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2024-08-20 58:26

最先端の研究者、大集合!未来へつなぐ社会実装へのこだわり

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研究シーズの社会実装化は、様々なハードルがある。研究テーマ設定、アカデミア文化、産官学金連携、知的財産管理など、どのようなハードルがあるかを考え、ステークホルダーとともに境界を超えてそのハードルを乗り越え実装していくことの意義を示唆するセッションとする。

 

■IVS2024 KYOTO/IVS Crypto2024 KYOTOについて
2024年7月4日から6日まで、伝統と革新が融合する京都で、IVS2024 KYOTOとIVS Crypto 2024 KYOTOを同時開催します。

IVS2024 KYOTOは、起業家、投資家、事業家、技術者、研究者、そしてスタートアップやオープンイノベーションに関心を持つすべての人々を対象としたカンファレンスです。資金調達や事業成長の機会を求める経営者や投資家、新しい事業アイデアに興味がある人々にとって、新しい未来を築くための貴重な機会を提供します。

IVS Crypto 2024 KYOTOは、クリプトとブロックチェーンに特化したカンファレンスです。この分野のパイオニアたちが、デジタル経済の進化とWeb3の可能性について深く掘り下げます。両カンファレンスは同じ場所で開催され、参加者は自由にどちらのイベントにも参加できます。


名称:IVS2024 KYOTO / IVS Crypto 2024 KYOTO
主催:IVS KYOTO実行委員会(Headline Japan/京都府/京都市)
日時:2024年7月4日(木)~7月6日(土)
会場:京都パルスプラザ他  

・チケットページ:https://www.ivs.events/tickets2024
・HP:https://www.ivs.events/
・X(Twitter):https://twitter.com/IVS_Official

#IVS #IVS2024 #スタートアップ #起業 #経営 #ビジネス

サマリー

最先端の研究者たちが集まり、脳卒中治療におけるブレインマシンインターフェースの社会実装への挑戦について話します。リハビリテーションの新しいアプローチやイノベーションの障壁について考察します。このエピソードでは、産方幸子氏が熱エネルギーの社会実装に関する研究を通じて、持続可能な発電システムの構築について述べます。彼女は、技術開発の重要性と、それがもたらす経済的損失の解消に向けた取り組みを強調します。コネクトスフィア社は、アカデミック、インダストリー、社会をつなぐ技術の開発を目指しています。アンティディスプラリーという新たな概念のもと、大学の教育システムが抱える現状とそれに挑むスタートアップの活動について話します。このエピソードでは、VRデジタル療法に関する最先端の研究が紹介され、特に日本初の治療用医療機器の開発について触れられます。また、VRを通じた過去の教育プログラムの応用にも言及され、将来的な社会実装の可能性が探求されます。最先端の研究者たちは、社会実装を通じた未来への取り組みやその重要性について語ります。

ブレインマシンインターフェースの紹介
小松尚平
皆様お待たせいたしました。メインステージ4つ目のセッションになります。 最先端の研究者大集合、未来へつなぐ社会実装へのこだわり、です。
本日は4名の研究者の方々に登壇をいただきます。 それでは始めてまいりたいと思います。まず、牛場先生よろしくお願い致します。
牛場潤一
こんにちは。慶応義塾大学、それから研究成果活用企業株式会社ライフスケープスの代表取締役の牛場です。
今日はちょっと時間をいただいて、私たちが研究、それから事業開発で行っているブレインマシンインターフェースのお話をしたいと思います。
私は大学で教授をやっていて、15年ぐらい基礎研究としてブレインマシンインターフェースという研究をやってました。
そのバックグラウンドにあるのは、私の祖父が罹患したこともある脳卒中なんです。
私の研究テーマはずっと一貫して、脳卒中後の麻痺を扱っています。 ここのスライドにあるように、脳卒中は世界4大疾患の一つで、全世界的に見ると患者数がこの10年で40%も増加している非常に大きな病気です。
そのうち3分の1は運動障害に苦しんでしまうので、日常の生活や仕事を失ってしまうという経済損失が非常に大きい、疾患負荷が高い病気だというふうに言われています。
皆さんもご家族の中あるいは街中に行って、右の絵のように手が曲がり込んでしまったままの方、ご覧になったことがあるかもしれません。
これがいわゆる脳卒中後の麻痺です。 こうした脳に傷がついてしまうと、体は不可逆的に治らないというのがこれまでの常識でしたが、しかし脳は本来
善良の半分近くを左の写真のように失ってもなお、残りの脳の領域が機能を組み替えて失ってしまった機能を復元させる力を持っていることが知られています。
ぜひ皆さんも右側のYouTubeで調べてみていただくと動画が見ていただけますが、こんなふうに脳が半分ない方でもそれとは分からないぐらい麻痺が回復しているという方も世の中にはいるんです。
こういうようなことが奇跡や偶然として片付けられるのではなく、これを合理的に引き出すテクノロジーを作って世の中に貢献したい。
これが私たちのミッションです。 リハビリ、どんなことが今やられているかというと、麻痺した手を一生懸命使わせる高速誘発性運動療法、
セラピストが手の動きをアシストするような方法、筋トレ、ロボット、電気刺激、振動や熱、こんな方法をいろいろ使って麻痺した体を治そうと試みられてはいるものの、
実はこうした方法はいかなるものも伝統的なリハビリを超える効果量がないと言われています。 この下のグラフはランセットという神経学の最高峰のジャーナルに載っている論文で、
伝統的な治療法によって得られる効果をゼロ点基準として、さっきご紹介したものが、それから相対的にどれぐらい効果があるかってことをプロットしたものですが、実は全部ゼロ、
つまり従来の方法を超える効果は認められていないというのが実際なんです。 なんでこれまでのいろんな方法が効かないのかってことを考えると、
今紹介したものはすべて麻痺した体そのものにアプローチしているからなんです。 よくよく考えてみると麻痺は体が動かないのではなくて脳が動かない、その結果として体が動かないだけであると。
そう考えれば必然的に脳を見て脳を治す、こういう方法を作ることが、こうした問題をブレイクする方法だということに気づくわけです。
そこで私たちが考案したのはブレインマシンインターフェースです。 患者さんにウェアラブルの脳波形をつけていただいて、脳内にまだ残っている神経回路の
神経回路のシグナルを読み出して、BluetoothでタブレットPCに送ります。 その中に入っているAIは伝送された脳波をリアルタイムに分析し、脳内にまだ残っている神経回路が
本人の意思に応じて応答し、活性化していると判断したタイミングでロボットに指示を与えます。 ロボットは麻痺している指の動きをサポートし、筋肉に電気刺激も流して体の動きをアシストします。
こうした体の感覚を脳にフィードバックすることによって脳の中の回路を組み替えていく。
こうした脳情報の循環を促すような技術というのを我々が開発しました。 我々大学初スタートアップの強みは、大学の研究室で学術的な研究エビデンスを積み上げていくことができる点です。
事業開発を並行しながら、研究室で医学部と共同研究をしながら、そのエビデンスを積み重ね、国際協調の中でそのエビデンスが認められ、レピテーションが上がる。
こうしたものを積み上げていくことによって、脳卒中治療に関して国内最大規模の脳卒中学会が6年ぶりに出したガイドラインの中で、
BMIは有効性が初めて主催され、昨年の8月に出された改定23では、章の冒頭の推奨欄にBMIが初めて書き込まれました。
このような形でエビデンスを作りながら事業開発ができるというのが、大学初スタートアップのメリットです。
さらに事業開発をしている裏側で、大学の研究室はR&Dの機能として活動をし、研究室で並行して医学的に正しい計測とBMIのエクササイズができる
ヘッドフォン型の脳波形というのを開発して、すごいんだけど使いやすいテクノロジーをR&Dする、こんなこともできます。
大学の研究成果を、良いものをスタートアップ企業、ライフスケープスにどんどん提供していく、こうした大学の研究室と事業開発を進めていく事業体であるライフスケープス、二人三脚で進めていくというのが我々の強みで
フラグシップのデバイスが医療に入りながら、こうしたデバイスが次のラインナップとして世の中に出ていくことで患者さんを長いロングレンジで支えていくような、そんな医療の実装を目指しています。
残念ながら、ここの登壇のスライドではビデオが使えないので静止画でご覧いただいていますが、大学でより切れ味の鋭い技術開発を絶え間なく続けることによって、最近ではたった40分間のBMIのエクササイズで7年も脳卒中発症を経ってしまった、症状を固定した方でも
指がここまでしか開かなかった人が、これだけ大規模に即時的な効果が誘導できるというようなところまで持っていくことができました。こんなふうに大学の研究室、それからスタートアップ、連携することによって今までの医療では無理だとされてきた、脳と指が動くようになるという新しい常識を作るということ、それからスタートアップで作っている迅速簡単、誰でも当たり前のように使えるというデバイスのコモディティ化、
社会実装の課題
牛場潤一
そして大学のドライバーで開発していっている国際的に認められたエビデンス、こういったものをパッケージにすることで、今まで無理だと思われてきたようなブレインテックを未来の当たり前のように届けていく、そんなことをやっています。
さてここからは大学の研究者である私がスタートアップを志した時に直面した苦労話をしたいと思います。
まず社会実装をするというところのハードルなんですが、ここで見ていただいているように私はもうコテコテの大学の基礎の研究者で、
大学を卒業した後、
松下祥子
一貫してアカデミア畑を歩み、専門は物理、医療統計、こんなものをやっていました。論文いっぱい書いて書を取って国際会議で発表して、いろんな学会の代議員をやって、こういうアカデミアの中の世界で暮らしていた住人で、スタートアップをやるとは自分では全く思ってなかったんですね。
牛場潤一
こういう時にもすでに社会実装するハードルよりももっと手前にBMIの医療研究を継続するハードルっていうのに直面しました。
私は医者でもなく当時まだ20数歳で、お医者さんのところに行ってBMIで患者さん治ると思うんです、こんな話をしても当然誰も信用してくれないわけです。
そんなので治るとはとても思えないよとか、君医学部じゃないよねとか、君の専門は一体何なんだと、こんな風に嘲笑呆れ困惑にまみれたキャリアのスタートをしました。
なんとかこういろいろ研究をして論文を書く、それで少しずつ信用が出てくる中でアカデミアで10年かけてゼロを1にする経験をして、いい論文を書いて賞をもらって教授になることはできたけど、
でもやっぱり満たされない何かがある。それはやっぱり社会で使われなければ意味がないんだって、そういうことなんです。
最初は大手企業との産学連携を通じて社会実装を狙う、これがいわゆるオーソドックスな社会実装のルートだったので、それを狙ったんだけども途中でリーマンショックが起きて、その影響でヘルスケア事業から撤退しますって言われてしまいました。
これまで作ってきた製品試作品や設計文書、これ一体どうなっちゃうの?
こういうふうになって、資蔵、あとはもう時間が経てば資蔵されてしまうという差し迫った状況の中で、自分が起業をして事業継承をするしか道がないと、こういうふうに悟って
起業を決心しました。でもさっき申し上げたように、ずっと距離を置いてきたビジネスのイロハ、何にもわからないまま立ち上げたわけです。
そんなことをしながら、この8年間でついに今年、医療機器製造販売業を取って、医療機器認証を取り、一般の医療機器として国内で初めてBMIを我々の会社が世の中に販売するってところを実現しましたけども、
その中で大変だったなぁと思うハードル、私のハードル3戦を紹介して終わりにしたいと思います。
まずイノベーション、世の中にないものを、なので裏を返せば誰も想像がつかない、似たパターンが世の中にないということなので、潜在的なイノベーション性が大きいほど理解してもらえないというキャズム、
溝が大きくなります。 ビジネスをするときに物が集めにくい、金が集めにくい、人が集めにくいっていう三重区にまずは見舞われる。
それができた後も医療機器、ディープテックの中でも特に医療機器を作る場合は薬器法という法律に適合した形で製品を世の中に出さなきゃいけない、しかし審査する側も
似たようなものを見たことがない、想像したことがないというイノベーションである場合、法律に合ってるのか合ってないのか審査する方もわからない。
こんな苦労があります。いつまで経ってもゴールポストは動いていきながら、 コミュニケーションをして着地点を見つけなきゃいけないという暗中模索の時代が長く続きました。
薬器法を通してついに販売できた、その後も大変です。顧客先に持って行ってもやっぱりこれも想像がつかない。
似たパターンがない。毎日の忙しい臨床の中でそれをどう位置づけて使っていけばいいかわからない。
そういう顧客の声に寄り添うために、ものを作るだけじゃなくてことを作る。 つまり顧客の育成、それから顧客の成功、こういうのを
あまねく提供するためのサービスをどう設計していくか、こういうところに不信をするわけです。
未来への取り組み
牛場潤一
僕自身は大学でものを作るということをやってきたけど、ここからはことを作る、 医療を作る、そんな思いで事業開発と研究を進めています。
それはなぜか最後お話しすると、研究を始めた当初、ラジコンヘリのモーターと電気屋さんで買ってきたヘッドフォン組み立ててこんなものを作りました。
アルミで作られたロボット、患者さんの手が乗ると冷たくてかわいそうだからって言って、学生のお母さんが縫い物をしてカバーを作ってくれた。
こういうような思いを受けながら研究をしているということは諦めちゃいけないと思って、
装具屋さんに頭を下げてウェアラブルのデバイスにならなせんかということで試作をしてもらい、当時お金も何もなかった中でこういうものを作ってもらいました。
こういうものがきっかけとなって、さっき話した大手企業が手を挙げてくれて医療機器グレードの製品試作をする、こんなふうに仲間がどんどん増えてきたというわけです。
大学での研究発表の最後には、これはどんなものに使えるんですかっていうことを意義を述べなきゃいけない。
そういう時によくみんな、私も含めてこんなこと言います。この研究は将来リハビリに使えます。
でも果たして本当にそれをやる気る覚悟を持って喋っている人はどれぐらいいるのでしょうか。
私自身もこういうフレーズを言うたびに頭の中でカッコ書きで、きっと誰かがいつかやってくれるかなっていうエクスキューズをしてたかもしれません。
こんな偽善的なまとめで研究人生を終えたくない、そういうことが自分の青臭い企業の動機です。
この分野で研究を始めた自分へのけじめをつけるためにも、事業を必ず成功に導きたい。
未来の当たり前を自分たちの手で実現したいというふうに思っています。 これ最後のスライドです。この中にもアカデミアの人がいると思うのでメッセージを述べたいと思います。
アカデミア一番左です。既得研究をして原理の探求をする。臨床で使えるかどうかを調べる。実用化研究をしてものになれば世の中に出る。
左から右がいわゆるトランスレーショナルリサーチと言われるもので、いい研究は社会に実装しましょうっていうこういう方向です。
でもここで終わってはダメで、世の中に導出していくというスタートアップでの活動を踏まえる中で、
解決しなければならない本質的な問いが立ち現れて、もう1回右から左にクエスチョンが戻ってくる。
熱エネルギーの重要性
牛場潤一
つまり、脳の基本的な仮想性という機能が書き換わる根源的な原理は何なのか、こういうことをスタートアップをやることで
クエスチョンが立ち、また新しい研究のクエスチョンが出てくる。 こんなふうにアカデミアとスタートアップ
両軸のように回ることでニューアカデミズムっていうのができるというふうに僕は信じています。
ぜひこれからも僕たちの挑戦を期待していただければと思います。今日はどうもありがとうございました。
牛場様ありがとうございました。大きな拍手をお送りくださいませ。 続きまして松下様よろしくお願い致します。
松下祥子
初めまして東京工業大学准教授、株式会社エレサーモ代表取締役の松下産方幸子と申します。
私はエレサーモスタートアップの方では産方、戸籍名でございます。大学の方は救世が大事なので松下でやらせていただいております。
当研究室じゃなかった、弊社は東高大発ベンチャー第148号の称号を付けているんですが、ご存知のように東京工業大学はこの10月で東京科学大学になります。
この時ですね、私どものベンチャー称号がどうなるかは私ども、実はまだ知りません。
私どもは熱源流埋めて使う半導体増感型熱量発電の事業を行わせていただいております。
第6次エネルギー基本計画概要にございますように、2050年カーボンリュータル実現に向けた課題として、
温室硬化ガス排出の8割以上を占めるエネルギー分野の取り組みというのは世界的に喫緊の課題でございます。
写真ありがとうございます。撮ってください。
その中で私たちは安全安心で石エネルギーに頼らない、放射性廃棄物も出ない、狭い我が国の国土を有効利用でき、
かつ安定して発電する発電システムを作り上げたいという思いで作り上げました。
他の先生たちと違って私はものすごくわがままなんでしょう。
私は私がやりたいために社会実装しているので、他の先生たちの大きなビジョンとちょっと違うんですね。
私はこれがやりたいんです。
私は内閣府とか文科省でも下っ端のお仕事をさせていただいておりまして、そのうちのお仕事の一つが、
我が国に有意な自然エネルギーは何かを調査せよというものがございました。
正直有意と言われてしまうと、海と熱かなと思います。
特に熱に関しては我が国資源ないですよね。
石油とか石炭とか輸入してくるんですけど、その3分の2は熱に変わってしまってるんです。
STC技術の開発
松下祥子
その経済的損失は年間約6兆円と言われています。
また、実は熱って身の回りにあるんでそんなにありがたみがないんですけど、
この部屋の中で一番あるエネルギーなんです。
例えば光、100%のエネルギー変換効率技術を作っても1立方センチメートルあたり300マイクロワットにしかなりません。
が、熱で50%のエネルギー変換効率技術を作った場合、これは1ミリワットになるんです。
すなわち、熱でエネルギーを変える、これはとてもメリットがあることだということがお分かりいただけるかと思います。
さて、熱で発電する技術というと地熱発電所をご存知の方も多いかもしれません。
これは地下水を熱で水蒸気に変えてタービンで回して発電しています。
ですから、熱というよりは水を使うんですよね。
例えば、我が国では温泉産業と競合しがちですし、世界的には使いにくい技術です。
我が国でも掘ってみたけど水は出ないなんていうことは結構あるんです。
また、地上を見ますと余っている熱のほとんど、我が国の場合はサーバルマネジメントが進んでおりますので、余っている熱は200度以下。
すなわち、200度以下で発電すれば、地上でも地下でも使うことができるということで、私どもが研究しておりますのがSTCという熱エネルギー変換技術です。
これは、もし技術に興味がある方は後で私を捕まえてください。
これは半導体の中の熱冷気電化を使うため、この場所での冷却部が不要です。
例えば、税弁型熱電とオードサで発電するんですけど、これは温度差がいらないんです。
室温以上の低温度域で発電します。
ただし、欠点が一つあって、発電は終了します。いつか。
その時にスイッチを切ってやると、熱を吸収して再度放電することができるという技術です。
これは昨年8月のプレスリリースでございますが、実験場は高温層の中、一定温度の中で私どもの熱エネルギー変換技術、STCが入っていて、
その熱で持って、Bluetooth通信、ビーコン型程度であればできるよということを報告させていただきました。
こんなふうに一定温度で発電しますので、放電は止まるんです。
化学反応を使っていて、一定温度で発電すると、それは化学並行というものに到達すると放電が終了するんです。
ここも興味がある方は後で私を捕まえてください。
ここの時にスイッチを切ってやると、切っている状態の並行状態に移るので、また放電することができる。
これはお休み時間が短いと放電時間が短く、長く休むと長く放電できるよということを示したものでございますが、
このように屋根の下、壁の中、地下などに埋めていただいて、スイッチをオン・オフして使うという技術になります。
現在では1回の放電時間が100分を超えて、小型で様々な形態を取ることができる、この辺は今日集まりの皆様はあまり興味ないと思うので飛ばしますね。
強豪技術との比較でございますが、60度で、これは計算ですが、太陽電池を超えていきます。
何が超えるかというと、光と比較しているので、面積あたりの出力が超えますが、光と熱の大きな違いそれは、光だったらこのリモコンの表面につけるしかないですね。
熱は中を伝搬していきますから、この中に積層して使うことができるんです。
結果、これもただの計算ですよ。これもただの計算でイメージです。
これは現在、最も私たちが社会実証に近いと思っている同4型STCの場合の出力でございますが、大体60度で太陽電池を超えてきています。
太陽電池は屋根の上に乗っているものです。使用時の平均温度は50度なんですね。
50度でのSTCの電圧は1㎠あたり5mW。太陽光パネルは大体1.4平米で売られているので、1.4平米の下に1㎜でつけた場合にはSTCで70Wです。
これが5層あると5㎜で350Wくらい。
今、200Wの太陽電池が大体6万円で売られていることから、コンパティぐらいでいけるかなということで、石油価格に影響を与える技術として、欧米、中東アジア、中東アフリカにてご報道いただきました。
ここまでが研究してやったことです。
これを何とか学術にしたかった。
実は、私は熱エネルギーを何とかしようと思ったのは2011年です。
3.11の時です。
情けないことに、私はずっと風を見ていて、風が関東に吹いて来ないかを見ていたんですよ。
放射性廃棄物がこっちに来ないかをずっと見ていたんですよ。
2011年、その時に何とかしようと思ったわけです。
自分自身がSTCを思いつけたのは2015年です。
そこで、ネドとかJSTのお力添えをずっとやってきて、私が本当に今ご説明したものが動くんだって思えたのは、
2022年の2月、7年間かかってるですね、発案した後に。
ここで、なぜ社会実装へ行ったか、なぜ創業したかです。
皆さんとちょっと違うんですよ。
小松尚平
その時、できるって気づいて、研究で問題になったのが、
松下祥子
ノリだったんですよね。
私たちの電池って作業局っていうのと対局っていうのをノリで両面テープで作ってたんですよ。
普通に1ヶ月ぐらい発電するから、最初にやられちゃったのがノリなんですよ。
でも私は、無機材料の巡業所なんですね。
ノリの研究はできる?
もうちょっとこの環境で盛り上がってくれたらいいと思うんですよね。
できないんでしょ。
私は苦しんでいたんです。
ただその時、私はJSTのSTARTという事業に採択されておりまして、
このJSTのプログラムは、大学のニーズを世の中に出そうっていうプログラム。
正直それに乗っかって私は社会実装に行ってるんです。
その時のメンターが未来創造機構様という、東高大に関連したベンチャーキャピタル様で、
その力添えを受けて、昨年2月に創業した。
ごめんなさいね、多分多くの方ががっかりしたかもしれませんが、
お国の政策に乗っかって社会実装に行った人です。
今、弊社の方は東高大初め、本社は東高大の多摩地キャンパスに、
ラボは鈴掛のキャンパスにございます。
今はですね、すごく夢が具体になりまして、メガソーラーじゃなくてメガサーマル。
我々のものを使って発電所を作ろう。
その手前のサーマルパネルを作ろう。
ソーラーパネルって実は15センチ角ぐらいの太陽電池が直列並列に繋がっているだけなんですよね。
だからそのちっちゃい板も作って一緒に売ろうというようなことをさせていただいています。
こちらが最終的なイメージでございますけれども、こういったサーマルパネル、
積んでも立てても広げても使える、みたいなものを作っていこうということを考えています。
あと3分なんで飛ばします。
今どこまで来たかというと、ちょうどですね4月にメキシコの鉱山の中でセンターオブジェアースってわかりますか?
あんな感じでトラックで入れるんですよ。
この鉱山の中で実際に置いてきてSTCを、これひどい環境で人間がいるところは圧縮空気で冷えてるんですけど、
ドアを開けるとそこは47度、湿度100%、上からpH発展後の茶色の水が落ちてくるみたいなところなんですけど、
まだ手作りなんですけど、STC20個繋げてきちんとニチウムイオン電池が充電ができるようになったと。
これはですね私は感動して、っていうのはノリができなくて1年前創業してるから、これ1年後にノリができたっていうことなんですよね。
かつ本当に充電ができたので、今皆様のスマホが所言えば熱で充電できるようになったわけなので、
社会実装の文化的違い
松下祥子
やってて私は泣いちゃったんですけど、周りの交付は何事かわからなくてオロオロしてたみたいなところでございました。
最初は私と未来のお二人だったんですけど、今はだいぶメンバーも増えましてやらせていただいているところでございます。
研究者の社会実装に対する思いが本日のメインだと思うんです。
私の中ではこれ本学のミッション、これからの科学の発展を担い社会とともに活力ある未来を切り開いていく、
東京科学大学になると変わるかもしれません。このミッションの上にビジョンがあって、バリューがあって、戦略があって、戦術があって、
私の中では研究室もスタートアップもどちらも同じ戦略なんです。 ただやってみてちょっと違うなと思うのは、
これ皆さんどのぐらいディープテックの研究者っているんですかね。 物作り研究者いますか。
文化があまりに違いすぎてですね、とてもショックを私は受けました。 一番、電話。
皆さんどっち派ですかね。目下からかけてok? 私たちは違うんです。そんなことありえません。
アカデミア、ないですよ。 目下の者から電話をかけてお時間を頂戴するなんてありえないんですけど、
スタートアップ界隈では違うんですよね。 目下の者から命令かける、ここをはじめ分からなくて、今でもちょっと慣れないところですね。
もう一個、会議。スタートアップその場で本当に決めるんですよね。 ない。アカデミアそんなことありえない。そんな失礼なことはしません。
会議の前にすべてが決まりますよね。 自慣らしさなしで決める。ここ大きな差です。
最後、表現。 とにかく言語化を求められる。こんな感じで。
でも私たち観察が大事なので、文章よりも写真、写真よりも動画を重要視させるので、
言語化って価値観が反映されるじゃないですか。 そんなものを信じないっていう、この文化の違いが私はとても辛かったということでございます。
もしですね、ディープテックで社会実装するそこのあなたは、この文化をですね、気にしていただければと思います。
小松尚平
ご静聴ありがとうございました。 松下様ありがとうございました。大きな拍手をお送りください。
岡瑞起
続きまして、岡さんよろしくお願い致します。 初めまして。
こんにちは。 筑波大で人工知能、そして人工生命と呼ばれる分野の研究をしております。
岡田おり申します。 今日は、IBS初めて参加させていただいているんですけれども、ちょっとこの熱気とすごい音に若干圧倒されているんですけれども、
今日はですね、アカデミックな大学にいる人として、社会実装に対する思いを述べてくださいというお題をいただきまして、
コネクトスフィアの使命
岡瑞起
私がやっているコネクトスフィアという会社があるんですけれども、そこでやろうとしていることだったりとか、
なぜこれをやろうと思っているかって話をさせていただきたいと思います。 コネクトスフィア、スフィアをつなげるっていう意味を込めた名前の会社にしてるんですけれども、
この名前にある通り、会社のミッションとしては、アカデミックとインダストリーと、そして社会をつなげるような、そうした技術を開発していきたいと思っています。
で、なんでそんなことをわざわざ、まあ当たり前のことかもしれないんですけど、非常にそれを最近のアカデミックの現状を見ていると、本当にこれをやっていくことが重要だなというふうに感じています。
ちょっとこの図を見ていただきたいんですけれども、これ今千葉工業大学にいる糸上一先生の作られた図で、それをお借りしているんですけれども、これ見て何だと思いますか。
これ皆さんおそらく大学等で勉強された時に、ジェネラリストになるかとかスペシャリストになるかみたいな、そういった疑問を投げかけられたことあると思うんですけれども、これはそれをちょっと表しています。
私も筑波大学で、情報科学類という、いわゆるコンピューターサイエンスを勉強するところと、あと国際総合学類といって、もう少し文系の一般的なジェネラリストを育てるような両方に所属しているんですね。
そうすると、この縦の棒というのが、いわゆるジェネラリストのような勉強してきた人、縦に深い棒というのをいわゆるスペシャリストですよね。
大学で勉強する時というのは、ある種のジェネラリストになるような勉強をするか、あるいはいくつかの専門性を持ちつつ、それを横断するような分野を学んだりとか、いろいろあると思うんですけれども、
社会実装する時に必要となってくるのは、いくつかの分野を少し横断するけれども、その間をつなぐような言語を持つことということを要求されることが多いと思うんですね。
実際に、さらにそれを何かプロダクトとして実装する時は、その分野のスペシャルな技術だったり知識を持っている人と、ある種コラボレーションして、何か新しいものを作ったりとかしようと思うんですよね。
おそらくスタートアップをやる時にも、最初は何かそういう新しい技術を持ってきて、それを社会実装するために、いろんな人たちとコラボレーションしながらやると思うんですけど、
実際に本当に面白いところだったりとか、イノベーションが生まれるところっていうのは、この間にあると思うんですね。
ジェネラリストでもない、あるいは既存の今の大学の体系の中で、すでに学問として確立されたりとかしている分野にはない、その間のところに非常に面白いものがあるんじゃないかなというふうに思っていて、
大学に閉じこもっているだけだと、そうした面白いテーマだったりとか、開発するべき技術だったりとかに気づくことができないんですよね。
牛場潤一
なので、私があえて会社を起こしてやりたいことは、こういうそもそも面白い領域と領域の間にあるような分野にあえて挑んでいって、その技術を学術的な知識とともに開発したいという思いでやっています。
アンティディスプラリーの重要性
岡瑞起
こうした分野のことを、アンティディスプリン、アンティディスプナリーというふうに呼んでいます。
皆さんディスプリンという言葉を聞いたことあると思うんですけど、これはある種体系化された分野ですよね。
例えば情報学類とか国際学とか法律とか、色金融とか、いろいろ大学の学部の名前になっているようなディスプリンに対して、よく聞く言葉としてインターディスプリンという言葉があると思うんですよね。
インターディスプリンというのは、学際的というのを言ったりしますけれども、学問と学問をつなぐ。
でもこれって、実は既に確立されているディスプリンとディスプリン同士が点と点がつながっている感じなんですよね。
なんですけど、アンティディスプナリーという概念は、そこの点と点をつなぐ、まだ発見されていない分野。
それをアンティディスプラニーと呼んでいます。
で、面白い技術だったりとか、今後注目される技術だったりとか、社会にイノベーションを起こすような分野っていうのは、このアンティディスプラニーの分野にあるだろうと。
で、今大学が抱えている問題っていうのは、まさにこれなんですね。このアンティディスプリーな考え方を持てるような、あるいはそこの分野に挑んでいって、問題を自分で探して、
自分で定義して、その解決方法も作って、何だったらその分野の産業まで生み出すような人材を育てたりとか、教育したりとかする分野はないんですよね。
でも今求められたのは多分そこで、おそらくここにいらっしゃるスタートアップの皆さんっていうのは、まさにこのアンティディスプラリーな分野を切り開いている方だと思うんですけれども、そういったことをやっていく必要があるなと思っております。
非常にこのアンティディスプラリーっていうのはその概念を捉えていて、このアンティディスプラリーを説明するときによく用いられる比喩があるんですけど、それどういうものかっていうと、酔っ払った人が夜中帰る途中で鍵を落としましたと。
酔っ払ってるから鍵を探していると、街灯ランプがある人しか探せないわけですよね。酔っ払ってるしよく見えないから。だけど本当の鍵っていうのはその街灯のランプが当たっていない暗闇になるかもしれなくて、そういう比喩をよく使いられるんですけど、アンティディスプラリーっていうのもそういうふうに街灯、今ランプがまだ当たっていなくて、その分野をやっても誰にも理解されないかもしれないし、
何だったら学問体系としては確立されてないので、そもそもその研究をしても、まずどこの研究会に出せばいいかわからないとか、どこのカンファレンスに出していいかわからないとか、ジャーナルに出していいかわからないとか、そういう分野が実はたくさん今出てきていて、私の研究室にも結構最近そういう学生さんが増えてきてるんですね。
自分は例えばメディアアートとAIと音楽を掛け合わせたような研究をやりたいと思っています。
でもそういうことを研究して、しかも卒業単位をくれるような研究室がないのでここに来ましたっていう学生さんが、例えばうちのところに何故か来てくれるんですけど、決して私はそのメディアアーティストでもないですし、
社会的視点の必要性
岡瑞起
その時その学生は何故千谷先生のところに行かなかったのって聞いたんですけど、もう少しエコロジー的な生態的な観点からやることを捉えてみたいという学生が来てくれたんですけど、
そういう学生さんを見ていると、今のまさに大学が抱えている問題っていうのをすごく指摘してくれているように思えて、非常に視察的だなと思います。
そんな思いでこの会社をやっているんですけれども、これは最近ちょうど先週ですね、韓国で行われたAIの学会に参加してきたんですけれども、
そこでスタンフォード大学のジェームス・ラドリー先生という方がお話ししていた話ともすごく通ずるんだと思ったので、ちょっとここで紹介させていただきますね。
今の話ってどういう風に技術を開発していくかとかもすごく関係していて、今現場で特にAIに関する技術開発っていうのはすごいユーザーセントリックな、ユーザー中心的な視点で作られているんですね。
例えばそこの会議のトークの内容では、このジェームス先生は自動運転車、自立運転自動車ですね、の例を持って行っていたんですけれども、
この自動運転車の車を開発するときって、そのテクノロジー的にはカメラで映し出しているものが、あるいはセンサーで捉えているものが、何が映っているかとか、どこに道路があるかとか、どこにガードレールがあるかということの認識に特化した技術っていうのを開発しますよね。
そこの精度がどうだとか、どのくらいの事故を防げるかっていうのをシミュレーションでやったりするわけですけれども、それが本当にコミュニティの中に入っていったときに、コミュニティレベルになったときに何が起こるかというと、まず人の態度が変化するわけですよね。
例えばこの前、サンフランシスコにウェーモっていう自動車が実際に投入されて、本当に誰も運転席に座っていない自動運転車が動いているというので、かなりSNSで話題になっていましたけど、ああいう自動車が例えば街の中を走っていると、まず無人の自動車が運転している対行車っていうのは、かなり気をつけて運転するようになるし、
何だったら歩行者っていうのも、無人運転車になって自動車がいるなって思うと、それを今までの行動と違ってくるわけですよね。
でもそうした視点っていうのは、開発が行われている現場では、技術開発の現場では考慮されないわけですよね。
そうした視点っていうのは、あくまで初めて社会実装されて、後付けでどうやって対処していくかってことがしか起こってないと。
何だったら、ソサイティレベルになったときに、本当にみんなが自分で無人の自動車を持つようになって、それを使うようになったときに何が起こるか。
ある研究のシミュレーションでは、おそらく今よりも交通量が増えるだろうって言われているんですね。
それは何でかっていうと、例えば私も東京に住んでますけど、大学に行くのに自動車で来ましたと。
そのときに、例えば大学に駐車場がなかったとすると、どこかにパーキングしようとすると、
例えば都内だと1日止めると5000円とかかかるわけですよね。
でもそんなことはお金払いたくないから、じゃあもっと安いところまで自動的に運転を行って戻って止めたりするじゃないですか。
そうすると結構結果的にトラフィックが増えちゃうと。
いったことを考えて、じゃあそもそも交通の機関はどうするべきなのかとか、
駐車場の配置とかそういうのはどういうふうに考えるべきかっていうことは、
社会的な問題だけじゃなくて、実はテクノロジーも含めて考えるべきなんですけれども、
常にそういったことっていうのは後でしか考慮されないと。
それもさっき言ったアンティディスペラリーの概念につながってきて、
本当に起こるべきはこの技術が開発されている最初の時点でそういうことを考えられる人とか、
そういう視点を持った人たちっていうのがチームの中に入って開発していく。
きっとそこに新しい社会のビジネスにつながるようなニーズが見つけられたりとかするわけですよね。
そういう意味で非常にこの図っていうのは、
アンティディスペラリーの概念の重要性だったり、
特に今現代においてアカデミックっていうのが、
私の感覚では結構もう危機的な状況にあると思っています。
それはさっき言ったように今までのディスプリンっていうのが強すぎて、
なかなかその間にあるような研究をしようとした時に、
それを受け入れられる体制が我々の方にないからっていうのはもちろんなんですけども、
特にこのAIの分野においてはものすごい数の論文が作られてるんですよね。
なので今までのその評価体系の中で論文を評価しようとした時に、
結構それも崩壊してきちゃってるんですよね。
例えば皆さんの分野、AIの分野とニューロイプスっていうのが一つのトップカンファレンスとして知られてるんですけど、
ご存知の方も多いと思います。
ひょっとしたらそこで論文発表されたかもいるかもしれないんですけども、
そこでの論文の投稿数ってものすごい数で増えていて、
それこそエクスポネーシャルに増えている。
エクスポネーシャルとは言わないかもしれないですけど、
一番最新の論文数、投稿論文数なんと1万5千本らしいです。
1万5千ですよ。
だからそれをサドックするのってほとんど不可能ですよね。
多分ですけど、その多くのものがチャットGPとかクラウドを使って書かれてるわけですよね。
そうすると、サドックする方も、たくさん例えば20本も30本もサドックしてくださいって言われた時に、
果たして全部読めるかって話になってくると、どこかでじゃあAIにサドックされましょうみたいなシステムになってきますよね。
そうするともはやわけがわからなくて、
AIが書いた論文をAIがサドックして、
それを最終的に人間がOKからOKじゃないかみたいなことをやるっていうことが起こるかもしれないし、
起こりつつあるってこと自体が今の体系の危うさを物語っていると思うんですけれども、
そういう意味でも我々自身、アカデミックもこういったアンティディスプラリーな場を作る必要があると思ってますし、
そのためには実際に社会実装をやっている方々をもっとアカデミックにお招きして、
インターディスプラリーなチームを作って物事を解決、
そして新しい技術を作るってことが非常に重要だと思ってまして、
今後はそうした場を作っていきたいと思ってますので、また別の機会にそれについてお話しできればと思います。
今日はありがとうございました。
VRデジタル療法の可能性
牛場潤一
岡様ありがとうございました。
次に最後の登壇者になります。小松様よろしくお願いいたします。
小松尚平
小松です。よろしくお願いします。
今日はVRデジタル用法の可能性という題名で小松が発表させていただきます。
まず自己紹介をさせてください。
僕はVR研究者でデザインエンジニアという肩書きでやっています。
3つの側面がありまして、東京大学、高知大学で研究しながらスタートアップのVIP-Cで社会実装をして、
このIBSのカンファレンスのデザイン版みたいなデザインシップというのもやっていて、
そこで実際のデザインの知見を手段として取り入れてVRの研究をしています。
これは去年登壇したものなんですけど、ミラティブ赤川さん、
クラスター加藤さん、キャラクターバンク三上さん、おりりさんと話したんですけど、
みんな話すのが長すぎて全然話せなかったので、
今年は運良くソロのプレゼンをいただいたので紹介していきたいと思います。
VRデジタル療法ってそもそも何なんだということで、
まずデジタル療法の説明をしていこうかなと思います。
皆さんデジタルヘルスって言葉は聞いたことがあると思うんですけれども、
デジタル療法っていうのは一番上の概念にデジタルヘルスっていう概念があって、
その中で医療に関係するものをデジタル医療と言って、
デジタル医療のうち疾患の治療を目的とするものをデジタル療法と言います。
普段健康促進アプリとかって何なんだっていうふうに言いますけど、
それはプログラム医療機器に該当しないソフトウェアで、
僕らのやろうとしているVRデジタル療法、デジタル療法、デジタルセラピュティクスっていうものは、
プログラム医療機器と呼ばれる医療機器認定されたものになります。
スタートアップで言うとCureAppっていうニコチン依存症、
高血圧向けなどの治療用アプリで認可されたものがあって、
今僕らが研究開発しているのは、
VRで初の日本で初の治療の医療機器っていうのを作ろうとしています。
じゃあVRデジタル療法って先行事例あるのかっていうと、
アメリカにあってですね、XRヘルスって会社とアプライドVRって会社です。
これは医療機器認定されています。
リハビリと慢性頭痛っていうものを目的にして、
画像の通りですね、ゲーミフィケーションを用いてVRの実際の治療っていうものを行っています。
じゃあVRデジタル療法ってそもそも必要なのかっていう話で、
じゃあ薬物でいいんじゃないかっていうことが言われると思うんですけど、
薬物には実は薬物療法の課題があります。
実はうつの薬っていうのは3人に2人報告しない患者がいます。
多いですよね。
プラス実はここ10年の脳の研究でうつ病のタイプっていうのが分かりました。
うつ病のタイプっていっぱいあるんですね。
症状が違うんです。
僕らが結構注目したのがこの左上の半数というものですね。
半数というものは今実際に研究されてるんですけど、
薬物があまり効かないという結果が出ています。
じゃあ何をするかっていうとその下に対処法が書いてあって、
マインドフルネスとか認知行動療法とか、
そういったものが非常に有効だという話になっています。
ただ認知行動療法は実はとてもお医者さんのスキルが必要になってしまうがゆえ、
全然1%以下の実施率っていうので、
そこでVRデジタル療法の登場ということです。
VRのデジタル療法はですね、
VRの体験っていうのは深い没入感があって、
イメージトレーニングもできて、
さらに何か中の物、物体を実際に触れたりするっていう強みがあります。
先ほど言ったそのうつ病の様々な症状のタイプっていうのが、
それぞれにVRの体験の中で個別化して、
実際に体験にインタラクションとしてフィードバックできるというのがあります。
例えばディストラクションっていう手法だと、
注意っていうのがすごい過集中しているので、
それを注意を引き付けることで気を逸らしたりする。
フォーカスフィッティングっていうのは認知機能のリソースを、
逆に注意集中させるっていうことをやってたりします。
今ですね、それを僕は高知大医学部に所属して、
そこを中心にいくつかの医療機関の協力の下、
臨床研究というものを、
実際の半数を伴う中等症以上のうつ病の患者さんに向けて、
薬物治療と比較してVRデジタル療法っていうのを試しているという状況です。
具体的にどんなものがあるんだっていうと、
VRのプロダクトとウェブのプロダクトを合わせたものを提供しています。
代表的なVRコンテンツを2つ紹介すると、
先ほど言っていたVRの実際のアテンショントレーニングっていうものを、
このゲーム空間、VR空間の中で、
実際の動物を見て注意のトレーニングをすると。
これVRの中だと、難易度を自動に調整できたりするんですね。
例えば患者さんの中だと、
目をつぶっている人には効かなかったっていうのが、
アイトラッキングで取れたりとか、
そういった個別化っていうのをプログラムの中でできるようにしています。
これはマインドフルネスとか、
呼吸のトレーニングをするっていうプログラムで、
AIのアバターが実際に患者さんに向けて、
体験している人に向けて呼吸のトレーニングをする。
実際のマイクとかVRっていうのは、
実際の動きとかを取得できたりするので、
この取得情報を元に、
AIアバターが実際の呼吸のトレーニングとかを
ガイドするっていう風になっています。
開発している中で、
やっぱりVRだけを体験するっていうのだと、
限界があるってことがあって、
VRを外した後、
Webのアプリでフォローするっていうような、
実際の治療のプログラムにしました。
これはですね、
自分がどういう風に毎日治療を達成したかっていうのが
分かったりとか、
そもそもの治療の目的をもう一回確認できるような
形になっていたりとかします。
やっぱり治療ってすごいアドヒアランスじゃないですけど、
やっぱり自分がどんな治療を受けているかっていうのが、
患者さん自体がやっぱり理解しながら進めていかないと、
なかなか治らない病気だったりはするので、
そういったものをですね、実際に一緒に進められるような
Webアプリになっているという感じですね。
教育プログラムの応用
小松尚平
実際に悪いことが起きたのがどれくらいだったかっていうのも、
実際に検出できたりします。
で、患者さんの状態ってどういう状態なんだろうっていうことで、
やっぱりどうしてもお医者さんっていうのは
つかないといけないときに、
例えば今まで薬物療法だと薬とかだと、
やっぱりいつ飲んだかわかんない。
嘘ついて飲んでない場合とかがあるんですけど、
VRの場合だと実際にVRのコンテンツで、
例えば動物を見るっていうのがちゃんと達成されたかとかを、
リアルタイムでお医者さんが見れたり、
フィードバックをできたりするような
簡易画面のシステムっていうのも作りました。
こういったものもやっぱりどうしても
研究開発の段階ではなかなか出てこないっていうのがありました。
VR療法の応用として、
VRっていうものを僕は専門にしていて、
生体VRという別のプロジェクトで作ったものがあります。
これはどういったものかっていうと、
VRの特徴としては、
やっぱり音を小さめにできます。
実際にこれ28台のカメラがあってですね、
それでスキャンをしてですね、
一瞬でこういうふうにアバターにできるというものです。
VR自体はやっぱり没入するような強みっていうのがあるので、
それを利用して戦争とかそういった教育、
平和教育のプログラムとして応用したプロジェクトになります。
これは実際の過去の広島の原爆の写真の中とかを、
自身のアバターで歩くっていう試みをしました。
これは研究の中でですね、
なかなか過去の写真を見ても理解度が深まらないっていうのがあって、
その子どもたちとかに向けてですね、
次の世代、戦後79年、80年になった時に、
やっぱり自分が実際に体験できるような過去の写真とかに対して、
実際にもう一回そこに投影できるような仕掛けとして、
このようなシステムを作ったという形になります。
実際にこれ、実は複数の写真、
今のは一枚の写真に入り込むものなんですけども、
複数の写真を皆さんのスマホで撮るとですね、
最近だとライダーっていう、
実際の奥行き振動センサーみたいなのが付いていてですね、
その写真を組み合わせることで、
こういった3D空間が作れたりします。
これは実際に、
現地のウクライナの戦災の地域のですね、
地下室のものを、
このヤロスラフさんっていう、
実際のウクライナの現地の方に協力をいただいて、
作ったものになります。
これ自体がやっぱり、
学校の地下室っていうのに、
これは実際の写真ですけれども、
どういった形で行ったのかっていうのが、
なかなか僕らって、
まあ当たり前ですけど、
旅行とか行けないわけで、
やっぱりVRっていうのは、
実際に空間っていうものを
飛ぶことができるということで、
こういった、
なかなか映像だけでは伝わらないものっていうものを、
VRの中で体験して、
実際に何が起こったのかっていうのを、
写真、映像ではなく、
新しく保存する手法として、
VRっていう方式を使ってですね、
やっているという形になっています。
未来への展望
小松尚平
このヤロスラフさん自体も、
実はVRの中で登場して、
日本語で喋るようなプログラムっていうのを、
今作っているっていう感じですね。
こういったスキャンの技術っていうのは、
みなさんのスマホにもついてて、
簡単に3Dでスキャンできるようになっています。
これはこの前、
森健一郎さんと出たピボットの番組のもので、
実際にスキャンをしてですね、
一人一人のアバターっていうものを作って、
これ僕の声なんですけど、
僕の声を学習しながら、
僕の思考とかも入れたものを、
24時間話している状態です。
これは面白いのが、
またVRデジタル療法の話に戻ると、
心理劇、サイコドラマっていう手法があって、
それはどういうことかっていうと、
自分の補助人格っていう、
自分の人格を真似た演じる人を作って、
その演じた人の反応を見ると、
自分が客観性を得て治療につながるっていう、
それはVRの中でやってたわけじゃないんですよ。
今まで。
心理劇、サイコドラマっていう演劇の手法を使って、
自分にこんな反応もしていいんだっていうことを、
客観的に反応できるもの。
これはそういったものに応用できるなということで、
作りました。
今だとAIが登場したことによってですね、
これ森先生許可いただいて、
ちゃんとスキャンしたんですけれども、
こんな感じでですね、
非常にそんな難しくなくですね、
自分のデジタルヒューマン、
自分の分身っていうのを作れるようになったという感じになっています。
これ自体ですね、
ピポットエクストリームサイエンスっていう番組に
ちょっと出演して、
1時間半くらい話したので、
もし今回のプレゼンで、
ご興味持っていただいた方がいれば、
ちょっと長い動画なんですけれども、
ぜひ見ていただきたいなと思っています。
皆さんにVRとかそういったものの可能性っていうものを、
少しでも今日、
皆さんに実際に伝えられたら良かったかなと思っています。
僕らは実は演劇の中で、
エンタメの企業と組んだりとか、
実際の製薬会社と組んで、
独自のメタバースを実は作っていたりします。
なので、
このIBSというところで、
もし興味を持った、
このプレゼンに興味を持って何か一緒にやりたいって人は、
ぜひSNSか、
この終わった後とかに声がけをしてください。
ということで、皆さんありがとうございました。
岡瑞起
小松様ありがとうございました。
これで本セッションを終了いたしたいと思います。
ご参加いただきありがとうございました。
58:26

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