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いせさきFM 担当スタッフ
まん中ぐんま元気情報、この時間は群馬県伊勢崎行政県税事務所の提供でお送りします。
まん中ぐんま元気情報、この時間は群馬県の情報をお伝えします。 本日は、佐波伊勢崎地域の指導人についてでございます。
今日は群馬県ふるさと伝統工芸品「伊勢崎括り絣」の職人、齋藤定夫さんにお越しいただきました。よろしくお願いいたします。
はい、よろしくお願いいたします。 それでは早速ですが、まずは私の方から齋藤定夫さんをちょっとご紹介させてください。
伊勢崎市出身、1943年、昭和18年に伊勢崎市の織物業者「はたや」で生まれました。
そして、10代から家業の手伝いを始め、23歳で職人として独立。 従来は「糸染め」、
「旗織り」など、作業工程ごとに分業をしていたんですが、職人が減ってきたことから 伝統工芸術を守るため、全ての工程を一人で手がけるようになりました。
そして「伊勢崎絣」は、織る前に糸を染める 先染めの技法で作られる4種類ある技法のうち、
齋藤さんは、「括りかすり」、そして「板締めかすり」の技法で糸を染め分け、 手織りで繊細な衣装を表現しております。
そしてさらに2015年、文化振興への功績が認められ、 県文化奨励賞を授与されました。
そんな群馬県ふるさと伝統工芸士にもなります、齋藤定夫さんです。 そもそも織物に興味を持ったきっかけというのは何なんでしょうか。
齋藤定夫さん
特に括りかすりの場合には、 一番のポイントとなるデザインが自由にできることです。
これは100円の方眼紙で自由にできますので、 それがやっぱり魅力的です。
いせさきFM 担当スタッフ
なるほど。そういった点から、 伊勢括りかすりにご興味をもたれてやられているということなんですね。
齋藤定夫さん
そうですね。
いせさきFM 担当スタッフ
はい。先ほど打ち合わせでお話をお聞きしますと、 今は100円で売られている方眼紙でやっていらっしゃるということなんですけれども、
昔は方眼紙というのがあったんですか。
齋藤定夫さん
これはコピーで使えない、原画で作った方眼紙ですけれども、 それでないとやはり狂いが出てしまうんです。
いせさきFM 担当スタッフ
染めのデザインとしてこういう形になるだろうというのが、 狂っちゃうものということですか。
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齋藤定夫さん
そうですね。やはり原画を使わないと、 その方眼紙は必ず狂いが出ます。
縦糸の本数を何本入れる。 かすりからかすりの間にG糸を何本入れる。
そういった全ての計算は方眼紙で行います。
いせさきFM 担当スタッフ
そうなんですか。
齋藤定夫さん
はい。
いせさきFM 担当スタッフ
ちなみに方眼紙でやっていらっしゃると聞いて、 ちょっとびっくりしたんですけど、
そういう計算はあれですか、頭の中でもデザインとかそういうのがあって、 縦糸横糸も含めて方眼紙のここからここまで行けばこうなるな とかというのが分かっていらっしゃるということですか。
齋藤定夫さん
やはり頭の中で自然とこれはできるようになりますね。
いせさきFM 担当スタッフ
なるほどね。
ちなみに斉藤さんはもう携わって70年ぐらい やっていらっしゃるということで、間違いないでしょうか。
齋藤定夫さん
はい。
いせさきFM 担当スタッフ
そもそも織物ですね、先ほども言いましたが、 織物業者「はたや」に生まれたということなんですが、
最初から家業をやろうと思ってやられたんですか。 職人になろうとか思っていたんですか。
齋藤定夫さん
いえいえ、私はそうでなくて。父が交通事故で足を骨折してしまって入院したので。
それで私は、やはり父が長くやってきた仕事なので、何とか辞めたくないっていう、
それがうんと(気持ちが)強かったですね。
いせさきFM 担当スタッフ
なるほどね。じゃあお父さんのそういった不幸な事故ではありますけれども、
それをきっかけとして何とかしていこうという思いからやろうということを決意されたということなんですね。
齋藤定夫さん
それで入院しているときに自分で作った作品を持っていきましたら、
お前に力があれば何をやってもよいという返事がきました。
いせさきFM 担当スタッフ
そうなんですか。
じゃあその時のお父さんのお言葉が力になってやろうというところもきっかけになったということですね。
齋藤定夫さん
そうですね。
いせさきFM 担当スタッフ
なるほど、わかりました。
そしてそのご家族のお話から伊勢崎の括りかすりに携わるようになったわけなんですけれども、
このほど4月なんですが、伊勢崎市役所や絹の里などで展示会が行われました。
その展示会などで特に斎藤さん自身、こだわっているところとかって何かありますか。
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齋藤定夫さん
やはり来場してきましたお客さんは、色使いが上手だとか、そういうことはだいぶ言っておりましたね。
それとやっぱりデザインの変わったデザインが、やはり興味を持たれたと思うんです。
いせさきFM 担当スタッフ
そして先ほどの打ち合わせの中で、その展示会の中でこだわっていることっていうのはもう一つなんかあるようで、
本物の絹、そして本物の着物を織る工程っていうんですか、
それを来場されている方にやってもらっているっていうお話されておりましたよね。
齋藤定夫さん
はい。
いせさきFM 担当スタッフ
やっぱり本物で織ってもらうっていうことが一番大事だなっていうのは思いますか。
齋藤定夫さん
これはやはり本物でやることによって、伊勢崎絣の本当の良さがあると思うんです。
ただ本当に簡単に済ませるものじゃないと思うんですよね。
いせさきFM 担当スタッフ
ハンカチ作ったりとか違うようなやつですね。
齋藤定夫さん
はい。やはりそこのところを一番こだわって、ものづくりをこれからもしていきたいと思います。
いせさきFM 担当スタッフ
なるほど。じゃあそんな本物に触ってもらいたいというところでこだわっているわけですね。
齋藤定夫さん
そうですね。
いせさきFM 担当スタッフ
そしてですね、令和6年の1月30日、群馬県ふるさと伝統工芸品の新規指定、
群馬県ふるさと伝統工芸士に認定されました。
改めてこの伝統工芸士に認定されたわけなんですけども、
お気持ちはいかがですか。何か変わったこととかありますか。
齋藤定夫さん
これは私のところへ、やはり作品づくりしたいという人が非常に増えております。
はい。
これは私としても本当にすごい喜びですね。
いせさきFM 担当スタッフ
なるほど。じゃあ実際に伊勢崎括りかすりをやってみたいという方が増えたということですね。
齋藤定夫さん
はい。
いせさきFM 担当スタッフ
どんな方がやりたいというので来られるんですか。
齋藤定夫さん
やはり30代くらいの人が多くなりましたね。
いせさきFM 担当スタッフ
30代、結構若いですよね。
齋藤定夫さん
そうですね。
いせさきFM 担当スタッフ
もう正直な話、「着物なんて触ったことない」とか、そんな方なんかももしかしたらいるかもしれないということですよね。
じゃあそして男性の方とかもいらっしゃいますか。
齋藤定夫さん
今まででも男性の方は4人ばっかり教えました。
いせさきFM 担当スタッフ
そうなんですか。今までいろいろ教えてこられたと思うんですけど、何人くらいに教えられてこられたのかわかりますか。
齋藤定夫さん
20名以上。
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いせさきFM 担当スタッフ
そんなに。
齋藤定夫さん
そうですね。
いせさきFM 担当スタッフ
なるほどね。そしてまたそんな多くの方が認定されて関心を持たれるというような形になったということなんですが、
今後ですけども、どのようにしていきたいとかって、まだ目標、また夢とかございますかね。
齋藤定夫さん
目標ですか。これはやはり一番は、私も長くやってきた「伊勢崎絣」、これをやっぱり絶やしたくないですね。
はいはい。
1日でも長く続けたいです。
いせさきFM 担当スタッフ
はい、わかりました。
というわけでね、今日は群馬県ふるさと伝統工芸品、伊勢崎括りかすりの職人、齋藤定夫さんにお越しいただきまして、いろんなお話をお伺いさせていただきました。
今後もね、伊勢崎括りかすり、今おんとし81歳ということで、いつまでやっていきたいとかっていうのがありますか。
齋藤定夫さん
そうですね、目の見えるうちはやっていきたいです。
いせさきFM 担当スタッフ
目の見えるうちは、なるほど、すごいですね。通常であればもう80代なんていうと、もうみんな仕事したくないよとかっていうような方だって、たぶんいるんじゃないかなって気はしますけどね。
それでもね、技法をぜひ残していきたいという思いがあるということで。
ぜひね、ご興味お持ちの方いらっしゃいましたら・・・。
ちなみに先ほど生徒さんがいらっしゃるということなんですが、同じように今回のこのラジオをお聞きになって、ご興味お持ちになった方がいらっしゃったといった場合なんですけども、斉藤さんのところに連絡すれば、実際にこの伊勢崎括りかすり、体験したりすることっていうのは可能なんでしょうか。
齋藤定夫さん
可能です。いつでも体験用の作品は織機にかかっておりますから、ぜひいらっしゃってください。
いせさきFM 担当スタッフ
見に来ていただいても全然大丈夫ですよということですね。
わかりました。ありがとうございます。
本日は群馬県ふるさと伝統工芸品「伊勢崎括りかすり」の職人、齋藤定夫さんにお話をお伺いさせていただきました。
本日は貴重なお話ありがとうございました。
齋藤定夫さん
ありがとうございました。