有馬 暁澄
こんばんは、ビヨンドネクストベンチャーズの有間です。 皆さんお集まりいただきましてありがとうございます。
本日はですね、セッション名を完全に忘れましたけど、なんでしたっけ、 水産大国日本が誇る、
海洋大国が誇る、 水産マリンテックのセッションになっております。
今日4名、私含めて5名か、登壇させていただいておりまして、
4社から、まず5分、10分、最初にご発表いただいて、 その後、僕の方で5つぐらい、セッションのテーマを設けさせていただいているので、
セッションにテーマに関して、皆さんでちょっと議論できればと思っています。 プラスして、ぜひ見ていただいている方々も参加いただきたいと思っているので、
この後最後にスライド用意しているので、そこから皆さんたくさん質問いただければと思っていますので、
細谷 俊一郎
じゃあ早速ですけど、1社目はですね、魚ドリームっていう会社さんになっておりまして、 代表取締役の細谷さんから、ぜひちょっと会社のご紹介をよろしくお願いします。
魚ドリーム代表の細谷です。よろしくお願い致します。 名前の通りですね、魚の会社でございまして、こちらの表紙の画像というのが我々のイケスになります。
養殖をやっている企業で、ご覧の4名で創業した企業でして、 左側2名が東京海洋大学という、東京の大学の研究者でございます。
私はもともと有馬さんと同じでですね、マルベニの出身でして、 穀物のトレーダーをやっておりました。
中東で一緒に仕事をしていた石崎という、このサントリー出身の人間と、 フードテック領域で起業しようじゃないかという話になりまして、
ビヨンドネクストベンチャーズさんのご支援を受けて、この2名の吉崎盛田という研究者と出会って、 昨年の7月に創業したという企業でございます。
この吉崎というのは、世界的にも非常に有名な魚類の研究者でございまして、 彼の技術ですとか研究を社会実装しようとしているのが我々でございます。
ちょっとこう、水産の現状というのを簡単にお伝えできればというふうに思うんですが、 この人が食べる魚介類というのは、消費量この半世紀で4倍まで増加しています。
人口が倍以上に増加しているというのは皆さんご存じかと思いますが、魚の消費量それ自体も 1人当たりの量で倍近く増加しているというところで、
今後もこのトレンドは続いていくだろうというふうに見込まれています。 その中で、魚の天然の漁業というのは、実は30年前から漁獲量というのが頭打ちになっています。
この伸び幅、需要の増加というのを支えてきているのは紛れもなく養殖業でして、 今後この養殖をより効率的に行っていくには、我々は品種改良、特に遺伝的な品種改良を専門用語で育種と呼びますが、
魚類の育種が不可欠になってくるというふうに考えています。 その中でこの魚類の育種を確信していくのが、吉崎が開発した代理新魚技法という技術です。
この技術は一言で申し上げると、魚の代理出産のような技術でして、 精子や卵の元になる生殖幹細胞という細胞を、
近縁の子魚、生まれて間もない魚に移植をいたしますと、 このドナーの精子や卵を代理の親が生産するという技術です。
したがってこの図でいうと、オレンジ色の魚が青色の魚の精子や卵を生産する。 したがってオレンジの魚の後輩によって青の魚が生まれてくるという技術です。
少し驚かれる技術なのかなというふうに思っているんですけれども、 この技術はですね、最近皆さんも耳にされることがあるかと思うんですが、遺伝子組み替えですとか
ゲノム編集といったような、細胞の中の遺伝子に対して何か操作をする技術ではなく、 細胞それ自体を移植する。
申し上げた通り代理出産のような技術ですので、海面で養殖を行っていくですとか、 そのできた魚を流通させていくということにおいて何ら制限がない技術でございます。
具体的にこの技術どのような活用方法があるかということなんですが、 先日東京海洋大学が発表した研究として、キングサーモンという鮭科で最も大きくなる魚種。
世界的にも人気が高い魚種なんですが、これをニジマスという魚に生産をさせたという研究を発表しております。
キングサーモンというのはこちらに記載があるように、 親は10キロ以上になる非常に大型の魚でして、なおかつ精子や卵を生産できるようになるまでに5年以上かかる生き物です。
またこのキングサーモンというのは一度成熟をすると死んでしまう生き物でして、 皆さんも鮭が川を登って産卵をするというのがイメージが何となく湧くかなと思うんですけれども、
あれをすると基本的にみんな死んでしまうんです。 このキングサーモンというのも同じように死んでしまう生き物なんですが、
この代理鮮魚技法を活用することによって、より小さくて早く成熟するニジマスに何度でもキングサーモンを産卵させることができるという研究を発表しております。
またこの代理鮮魚技法を我々がどのように活用していこうと考えているかということなんですが、
例えばこの上の灰色の魚、仮にマグロとしたときに、マグロがここに仮にゴビ並んでいたとして、
それを外側から見てどれが一番おいしいかというのを見極めるというのは、よほど熟練の方じゃない限りは無理なわけです。
実際にはその魚をさばいて、身質がどうなっているのか、実際に食べてみておいしいのかどうかというのを判断しているわけなんですが、
当然このとき魚をさばいているということは、その魚は死んでしまっているので、親として使うということはできなくなります。
なので魚においては、成長性ですとか見た目ですとか、そういった殺さずにわかる基準によって育種がなされてきておりまして、
和牛のように実際に食べておいしいというものが育種されてきたというのが過去行われてこなかったわけなんですが、
この代理鮮魚技法では、死んでいる魚の肝細胞を移植することでその子供を作ることが可能。
したがって実際に食べてみておいしい、もしくはこの写真のようにものすごく脂のりが良い個体がいたら、その個体の子供を作るといったような形で我々は品種改良を進めることが可能。
細谷 俊一郎
もう一つ我々が特に積極的に取り組んでいるのが、新品種、ハイブリッド魚の生産を行っていくということになります。
この代理鮮魚技法は、オスに肝細胞を移植すれば精子になり、メスに移植すれば卵になる技術なんですが、これをオスにだけ移植してメスには移植しない。
このオレンジの魚を同じ水槽に入れておくと何が起こるかというと、青の精子とオレンジの精子による交雑、異種交配が起こります。
したがって生まれてくる魚というのは、青の魚の特徴とオレンジの魚の特徴を持った新しい品種が生まれてくることになるわけです。
この技術というのは農作物ですとか畜産物では当たり前のように行われていまして、例えば皆さんサンゲントンという豚の銘柄を聞いたことがあるんじゃないかと思いますが、これは3つの品種を掛け合わせているのでサンゲントンと呼ばれています。
日本で生産されている豚の8割はこのサンゲントンでして、農作物や畜産物では当たり前なんですが、魚においてはこの交雑を起こすためには非常に煩雑な人工受精を伴います。
なので今までメジャーな手法ではなかったわけなんですけれども、我々のこの技術を用いれば自然交配で新品種を作るといったことも可能となりましたが、
我々が今後行っていきたいことというのは、この魚の品種改良を確信していくこと、全く新しい品種で日本だけではなく世界でも新しい養殖業を展開していくということを目指しております。本日はよろしくお願いいたします。
有馬 暁澄
ありがとうございます。なんかもう未来の魚感すごいですね。ちなみに一番最初のプロダクトはいつ予想するんですか?
細谷 俊一郎
来年の春先から販売をする予定でして、実は明日から海面養殖をするので、私はこの後すぐ千葉県の立山に戻って明日から魚の海に出す作業をやる予定です。
有馬 暁澄
ぜひ皆さんが来年には食べられるようにご提供できればと思っています。改めてありがとうございました。
次は日経バイオテックから菊池さんがご発表いただきます。菊池さんは大学時代水産の研究ですね。
菊池 結貴子
そうですね。水産系で博士号を取って記者をしています。
有馬 暁澄
今日は日経ビジネスから魚ドリームさんの取材の記事も出されて。
菊池 結貴子
ちょうど昨日の夕刊で魚ドリームさんの記事が出たりして、取材先の皆さんでもいらっしゃるんですけれども。
ちょっとご存じない方も多いと思うので、日経バイオテックという媒体の紹介をさせていただきます。
これ何日か前のトップページなんですが、こういった感じでオンライン記事とニュースレターでニュースを配信しています。
何のニュースを書いているかと言いますと、医薬品の研究開発に関するニュースですとか、
今日のテーマにも関わる農林水産業で、特に品種改良とかバイオテクノロジー関連のニュースを専門的に発信しています。
最近やった今日のテーマに近い記事ですと、最近って言いながらこれ一昨年なんですが、
ゲノム変種によって品種改良を行っている企業さんとかの特集をやったりですとか、
これは今年ですね、動物向けの医薬品の最新事情を特集したこともありました。
ちょっとこれは余談なんですが、バイオニクのブームが少し前にだいぶ高まった時期にですね、
バイオニクビジネスをやりませんかって持ちかけてくる詐欺師が現れたとか、
あと遺伝子組み替えめだかを流出させた人がいたっていうのはちょっと記憶に新しいかもしれませんが、
ちょっとこういった裏話とか垂れ込み話を書くこともあります。
ちょっとこれ本当にご高読の紹介なんですけれども、基本的に法人契約でお読みいただいていて、
個人だと下の段ですね、大体年間18万円、法人だと40万円という超高額媒体なのですが、
おそらくフードテック分野、医薬品分野でお仕事されている方にはお仕事に直結する有益な情報を届けられていると自負しております。
ごめんなさい、はい、そういったところで媒体の紹介以上です。
有馬 暁澄
はい、ありがとうございます。
iOSに来た人には割引とかありますか?
菊池 結貴子
残念ながらその権利が私になくてですね。
有馬 暁澄
ちょっと高いなみたいな。
菊池 結貴子
そうなんです。スタートアップ割引とかやりたいねってずっと言ってるんですけど、なかなか実現せずですね。
高読くださっている方は大体でも18万円コースで個人名で取ってくださって。
有馬 暁澄
ちょっと菊池さんの力で今後よろしくお願いします。
今後頑張ります。
はい、改めてありがとうございました。
菊池 結貴子
はい、菊池さんよろしくお願いします。
有馬 暁澄
じゃあ次は3人目になりまして、野林水産省さんから村上さんがちょっと今回登壇いただいてます。
ぜひ野水省でのフードテックの取り組みを含めてお話いただければと思います。
菊池 結貴子
皆さんこんにちは。野林水産省の大臣官房新事業食品産業部というところで新事業の創出を支援しています。
村上と申します。
今日は水産というテーマなんですけど、私普段やってる仕事は特に水産も含めてという意味でフードテック新事業の推進をしています。
日本初のフードテックを推進していこうということで、野林水産省では何で推進していくかというと、いくつか社会課題がそこにはあるから。
大きく分けて、社会課題いろいろあるんですけれども、主なものとして私たちは3つに分けて
支援しております。
例えばですけれども、まず世界的に言うとこれから人口がどんどん増えていって、また環境破壊も進んでいって、食料が足りなくなるという課題があるかと思うんですけれども、
そこの社会課題に対応するような代替タンパク、既存の牛肉とか豚肉とかですね、鶏肉とかとは違ってプラントベースフードと言われるものですとか、
まだ日本では研究開発段階ですけれども、先ほどちょっと話のあったバイオニク、これは細胞生殖品というふうに我々呼んでますけれども、
細胞生殖品の研究開発をされている国内企業さんもスタートアップさんもいらっしゃいます。
細胞生殖品とバイオニクってよく言われるんですけれども、いわゆる畜肉だけじゃなくて魚の細胞を培養している会社さんもいらっしゃいますし、
特に海外でその傾向がありまして、うなぎですとかマグロですとか、日本の市場を狙った海外のスタートアップなんかも出てきています。
2つ目真ん中ですけれども、世界では人口が増えていくんですけど、国内では人口がどんどん減っていって高齢化社会が進んでいく。
菊池 結貴子
労働人口が減るということで、生産性の向上に資するようなフードテック、AIとかロボットを活用したようなものの研究開発、実際にマーケットに出されている方もいらっしゃいます。
3つ目ですけれども、食に求めるものっていうのがどんどん多様化してきています。
ただ食べるだけじゃなくてですね、高齢者の方でもおいしく楽しく家族みんなで同じものを食べたいっていうような方も増えてまして、見た目は同じだけど柔らかくて、高齢者でも喉に詰まることなく食べれることができるような食品ですとか、
アレルギーがある方でもですね、アレルギーの原因となるタンパク質を除いたような技術を用いた卵ですとか、
あとはですね、これは昨年この技術はイグノベル賞を取ったかと思うんですけれども、キリンホルディングスさんが電気の力で食べると塩味を1.5倍強く感じることができるっていうスプーンを出されまして、先月だったか発売が開始されています。
まだまだちょっと19,800円だったかと思うので、少しスプーンとしては高いかなと思いますけれども、面白い技術だなと思います。
こういうふうに色々なフードテック、私たちは生産から流通、加工、消費に至るまで、アグリテックと言われるものからレストランテックと言われるものまで全て含んでフードテックということで、野林水産省としても支援をしているところです。
私のいる部局では、2020年にフードテック官民協議会というのを立ち上げて、官と民と研究者とみんなで話し合える課題を共有し合えるようなプラットフォームを作っています。
現在約1,300人の方に参加いただいています。
まだちょっと模索しながら活動しているところもあってですね、ウェブサイト、実は先月2週間くらい前に立ち上がったばかりでして、これ新しいウェブサイトなんですけれども、個人で入っていただいて気軽に皆さんで意見をいただける場所にしたいと思ってますので、興味がある方はぜひ入っていただければというふうに思います。
あとですね、ちょっと違う部局にはなるんですけれども、野林水産省の中で研究開発も進めていこうということで、研究を中心としたプラットフォームも立ち上げています。
地の集積と活用の場というんですけれども、こちらに入っていただけると、いろいろな方と競争するんじゃなくて、一緒に作り上げていくようなプラットフォームを野林水産省としても支援するようなものを作っています。
ありがとうございます。
有馬 暁澄
ありがとうございました。
フードテック官民協議会はもう1300人もいるんですか?
菊池 結貴子
そうなんです。
立ち上がったの5年くらい前ですね。
有馬 暁澄
5年も経ってないです。
4年弱くらいですかね。
すごいですね。
フードテック官民協議会で具体的にどんなことをしているか良ければ。
菊池 結貴子
2週間前に年3回総会をしていて、参加していただいている方にスタートアップの方、研究機関の方問わずですね、取り組みを発表してもらって、そこに有馬さんのようなベンチャーキャピタルの方であるとか、いろいろな銀行の方であるとかも来ていただいているので、お互いザックバラに課題を話し合ってもらったりとかっていう場を提供しているのと、
オランダの方にも来ていただいたりしまして、前回は。海外の取り組みなんかも紹介してもらって、オランダも結構こう、プラントベースフードとかバイオニクとか力入れてるんだなっていう情報を共有し合ったりとかですかね。そういうことをしてます。
ありがとうございます。あと、その制作課題とか含めて、あとはルールメイキングみたいなところの、団体みたいなのをみんなたくさん作って、それぞれがだから、農水省さんに文句を言えるような。とりあえず窓口みたいな、文句の窓口みたいな形にはなってます。
有馬 暁澄
ありがとうございます。皆さんぜひご登録いただければと思います。無料なので。じゃあ最後、ウミトロンさんから藤原社長の方、ぜひご発表お願いします。
藤原 謙
ウミトロンの藤原と申します。よろしくお願いします。ウミトロンという会社は、水産養殖業向けのテクノロジーサービスの会社です。ここの絵が会社のキービジュアルなんですけども、真ん中に魚を育てるイケスがあって、この養殖業っていうのをサポートしていきたいと。
ただ、食料生産に必要な魚育てるだけじゃなくて、その周辺には豊かな海洋生態系が保たれるような、そんな世界を目指して作った会社です。
やっぱり養殖業のポテンシャルっていうのは非常に高いと言われていて、地球を宇宙から眺めると、やっぱり表面の70%が海に覆われている。こういう豊かな海の資源を活用して魚という水産生産物を作っていけば、これから増えてくる人口や食料需要に対して解決策が見出せるんじゃないかと思ってスタートした会社です。
真っ黒な話は先ほどもあったんですけど、やっぱり海洋の天然資源というのは減少していて、養殖業は非常に伸びてますっていうところがあり。
ただ、現場に行ってみると、現状の養殖業、いろんな課題がありまして、一つがコストって書いてるんですけども、生産コストで餌をどうするかっていう問題があります。
餌が多くの成分に、天然の魚の乾燥粉末、魚粉と呼ばれるものを使っているんですけども、今まで安くとれてきたタンパク源をどうやって供給していくか。
かつ、無駄な餌なく魚を育てていくか。
最近ですと昆虫餌とか、微細藻類とか、単細胞生物培養とかによって、餌となるタンパク源を控えていこうという取り組みも盛んに行われています。
また、環境変動ですとか、それからどうやって売上やトレーサビリティを担保していくかというところも一つ課題。
会社として、サービスとして今一番力を入れて展開しているのが、スマート給仕器という魚の餌やり器です。
左側の写真の真ん中に、イケスの真ん中に白い箱があると思うんですけど、これがプロダクトで、魚の餌が非常に高いと言っても、その餌のやり方っていうのは現場ごとに違ったりとか、
海洋の海の温度が変わると魚の食欲が変わったりするので、これを遠隔で操作しながら、かつAIを活用して餌やりの最適化をするということをやっています。
主に画像処理の技術を使っていて、餌やり器一つ一つにカメラをつけておいて、魚の餌を食べている様子をAIに学習させています。
屋外でAIを動かすって環境が多種多様なので非常に難しいんですけど、今、弊社の方で録画ビデオの情報として、延べ200年分くらいの動画情報をAIに学習させて、どのタイミングでどれくらい餌をあげたら適正かという自動化を達成しています。
その中で海洋環境ですね、水温とか酸素量とかというのも非常に大事になってくるので、ここは衛星リモートセンシングの技術を使って水温がどうなっているのかというのをリアルタイムに把握するのと、48時間の予報データまで作って餌やりの最適化ということをやっています。
実際にやってみると、単的に言うと少ない餌で早く育てることができるというふうになってきてまして、これまで経験感ですとか人の作業によって行われていた餌やりを自動化して最適化していくと、本当に2割から3割餌を減らして生育スピードも2割3割短縮ができます。
世界に目を向けると養殖業のポテンシャルというのは非常に高くて、この色の書いてある地域がポテンシャル非常に高いと呼ばれているところなんですけれども、今の世界の水産物消費量の100倍は生産できるというふうに言われていて、こういう世界を実現していきたいと思って海外もやっているんですけど、海外は非常に大規模化が進んでいて、
一つ一つ餌やり機があるよりは、こういう人の居住施設を含んだ餌やりの2いプラットフォームがあって、そこからパイプラインで餌やりをするということをやっていて、そこに対してウミトロンがソフトウェアを提供するということをやっています。
藤原 謙
AI技術を提供して無駄な餌が出ない、それから魚の遊泳行動をモニタリングして最適な餌やりを実現するというところをソフトウェア領域として本日よろしくお願いします。
有馬 暁澄
ありがとうございます。シンガポールにも進出されているので、日本だけではなくて海外含めていろんなところでされています。
ぜひ海外の話もこの後お伺いできればと思っていますので、ありがとうございました。
早速いろんなトークテーマについて皆さんにお話しいただければと思います。
スライドって何か出るんでしたっけ?
ぜひ皆さんここから質問をしていただければと思うので、ぜひ携帯でご登録いただければと思います。
今のところQ&Aが全く来ていないので、ぜひガンガン答えにくいこともたくさん今日は答えていただけると思うので。
1個目なんですけど、せっかくなんで日本というテーマの中で、実際その現場の皆さんスタートアップであったりとか、最新の研究であったりそういったことを取材されていると思うんですけど、
じゃあ実際現場はどうなっているんだみたいなところをぜひ皆さんにお伺いしたいと思っていて、
日本での現場みたいなところをぜひ良ければ先に村上さん、農水省さんから何か現場の水産の絵っていうかをされてるんですけど、何でも。
菊池 結貴子
現場はちょっと農水省が一番あれかもしれないんですけど。
有馬 暁澄
もうあのセキララに。
菊池 結貴子
農水省としては水産業、フードテック推進する立場からしてすると本当に伸びしろがあるというか、すごく注目の分野だなって海外でも日本は魚とか海藻とかたくさん食べられてきましたけど、
海外ではあまり魚種たくさん、サーモンとか限られた魚種しか食べられてこなかったというところもありますので、これから日本がどんどん伸びていけるところだなというふうに思ってます。
有馬 暁澄
あと海藻とかもですね。
なんか現場の人に交渉してほしいなとか、現場こういう課題出てるなみたいなのあったりします。
元々日本って海洋大国、水産大国で一番世界で魚を消費されていて漁学業も多かった中で、正直徐々に徐々に衰退していってるところ。
高齢化のものもありますし、逆に言うと養殖業みたいなところが逆に世界で流行っている部分もあって、日本がまだそこはあんまりそこまで大規模化してないみたいなところがある。
農水省さん的には日本の将来を見据えたときにこうしてほしいな、こうしていくんだみたいな、なんかあったりします。
今言った発言がそのまま政策に結びつくことはないんで、何でもぜひ。
菊池 結貴子
そうですね、現場の人がというよりは消費者の皆さんが魚を食べる量が減ってきてるっていうのは何年か前からあると思うんですけど、
それに加えて人も減ってきてて、どんどん消費量が落ちてるっていうのがだいぶ大きな課題かなと思ってます。
農水省としては国内だけじゃなくてですね、海外にもどんどん出ていく機会でもありますので、
マーケットを広げて、日本の生産者の方に会えて言うとすると、国内のマーケットだけじゃなくて、海外のマーケットも見据えた生産をしていく方向で進めていただけたらいいかなと。
有馬 暁澄
ありがとうございます。みんな魚を食べろということですね。ありがとうございます。
ちなみに現場のスタートアップ側でいくと、魚ドリームさんの細谷さんからすると、2個聞きたいんですけど、1個は実際に養殖業者を含めて当たってるときに、
彼らとのコミュニケーションであったりとか、彼らの現場の課題ってどんなものがあるんだろうみたいなところがちょっとお聞きしたいのと、
2つ目が、魚ドリームさんって去年設立されて、まだ1年ぐらいです。ちょうど1年で、現場の人たちってたぶんコテコテの人たちで、
相手にされるのかっていう、ぽやぽやのスタートアップが急にいって何者だと思われないのかみたいなところをぜひお聞きしたいなと。
細谷 俊一郎
ありがとうございます。養殖業者さんたちが今どんな状況に置かれているのかということなんですが、平たく申し上げると非常に苦しんでいる。
それは大きく分けると2つ要因があるかなと思ってまして、1つは先ほど藤原さんからもお話ありましたけれども、餌の価格がどんどん上がっていってしまっている。
一方で魚価、魚の販売価格を上げられるかというと必ずしもそうではないという中で、収益がどんどん悪化していると。
もう1つこれはかなり直近の動きかなというふうに思うんですが、海水温がどんどん上がっていってしまっている。
昨年地球沸騰化というワードが流行語大書論にノミネートされていましたけれども、それを受賞された方というのはサバの養殖業者さんで、
有馬 暁澄
スタートアップのなのでスタートアップというかその水産業界の時価総額世界のランキングってトップ10のうち一番最初1から5位まで養殖業者です。
藤原 謙
そうですね、逆に今かなりその養殖上というのは高騰してますね。
やっぱりみんなその限られた資源としてその占有したいというか投資領域としてすごい盛り上がってます。
有馬 暁澄
結構利益率高いですもんね、ノルウェーの会社とか。
EBITDAでだって20%とか30%とか全然あります。結構すごいなって。
日本の養殖は結構EBITDAはもはやマイナスなんじゃないか。
ここってなんでそんなに開きがあるのかなっていう、なんかもしご意見があれば是非。
藤原 謙
まあでもやっぱり集約化していくと利益率上がるんですよね。
それはその従業員一人当たりどれぐらい生産できるかって生産量で見た時にも大きな違いがありますし、
やっぱり企業って小さいよりも大きくなると余剰利益を再投資できるっていう循環が回り出すじゃないですか。
そういう意味でやっぱり研究開発もやるし、自動化とかも設備投資ができるしっていうところでやっぱりどんどん効率化が進んでいく世界があるんじゃないかなと思います。
有馬 暁澄
なるほど、ありがとうございます。
ちょっと是非日本からも、今世界トップ10のうちだから日水さんとマラー・ニチロウさんが入ってて、6位と7位ぐらいかな、多分確か。
時価総額3000億円ぐらい、2000億円3000億円ぐらい。
ちょっと1兆円企業を是非日本から作ってほしい。
今日登壇していただいているニシャさんが是非目指してほしいなと思いました。
そういう意味では結構この水産業界でお二人が経営されているのもそうですし、菊池さんも村上さんもいろいろスタートアップを見てきている中で、こんなスタートアップ面白いなみたいな。
皆さんがそれぞれ見る、この水産業界の洋食に全く関係なくていいんで、これ面白いなみたいなのがあったら是非お聞きしたいなと思うんですけど。
みんなあんま浮かんでなさそうな顔は結構、一応事前に僕がこれ話すぞって用意をしてなかったのかっていう。
じゃあちょっと一番困ってそうな菊池さんお願いします。
菊池 結貴子
困ってるわけではないんですけど、直近で私が一番面白いと思ってたのが魚ドリームさんだから、それ以外の何を言おうかなって今どれにしようかなって考えてたんですけど、
どうですかね、可能性を感じるのは魚糞の代替、藻類を培養して魚糞の代替で飼料にしようということをやってらっしゃるアルガレックスさんとかありますけれども、
あれはとっても可能性があるのかな、新しいものを人が直接食べるより餌にする方がみんなにも受け入れられやすいし、
とにかく大量に量が出るポテンシャルがあるので面白いんじゃないかなと思います。
有馬 暁澄
いや面白いんですけどね、魚糞に全然コストを見合ってないんですよね。あと5年ぐらいかかりそうっていう。
菊池 結貴子
魚糞がまだ高いって言っても安い。
有馬 暁澄
6年ぐらい前から魚糞代替領域に登床してるんですけど、全くコストが合わない。あと5年辛抱します。
魚糞自体は価格高としてって、水産業界の養殖においての餌の中で魚糞って50倍以上必要なので、
すごく全体の飼料の中でも配合比率が大きくて重要な原料にもかかわらず、取れるところが少なかったりとか、
日本国内でもなかなかやっぱり取れなかったりするんで、価格はずっと右肩上がりでこの30年間ずっと上がり続けてるんで、
代替自体は必要ってことです。昆虫もそうですよね。昆虫とか藻類代替とかそうですよね。
僕とだから穂沢さんは元々全職同じで、当時からこの領域を良いものないかっていうのを結構探してて、見事にあんまり上手くいってないんですけど。
そうですよね。だんだん上がってるけど、代替したらそっちの方が高いみたいな話になっちゃうんでね。
あとは結構東南アジアでやってるケースが多くて、結局魚粉代替のコストで一番かかるのは人件費が一番かかって、その次原価消却費で。
人件費が安ければ全体のコストが下がるから、だいたい東南アジアでみんなされてるってことで、
なかなか日本国内で魚粉を代替して作るっていうのはまだコストがあってきてないけど、逆に東南アジアもGDP上がっていって、
皆さんの給与が上がっていくと安いのが安くなくなっちゃうので、そんな時には改めて日本が勝てる可能性がまたあるかなってちょっと思ってます。
悲しいかな。代替品のコストが下がるんじゃなくて、その他が上がった結果としてこうなる。
全体的に全部上がっていくんです。全部上がっていくんだけど、日本の上がり方が緩やかで、どっかでうまく分岐点的にコストがあってくるかなって。
菊池 結貴子
あと一個最近気になってるのがスライドでもありますけど、養殖以外で未利用魚を使おうっていう会社さんが時々話題になるじゃないですか。
あれは面白いと思います。たまに地方のスーパー行くと聞いたことない魚が売ってたりして、ちょっとワクワクして買うじゃないですか。
有馬 暁澄
ああいうのが自宅に届いたら楽しいよねとか思って。あれはいいんじゃないですかね。
今だから未利用魚を直接D2Cとかね、あとは豊洲から直接持っていくとか結構やりだしてるんで、それすごいいいですよね。
魚に限らず野菜も含めて結構色々してるな、すごいいいなと思います。
菊池 結貴子
未利用魚で一番おいしいのはこれだみたいなの知りたいですね。
有馬 暁澄
未利用魚で?
菊池 結貴子
未利用魚で。実は隠れた名品が多分あるはずなんです。
有馬 暁澄
それはもう細谷さんしか分かんないじゃないですか。分かんない。細谷さんの一押し。
細谷 俊一郎
やっぱりそれは僕らがこれから養殖する貝割じゃないですか。
有馬 暁澄
貝割か、確かに。釣り人が知る人ぞ知る幻の魚で貝割っていうのがあって。
あれどこで獲れるんでしたっけ?東京湾でも一応釣れるんでしたっけ?
細谷 俊一郎
東京湾にもいますよ。いますし、どっちかっていうとただ西日本とかあっちの方が多い。山口県とか。
有馬 暁澄
日本近海は2,000から3,000種類くらいいると。
細谷 俊一郎
もっといますよ。4,000以上。
有馬 暁澄
我々が食べてるお寿司屋さんに食べてるのはだって揚げても2,30種類くらい。
3,980種類食べてないから。
美味しいのはありますよね。絶対。めちゃくちゃ美味しいのは絶対。
それをある意味作るのが魚ドリームさんの使命。
魚ドリームさんから見るこのスタートアップ面白いなみたいな。
このスタートアップは駆逐しやるみたいな。ライバルだみたいな。どうぞ。
細谷 俊一郎
ご質問でもいただいてるんですけどビジネスチャンスありますかっていうところで
水産のスタートアップってそもそもものすごく少ないというふうに思っていまして
海トロンさんが本当に走りというか多分この水産の領域の一番最初のスタートアップなんじゃないかなと思います。
京都だとリージョナルフィッシュさんって京大のゲノム編集の技術を活用した企業さんがあって
これは有馬さんの投資先でもありますけれども
我々が後発で今違う技術で品種改良してるということになるわけなんですが
本当にまだまだビジネスチャンスがすごい残されているなというふうに思っているのと
特に何かどこにあるのかっていうことで申し上げると
すみませんちょっと趣旨と違うんですけど
やっぱりアメリカでの消費量というのが今ものすごく伸びてるわけなんですね。
我々のメンバーが先月1ヶ月間ずっとアメリカ、ニューヨークとロスとサンフランシスコに
それぞれ1週間ずつぐらいいてマーケット調査をしてきたんですが
お寿司屋さんにある魚ってマグロとサーモンとブリで大体終わりなんですね。
大体それを何かこう味付けアレンジして
サーモンにアボカド乗せましたとか日本でもありますが
マヨネーズかけましたとか炙りましたとか
マグロもですね日本人がやっぱり黒マグロは全部輸入して食べちゃってるので
ほとんどない目鉢とか木肌っていうような比較的ローグレードなマグロが使われているというところで
美味しい魚食べてないんじゃないかなというふうに我々は見立てていまして
日本の方はですねすごく舌が越えているというふうに思うんですけれども
細谷 俊一郎
アメリカとかヨーロッパの方っていうのはまだまだそういった生で美味しい魚を食べるっていうことが
浸透はしてきているもののそういった良い商品に出会えてないんじゃないかなみたいなことは思っています。
なのでこの日本の良い魚をアメリカに輸出していく
ここを効率化していくみたいなところは
一つ大きなビジネスチャンスがあるんじゃないかなというふうに思っていますし
それを我々自身がやってもいいんじゃないかなとも思ってはいるところになります。
有馬 暁澄
ありがとうございます。
ちょっと回答が優等生です。
もうちょっとこのスタートアップは無理だと思うとか言ってもらった方が
細谷 俊一郎
大丈夫ですか?叩かれて遠慮しません?
有馬 暁澄
大丈夫です。
ここだけの空間で終わるんで。
じゃあノンスイショウさんから
ノンスイショウさんのお墨付きでお願いします。
このスタートアップいいぞと
菊池 結貴子
そう言われちゃうと子社の名前を出すのが難しいかなと思うんですけど
有馬 暁澄
ノンスイショウ大臣賞をちょっと付与します。
菊池 結貴子
そうですね。やっぱり魚糞の代替っていうのは重要な技術で
ノンスイショウとしても魚糞の代替となるようなタンパク質を探してはいます。
おっしゃる通り昆虫食、昨年バッシングされて
なかなか人が食べるっていうふうに難しくなってきている中で
魚糞の代替っていうことにはすごく可能性があるとは思うんですけど
またコオロギの粉末化なんかは和牛と同じぐらいの価格がするということで
一部の話ではコオロギを食べさせるとものすごくおいしいクルマエビが育つとか
っていう話も聞いたりするんですけど
なんせやっぱりコストの問題がある
層類なんかも空気中のCO2を層類で固定して地球温暖化に役立つというところもありますので
すごく可能性のある技術かなというふうに思ってますけれども
ムーンショットとかでだいぶ先の話
有馬 暁澄
大炎上したんで去年、昆虫食皆さんご存知かもしれないですけど
僕の投資先なんですけど、僕もセットで炎上しかけたという
SDGs信者って言われました
菊池 結貴子
メディア関係者としてすごい辛い気持ちで私はそれを見ていました
有馬 暁澄
投資者になるとやっぱ心が痛い
菊池 結貴子
農水省にも去年の半ばぐらいまでものすごい電話がかかってきて
有馬 暁澄
僕でも農水省さんに助けてくださいって連絡言ったら
でも我々はこういうのはいつも慣れてるんでって言われた
そんなたくさん来たところで鋼のメンタルを持って
菊池 結貴子
慣れてはいないですけど
ようやく最近ちょっと収まってきたので
他には海外の方、舌が越えてないというところはあると思うんですけど
逆に日本のスタートアップの話ではないですけど
日本の魚クオリティが高くて海外でも
魚のみならず日本の食っていうのはまだまだクオリティが高いっていう定評がある
一方で海外も日本のマーケットで成功すれば
他の海外で売れていけるっていう
東流門みたいなところにもなってて
日本のマーケットを目指す海外のスタートアップも来てるかなという風に思うので