さあ、今日はですね、事務所にお伺いして、吉本ばななさんにお話をお伺いしたいと思います。ばななさん、よろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。
さあ、個人的な話で恐縮ですが、10年ぶりにここにお邪魔してお話を伺うということで大変緊張しているんですけども、ばななさん、今まで10年ごとに誰かにインタビューを受けるとか、何年ごとにとかっていう機会ってあります?
あんまりないですね、そう言われてみる。でも全然変わらないですね、10年経っても。
本当ですか?誰かと勘違いしてるとかないですか?
覚えてないです。覚えてます。
光栄です。ありがとうございます。
今回ですね、ちょうど僕の計算が合っていればなんですけど、ばななさん、今年は辰年。
はい。
年女。
そうです。
そして、キッチンが炭鉱盆完工された年からちょうど36年。
そうですか?知らない。
1988年に炭鉱盆になってるはずなんで。
そうなんですね。
この反応を見ると、僕の出だしが失敗した感が漂いますけど。
何か、辰年で。
申し訳じゃないですか、失敗してるの。
いやいや、辰年で36年なんで、何か特別な今年、2024年、何かちょっとご自身の中で、今年は特別みたいな思いがあったりするのかなと思ったんですけど。
36年って何の区切りでもなくて。
江戸が参集するごとに何かあるのかなみたいな。
そういう、あんまりないかな。
全然ないですか?
ないですね。
じゃあ、そんな中でですね、今日いろいろちょっとお話がかかってきて。
でも、歓励はちょっと赤いちゃんちゃんこ着ようかなとか。
本当ですか?
それぐらいの気持ちはあります。
全然Vイメージがないですね。
ちょうど、これ音声で聞いてる方はぜひYouTubeの方も見ていただきたいんですけど、
おいこちゃん、おいこちゃん何歳ですか?
5歳です。ちょっと家に置いて来ることができず、連れてきてしまいましたが。
めちゃくちゃ可愛いですね。
種類は何?
フレンチブルーです。
めちゃくちゃ可愛いですね。
おいちゃんが出ると、みんなおいちゃんに釘付けになって。
おいちゃんに釘付けになりつつ、今日はですね。
おいちゃん登らないで。
はい、降ります。
今日はですね、昨年リリースされた小説家としての生き方100課上について、
メインでいろいろお話がかかってきたいと思うんですけども、
小説家としての生き方ってタイトル見た時に、
やっぱり小説家死亡者の人の本なのかなって、何のバイアスもなしに、
僕は受け取らせていただいたんですけど、
実際背読すると、当然小説家を目指している方はもちろん、
個人的には、いい意味でイメージがちょっと違ってて、
バナナさんがいかに人生において身体性とか、もっと言うと肌感とか、
そういったものを大切にしているのかなっていうことを、
いろいろな角度から語った本じゃないかなっていう風に、
個人的には思ったんですけど、
その辺りってのはどんな感じだったんですかね。
やっぱり作ってる子たちが、出版社とか編集者じゃなかったから。
じゃなかった。
物事の見方が実業家的っていうのかな。
一番近い感じで言うと、実業家的というか、自由人というか、
そういう子たちだったから、その角度から入ってくるんですよね。
本を作る時の。それはすごい新しかったです。
タイトルがまずありきだったのか、もしくは何かテーマで。
タイトルありきだと思います。
それでやっぱりバナナさんが、いろいろ100箇所本当に出したみたいな。
適当に100箇所書いて、それに対して、
彼らが思うことを質問してもらって作った感じですよね。
なるほど。その中で、私なりには、先ほど話した身体性とか肌感っていうことがすごく刺さったんですけど、
その中でもちょうどページ36のトピック16で、
違うことをしないこと。身体と自然がそれは違うことなのかどうなのか、
いつも必ず教えてくれるってありますけども。
この違うことをしないことって、これだけでタイトルで別の本にもなってると思うんですけど、
そういう意味では、バナナさんにとって自然とこれ出てくることなのかなと思いつつなんですけど、
この中の本文をいろいろ読んでいった時に、
本能的な身体の判断を信じることっていうふうにあるんですね。
全体としては個人的にはすごく納得なんですけど、
ただ、明らかに自分に合わない人とか物っていうのは極端にその場でわかると思うんですけど、
何重にも厚着をして、違和感を感じさせないようにやってくる人とか物事ってあると思うんですよ。
いや、ないです。
ないですか。
ないです。
すいません、そうすると僕としてはもうちょっと粘っちゃいますけど、
個人的な話で恐縮なんですけど、
なんかこの体感とか違和感とか肌感っていうのも、
私なりには結構まさにバナナさんほどじゃないにしてもすごく不自然に感じることはやらないとか、
すごく大事にしてきたつもりなんですけど、
例えば仕事の重要な判断とか結構外すんですね。
それは仕事だからじゃないですか、プライベートじゃないからじゃないですか。
っていうところをもしもうちょっと補足していただくとどういうことなんですかね。
わからないけど、大体プライベートだったらわかることも仕事だとわかんなくなることって結構あると思います。
それはプライベートだとあんまり関わる人とか、お金があんまり絡まないとか、
そういったことだけど仕事だといろんなものが絡むから。
そうで、付随してくるから誰々さんの紹介とか、そういうのでやっぱりもうちょっとわかりにくくはなると思います。
だからプライベートの時みたいに望むと、それはそれで間違ってるっていうか、
仕事って基本的にその場で一生懸命一緒に仕事して、あとは解散っていうのが前提だから、
別に多少会わなくても大丈夫だと思うんですね。
それを別にそんな神経質になる必要はないかなとは思うんですけど、
プライベートに関してはちょっと本当に大切なことだと思うし、
違うことをしないことっていうと、結構みなさん、「じゃあ嫌なこととか嫌いなことを避けるってことなんですね。」っていう返事が返ってくるんだけど、
そういうことじゃなくて、その場においての適切な行動って本当は一つしか無限にはなくて、
その選択を間違えないことって意味なんですね、私の言ってる違うことをしないことは。
だから嫌だと思うことはやめましょうみたいな意味ではないんですよ。
そうですね、表層的に捉えたらそういうふうに思っちゃう方もいますよね。
そしてそれで捉えられて、それで解決できれば楽ですけど、世の中そんなに簡単じゃないので。
今のところでいくとプライベートにおいて、一つそういうことはあるんじゃないかっていう話をいただきましたけど、
それを感じ尽くすところまでいかないと、きちんとその一つまでいけないというか、
たぶんバナナさんもいろんな方から相談を受けたりとかあると思うんですけど、
僕の今のちょっと相談みたいな感じですけど、仕事は置いといてプライベートだとしても、
その辺が感じることを忘れちゃってたり麻痺してたり焦りや不安から感じ尽くすとこまでいってないから、
その一つにたどり着かないみたいな。
あらゆる要素をフォルダみたいにバーって入れて、出てきた結論みたいなものを実行するみたいな。
実に言っちゃうと簡単ですけど。
考えるっていう感じとも違うんですか?やっぱり感じるに違いますか?
考えるとはちょっと違いますね。考えたら考えるほど大丈夫なことでも絶対ダメなことってあるし、
どう考えても大丈夫に見えてもすごく困ることってあるし、
なんかその辺の判断は本当に難しいんですけど、
特に仕事だとそれぞれの人たちがそれぞれの視点からすごく固く見てるから、物事を。
本当に難しくなるときはあると思います。
それはバナナさんでも未だにやっぱりありますか?
ありますね、やっぱり。
その時っていうのはちょっとその仕事に入っちゃいますけど、
一人一人の困った話を解決する話を書いていけば、もしかして世の中の役に立つんだみたいなところに落ち着く作家はたくさんいると思うんですけど。
私はそうじゃなくて、やっぱり国籍とか性別とかそういうのをないところに持ってきたかったので、どうしてもそうするとこういう文体になっちゃいますね。
いつもインタビューをご視聴いただいてありがとうございます。
この度スタートしたメンバーシップでは各界のトップランナーから戦争体験者に至るまで2000人以上にインタビューしてきた僕が、国内外の取材、そして旅の中で見つけた人生をアップデートするコンテンツをお届けしていきたいと思います。
ここでしか聞けない特別インタビューや非蔵トークにもアクセスしていただけます。
随時これは面白い、これはいいんじゃないかというコンテンツもアップデートしていきますので、そちらも含めてどうか今後の展開を楽しみにしていただけたらと思います。
なおいただいた皆様からのメンバーシップの会費は、インタビューシリーズの制作費だったり、国内外のインタビューに伴う交通費、宿泊費、その他取材の諸々の活動経費に使わせていただきたいと思っています。
最後なぜ僕が無料でインタビューを配信し続けるのか少しだけお話しさせてください。
この一番の理由は、僕自身が人の話によってうつや幾度の困難から救われてきたからです。
そして何より国内外のたくさんの視聴者の方から、これまで人生が変わりました。
毎日済む勇気をもらいました。救われましたという声をいただき続けてきたからには他になりません。
この声は世界がコロナ禍に見舞われた2020年頃から一層増えたように思います。
これは本当にありがたいことです。
ただ同時にそれだけ心身ともに疲弊したり不安を抱えたりしている方が増えていることに関わらない、その裏返しであると僕は強く感じています。
正直に言えば、僕自身も15年以上前に起業して以来、最大のピンチといっても過言ではない時期をこの数年送り続けてきました。
でもこんな時だからこそ森に入ることなく、インスピレーションと学びにあふれる、まだ見ぬインタビューを送り続けることがインタビュアーとしての自分の使命なのではないかと強く感じています。
世界がますます混迷を極め、先の見えない時代だからこそ僕はインタビューの力を信じています。
これまでのようにトップランナーや戦争体験者の方への取材はもちろん、今後は僕たちと同じ姿勢の人、普通の人の声に耳を傾けたり、ややもすると打ち抜きになってしまう今こそ海外でのインタビューに力を入れていきたいと思っています。
そして彼らの一つ一つの声を音声や映像だけでなく、本としてもしっかりと残していきたいと考えています。
そんな思いに共感してくださる方がメンバーシップの一員になってくださったら、これほど心強くそして嬉しいことはありません。
ぜひメンバーシップの方でも皆さまとお耳にかかれるのを楽しみにしています。
以上、早貝大平でした。