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2020-11-05 17:24

018. ガリレオ・ガリレイと振り子時計

「時間」を事実上発明したとも言える天才科学者ガリレオ・ガリレイについて語りました.

毎週金曜日朝7時にアート,リベラルアーツと科学技術に関するニュースレター『STEAM NEWS』を発行しています.YouTube,ポッドキャストでまとめもお送りしています.

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いちです。おはようございます。
今日は、長崎大学のシーボルト記念植物園というところで録画と録音をしています。
シーボルト記念植物園というのは、シーボルトですね。
オランダ人医師、実際にはドイツ人だったそうなんですけれども、
シーボルトが日本で収集してヨーロッパ、オランダに送った植物ですね。
オランダのライデン大学というところにまだ残っているそうなんですけれども、
そこからまた株分けしてもらって、長崎に持ってきた植物を含む植物が育てられていて、
長崎大学の薬学部が管理しているようなんですが、
本学の学生であれば、フラッと立ち寄ることもできるような場所です。
大変興味深い植物がたくさん植わっていて、
僕の右手にはちょうどキビフルーツがなっているんですけれども、
主にこの薬草とかですね、一部には毒性を示すものもあるようなんですけれども、
薬学の観点からいろいろ解説が書いてあって、
僕なんか文外観ですけれども、非常に楽しめる場所になっています。
ぜひ一度橋を運んでもらえればというふうに思います。
今日は前回、時間と時刻ということをお話ししたんですけれども、
その時間について、イタリアの天才科学者、僕のヒーローでもあるガリレオについてお話をしていきたいと思うんですね。
ちょっと話が変わるんですけれども、このYouTubeを高校生の方も見ていただいているということを
昨日知りまして大変ありがとうございます。
高校の出前講義とか模擬授業とかで高校生に向かってお話しすることもたびたびあるんですけれども、
その中でもいつもガリレオの話は必ず挟んでいるんじゃないかなと思います。
ガリレオはね、ガリレオ以前に僕は科学というものはもうなかったというふうに思っていて、
これは現在の物理学者のワインバーグという方も同じことをおっしゃっているんですけれども、
ガリレオを科学者と呼ぶのは本当はおかしいかもしれないというのは、
いつの時代もその以前の時代からどう変わったかというのを考えないといけなくて、
ガリレオの時代には科学というものがなかったから彼を科学者と呼ぶのは、
同時代の人からしたら何それという感じだったのかなとは思います。
ただ、高生の我々から見ると、ガリレオで始めた科学というものが始まり、
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物理が始まり、天文学が始まっただろうなというふうなことは言えるわけです。
ガリレオは何が偉いか、多分たくさん業績があって、
その中の一つに地動説を強固なものにしたというものもあります。
地動説でコペルニクスが唱えて、ケプラーも経産に貢献をしていて、
ただ決定的な証拠を与えたのがガリレオによる観測だったわけですね。
考えてみればすごいことで、我々普通にしていれば地球が動いているなんて思わないわけですよね。
地球の周りを太陽が回っているし、月が回っているし、他の惑星が回っているし、
恒星が回っているって思いますよね。
21世紀の今になってすら太陽系全体を俯瞰してみた人はいないわけです。
ボイジャーのような惑星探査機も太陽系の高天面に沿って飛んでいっているわけですから、
太陽系を上から見下ろすとか、そんな視点を持った人はいまだにいないわけですよ。
だから地球が太陽の周りを回っているということを直接見た人はいないんだけれども、
ただ状況証拠を積み上げていくと、地球が太陽の周りを回っていると考えざるを得ない。
それを最初に証拠を突きつけたのがガリレオ・ガリレイだったわけですね。
彼はいろんなものを観測しました。
彼自身が望遠鏡を発明したわけではないですが、望遠鏡はオランダで発明されているんですけれども、
すぐにそれをコピーして改良してガリレイ式望遠鏡というものを発明して、
それであらゆる天体を観測しています。
後に失明の原因になったであろう太陽の観測もしていますし、月も見ていますし、
木星を見て木星を回る四大衛星、今ではガリレイ衛星ですね。
ガリレオというのがファーストネームで、ガリレイがファミリーネームなんですけれども、
イタリアの偉人はファーストネームで呼ぶのが習慣なんですね。
ミケランジェロとかラファエロとかダンテとかですね。
日本の教科書だとガリレイって書いてあることも多いんですけれども、僕はガリレオと呼ばせてもらっていて、
ガリレオガリレイの四大衛星というものがあったりとか、非常にたくさんの状況証拠というのを彼は見つけています。
それから彼はジャーナリストとしても優れた人で、天文対話という本をですね、
当時学術書というのはラテン語で書かれるのが当たり前だった時代に、みんなが読めるイタリア語で書いて、
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しかも当時の教会の配慮はあったと思うんですけれども、一般の人に読めるように対話形式で、
登場人物が出てきてね、対話形式でちょっとおバカなシンプリチオ君とかね出てきて、非常に読みやすく書いていて、
なんと当時すぐに発見にはなっているんですけれども、日本語訳がイワナミから出ていたりとかして、
現在でも読まれているベストセラーを書いていたりとかもします。
もう一つね、僕があまり語られることのない点なんですけれども、ガリレオはやっぱり技術者としても優れていて、
後に時計というものの図面を残しています。
実際には彼は失明した後だったので完成することはできなかったようなんですが、
その後ホイヘンス、ハイゲンスという方が最終的にものを完成させています。
それは何かというとフリコ時計なんですけれども、なのでガリレオが図面を書くまでは時計というものがなかった。
時計がないということはストップウォッチもなかった。
時間を測るということができなかったわけです。
考えてみれば、今日常的にあるもので時間を測ってください、
例えば時刻を知りたいであれば日時計を立てることができる。
ところが時間を測ってくださいと言うとこれは非常に難しい問題なわけですね。
砂時計、水時計、ある程度知識があれば作れるかもしれないし、
ひょっとしたら賢い人なら発明しているかもしれない。
現に古代、古代エジプトとかバビロニアとはまた独立に中国でも発明されていた形跡があります。
なので賢い人がいれば砂時計、水時計、ある決まった時間を測るということはできたかもしれない。
でもそれはキッチンタイマーであってストップウォッチではないんですね。
ストップウォッチを作るために何が必要かというと決まった時間を刻む現象ですね。
例えば10分に1回必ず鳴く鳥がいるとすればその鳴き声を数えれば何十分たったってわかるわけですけども、
そんな鳥いますかねと言うといないわけですよ。
自然界の中で波はどうだろうかというと波は結構ばらつくわけですよね。
結構難しいわけですね。
1日という単位は必ず繰り返すけれどもそれより細かい単位、1時間に1回何かが光るとか30分に1回何かの音が鳴るとかという現象がなかなかなかった。
ガリレオは何を使ったかというとガリレオは時間をどうしても測りたかったそうなんですね。
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何が彼を操作させたのかわからないけども何が彼をして時間を測らせようとしたのかわからないけども
とにかくガリレオは時間を測りたかった。
彼は自分の脈拍を使いました。
非常に安静にして運動したら脈拍数が上がっちゃうので安静にして
そうすると成人男性でしょうからおそらくは1分間に70回ぐらいですかね脈打っていて
これが微妙に異なることはあるにしても一番ガリレオが手にすることができて一番安定した周期的な現象だったわけですね。
これを使って物事の時間というものを測り始めました。
いろんな物理現象の時間を測ってみました。
そこで彼は大発見をするんですね。
それが何かというと振り子です。
当時教会に行くと振り子に相当するもの、例えばロウソクを釣っているであるとか
それからカソリックの教会なんかお香を焚きますよね。
長崎はカソリックの教会が多いので僕の母はプロテスタントの家に育ったので全然知らなかったんですけども
カソリックの教会はお香を焚くんですよね。
天井から長い針金みたいなもので釣ってそこでお香を焚いて、ゆっくり揺れたりとかします。
教皇なんかが歩かれるときにその前をまたお香を揺らしながら歩いたりとか
僕の大好きな映画監督のスタンリー・キューブリック監督のアイズワイドシャットという映画の中でも
そのお香が印象的に使われているシーンがあります。
高校生の方も見ていただいているんですよね。
アイズワイドシャットは裸がいっぱい出てきてですね、高校で上映するのはちょっとどうかと思うんですけども
みんな見たいよね。家で見る分にはいいんじゃないかなと僕は思います。
いい映画なのでぜひ見てください。
トム・クルーズとニコール・キッドマンが出ている映画なんですけども
話を戻して、非常に天井の高いところから振り子でお香を焚いていたりとか
シャンデリアのようにロウソクをつけていたりとか
振り子ですね。振り子は揺れます。揺れるんですが、揺れ幅というのは徐々に変わっていきます。
最初は大きく揺れていて徐々に揺れが小さくなっていく。
ところが揺れる時間が変わらないんですね。
これ振り子の当時性という現象なんですけれども
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たぶんここで物理学をやると必ず出てくる内容だと思います。振り子の当時性。
よく大学の入試問題なんかでも振り子の当時性を扱った問題でセンター試験とかでも出てくる。
今年共通テストですね。出てくるんじゃないかと思うんですけども
振り子から重力加速度を求めたりとかそんな話もあるかと思うんですけども
振り子が同じ周期で動くんだ。振れ幅に関係なく時間が変わらない。
つまりここに時間を測る鍵があったわけですね。
これを発見したのがガリレオ・ガリレイで
ガリレオがそれを元に晩年失明した後、振り子を使って時間を測る装置、つまり振り子時計ですね。
発明します。図面を書きます。
すごいことですよね。
当時は2つ理由があって物理学というのは現代の形で生まれなかったのは
1つは時間を測るということができなかった。
ところが物理現象というのは時間によって記述されているわけです。
例えば後にニュートンが見つけるニュートンの運動方程式、これも時間に関する方程式です。
ケプラーが見つけた惑星の運動法則ですね。
そのニュートンの運動方程式の元になった自然現象ですけれども
これも時間というものが決定的な役割を果たしています。
ところが当時時間を測るという気持ちがなかったこと、
それからもう1つ僕が疑っているのはガリレオ・ガリレの時代って
やっぱりギリシャの哲学者たちあるいは数学者たちがもう万歳な時代なわけですね。
ルネサンスという時期もあったと思うんですけれども
アリストテレスがものすごく偉かった、それからアルキメデスがものすごく偉かった。
例えばアリストテレスは結構無茶苦茶なことも言っているわけです。
良いことも言っていますが現在でも通じるようなことも言っていますし
また別の機会があればアリストテレスの詩の学問にも触れていきたいと思うんですけれども
アリストテレスが言ったことの中の1つに有名な例でいうと
物体は重いものは早く落ちると言ったわけですね。
お前見たんかという話ですけれども、彼は直感してそう言っちゃったわけですね。
もう1つ氷は平べったいから浮くということも水に浮くということも言っているそうです。
ガリレオの辞典を読むと彼は四角い氷を作って、つまり平べたくない氷を作ってそれでも浮くから
アリストテレスが言ったことは間違っているんじゃないかと言ったわけですね。
これは当時として非常に画期的なことだったそうで
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アリストテレスに向かって反論したというのは非常に画期的なことだったそうです。
教会がアリストテレスの説を非常に強力にバックアップしたということも時代背景としてあったかと思います。
もう1つアリストテレスとセットで考えないといけないのがアルキメデス
あるいはユークリッドなんかもそうかもしれませんが、当然ギリシャの数学ですね。
ギリシャの数学というのは気化学を中心にしています。
そのために物理現象というものをすべて気化学的に解釈しようという強い動機があったんじゃないかという
例えば物が転がるというのは転がったんだから転がった時間じゃなくて転がった距離で測ろうよとかそういう発想があると思うんですね。
これは残念なことに21世紀の現代の我々にもそういうモチベーション
残念かどうかは別にして強くあることは認めざるを得ない
例えば20世紀のアルベルト・アインシュタイン、もう1人の大天才なんですが
彼は時間というものを気化学的に解釈することに成功した人です。
特殊相対性理論、一般相対性理論、これは気化学の理論です。
それに対して20世紀後半のリチャード・ファインマンというアメリカ人物理学者
ノーベル賞を取っておられる大科学者ですが
彼は何でも気化学にするんじゃないよということも言われています。
そこら辺、物理の世界、科学の世界、天文学の世界でも
そういったちょっとした個人の思いみたいなものが法則に反映されているというのも面白いところかなと思っています。
今日はガリレオの話のほんの入り口の部分だけだったんですけれども
時間が来たようなのでこの辺で失礼したいと思います。
聞いてくださってありがとうございました。
YouTubeの方は見てくださってありがとうございました。
また次回の録画録音でお会いしたいと思います。
それでは。
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