存知のアルキメデスですね。
アルキメデスのお話、皆さんご存知ですかね。
ヘロン2世という王様がね、王冠を
金財串に作らせたんですよ、自分の王冠を。純金を渡して、例えば純金1キロ。純金1キロってね、かなりの
分量ですけども、純金1キロ渡して、1キロの方重いよねでもね、500グラムかもしれないですけども、純金1キロ渡して
これで私の王冠を作れと言って、ところがどうもその金財串は色が変わらない程度に銀を混ぜたんじゃないかと
重さ変わらないようにね、重さ変えるとバレちゃいますから、例えば純金700グラムと純銀300グラムを混ぜると
純金300グラムをネコババで切るじゃないですか。 純銀300グラムで、当時の価値でね、銀の価値って金の10分の1ぐらいでした。
今はもっと開きありますけども、当時でも銀の価値が金の価値より10分の1ぐらいで安いので、
そうしたら差額がね、儲かるじゃないですか。 あまり混ぜちゃうと
シルバーゴールドっていうの、金と銀混ぜると、ホワイトゴールドはプラチナ混ぜるね。
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ホワイトゴールドはプラチナ。銀混ぜるってね、あまり良い方法ではないんですよね。銀って酸化するので。
ただ、金はね柔らかすぎるので銀混ぜるというのもよくあります。
銀混ぜるとホワイトゴールド、ちょっと後で調べておきます。銅混ぜるとね、色が赤くなってピンクゴールドっていうのになるんですけども、
銀混ぜるとホワイトゴールド、だんだん金が薄まっていくんですよ。
今ね、パラジウム混ぜたりとかするんですけどね、ホワイトゴールドってね。 硬くするために混ぜたりとかするんですけど、
銀もそのものもね柔らかいんでね、金と銀と混ぜるとあまり良い合金ではないんですけど、
当時そのパラジウムとかの生成できてないので、そもそも知られてないので、銀しかなくて、
銀を混ぜて純金をちょっとくすめたんじゃないかと疑って、
ただその王冠の形しちゃってるから壊したくないわけですよ。まあ壊してもわかるかどうかわかんないけど、
体積がね増えたんじゃないかと。重さ変わってないから。だから純金製の王冠に比べて銀がちょっと混じっていると体積が増えているはずで、
王冠を一回溶かしてもう一回金の塊にしたら大きさの違いっていうのがね、
純金の塊、同じ重さの天秤で測って同じ重さのものと比べたら、
どっちが重いかわかるので、純金の方が重いですから、 同じ大きさにすればね、純金の方が重いですから、混ぜた割合までわかるはずなんですけども、
そのヘロン二世は純金と思われるものでできた王冠を溶かしたくなかったんですよね。
その親戚のアルキメデスさんにですね、これ王冠の形を変えずに体積を測れと言ったというよりは、
純金がどれだけ使われているか調べろと言って、アルキメデスは頭を抱えるんですけども、
当時ね、アルキメデスが住んでた白草という町、今でも白草からちょっと行ったところに温泉があるそうで、
この時代はね、皆さんお風呂大好きですから、お風呂に入って、ザブーンとお湯が溢れ出て、
体軽くなって、これかーと、ヨレかーですよね。 当時のギリシャ語ではヘウレーかーって言ったそうなんですけども、
英語に訳されている過程でヨレかーとかユーレかーとかね、
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いう風に呼び方が変わってきました。実際にはヘウレーかーって言ったと思うんですけども、
わかったぞーと、水に浸けたら体積が分かる、で浮力を発見したわけですよね。 水に浸けた分だけ軽くなるということで、
体積を測ることができて、銀がどのぐらい混じってたかというのが分かるということで、実際に記録はね、
そんなに残ってないんですけども、どうやら金財区氏はやっぱり金をくすんでたそうですね。
金財区氏が処刑されたかどうかわかってないんですけども、
たぶん処刑をされていると思うんですけども、逃げたかもしれないです。とにかくアルキメデスというのが歴史に一つ行跡を残したということになっています。
このアルキメデスの発見した浮力の原理、なおかつその浮力というか、
その倍出の比重が温度によって変わるということを利用したのが
ガリレオ式温度計、実際にはガリレオじゃないけどもガリレオ式温度計ということになるわけです。
それがね、温度というものの最初の意識、もちろん今日は暑いなとか、今日はなんか熱っぽいなとか、
スープが熱々だなとか、パン焼けだなとかっていうね、その温度というものは当然肌感覚としてはあったわけだけども、
それを物理量として捉えましょうと考えたのがおそらくガリレオガリレオ。
ガリレオガリレオだからね、例えば時間の経過というも時間というものを物理量として捉えたほぼ最初の人ですし、
ありとあらゆる分野でね、やっぱりね、近代科学の父って言える人なんじゃないかなと思うんですが、この温度についてもね、知られざる業績だと思います。
温度なんですけども、これね最後の話で、この動画の最後でお話ししようと思っているんですけど、実はね、
例えば、今でも例えばM-1のファイナリスト決まったんでしたっけ?
決まったんですよね。よくねM-1グランプリの、皆さんM-1ご覧になるかどうかわかんないけども、
最初の一組目が出た時ってまだ会場の空気が冷たいとか、空気が温まってないとか言うじゃないですか。
あれって別に摂氏何度とかというわけじゃないですよね。それからね、この絵を描かれる方、美術家の方、画家の方、
ギャラリストとかも含めて、キュレーターも含めて、美術家と呼ばせてもらうと、彼ら彼女らが、絵には温度がある、この絵は暑いとか、この絵は冷たいとか、
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冷たいは言わないから暑くないとかね、絵の温度であるとか、人間関係の温度であるとか、松本ひとしさんが寒いっていう言葉作られたそうなんですけども、
ギャグが寒いとかね、温度っていうのは割とこう、いろんなことに使われる言葉で、英語だと逆にアトモスフィアの方ですかね、
空気感というか、気圧とかに使われる単語ですけども、そういった数字にできないもの、あるいは数字にできないと思い込んでいるもの、
これが当時は、だから今の物理量と知られている温度というものと、今と変わらなかったわけですよ。M1の会場の温度感というのと、それから、
今我々が物理量だと思っている温度というのは、同じカテゴリーで測れないものだったんですね。それはなぜかというと、
基準がなかったからなんですね。基準がなかった。で、温度というのは実はよく考えてみると、今でも基準ないっちゃないんですよ。
皆さんね、工学研究家だから、絶対冷度というのは何かというのは非常に詳しくご存知だと思うんですけども、
じゃあその絶対冷度って実際には何なのかとか、実際に何なのかというのは、
化学の教科書的には原子が静止した状態と言いますけど、原子なんか静止しないので実際には、じゃあ絶対冷度って本当の冷度はどこにあるのかとか、
じゃあ絶対のマイナス温度ってないのかとか、そこらへんの疑問も持ってほしくて、
実際温度という考え方は、長さとか時間とかという尺度と違って、かなり人工的に作られたというか、
ここらへんで合意しましょうって決められた一種のデザインなんですね。そこらへんもね、今日ちょっとお話をね、させていただきたくて、
ガリレオガリレーはね、でもね、空気の熱膨張をね、じゃあ今ちょっとカーニングペーパーがね、貼るんですけども、
空気の熱膨張を使ってたんですね。だからインジケーターっていう液体、色付けた液体ガラスチューブに空気を入れ、
空気の先端に油かアルコールか、アルコールだと思うんですけどね、色付けたアルコールを入れて、空気が膨張するとそのインジケーターが動いていくというのを利用して、
これで初めてその温度というものを距離に換算することができて、距離は物差しで測れますから、
温度というものを物理量として捉えることができたわけなんですけども、 それがね何を測っているのかっていうのはね、これずっとね疑問だったのと、もう一つが
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どこに目盛り打てばいいのか、例えばゼロどこにしますか。当時ねゼロという概念はあまり受け入れられてなかったので、
ゼロとかマイナスとかあまり受け入れられてなかったので、まあじゃあ1番どこにしますかとか、当時のヨーロッパだと12真数が標準ですから、10真数使ってたのってもうほんとね、アジア、東アジア、
中国、韓国、日本、ベトナムとかタイとか中華文化圏もねそうなんだと思いますけども、
まあ東アジアですよね。
なのでまぁだいたい1から12で割るというのが、あるいはゼロから12で割るというのが当時の常識なんですね。それは物理学者も一緒で。
で、これをね、目盛りを初めて
世界共通にしよう。当時のヨーロッパ世界だからヨーロッパ共通にしようとしたのが、
アイザーク・ニュートンなんですね。ニュートン、ニュートン力学のニュートンなんですけども、これもねニュートンの意外と知られてない行跡なんですけども、
ニュートンはね、氷の温度を0度にしました。こう、コール温度ですね。氷の温度じゃない、氷はあのいくらでも下がるので、
氷点、氷が溶ける温度を0度にしました。
今のセルシウスと一緒ですね。で、じゃあ高い方、どうしたかっていうと、彼は人間の体温を12度にしたんです。
12ニュートン度にしたんです。なんで人間の体温にしたか、なんでこう沸騰する温度じゃないのかっていうと、
当時は温度計がない時代ですよ。温度計ないので、水が何度で沸騰するかっていうのが世界共通かどうかわかんないんですよ。
ロンドンで沸騰する温度と、パリで沸騰する温度と、フィレンツェで沸騰する温度が一緒かどうかってわかんないんですよ。
実際にはほぼ一緒だと、氷高の気圧によって変わりますけど、そこまでの誤差はないと思うんですけども、
コール温度はまあまあ一緒だろうとニュートンは直感したわけですね。
じゃあ、大陸とそれからイギリスと行き来して温度の標準物体って何だと思うかというと、
やっぱり人間だろうと、フランス人だろうがイギリス人だろうが、体温はそんなに変わらないよね。
じゃあそこを基準にしようというので、これがニュートンは賢いなというか、
体温を使うというのは、当時としては最も正確な共通のメモリだったんですね。
その標点が一緒かどうかというのは実はそれもわかってないわけです。
ここはニュートン賭けに出たわけなんですが、結果として賭けにはあってたんですけども、
標点と人間の体温を使って、これを0から12にしたと。
0から下は当時の考え方でいうと、なかったことにしてたと思います。
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マイナスの数というのは、オイラーでさえね、「いや、これマイナスはなかったことにしよう」みたいなことを言ってるぐらいなので、
方程式の解が負だったら、これは数字上はマイナスだけど物理的には意味がないねというようなことを言った時代なので、
オイラーなんてね、挙数も知ってたのにね、そんな時代だったわけですよ。
なのでマイナスの温度というのはなかったことにしてたんですけども、
それを1702年にオランダの天文学者のレーマーという人が、レーマー温度というのを発明します。
これがね、結構、斬新というかエポックな時代の転換点で、
彼はまず水の沸点をね、上に決めました。60度、水の沸点60度にしました。まあ60進出使いたかったんですね。
0度どこにしたかというと、塩と氷の混合物ですね。
これがね、飽和食塩水の場合だと摂氏でマイナス22度で凍るんですけども、レーマーが用意したのがマイナス14度ぐらいで凍ったらしいです。
今の単位で換算すると摂氏マイナス14度ぐらいだったそうなので、飽和食塩水ではなかったんでしょうけれども、
マイナス14度から水の沸点が、摂氏100度がレーマー温度で60度で、そこの間を60分割したというレーマー温度計というのを作りました。
マイナス14度というのは根拠がね、まあよくわかってないんですけども、
レーマーってオランダ人なので、オランダで一番寒い日がそのぐらいなのかなぁと、これは僕の想像です。
あるいはレーマーが実験でよく使ってた食塩水の濃度で、当時の単位でちょうど霧の良い塩分濃度のものがマイナス14度で凍ったのかもしれないです。
あの凝固点硬化しますから、氷よりはマイナスの方に、温度が低い方に測れるわけですね。
とにかくマイナスを使いたくないという意思表示を感じますね。
このレーマー温度を聞いて改良したのがドイツ人のファーレンハイトという人で、このファーレンハイトの作った温度メモリーというのは現在アメリカでも使われています。
ファーレンハイトのメモリーがどうやって決まったかというのは諸説あってわからないんですよ。
ファーレンハイトの冷度が摂氏のマイナス17.8度なんですよね。これも多分幹材、幹材ってね、水と食塩と混ぜたものの凝固点だったんじゃないかと言われてるんですけども、あるいは食塩じゃなくて塩カーモニウムを使ったんじゃないかとかね、言われてますけどもわかりません。
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それからファーレンハイトの100度が我々摂氏の37.8度、ちょっと熱っぽいぐらいの温度になるんですけど、これもね、わかんないです。
ファーレンハイトの96度、96っていうのが60心数と10心数の妥協点じゃないかと、96度っていうのは12×8なので、12心数と10心数の100に近いので96で妥協点じゃないかとも言われていて、
ファーレンハイトの96度が人間の体温になるので、体温って言っても何度かな、36.5度ぐらいですかね、多分ね。
みなさん、Googleでね、温度をいきなり検索すると、ファーレンハイトの96度とかで検索するとすぐ摂氏など出てくるので、見てもらったらいいかなと思うんですけども、なぜかそういう単位を使ったんですね。
もちろん、今メートル法作用している国では温度もセルシウスを使いましょうということになっているので、ほぼ世界的には絶滅しているんですけど、アメリカだけメートル法も使わないし、気温もファーレンハイト、温度もファーレンハイトを使っているという状況です。
なんでファーレンハイトを使うんだよって思いますけどね。
というわけで、ここら辺までがお話の前半で、これは僕のニュースレターでお送りした、46号と47号でお送りした内容をね、今お話をしているんですけども、今その前半部分で、
ここでね、みなさんまた中学校の理科を思い出してほしいんですけれども、
ファーレンハイトが使ったのは食塩水なのかエンカーモニウム水液なのかわからないですけども、レーマーが作ったのはおそらく食塩水。
ニュートンが使ったのが真水ですね。
この水と氷を混ぜてよくかき混ぜた温度を0度にしたんです。
氷にしちゃうと何度かわからない。氷って0度の場合もあるし、マイナス10度の場合もあるし、マイナス20度の場合もあるので、氷の場合は温度は一定しない。
水の場合ももちろん0度の水もあるし、10度の水もあるし、20度の水もあるので、その氷と水を混ぜた状態というのが0度になりますよね。
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どっちが氷でも水でもない状態。
じゃあ、氷と水。0度の氷と0度の水。
氷と水をかき混ぜて温度が均一になった状態で、氷だけ取り出しました、水だけ取り出しましたという時に、どっちが冷たいですかというと、これ。
どうですか皆さん。考えたことありますか。
0度の氷と0度の氷。温度は一緒ですよね。だって0度だからね。
だけど、0度の氷の方が熱を奪われる気がするじゃないですか。
これは正しくて、0度の氷の方が熱を奪います。
熱が氷に潜っていって、最終的に溶けて水になるので、その必要な熱のことを鮮熱というんですけれども、
ここらへんから、この熱と温度の違いというものが物理学、化学で意識され始める。
これを考えたのは1750年のスコットランドのジョゼフ・ブラックという科学者、
ケミストのジョゼフ・ブラックだったそうですね。
スコットランドはかなり寒い地域ですから、氷が身の回りにたくさんあったんでしょうね。
氷と水、どっちが冷たいね、って言ったら、やっぱり氷やろうってなって、
氷が熱を奪うんや、というので、
熱は何だ、というのが当時分からない。
熱って物質ですか、とかね。
熱と温度の関係って何なんですか、というのは分からなかったわけです。
さっきのM1の例えで言うと、温度と熱ってあんま区別してないですよね。
観客席の熱量とかって言い方もしますけども、
熱と温度って何なんや、って。
日本語ではね、ちょっと間違わしいのが、
温度はね、テンペラーチャーでしょ。
熱は、この熱は英語ではフィーバーですけども、
これまた英語では区別するんだね。
熱はヒート、でしょ。
で、日本語でもう一個ね、熱エネルギーっていうのが出てきましたね。
化学でやったかな、熱エネルギーなんです。
あれはね、英語ではサーマルエナージーなんですよね。
だから、熱エネルギーって言い方は、熱と熱エネルギーは違うものなので、
ヒートとサーマルエナージーは違うものなので、
熱エネルギーという翻訳はちょっと妥当ではないかなと僕は思ってます。
まあでも、それを温度エネルギーで訳すとまたちょっと温度と違うので、
仕方ないからサーマルエナージーをサーマルエナージーで言うしかないんじゃないかなとはね、思います。
要するに対応する日本語がないから仕方ないんだと思うんですけども、
ただその熱と温度というものが区別される。
漢字で熱っていうと暑いで、温度の温っていうと暖かいだから、
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なんか一直線上に並んでいるものかなとも思いがちですけども、
温と熱は物理的には違うものだというのがコブラックさんの発見ですね。
熱が何かというと、熱は物質だという考え方も当時あったんですよね。
熱素という物質だと考えられたこともあった。
結構長いこと200年くらい信じられたのかな。
ただガリレオガリレーは熱は物質ではなくて粒子の運動だと考えていて、
これは正しかったんですね。
ただガリレオはその証拠を見つけることはできなかったので、
望遠鏡がやっと発明された時代ですから、
そんな粒子を見るなんてこともできなくて、証明できなかったので、
ガリレオはそれについてあまりたくさんの文献は残してないんですけれども、
熱は運動だということを直感しています。
ただ後に化学の中心になっていくフランスでは、
例えばラボアジェという大科学者がいらっしゃるんですけれども、
それ以前に熱というのはフロキストン説とか、
炎からはフロキストンという物質が出ているから、
それが光であり熱であるという考え方であるとか、
ラボアジェという人がカロリックというもの、熱素というものが物質で出ていて、
そのカロリックというものが化学反応の前後で保存されるんだということを提案したりとかもしています。
そこは結構ラボアジェが大御所だったので信じられ、
大御所だったからというか説得力があったからですね、
そのカロリック説が信じられていたんですが、
ラボアジェは大御所すぎてフランス革命で殺されちゃう、処刑されちゃうんですよ。
なんか惜しいことをしたなと思うんですけれども、
直線の知り合いではないですけれども、
化学的には、化学史の中では大損失になりますね。
その時代、ちょっと後ですかね、
フランス革命の頃って、
フランス政府ってアメリカ独立戦争で助けたりとかしてるんですけれども、
その時代のアメリカ独立戦争直前ぐらいのアメリカ人科学者の
ベンジャミン・トンプソンという人がいて、
この人はドイツで博者になっていて、
ランフォード博者という称号をもらっているので、
ランフォードというふうに紹介されていることもあるんですけれども、
本名はベンジャミン・トンプソンという方で、
彼は当時は大砲ですよね、
大砲をちょうど時代的にね、
ドイツがクルップ砲って言って、
銃器とか火器のデザインってめちゃくちゃこの時代進化してて、
39:00
2種類の進化が起こっているんです。
1つはライフリングですね。
当時の大砲って、
そこに穴が開いていない筒に火薬を入れて、
丸い弾を入れて火薬に火をつけると、
ドカーンと丸い弾が飛び出すのが、
2つ進化があって、
1つは大砲の内側に線状って言って、
ぐるぐるの溝をつけたんですね。
それで弾が回転しながら飛び出すことで、
射程距離が長くなるというライフリングですね。
ライフルにすると。
大砲にもつけます。
それからもう1つが跡ごめ。
大砲の頭じゃなくて、
お尻から弾を入れて火薬を入れる。
蓋をして火をつけるというものなんです。
それで金属の削り出しがものすごく必要になって、
特にライフリングって削り出しですからね。
削ると、要は鉄を削ると熱が出るというのを、
発見したわけですね。
しかも無人像に出てくるわけですよ。
カロリックが保存すると思ってたら、
全然保存しないと。
なんぼでも金属から出てくると。
どうもカロリックは物質じゃなくて、
原子の運動じゃないかということを、
ベンジャミン・トンプソンが言うわけです。
このベンジャミン・トンプソンすごい面白い人で、
熱にすごい興味があって、
アップルパイの中身が、
なぜ食べたら火傷するほど熱くなるのかについて、
研究してたりとかね。
皆さん経験ないですか?
マクドナルドでアップルパイあるでしょ?
あれ、熱いってなるじゃないですか。
今あるのかな?
僕はアップルパイ結構好きだったんですけどね。
最近ちょっとマクド言ってないんで、
お兄さん僕関西人なんで、
マクドって言ってしまうんですけども、
さっきもマクド言ってんけど、
アップルパイね、熱いってなるじゃないですか。
アメリカのソウルフード、
アメリカ人のソウルフードなんでしょうね。
独立戦争前からアップルパイ大好きで、
なんでこんなに熱くなるのとか、
ランフォードスープっていうスープを発明してたりとか、
ランフォードスープで検索してもらうとね、
出てきますけど、
これは日本で言うお粥みたいなもんですかね。
お粥って、特に玄米のお粥ってね、
さまざまなね、
米って世界してみればチートで、
すごい栄養素があって、
玄米のお粥食べてれば、
まあまあ人間死なないんですけども、
当時米の取れない地域では、
なんとか工夫しないといけないので、
それでランフォードスープというのを発明したりとかもしています。
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で、どうもその熱と温度ってのは違うぞということが、
分かってきたということですね。
で、もう一つテーマとしては、
放射熱というのがあって、
まあ熱っていうのはこう、熱伝導ね、
前お話したカロリックが保存されるんじゃないかとか、
熱伝導を対象にしたものだったんですけども、
あるいは対流ね、
対流はこう熱い液体なり液体なりが上の方に上っていくというもので、
まあ熱が伝わって見えると、
実際に物質が移動しているというものなんですけども、
放射熱、まあ電気ストーブであるとか、
まあ薪ストーブでもいいんだけども、
ちょっと離れたところでもこう、
あったかくなると、
で、これは何なのか、
で、これも答えを言ってしまうと、
光です、フォトンです。
特にね、その円石外線というのが物体に対してね、
ある程度浸透するのと、
それから水分子をよく揺さぶるので、
温める効果があると。
まあ焼き芋なんかはね、
石を熱することで間接的に、
あれ何なんですかね、円石外線、
本当に出ているのかどうか分からないけど、
焼き芋という、お芋さんを中から温める、
そうですね、ほんまかいな。
えーとね、あとあのほら、
円石外線の出る、なんだっけ、
冷蔵庫に入れておくと円石外線で、
お水が美味しくなるとかなんかもあります。
あの基本ね、ガラスは円石外線通さないので、
ガラス製品はね、全部嘘っぱちだと思ってください。
人間のね、あのガラスってよくできてる、
よくできてるというか、
人間の目がガラス質だから、
なんでしょうけども、
あのー、
水にしてもガラスにしても、
可視光以外はほとんどね、
不透明なんです。
可視光以外に対してはほとんど不透明なので、
えーと、
ガラスの場合は金石外線通しますけど、
円石外線は通しません。
紫外線もほぼ通りません。
なので、
はい、
円石外線で何とかっていうのは、
ちょっと科学的におかしいものも、
世の中にはいっぱいこう、
あー、
売られています。
円石外線というものが、
これはもう電磁波ですよ、
それから光フォトンですよ、
とどめさしたのはアルベルト・アインシュタイン。
で、だから、
それは何を意味しているかというと、
熱を伝える物質というものがないんだ。
放射熱に関しては熱を伝える物質というものはないんだと。
なぜならフォトンそのものだから、
光子そのものだから。
何かを伝わっていくわけではないんだ。
熱伝導ではなくて、
何かを伝わっていくわけではなくて、
物が飛んできているので、
それはフォトンと解釈するのか、
電磁波として解釈するのか、
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それは自由だと。
こういうのがもうアルベルト・アインシュタインが
とどめをさせたことによって、
カロリック説というのは完全に否定をされます。
で、じゃあ、
何か運動して、
何か物質が動いてあったら、
ブルブル震えると。
それを温度ということにすると、
じゃあその温度というのは、
この震えの量ですか?
というと、
これがまたちょっと違うんですね。
というのは、
じゃあ、
空気の分子、
空気を構成している分子たちは、
酸素分子、窒素分子、
あとCO2が1%ぐらいですかね。
1%もないのかな。
みんな同じ触れ方しているかというと、
違うわけですね。
その、高速に運動している分子もいるし、
あまり動かない分子もいるし、
それは、
統計的な分布をしている、
マクスウェル・ボルツマン分布ですよね。
僕たちは、
ボルツマン分布と言っちゃいますけど、
正確には、
マクスウェル・ボルツマン分布ですかね。
マクスウェル・ボルツマン分布ですね。
で、
これはもう、Wikipediaを見てもらったら、
マクスウェル・ボルツマン分布か、
ボルツマン分布で出てくると思うんですけども、
どこかにピークがあって、
急速に立ち上がって、
なだらかに落ちていくという、
横軸に速度をとって、
縦軸にプロバビリティ、
分子の個数でもいいですわ。
分子の個数をとって、
横軸に分子の運動速度をとると、
どこかにピークがあって、
高速に動くものは少ない、
かといって、
めちゃくちゃ低速も少なくて、
あるところにピークが来ているという
分布をします。
この分布のパラメーターですね、
ボルツマンの式というのがあるんですけども、
その、
この分布を決めるパラメーター、
これが温度だ、
というのが分かったのが、
20世紀入ってから、
ですね。
これが温度だ。
当時ね、19世紀くらいから
知られていたのに、
ボイルの法則だっけ、シャルルの法則だっけ、
気体を冷やしていくと、
温度を下げていくと体積が小さくなっていくという
法則がありますよね。
ということはいつかゼロになるだろうとね、
絶対0度というのはあるだろうという風に
考えられていて、
摂氏でいうと-273.15度ですよね。
僕、セルシウス温度の説明しちゃなかったですよね。
当たり前すぎて。
セルシウス温度というのは、
氷点が0度で、
沸点が、水の沸点が100度に
設定されているものですね。
あの、セルシウスさんは逆だったんですよ。
水の氷点を100度で、
沸点を0度にしてたんですね。
逆にしてたんで、
セルシウスって、
あの、スウェーデン人で、
スウェーデンはめちゃくちゃ寒いじゃないですか。
だから、やっぱりね、
マイナスにしたくなかったんでしょうね。
で、水より暑い、
水の沸点より暑いものはないということに
したかったんだと思うんですけど、
ただ、ニュートン以来、
暑い方をプラスにすると
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青にするというのに、
結局、世間は逆らわずに、
逆転させて、
セルシウスの0度が氷点で、
沸点が、セルシウスの100度が沸点
という風になってます。
で、そのセルシウス温度で考えると、
絶対温度っていうのが
考えることができて、
その気体の体積、
理想気体の体積が0になる場所、
これが絶対0度で、
セルシウスでいうとマイナス273.15度
じゃないかということをね、
考えてたんですけども、
実際その原子の振動だということが
分かって、
ということは、
マクセル・ボルキマン分布の
ボルキマン分布の係数が、
パラメーターが0になる場所、
つまり、理論上振動が0になる場所。
これが、
絶対0度なんで、
ケルビン、ケルビン教というね、
方、これ、
イギリスの貴族で、
ケルビン教で、本名はね、
何だっけ、
トンプソンだっけ、ちょっと忘れちゃいましたけども、
ケルビン教が研究をしたので、
ケルビン温度と言いますね。
ゼロケルビン。
絶対0度。ただし、
実際にはね、
量子力学的な制約があって、
このブルブルがね、
ゼロになるということは、そうすると、
位置と動力を特定できちゃうじゃないですか。
それは量子力学的にありえない現象なので、
実際には震えていると。
それから、
ボルキマン分布ということは、
数式の上では、
マイナスのパラメーターを持つことが
できるんですよね。
これ、負温度。
負の温度というんですけども、
これはボルキマン分布の
右と左を
入れ替えた状態に見えます。
つまり、運動量の
大きい分子の方がたくさんいて、
運動量の少ない分子が
少ないという統計的な
分布になりますね。これは何かというと、
プラズマとか、
レーザー光源なんかに
使われるもの、
液体の場合だとプラズマですね。
という状態が
起こり得て、
反転分布というんですけれども、
反転分布に持っていくことは
ポンピングというんですけども、あるいは
霊気というんですけども、
そうすると運動状態の
大きい奴らが運動状態の低い方に
行こう行こうとするので、
その時にみんな一斉にね、
電子、エレクトロンって
ガーッと動かすと、
フォトンを放り出してエネルギー上に下がるので、
その時に、
みんなコヒーレントといって、
同期して
フォトンポンポン出すんですね。
それが
レーザー光線になるというので、
レーザー光源の方ですね、
レーザー光源は
反転分布を使っているということになります。
全部じゃないと思うんですけどね、
反転分布を使っている物質、
ガスレーザーなんかは
そういうのを使います。
これは負の温度ということになるわけですね。
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意外と温度というものを
定義するというのは、
現在はマクセル・ボルツマン分布で
決着がついていますけれども、
非常に
難しいことだったんですよ。
そもそも基準がないし、
世界で統一しないといけないでしょ。
例えば、
1メートルの長さを
世界で統一しようと最初何をやったかというと、
メートル原器という定義を
世界中に配ったわけです。
日本にもあります。
今はメートルの単位としては
使われていないですけど、
メートル原器というのを作った。
それから、重さの単位でキログラム原器というもの。
これはもう最近まで使われていましたね。
キログラム原器が。
去年かな?
グラムの単位が定義が変わったので、
現在は
キログラム原器というのは
参考値になっていますけれども、
世界中に同じ重りを配った。
それから、
時間ですね。
時間の単位。
SIで基本単位。
時間の単位、これは
現在はね、
原子時計を使っていますが、
かつては地球の回転から求めていた。
地球の回転がね、
正確ではないので
フラフラするので、
適当ではないんですけども、
これは世界各地で星を観測すれば
地球の回転を観測できますから、
これは世界共通というのが
原器を配らなくても
できたということなんですけども。
で、
だから、
ものすごい積み重ねがあるわけですよ。
この温度計を作る、あるいは
単位計を作るということには。
で、
ここは皆さんに考えてほしいんだけども、
じゃあその、
今物理量じゃないもの
だけど、
その、
単位計を作ることができるか。
例えば色なんかそうですよね。
カラーですね。
これ、だって、
物理量っちゃ物理量だけども、
スペクトルなんかは物理量だけども、
人間の目っていうのは、
その、
例えば人によって違うし、
感度がね、人によって違うし、
右目と左目で感度が違うので、
色角が違うので、
わずかですけどもね、
それはね、
数値化できるかっていうと。
もちろん現在は
色角っていうのは数値化されています。
でもこれはものすごい積み重ねがあって、
デザインされていったわけですよね。
で、
そんなものがね、
世の中にいっぱいあります。
例えばこの服の布の
触り心地。
これ、物理量ですね。
どう考えてもこれ物質ですから、
物理量で
表すことができるはずなんです。
まあ、というか、できるでしょうね。
で、その、物理シミュレーションやれば
同じ状態をコンピューターの中に
再現することもできるんだけども、
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じゃあこの触り心地というものを
定量化できますかっていうと、
例えばなんかその、
布の触り心地を表す
日本語っていうのは、
やっぱ繊維業界ではあるんですね。
ハリとかシャリとか
メリとかね、
僕もよく分かってないんですけども。
これはね、英語ではなかったんですけど、
イタリア語にはあるんですよ。
イタリア人に対応するかどうか分からないんですけども、
やっぱり布の触り心地を表す
単語っていうのはね、
あるみたいで、ただそれがまだ
感覚値でしかなくて、
じゃあそれをね、
物理量にできますかっていうと、
ここは一つデザインと
エンジニアリングのチャレンジ
なんですね。
さっきのM1の話に戻ると、
そのM1、
M1じゃなくてもいいですけども、
授業でもいいですけど授業の
温度感とか、話の熱量とか、
熱量と温度って
だいたいその、今区別も
されてない、物理学は別として
化学は別として、
話の温度とか話の熱量、
ギャグの温度とかって、
別に温度とか熱量とかって、
多少の違いはあるかもしれないけども、
厳密な区別はされてなくて、
だけど、これ
皆さんがもしも、
長い目で見て、
当然ね、
これが終始論文の研究になりますかとならない
んですけども、
だってそんな学会とかも
ないですからね、
お笑い学会とかね、あればまた
発表できるかも、お笑い工学
研究会とかあればね、
できるかもしれないんですけども、
まだまだその学問としては全然認知もされてないし、
学問になるかどうかも分かってない。
ただこれが、16世紀、17世紀の
温度に関する
研究っていうのはそのレベルだった
わけですよ。で、ガリレオ・ガリレイ
であったり、ニュートンで
あったり、
後のランフォード
伯爵であったりとか、
ケルビン伯爵が、
ケルビンは伯爵かどうかわかんないけど、
ケルビン教だったりとかが踏み込んだことで、
それがサイエンスになっていった。
だから、
これは心理状態扱うもの
ではあるけど、布なんかだとね、
逆にそれが100%
心理でもない、
心理整理でもないでしょうし、
そういったものを
設計していく、デザインしていく
っていうのは、
デザインであり、エンジニアリングの
大きなチャレンジになる
というね、お話をさせて
いただいたんですけれども、
皆さんね、そういう意味で
まだ測れないもの、測れる
言葉はある、空気感、温度感、
熱量みたいな、言葉はあるんだけども、
数値化されないもの、
されてないもの、
温度計がなかった時代の温度のようなもの
っていうものをぜひね、
探してもらって、
これにメモリ付けたら、
57:00
どうなるだろうというのを考えてみてください。
ひょっとしたら、皆さんの名前が
単位になるかもしれないんですよ。
ケルビンみたいにね、
例えばゼロケルビンみたいなね、
みたいに、
あるいはセルシウスみたいにね、
摂氏みたいな呼び方が、
明治の人っていうのは、
西洋の
科学者に対しては、
なんとか氏っていうのをつけてね、
礼儀正しく引用してますから、
摂氏、
家氏みたいな名前が、
あるかどうかわかんないんですけども、
あるのは、1ニュートンとか2ニュートンって、
力学のね、力の単位に使われたりとかってあるように、
皆さんの名前が単位になるかもしれないです。
なのでね、
ちょっと考えてみてほしいなと思うのが、
今日の授業の趣旨でした。
この後、
60分弱しゃべっているので、
YouTubeにアップして、
見ていただこうと思っています。
今日の課題としては、
ぜひ30分くらいは考えてほしいなと思うことがあって、
授業の中でも90分の中で、
30分くらい考えてほしいなと思うのは、
一例は、
人間関係の空気感、
温度感みたいなのがあると思うんですけども、
測れないもの、
現在の技術では、現在の定義では測れないものだけども、
きっと何か100年、200年後には、
メモリというものが作られているかもしれないというものを、
ぜひピックアップして考えてみてもらえたらと思います。
というわけで、
デザイン情報獲得論の、
これ第何回やったかな、12回かだ。
ちょっと回数分からないので、
後で調べて、
YouTubeのタイトルにしておきたいと思います。
今日も聞いてくださってありがとうございました。
ちゃんと考えておいてくださいね。
次回の授業は多分対面と、
Zoomのリアルタイムのハイブリッドでできるかなと思っています。
ではこれから京都経由で長崎に戻ります。
ではお疲れさんでした。
59:11

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