ホール難民、老朽化などで使用できるホールが減少
2026-06-12 16:25

ホール難民、老朽化などで使用できるホールが減少

元サンデー毎日編集長・潟永秀一郎と毎日新聞出版代表取締役社長・山本修司、2人のジャーナリストによるラジオコラム。毎月第四金曜日には、元作詞家志望だったという経歴も生かして、潟永秀一郎がヒット曲の歌詞を読み解く「この歌詞がすごい」をお送りします。

※RKBラジオで毎週金曜日に放送している『立川生志金サイト』内のコーナーです。

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サマリー

全国的に音楽ホールが不足しており、「ホール難民」という言葉が生まれるほど深刻な状況です。高度経済成長期に建てられた施設の老朽化や耐震性の問題、そして自治体の財政難が重なり、多くのホールが改修や閉館を余儀なくされています。特に大規模な公演に対応できるホールの減少は、文化芸術へのアクセス格差を広げ、国際的な公演の誘致にも影響を与えかねません。海外のような計画的な施設管理や、国・企業の支援が求められています。

音楽ホールの深刻な不足問題
さて、今日の社会のカギはですね、全国的に音楽ホールが足りていないという問題が深刻になっているということで、これね、音楽もそうなんですけど、落語もそうなんですよね。そのホール、落語とかをやるホール自体が本当に減ってきて、まあ耐震性とか老朽化とかいろいろあるんですけども、音楽も特にオペラとかバレー、大規模なオーケストラによるコンサートなどを上演できる2000人規模のホールが、
これ、今言ったように大規模な改修工事などで使えなくなっておりまして、ホール難民という言葉が音楽団体や音楽家、あるいはファンの間で交わされているということなんですね。ということで、今日は自らも音楽ホールの舞台に立つことがあるという毎日新聞出版の山本修司社長に、このホール不足の問題を解説していただこうと思います。山本さん、おはようございます。
個人的な経験と全国的な課題
おはようございます。落語でも困っているということですけど、いきなり私事で大変恐縮なんですけど、私は学生時代グリークラブという男性合唱をやっておりまして、今も上智大学グリークラブ、OB合唱団というのに入ってまして、男性合唱を続けてるんですね。
この4月は、アルケビさんに近い青年学院大学のグリークラブ、関西学院大学のグリークラブ、上智大学グリークラブというキリスト教の3団体のOBでジョイントコンサートを開いたんですね。東京の杉並高階堂というホールだったんですけど、首都圏なんかも特にホール不足が深刻になって、非常に苦労したんですね。
そのホールを抑えるのがまず。
そうなんです。どうにかやりたいんですが、これは全然私だけの問題じゃなくて全国的な問題で、その原因は、高度経済成長期にいろいろと建てられた施設が老朽化して、時期的に一斉に休館とか建て替えとか、そういうことになってるんですね。
上智さん、先ほどおっしゃったように、演奏しようにもホールがないっていうホール難民とか、今年が特に深刻だということで、ホールの2026年問題なんていう言葉もあるんですね。
福岡市民ホールの事例と首都圏の状況
福岡では去年の3月ですか、福岡市民会館の光景として、福岡市民ホールという素晴らしいホールがオープンしたそうで。
いやいやいや、素晴らしいですよ。
行かれました?
僕は中ホールでコケラ落としを篠介がやったんで、そのとき見に行ったんですけど。
そうですか。
ついでに大ホールも見せてもらったんだけど、いやーもう立派。
すごいようですね、立派で。
立派です。
その中ホールもある、そこで落語もできるとか、オペラとかバレエとか幅広い演目に対応できるという、2000人規模のまさにその大ホールがあって。
先日一緒にジョイントコースだった青南のOBが、福岡市民ホール、東京の人たちも負けんよとか言って、まあまあ威張ってたんですね。
いやいやいや、威張ってたというか、自慢してたんですよ。
本当立派なんだから。
それで大ホールはどこからでも見やすいよ、席の配置とか、すごくすごい工夫がされてるということですね。
私も一度行ってみたいなと思ってるんですけども。
とは言ってもいいことばっかりじゃなくて、
例えば北九州、実は今日私ここに来てるんですけども、出張でお近くにいるんですが、
北九州は2000人くらい入ってる、北九州ソレイルホールですね。
昔の九州厚生年金会館ですね。
ここは去年の4月から大規模改修に入って長期の休館なんですね。
ちょっと先になりますけど、これは大学ホールではないんですけど、
九州最大の劇場の博多座ですね。
これは2029年から1年4ヶ月に分けて休館すると。
福岡も新しいホールもできたけども、やはりいろいろと休館とかそういうことになってくるということですね。
日本で行われる公演っていうのは首都圏に集中してて、3割4割が首都圏で開かれるとされてるんですけども、
クラシック音楽の伝道と言われてる上野の東京文化会館とか、
ここは大規模改修のためにこの5月からなんと3年間も休館しちゃうんですね。
オペラバレーができるという神奈川県民ホールってのもあるんですけども、
これも去年の3月から休館してると。
渋谷にあるオーチャードホールってあるんですけど、これも来年1月4日からですね。
首都圏以外でも滋賀県にある、滋賀県立芸術劇場という素晴らしいホールがあるんですが、
これも7月から休館に入ってしまうということなんです。
先ほどオペラとかバレーとかって言いましたけど、
これやるためには実はオーケストラピットっていうですね、
舞台と客席の間に一段低くなってるんですね。
オーケストラがスポッと入るような、こういうスペースが必要ですし、
あとステージもガラッと入るためにですね、
舞台裏がすごく広くなきゃいけないとかですね、
いろんな舞台の背景に吊るしてですね、背景作りますけど、
天井も高くなきゃいけないとか、いろんな条件がつくんですけども、
こういったことができる首都圏の大きな2つのホールがもう完全になくなってしまうと、
一時的にですね、という状況なんですね。
地方の市民会館と財政難
先ほど松下さんも落語でいろんなところに行かれるの困るとおっしゃってましたけど、
地方では市民会館とか文化会館ってよくありますね、なんとか市民会館。
これも同じような状況になってるんですね。
これもやはり1960年から80年代にかけて集中的に整備されたんですね。
ですからその集中的に整備されたということよりも、
一斉に耐震不足とか老朽化が進んでですね。
2年前に文部科学省が調査したんですが、
全国にそういった施設1800あるんですけど、
その前に調査した21年、その3年前の調査から比べて32施設ですね、減少していて、
施設の15%が築50年以上と。
53%、半数以上が築30年から50年ということで、
もうすごくたくさんみんな古くなってるということなんですよね。
そこからまたちょっと時間が経ってますから、
事態はより深刻になってるでしょうということなんですね。
こうしたホールっていうのは大体自治体が運営してるんですけども、
今は自治体はですね、よく最近言われてます下水道、
よく缶が壊れて道が陥没したとかいろいろありますけども、
上下水道のこの缶がすごく古くなってるとかですね、
道路も改修しなきゃいけないとか、
一方で少子高齢化で税収が落ち込んでると、
いうようなことで財政難に悩んでるんですね。
一方でホールはやっぱりなかなか大きな公園もできなくて、
収益力があまり強くないんですね。
そうしたら自治体は上下水道とかライフラインにはですね、
お金をかけざるを得ない。
やっぱり市民の命や生活が最優先だということで。
そうするとホールの改修とか、閉館とかこうなってしまうんですね。
福岡市の事例と地方の課題
福岡は人口も増えてて財政も比較的安定してるということで、
こういう素晴らしいホールもできてですね、
まあまあいいホールなんでしょうけども、
逆にそういったところは稀なんだということなんです。
市民会館、文化会館、先ほど不足してると言いましたけど、
やっぱりこれ結構、市長さんひどいですか?
そうですよね。
やっぱり福岡市市民ホールが本当に立派なものができて、
福岡市はいいんだけど、
周りの自治体とかでもやっぱり古いホールが増えてるので、
そこで落語会とかやっていただくんですけど、
おっしゃったように税収が減ってるから、
生活インフラのほうに予算回さなきゃいけないんでね。
文化事業とかにお金がかけられなくなるとかっていうのはあると思うんですよ。
音楽でもきっとそうなんだと思うんですけど。
そうですね。
だからちょっと我々にとっては悲しいかなと。
自治体の方は一生懸命やってくださってるんですけどね。
そこをやっぱりご理解いただいて見に来ていただけると嬉しいかなと思いますけどもね。
ホールの老朽化とインフラ整備の遅れ
そうですね。
大衆工事でそういうホールが休館している間っていうのは、
なんか寂しくはなりますよね。
文化的なイベントが開催できなくなるから。
そうなんですよね。
その地域ではできないっていうのはちょっと後で触れますけども、
本当は古くなって楽屋とかもなかなかクラシックなところが非常に多いですよね。
だから女性のトイレが少ないとか、新しいところがいっぱいあるけども、
そういう問題も出てるんですね。
私はやはり首都圏で言えば、東京文化…
海外との比較と日本の劇場文化
すいません、今ちょっとフリーズしてしまいました。
首都圏で言うと東京文化会館ですか?
神奈川県民ホールとかですね。
これが同時に休館になってるっていうのは問題だと思うんですね。
欧米を中心とした文化都市では、
公共のホールになると民間の団体とか財団とか、
そういったところが施設の長期的な目標とか全体像を、
マスタープランというんです。これを共有して、
回収時期を分散させたりとか、大体施設を確保したりという、
そういう文化が根付いてるんですね。
要はあるホールが回収する場合には、別のホールは回収時期が重ならないようにするとか、
またこのホール回収するときは、このホールが使えますよとかいう、
大体の施設を準備するということですね。
だから日本で起きてるこの事態を、
日本の劇場文化の貧しさを表してるんだというような厳しい指摘をする人もいるんですね。
そうですよね。
非常に残念なことなんですけども。
ホールの三極化と将来への影響
首都圏はそういうことですけど、いろんな地方でもどういうことになってるかというと、
有数の福岡市民ホール、先ほど素晴らしいと言ってた熊本城ホールみたいなところもありますけど、
そういった主要都市に最先端のホールがある一方で、
基本には回収で長期的に使えなくなるホールとか、
それからもう閉鎖しちゃうホールですね。もう無理、回収じゃできない。
こういう三極化が進んでるというふうに私は分析してるんですね。
これを放置すると大きな問題出てくると、
先ほど水木さんおっしゃいましたけど、
これホールなくなったらそこの近くの人、イベントできないじゃないと。
というようなことなんですけど、これ大きな目で見ると、
先ほどオペラとかバレエってできる施設限られてるんで、
その大きなオペラとかバレエの団体、ボリューショイバレエとかですね、
これとか日本に来てくれなくなっちゃうと。
日本は施設ないじゃんみたいなことですね。
あと芸術に触れる機械の格差が広がってしまうと。
福岡の人見られるけどどこどこでは見られませんねとかですね。
そういうことになってしまうんですね。
国際的に見ればドイツとかイタリアでは見られるんだけど、
東京では見られませんねみたいなことになってしまうと。
これ非常に有意識自体。
特にこれからいろんなものに触れて成長していく子どもにとっては、
本当に有意識事になってしまうということなんですね。
今後の対策と資金問題
いろいろと工夫しなきゃいけないんですけど、
これからまだまだホールの改修を立て替え進んでいくんですね。
ですからやっぱりさっき言ったように海外のようにですね、
自治体とか民間がマスタープランを共有してですね、
どこがダメでもできますよというようなことを力を合わせてやっていくと。
それによって芸術の格差が生まないようにしなきゃいけないと。
やっぱり最終的には資金が問題っていうことで、
どうしても地方財政が厳しいとなると、やっぱり国とかですね。
あといろいろと大きな企業なんかがスポンサーになってやってますけど、
そういったことがこれからどうしても必要になってくると思うんですね。
やっぱりなんとかホールを確保して、
音楽だけじゃなくて、さっきの落語もありましたけども、
文化的なイベントがですね、みんなが見られるような工夫が必要だと。
そうですね。
要は文化庁とかの施策がもうちょっと計画的にやらないと、
国立劇場はいまだに着工してませんからね。
そうなんですよね。
しかもその間に工賃とか資材も上がってて、
当初予算よりはるかに超えてるらしいんですよね。
そうなんですよね。
税金だからそれもできなくなっているっていう。
そのまま放置しておいていいのかっていうのも山本さんおっしゃる通りで、
これから子どもたちのいいものに生で触れてもらうっていうのは大切なことなの。
そうですね。やっぱり生は大事ですからね。
心の豊かさにつながりますからね。
その通りですね。
ありがとうございました。
今日はホール難民についていろいろとお話を伺いました。
毎日新聞出版社長山本修司さんでした。ありがとうございました。
どうもありがとうございました。
小倉ですね。
よろしくお願いします。
ありがとうございます。
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