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インベストメントブリッジがお届けする、いろはにマネーのながら学習。
この番組では、インターン生2人が、株、投資、経済関連の気になる情報を分かりやすくお伝えしていきます。
インターン生の会話をながら聞きする感覚で、一緒に勉強していきましょう。
おはようございます。インターン生の山口です。
おはようございます。インターン生の斎藤です。
大阪IRプロジェクトの概要
早速ですが、今日は大阪万博ではなく、万博の跡地にできる大阪IRについてお話ししようと思います。
ところで斎藤さんは、カジノって行ったことありますか?
カジノ行ったことないですね。
たまに友人とかで海外旅行行って、カジノ行ったことあるみたいな子の話は聞くんですけど、
勝手にちょっと危険というか、ギャングルなので怖いなみたいな印象があったりしますね。
そうですよね。私も今年初めてマカオのカジノに行ってきたんですけど、
最初のカジノってお金を絞り取られるというイメージがあったんですけど、
実際行ってみると全然そんなことなくて、本当に5000円くらいだけ遊んで帰りました。
レジャーみたいに行くには楽しめそうですね。
大阪にもついにそういう施設ができるということで、
今日はその話をしていきたいと思うんですが、
初めて見るとカジノって結構複雑で奥深い話なんですよね。
確かにカジノができるってなったら経済効果は大きそうですけど、
ギャングル依存症とかそういった問題もありそうなので、どうなんだろうって思ったりしますね。
そうなんですよ。
今日はそういった良い面も悪い面も含めて詳しく見ていきたいと思います。
また投資の観点からも解説できればなという風に思っております。
はい、お願いします。
その前にちこっと株辞典のコーナーです。
今日はIRを紹介します。
IRというのはインテグレーテッドリゾートの略で、総合型リゾートという意味です。
ホテル、レストラン、ショッピングモール、エンターテインメント施設などが一体になった複合施設を指します。
総合型リゾートってなんか響きがかっこいいですね。
でもIRって聞いてもう一つあるなって思っちゃいました。
そうなんですよ。
インベスターリレーションズもIRと呼ばれていますね。
そちらのIRは企業が株主や投資家向けに経営状態や財務状況、業績、今後の見通しなどを広報するための活動を指しますよね。
はい、その通りです。
今回の話ではIRは総合型リゾートのことを指しますので、インベスターリレーションズのIRは名前だけ覚えてください。
はい。
経済効果と雇用創出
それでは本編に戻ります。
大阪IRは実は2025年4月24日に大阪で正式着工が始まったんです。
場所は大阪湾の人工島、夢島で2030年の開業を予定しています。
もう着工していたんですね。知りませんでした。
万博の会場の近くでしたよね。
はい、その通りなんです。
初期投資額はなんと約1兆2700億円というとんでもない規模のプロジェクトと言われています。
ディズニーランドと市の初期投資額を合計すると約5000億円前後と言われているので、それと比較すると2倍以上の初期投資額ということがわかります。
主な事業者はアメリカのMGMリゾーツとオリックスが主導していて、関西の企業20社も参加しています。
1兆円超え、本当に想像がつかないくらいの金額ですね。
具体的にはどんな施設ができるんですか?
ニュースで話題になっているカジノはもちろんなんですが、それ以外にも国際会議場や展示場、ホテルなど本当に様々な施設が一体となった複合施設となっています。
6000人以上収容する国際会議場も作る予定で、まさにオールインワンの観光拠点となりそうです。
でもこうしたカジノができたらどうなるんでしょうか?
はい、では経済効果から見ていきましょう。
まず数字がすごいんですが、近畿圏だけで年間約1兆1400億円の経済波及効果があると試算されています。
1兆円ですか、本当にすごい規模ですね。
雇用への影響というのはどうなんでしょうか?
はい、雇用喪失効果は約9.3万人で、IR施設内だけでも約1.5万人の雇用が生まれる予定です。
年間来訪者も約2000万人を見込んでいて、そのうち600万人が海外からの観光客なんです。
海外から600万人ってインバウンド効果もすごそうですね。
そうなんですよ。
また年間売上も約5200億円と想定されています。
興味深いのは内訳でカジノ部分が4200億円、カジノ以外が1000億円なんです。
税収効果も年間約700億円が見込まれていて、大阪府にとっては大きな財源となりそうです。
でもやっぱりカジノの比重が大きいんですね。
8割くらいがカジノからの収入ですか?
はい、その通りなんです。
ギャンブル依存症と対策
ただここからがリスクの話になってくるのですが、
実は日本って世界有数のギャンブル依存症大国ってご存知でしたか?
そうだったんですね。全然知らなかったです。
厚生労働省の調査によると、生涯でギャンブル依存症が疑われる状態になったことがある人は、
成人の約3.6%、320万人に相当するんです。
これは国際的に見ても相当高い数字で、オランダが1.9%、フランスが1.2%ですから、
これと比較すると日本の高さが目立っていますよね。
最初3.6%って聞いて、そんなにかなと思ってしまったんですけど、
冷静に30人に1人がギャンブル依存症になっている、また疑われる状態になったことがあるって考えると結構多いですね。
しかも依存症が疑われる人の約8割がパチンコ、パチスロが中心と答えているんです。
日本ってパチンコ店がそこら中にあるっていう、世界的に見ても特殊な環境にありますよね。
確かに街中歩いてても多いですし、コンビニより多いみたいなのも聞いたことがあります。
そうですよね。
でも対策はあるんですか?
はい。実は成功事例があるんですよ。
シンガポールの例が希望的で、シンガポールでは火事の導入前の2005年に依存症率が4.1%だったのが、2017年には0.9%までに下がっているんです。
そんなにも下がったんですね。何をしたんでしょう?
シンガポールでは自国民と永住権保持者の火事の入場に入場料を貸したり、年間入場料を払わせたりしているんです。
それに加えて国家依存症管理サービス機構なんていう専門機関も設立して、24時間対応の相談体制も整備しているんです。
なるほど。しっかりとした制度設計と対策があれば効果があるっていうことですね。
はい、そうなんです。実際大阪IRでも日本人には現在6000円の入場料を設けたり、回数制限を導入するなどの検討が行われているそうです。
なるほど。入場料6000円ってなかなか高いですよね。
はい。
ちょっとそれぐらいお金使っちゃうなら近くにあるユニバーサルスタジオジャパンに行きたいなとかも思ってしまいます。
そうですよね。
ところでこれまで大阪IRの経済効果やリスクについてお話ししてくださったと思うんですけど、このプロジェクトに関わっている企業って投資対象としてはどうでしょうか?
はい、いい質問ですね。主要企業は2社あります。そちらを紹介していきます。
はい。
1社はアメリカのMGM RESORTS INTERNATIONAL。ティッカーシンボルはMGMでニューヨーク証券取引所に上場しています。
MGMってあのラスベガスで有名なカジノの会社ですよね。
トランプ関税の影響
はい、その通りです。ベラージオとかMGMグランドラスベガスなど有名なカジノリゾートを運営している会社になります。
アメリカ国内で16件のカジノを運営していて、マカオでも事業展開しています。
直近の株価は約38トル台で推移しています。
なるほど。アメリカ株なら首都株から買えますもんね。
はい。
ただアメリカの会社ってなると株主優待とかないですよね。
そうなんです。アメリカ企業なので日本式の株主優待制度はないです。
配当による還元が中心となっています。
なるほど。じゃあもう一つの企業も教えてください。
こちらはオリックスです。証券高度8591で東証プライム市場に上場しています。
株価は3000円台前後で推移していますね。
オリックスって有名ですよね。バファローズの親会社ですね。
具体的にはどんな会社なんでしょうか。
1964年にリース事業から始まった総合金融サービスの会社となっています。
今は本当に多角的でリースや融資はもちろん不動産、再生可能エネルギー、
レンタカー、銀行、生命保険、それにプロ野球まで手がけているんです。
すごく幅広いですね。
ちなみにこのオリックス株主優待はどんな感じなんですか。
実はオリックスは2024年3月で株主優待制度を廃止してしまったんです。
そうなんですね。残念ですね。
投資する上での注意点ってあったりします?
MGMの場合は大阪IR以外にもラスベガスやマカオでの事業があるので、
全体的なカジノ業界の同行に影響を受けやすいことがあります。
オリックスは多角経営なのでIR事業だけではなく、
他の事業の同行も重要視しなければいけないっていうのが
投資をする上での注意点となります。
なるほど。多角経営ってことはIRだけ伸びたとしても
そんなに影響しなかったりとかって可能性もありそうですもんね。
そうですね。全体的に見なければいけないので
一つのことで上がったからといって株を買入するっていうのは
少し危険な考えかなっていうのもあります。
なるほど。
最後にまとめると大阪IRは日本初のIRとして
年間約8400億円の総収入を見込み
アジア最大のカジノとなる可能性があるんです。
世界ではアメリカとマカオに次ぐ第3位の規模になるかもしれません。
そんなに大きい規模だったんですね。
規模的には本当にすごいプロジェクトですね。
期待される効果としては近畿圏で
年間約1兆1400億円の経済波及効果と
約9.3万人の雇用喪失
年間約700億円の税収効果があります。
年間2000万人の来訪者のうち600万人が海外からということで
観光立国推進にも大きく貢献しそうです。
その一方で依存症対策といった課題もあるということを教えていただきました。
はい、そうです。
注目の企業
その他にも今日は紹介しきれませんでしたが
地盤対策であったり交費負担などの問題も挙がっています。
ですが2030年秋の開業に向けて
日本初のIRは単なるカジノ施設だけではなく
総合的な観光エンターテインメント複合施設として
日本の観光立国戦略の重要な拠点となることが期待されています。
また投資という観点では
MGMやオリックスの株を検討している方もいらっしゃるかもしれませんね。
そうですね。
ただし先ほども言ったようにリスクをしっかり理解した上で
投資判断をする必要があります。
特にオリックスは多額経営なので
IR事業以外の動向も注意深く見ていく必要がありますね。
2030年の開業まであと5年ですね。
はい。
どんなIRになるのか本当に注目です。
はい、その通りですね。
なお本日ご紹介した企業は情報提供ですので
投資はあくまでご自身の判断でよろしくお願いいたします。
最後までお聞きいただきありがとうございました。
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