1. 気づくと変わる心理学 〜心のリスキリング〜
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2025-01-07 12:58

#44 心の距離感。コミュニケーションのホップ・ステップ・ジャンプ。

今回は、『心の距離感。コミュニケーションのホップ・ステップ・ジャンプ。』のお話です。


お伝えしている心理学ですが、

皆さまにとっての日常的で、身近な話題とも自然とつながっています。

その見方・活かし方を、ご紹介します。


今回は、「心の距離感。コミュニケーションのホップ・ステップ・ジャンプ。」について。

コミュニケーションでのふとした違和感で気づく、心の距離感。何が起きているのか、どうしたら良いのか、気づくヒントが得られます。


第1回目「承認欲求は誰もが持っている原点」

第2回目「心の仕組みは、世界共通。誰もが持つ、親・成人・子ども。」

第8回目「承認欲求を満たし合う、コミュニケーション3つの法則。」

ともリンクするお話です。


まだ聞いた事がない方も、

何本か聞いて番組に興味を持ってくださった方も、

気づくと変わる、いつもと違う変化を味わってみませんか?

サマリー

このエピソードでは、コミュニケーションにおける心の距離感について考察しています。「ホップ・ステップ・ジャンプ」で表現されるこの距離感は、日常的な交流の中で様々な感情や状況に影響を与えています。相補交流と交差交流の二つの法則が取り上げられ、それに基づく実際の経験がシェアされています。

心の距離感の理解
こんにちは。明治大学で生涯学習講座の講師をしています、遠藤美保です。
この番組では、社会人や学生向けの生涯学習講座を10年以上行ってきた私が、日常生活でも活かせる心理学を、ポッドキャストでお伝えしていきます。
今回のテーマはこちら。『心の距離感。コミュニケーションのホップ・ステップ・ジャンプ。』 今回は、「心の距離感。コミュニケーションのホップ・ステップ・ジャンプ。」のお話です。
お伝えしている心理学ですが、皆様にとっての日常的で身近な話題とも、自然とつながっています。その見方・活かし方を、ご紹介します。
今回は、「心の距離感。コミュニケーションのホップ・ステップ・ジャンプ。」について。コミュニケーションでのふとした違和感で気づく、心の距離感。何が起きているのか、どうしたら良いのか、気づくヒントが得られます。
第1回目「承認欲求は誰もが持っている原点」。第2回目「心の仕組みは世界共通。誰もが持つ、親・成人・子ども。」 第8回目「承認欲求を満たし合う、コミュニケーション3つの法則」とも、リンクするお話です。
社会人になりたての頃、ある地方の大学を卒業して、ある企業に入社、東京に配属となりました。それなりに同期入社も多く、にぎやか。研修で席が近いとか、同じ職種であるとか、そういった時間や業務を共有している人たちというのは、すぐ仲良くなりますし、心の距離感も縮まりやすいかと思います。
そういった意味では、違う会社でも同じ。取引先や協力関係にあるところなどは、業務を通して多くの時間や体験を共有しますので、こちらもやはり、自然と心の距離感は近くなります。
そんなある日、一人の同期から声をかけられました。全く知らない顔だったのですが、えらく親しげ。「誰?何だろう?会ったことあったっけ?」時折、相手からはよく覚えられているものの、こちらはほとんど覚えていない。そんなギャップのある状況になることがあります。
もちろん、逆の場合もあるんですけれども。この時も、そうかもと思い、記憶を探りつつ、ひとまず笑顔をキープ。話してみると、どうやら学部は違うものの、同じ大学出身。ただ、大学では基本的に接点なし。
会話らしい会話もしたことがなく、相手も見かけたことがあるかないかくらい。それなのに、相当親しげで、正直心の中はちょっと引き気味。とはいえ、その場は和やかに、「ああ、同じ大学なんだ。へえ。」と多少の違和感がありつつも、まあまあ話も合わせて、お別れ。
問題は、というか、問題なんて言って本当にすみません。多少の違和感がめちゃめちゃ大きくなったのは、その後の出来事です。しばらく経ったある日、ある集まりの場。日頃から仕事を一緒にしていて、仲間意識すらある違う会社の方々も同席している場でした。
盛り上がって楽しくお話をしている、そこにその同期が現れ、「うちの遠藤がお世話になっています。」と入ってきました。続く会話でも、私は、その同期の慣れ親しんだ身内、というような扱い。
ビジネスマナーとしては、正しい。あり、なんだと思いますが、その同期の言い方や態度が、何て言うんでしょう、妙にこう慣れ慣れしすぎる気がして、どうにも違和感が大きく、上の空になった覚えがあります。これには、基本的な価値観の違いも、大きく関係しているようです。
私は小学生の頃、複数回の転校を経験しています。特定の都道府県でずっと生活してきた、というわけではないもので、地元はここ、という感覚は乏しい。
そのため、同じ地方から出てきたとか、同じ大学だとか、それなりには嬉しいものの、それだけで一気に心の距離感がググッと縮むような、一気にホップ・ステップ・ジャンプ、するような、そんな感覚にはならないようです。今にして思えば、その同期は、地元意識が高めの人だったのかも。そこで、心の距離感が、一気に
ホップ・ステップ・ジャンプしたのかも。です。コミュニケーションには3つの法則があります。今回、そのうちの2つの法則が関係していそうです。
1つめの法則は、心の中の「親・成人・子ども」。ねらい、ねらわれた部分で反応し合うやり取りをすること。ストレートに続く、いつまでも続く可能性のある交流、やり取りです。相補交流とも呼ばれるやり取り。相互に補うと書いて、相補交流です。
親しげに話しかけてきた同期は、この相補交流。それも、「うわぁ、同じだね。何々さん知ってる?」、「知ってる。この間会ったよ。」などという、「子ども」対「子ども」での楽しい会話をしようとしていた、あるいはしているつもりだったのかもしれません。
1回目の出会いの時、その同期が望むほどのテンションではないものの、ひとまず辛うじて、地味に相補交流を維持しました。ところが、2回目の時、その同期の心の距離感は、既にぐぐぐぐっと近くなっているものの、私とは大きな開きのある状態。ここで、2つ目の法則がじわっと起きていました。
2つ目の法則とは、私たちが心の中に持つ「親・成人・子ども」の中で、ねらい、ねらわれた部分ではないところから反応すること。ストレートには続かない、止まってしまうやり取り。交差交流とも呼ばれるやり取り。交差点の交差、という字を使います。
相手は、相変わらず「子ども」対「子ども」、あるいは「親」対「子ども」を狙っていた気もしますが、私の心の中は「成人」が発動。「特に親しくもないのに、なぜこうまで慣れ慣れしく身内扱いされているんだろう。なぜ?」頭の中は、?マークでぐるぐる。上の空です。
交差交流は、どちらか、あるいは両方が、心の状態を変えない限り続きません。上の空で鈍い反応だったもので、その場はそこまで。その後、特に親しくなった記憶がないので、それっきりになってしまったかと思います。
相手に共感したり、好意を持ったりすることで、コミュニケーションがホップ・ステップ・ジャーンプ、良い相補交流が進むこともある。けれど、今回のお話のように、心の距離感に気づかないまま、一方的にコミュニケーションをホップ・ステップ・ジャーンプさせても、交差交流となって止まってしまうこともある。
特に自分にとって、思い入れや思い込みが強い場合、注意する必要がありそうです。相補交流をしたいのに交差交流が起きてしまった場合、一歩立ち止まって、心の距離感について意識してみても良いかもしれません。
もう一つ、別のお話。これは、私の方が勝手にホップ・ステップ・ジャーンプ、してしまった例です。
実体験による理解
SNSを使い始めた最初の頃、しょっちゅう発信をしている知人がいました。他の人の発信も出てくるものの、気づけば、その知人が発信する情報量があまりにも多く、滝のように流れてくる状態。
まだSNSというものに慣れていなかった私は、その滝を浴び続け、いちいち読んでは、感心したり受け止めたり。そんなある日、ある集まりの場、久しぶりにリアルにその人を見かけし、「ああっ」と、満面の笑顔でニコニコ近寄り、嬉しくなって話しかけました。
何せ日々、その人が発信する情報を読んでいますから、私としては日常的に会話をしているくらいの気分だったわけです。
ところが、その方はといえば、いぶかしげな表情で、心なしか引き気味。何なら、「何?馴れ馴れしいなあ」。そんな心の声が、頭の上にこう、マンガでよくある、吹き出しマークの中に書かれて浮かんで見えるくらいの状態。
最初にお話しした例での、立場逆転バージョン。というのも、先方は滝のように発信していますが、私はといえば、もっぱらRead Only、読むだけで、ほぼ発信しない状態。
相手からすれば、私からの情報はなし。心の距離感も何も、近くなりようがありません。一方通行で受け止めるだけ、自分からの発信はなし。せめて自分からも発信をし、それを先方が読んでいれば、直接的な交流ではないものの、間接的な交流は成立していたかも。
実際、脳内では相補交流気分でも、現実は相補交流どころか、交差交流にもなっていない。ちょっときつい言い方をすると、一人相撲とでも言うんでしょうか。そんな状態になってしまっていました。
「勝手に滝のように発信しておいて、何、そのよそよそしさ。くうっ。」、そんなふうに感じて、一瞬がっかりしたりして。ただ、よくよく考えますと、心の距離感がアンバランスになるのも当然。承認欲求を満たす刺激=ストロークが、現実としてお互いにバランス良く行ったり来たり、そんなやりとりになっていなかったからです。
コミュニケーションは、お互いの間のやりとり。やりとりのバランス、ボリュームで、心の距離感がチクハグになってしまう場合もあります。この辺りも、注意が必要です。
では、今回覚えていただきたいポイントは、
「心の距離感。コミュニケーションのホップ・ステップ・ジャンプ。」 まずは、気づくこと。そして、いつもと違う変化を味わってみませんか?
ここまで聞いていただき、ありがとうございます。最後に、番組からのお知らせです。
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