辺野古と主権者教育
2026-06-05 15:12

辺野古と主権者教育

元サンデー毎日編集長・潟永秀一郎と毎日新聞出版代表取締役社長・山本修司、2人のジャーナリストによるラジオコラム。毎月第四金曜日には、元作詞家志望だったという経歴も生かして、潟永秀一郎がヒット曲の歌詞を読み解く「この歌詞がすごい」をお送りします。

※RKBラジオで毎週金曜日に放送している『立川生志金サイト』内のコーナーです。

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サマリー

沖縄県辺野古沖での高校生船転覆事故をきっかけに、文部科学省が平和学習に政治的中立性を欠くと認定し是正指導を行った件について、教育現場の教師たちの懸念が語られる。政府や自治体の主張は分かりやすいが、反対運動の背景学習には時間がかかり、中立性の判断が難しいという。この指導は、主権者教育の萎縮につながる可能性が指摘されている。

辺野古沖での事故と文部科学省の指導
さて、今日の学ぼう社会のカギなんですけれども、沖縄県名護市の辺野古沖で、修学旅行中の同社国際高校の生徒らが乗った船が転覆し、女子生徒と船長が死亡した事故から約3ヶ月が経ちました。
この事故をめぐっては、文部科学省がこの高校の平和学習に対して政治的中立性を欠いているとして、教育基本法に違反すると認定をしたということなんですが、このことが教育現場に大きな波紋を広げているということなんですね。
この問題に関しまして、毎日新聞出版社長の山本修司さんは、現場の教師らから様々な声を聞いてきたということですので、今日はそうした声を踏まえて、いろいろと解説をしていただきたいと思います。
山本さん、おはようございます。
おはようございます。
おはようございます。よろしくお願いします。
この事故は3月16日に起きたんですけれども、この第一報を聞いた時、私はすごく嫌な予感がしたんですね。
それは沖縄の基地問題をはじめとして、いわゆる政府の方針に反対するような活動ですね。
またこういった活動を学ぶことに対して、この事故を機に圧力がかかるんじゃないかということを心配したんですね。
なるほど。
高校の側、それから船を運営していた側ですね。
こちらに図3の安全管理があったというのは、これも批判されてもしょうがない問題なんですが、
一方で基地の移転の反対運動という賛否両論のある問題を一緒くたにして、反対の活動そのものが問題だと位置づけられてしまうことを私は危惧したんですね。
実際、政府の主張に近いメディアといくつかあるんですけれども、ここはやはり図3の安全管理と政治的に偏った平和学習という言い方でセットにして、批判して、そういう報道を展開しているんですね。
先ほど消費者さんがおっしゃったように、文部科学省が高校の平和学習について政治的活動を禁じる教育基本法に違反するということで是正を指導したんですね。
これは1947年に教育基本法ができてから初めてのことなんですね。
私の嫌な予感というのは、実は想定以上になってしまったということなんです。
なるほど。
辺野古移設問題の背景と教育現場への懸念
辺野古の問題というのは、米軍普天間飛行場というのが市街地にあるため、その危険性を除かなきゃいけないということで、辺野古へ移設しましょうという話なんですね。
普天間飛行場が危ないということは論を待ちませんので、この点については争いがないんですが、その辺野古への移設については政府と沖縄県の間で対立しているんですね。
政府は危険性の除去とそこにいる海兵隊の抑止力を両立させるためには、大体施設として県内の辺野古に移設する以外に選択肢はないという立場なんですね。
一方で沖縄県というか沖縄の県民は、ここに移設したって県内ということで沖縄の基地負担は変わらないと。
沖縄の基地負担というのは、日本の国土面積のわずか0.6%の沖縄に70%を超える基地が集中しているということなんですけれども、この状況は全く変わりませんし、埋め立てによって環境破壊にもつながるというようなことでは反対しているんですね。
ここでは詳しく触れませんけど、この問題では、いろんな国の安全保障とか地方自治をめぐって、四方の場でもいろいろと争ってきたという経緯がある。
でも私が最も心配しているのは、これが教育現場に影響が出ているということなんですね。
私も決して教育は専門ではないんですが、新聞を教材として社会への関心を高めて、読解力とか情報を活用する能力を育てようという活動、NYEという活動があるんですが、
これはニュースペーパーインエデュケーションの略ですね、NYEというんですけど、ここにちょっと関わっていたことがあって、教員の知り合いはとても多いんですね。
この人たちが辺野古の事故を受けて、さまざまな声を私に届けてくれているということなんですね。
特に高校の先生は、今、出見者教育というのに力を入れていますので、なおさら心配しているということなんですね。
この出見者教育というのは何かというと、2018年に選挙権の年齢が18歳に引き下げられましたよね。
それを受けて、社会の仕組みとか選挙制度なんか、知識だけではなく、地域の課題を自分ごととして捉えて、その解決に向けて議論したりとか、また学内で模擬選挙を実施して選挙を経験したりという、いわゆる探究的な学びですね。
これが出見者教育で、文部科学省も推奨しているんですね。
ただ、今回の問題でもちょっと触れましたけど、文部科学省は授業の中で、お互いのそれぞれの主義主張を支持したり、また反対したりとか、その活動に参加するようなことですね。
要するに、そういうことをしないようにという指導をしていて、学校の現場も公平性とか中立性というところを非常に苦心しているというところなんですよね。
でも、教育現場は非常に大変だということなんです。
教師たちの声と中立性の難しさ
ある先生が言うには、政府とか自治体の側の主張というのは非常に分かりやすい。基地問題でも、普天間危ないから辺野古に動かすんですよというようなことなんですけども、
反対側の主張というのは、何で反対しているのかとか、その背景にあるものですね。
例えば沖縄で言えば、基地が集中しているとかですね。そういったことを勉強しなきゃいけないんで、かなり時間もかかるし、近くやっていかなきゃいけないんで、どうしても時間がかかると。
そうすると、そっちのほうが割合が多いから、中立じゃないと判断されたら非常に困るということなんですよね。
今回、辺野古の事故では、文部科学省は死亡した船長さんで、この方が移設工事への抗議活動をしていた当事者だったということですね。
それから、沖縄に行った事業では、事前の学習では、沖縄県反対する側の議会以外を扱った形跡がないと。要は、もっと政府側のことを勉強しなさいということなんですけども。
それで、特定の見方、考え方に偏っていたという、そういう見解を示したんですね。
ですから、ここに非常に教師の方々は心配していて、どういうことを言っているかというと、沖縄でまず反対する人たちの声を聞いて、その立場を理解することが目的で言っているので、
政府側の見解はその後でも学習できるわけですね。
一つの事業だけ捉えて中立性を判断されても非常に困ると。
しかも教育基本法違反にまで踏み込んで判断されるというのは、現場としては非常に怖いというような意見が出ているんですよね。
非常に戸惑っているということなんですけども、この辺どうですかね。
教育基本法と報道における公平性
やっぱり教育基本法という法律を盾に、要は文部科学省という国体制側が何か教育現場に介入してくるというのは、やっぱりちょっと僕は違うかなと思いますよね。
中立性といえばそうなのかもしれないけど、今山本さんから聞いたとおり、まず沖縄の場合はいろんな歴史もあるし、その中でなぜ反対している人がいるのか。
簡単にそれを、要は左寄りの人たちだと決めつけるのではなく、じゃあなんでそうなのか。
あるいは沖縄県知事がなぜそうしているのかということを現地で学ぶというのは、船の事故は痛ましいことなんだけど、大事なことだろうとは思いますけどね。
そうですよね。文部科学省が言うように、ちゃんと中立性を保つために行っている現場の教育が、かえってこういうふうに介入されると、萎縮してしまって中立性が保たれなくなりそうですよね。
そうなんですよね。今回ももちろん船の事故というのは非難されるべきですけど、学習すること自体に批判がいくというのはちょっと筋が違うなと思うわけですね。
実はこういった例が他にもあって、選挙報道なんですね。
昨年7月の参院選の際にはTBSが報道特集の中で賛成党を取り上げたんですが、賛成党が選挙報道としては公平性中立性を欠いているということで激しく抗議したんですね。
これは放送法4条というのがありまして、これは政治的に公平じゃなきゃいけませんよというものなんですけども、2014年にも衆院解散された直前に自民党がNHKとか在京の報道各社に民放を選挙報道の公平中立を求める要望書を出したりとかですね。
あと2015年には参議院の総務委員会で、当時の高市総務大臣、今の総理大臣ですね、一つの番組でも極端な場合には放送法4条にある政治的公平を確保しているとは認められないという趣旨の答弁をしたんですね。
これは要は普通、いろんな番組をやりますので、全体としてそれがバランスが取れているかということを見るはずが、特定の一つの番組でも判断できるというかた。
これは辺野古での学習もそうですよね。沖縄で行った学習のみを捉えて中立はないよと、反対側だけしか勉強していないのでというのとちょっと同じようなことなんですね。
やっぱり私は当時、選挙報道への政府とか政党の働きかけを見ても、やっぱり自分たちに都合の悪い情報の発信は許さないよというような献成の意図を読み取ったんですね。
ですから先ほど消費者もおっしゃいましたけど、私も今回の文部科学省には同じような匂いを感じて非常に危惧したということなんですね。
ですからやっぱりこういった、水木さんおっしゃったように萎縮するような、こういったことが今後増えていくのではないかと心配しているわけです。
ですからこの放送法の問題と今回の教育基本法の問題、こういったものがつながっているわけですね。
主権者教育の重要性と今後の課題
もともと政府とか政党とかそういった公のところは自分の主張を伝える手段とか寄与というのは持っているわけですね。
そういうところがまずはこちらの主張を理解しろと言わんばかりの姿勢には大変疑問を感じますし、
本来政府というのは批判や反論に晒されるべき存在であって、そういう認識が非常に欠けていると思うわけですね。
ですから法律を縦にした措置というのは逆ることが難しいんですけども、萎縮してしまったら相手側の思うツボだということになってしまうんですね。
ですから主権者教育、今回もちょっと触れましたけど、こういったものは非常に大事で、
政府とかそういった主張も多様な意見の一つということで当然確認するとしても、
それとは違う意見について過去の経緯とか、歴史的な背景とか、政府とはどんな関係にあるのかとか、
そういったことをしっかり学んでいくことは重要だと思うんですね。
それが本当の意味でのバランスではないのか、中立というかですね。
そういった教育を進めていく必要があるなと改めて感じた次第なんです。
教育って本当に難しいと思うんですけど、言っても僕らでも学校で教わった歴史とかよりも大人になって自分で調べて、
日中戦争はこうだったんだとか、それで太平洋戦争になってみたいなとか、
学校の教育だけではちょっと足りない、受験用の勉強になっちゃってるからね。
そうですね。
そういうことを教えられる現場であってほしいし、
そこに国がいろんなことを言ってくるのはやっぱりちょっとおかしいということを認識しておかないとダメですよね。
はい。
まとめと今後の教育への期待
ということでありがとうございました。
今日はですね、本当に辺野古の事故は痛ましいことなんですけども、
それ一つを捉えて、それが教育的にどうなんだっていうのは違うよ、
受験者教育ということについてお話を伺いました。
毎日新聞出版社長の山本俊さんでした。
どうもありがとうございました。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
15:12

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