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いちです。おはようございます。今朝もですね、屋外でこのポッドキャストの録音と、それから動画の撮影をさせていただいています。
もうだいぶね寒くなってきたので、こんな風にダウンジャケットを着て防寒をしながらね、お話をさせていただきたいと思っています。
今朝は長崎県美術館の、これはね裏手にあたりますね、入り口と反対側なので裏手にあたるところからお話をさせていただいています。
県美術館ね、動画で見てくださっている方はこのように運河に囲まれていまして、今日はその運河の前からお話をさせていただこうと思っています。
ちょっと寒いので手をこすりながらお話をねさせていただいています。
今日何のお話をさせていただこうと思っているかというと、僕毎週ニュースレターを発行させていただいているんですけれども、そのバックナンバーの中で、このポッドキャスト動画でね、触れてなかった話題があったなと思いまして、その一つオミクロンという文字についてのお話をさせていただこうと思っています。
オミクロン株という新型コロナウイルスの変異株ですね、日本にも入ってきているというニュースが最近聞くようになっていますけれども、オミクロンという文字であったり言葉であったり、これはご存知の通りギリシャ語の文字なんですけれども、普段使わないですよね。
科学の世界でもオミクロンというのはあんまり使うことはないかな、同じギリシャ文字でもアルファとかベータとかはよく使うんですけれども、オミクロンはあんまり使わないかなという気がします。
そもそもなぜ科学であるとか医学の世界でこのギリシャ文字を使うのか、ギリシャ語を使うのかということについてお話を簡単にさせていただいて、これ実は受験シーズンではあるんですけれども、受験生の皆様にもちょっとギリシャ語の扱いというので気をつけてほしいことがあるので、そんなこともお話しできればなと思っています。
科学の世界、サイエンスの世界で世界共通の言葉、科学に国境はないのでいろんな国の人と会う機会というのはあるわけなんですけれども、そういうときにどんな言葉でしゃべるかというと、現在は英語を使います。科学の世界での共通語というのは英語です。
ただこれが世界共通、科学の世界の共通語が英語になったのはそんなに長い歴史があるわけではないんですね。
正確に言うと、皆さん英語圏出身とは限らないので、英語ネイティブでない人はたくさんいらっしゃるので、そっちの方が多いので、科学の世界の共通語はブロークンイングリッシュだというふうな言い方をよくします。めちゃくちゃ英語ですね。
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例えば、アイザック・ニュートンという物理学の大科学者がいらっしゃるんですけれども、数学者でもいらっしゃったアイザック・ニュートン。彼はイギリス人で英語圏の人なんですけれども、彼は教科書を何語で書いたかというと、ラテン語で書いているんですね。
プリンキピアという有名な物理学の本がありますけれども、ラテン語で書かれています。
ニュートンがいたのは18世紀ですかね。当時の科学の世界の共通語というのはラテン語だったわけですね。英語ではなくてフランス語でもなくてラテン語でした。
当時、ラテン語を喋っている人もすでにいなかったんじゃないかと思うんですけど、バチカンを除けばですね、いなかったんじゃないかと思うんですけれども、そんな言葉が科学の世界の共通語でした。
さらに200年ほど遡って、ガリレオ・ガリレイの時代、当時科学という言葉もなかったかもしれないんですけれども、自然哲学者たちが何語で本を書いたかというと、これはギリシャ語になります。学問の言葉はギリシャ語でした。
当時は、イタリア語と呼んで差し支えないのかどうかわからないんですけども、現代的なラテン語が喋られていたと。
イタリア語と呼んでいいんでしょうかね、400年ですからね。
ガリレオ・ガリレイはギリシャ語じゃなくて、当時のイタリア語で天文大和という本を書いたということで、センセーショナルだったわけなんですけれども、当時は古典的なギリシャ語が使われていた。
これ日本でも似てませんか、江戸時代まで大事な文章って漢文で書いてたわけですよね。つまり古典的な中国語で書いていたわけですよね。
理由はいくつかあると思います。例えば20世紀になっても、イギリス文学なんかにちょっと大事なところフランス語を使ってあったりとかするので、アガサ・クリスティとかをですね、現状で読むとそこでだいたい激沈するんですけど、僕の場合は激沈するんですけれども、
知的アピールのために、教養アピールのために外国語を使う。日本でも漢字がたくさん入っていると賢く見えるじゃないですか、というのもあったと思いますし、あるいは日常と学問の世界を若干切り離して考えるために、その学問の言葉というものを使う。
例えば、今時は言わないかもしれないんですけれども、病院で骨のことを骨と言わずに骨と呼んだりとかするのは、骨って言うとあまりにもお魚の骨とか、チキンの骨とか、共通の意味になっちゃうので、人間の骨に関しては区別するために骨と呼んだりとか、現在はボーンと言いますかね、と呼んだりとか、外国語を使う。
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あるいは漢語を使うということがあったのかもしれません。もう一つは、やはり学問のある種リスペクトもあると思います。
学名なんかが今でもラテン語で付けられたりとか、星の名前を順番にアルファベータと呼んだりとか、あるいは星のニックネームですね、アルデバランであったりとか、今パッとオウシザのアルデバランが出てきたんですけれども、他もいっぱいありますよね、冬の星座が出てくれば、オウシザも冬見えるけど、オリオン座とかですかね、
寒くてリゲルと、カストラとフォルクスは双子座だな、急にオリオン座が出てこなくなっちゃった、リゲルとベテルギウスですね。そういうのも古典的な名前から来ています。
ほとんどがアラビア語由来ですが、星の名前は星座はアラビア語由来が多いんですけれども、そういった古典を使うというのはある種、戦時へのリスペクトというところもあると思いますし、現実の日常と区別するためというのもあると思います。
特に新型コロナウイルスの変異株に関して、あまりに日常的な名前を使うと、それが不容易な差別につながったりする可能性もあります。
例えば、100年前のスペイン風邪ですね。スペインで別に発生したわけでも、スペイン人が持ち込んだわけでもないんですけれども、スペイン風邪という呼び方が定着してしまって、これはスペインに対して不当な差別につながるんじゃないかというふうに現在でも懸念されています。
なので、スペイン風邪という呼び方は定着してしまっているけれども、学名にはなっていないです。
新型コロナウイルスに関しても、地名であるとか、あるいは動物名を使うのはやめましょうと、例えば、ある特定の動物から移ったというふうに誤解を招くと、その動物に対して意味嫌われるようなことが起こるということがあるので、地域名、それから動物名はやめましょうということで、
ただ、数字だと覚えにくいので、結局選ばれたのが文字を使いましょうということで、英語が共通言語ですから、じゃあABCでつけていけばいいのかというと、これは誤解を招きやすく、例えば声に出すとか、文字に書いたとして、変異株のこと、英語でバリアントと言うんですけれども、Aバリアントと言うと、
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不定関係のAと同じ発音になるし、同じスペルにもなるので、一つの変異株、とある変異株という意味と、それからA型の変異株というのと、英語では地面上区別がつかなくなるので、そういうABCというのはできればやめたいということで、
次に、ラテン文字は英語はほとんど変わらないですから、ギリシャ文字が選ばれたということになると思います。アルファ、ベータというふうに続いていって、現在オミクロン株まで来ている、変異株はものすごくたくさんあるんですけれども、その中でも特に注目すべき変異株に、こうやってアルファから順番にギリシャ文字を割り当てている。
数学の世界であるとか、それから物理学の世界であるとかでは、よく使います。これ同じ理由で、アルファ、ベータ、ABCも使うんですけれども、ABCが足りなくなっちゃうこともあるので、アルファ、ベータ、ガンマ、デルタ、エプシロンという文字は、日本ではイプシロンというふうに発音します。
ただ、正確にはエプシロンの方が正しいですね。
今度オミクロン株は、一つ目がミュー株という文字だったんですね。ミューの後にニュー、クシーと続くんですけれども、そのニューとクシーはスキップされました。
ニューは英語の新しいという意味の発音上区別が使わないということでスキップされたんですが、その次のクシーという文字、これもスキップされました。
クシーというのは英語読みで日本語ではよく言われるのがグザイという発音ですね。多分数学者の方であるとか物理学者の方で日本出身の方はグザイという読み方の方がよく使われているんじゃないかなと思います。
英語ではクシーだと思うんですけれども、アルファベットでXIと書くんですけれども、これが中国語のCという発音のラテン文字表記って言うんですけれども、
Cという発音の、中国語のCという発音の英語表現なんですね。これ何が問題になっているかというと、中国の主席習近平さん、これが中国語の発音で、僕はちょっと全然中国語の発音できないですけれども、
習近平さんですよね。その苗字の習さんが英語名でCさんになるので、文字が一致してしまうと。そうすると日本語で言うと習変異株みたいな意味になってしまうので、Cバリアント、本当はクシーと読むんでしょうけども、
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あと英語でも学術的に正しくはZaiって読むはずなんですけれども、皆さんXIって書いてあったら習近平さんを思い出してしまうので、これはスキップしましょうということなんだと思います。WHOはそういうふうな言い方はしてないですけれども、明らかに忖度だろうなというふうには思います。
その次がオミクロンで、その次がパイという円周率で使うパイという文字が来ます。これもPIって書くと、中国語のピータンのピーって変わっている字ですよね、日本語で言うと。
Pさんという方も中国にはいらっしゃるんですけど、有名な政治家にはいないようなので、おそらく次はパイ株になるんだろうなとは思うんですが、このギリシャ文字、特に先ほど申し上げたクシー、グザイですね、書き方が難しいです。
受験生の皆さん、これから数学の筆記試験というのを受けられる方もいらっしゃると思うんですけれども、試験問題中にギリシャ文字が指定されていない限りは、あえて使う必要はないかなと思います。
たまに試験問題の中にTとタウ、ギリシャ文字のタウが使われていて、どうしても使わざるを得ないということがある場合はあるんですけれども、その場合はTとタウをしっかり区別して書いていただくしかないんですけれども、ここでわざわざグザイを定義して使うとかね、
そしてそのグザイをちょっと焦って書き間違えて、これなんじゃってね、なるのはバカバカしいので、読みやすい文字で、きれいな文字である必要はないですけれども、読みやすい間違いのない文字を使ってもらえたらと思います。
ギリシャ文字と英語アルファベットを全部合わせても、だいたい50種類ぐらいしかないんですよ。足りないんですよ。試験問題はね、たくさん作ってますけれども、現実の世界では記号が足りないということはしょっちゅう起こってます。
数学の世界で今起こりつつあるのがすごく面白いなと思うのが、時々ひらがなが使われていたりとかします。
確かにね、ひらがなはちょっと可愛らしいですよね。曲線が多くて。逆にね、使われることは当分ないだろうなと思うのがカタカナですね。カタカナはやはりカタカナ文化圏、カタカナというか日本語話者以外から見ると区別がすごく難しいです。
これはね、アラビア語の文字も一緒だと思う。我々から見たらアラビア語の文字っていうのは区別がつきづらいのと一緒で、
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日本語話者以外から見るとカタカナというのは縦横縦横で区別がつきづらいのと、
あとハングルはね、パーツでこうできているので記号として使うにはちょっと流度が細かすぎて使いづらいかなと思って、
だから次、科学者たち数学者たちの所有としてひらがなっていうのがね、使われる時代が来るかもしれません。
あと10年20年したら、ひらがなが数学の論文の中に踊る時代が来るかもしれません。
そんな話をさせていただきました。今日はこの辺で終わりたいと思います。
また次のポッドキャスト動画でお会いできればと思います。
聞いてくださってありがとうございました。イチでした。