そういう意味で少しだけ中身に入るかもしれないですけど、一億さんの中で連載があったんで、ある意味コンスタントに結果としてはある程度同じ分量を書いていったわけですよね。
その繰り返しだったと思うんですけど、やっぱり振り返って、プルーフ版にもあるように、小説書いてあって気がしていますっていうところの裏側じゃないですけど、
ここがやっぱり本当に一番ご自身で苦心したなとか、ここが一番思い出に残ってるなみたいな、なんかありますか?
苦心という意味ではもうラストですね。
本当ですか?
はい。結末を自分の中でもはっきり決めていたわけではないので、自分でもどうなるのかなって思いながら、
君たちどうするのって感じで、ちゃんとどっかに着地できるのかなっていう冷やした気分っていうのはずっとあって、
すごい長尺のお話を読者さんと付き合っていただいたわけなので、何らかのカタロシスのあるような終わりでなければっていうことはずっと考えていて、
別にハッピーエンドである必要は必ずしもないと思うんですけれども、何が最適解みたいなのかっていうのをやっぱり書く前はドキドキしていて、
いざ書いてみたら、登場人物のやることを私が追っかけて書くみたいな感じにはなったので、良かったなっていう。
これネタバレできないのがちょっと痛いところなんですけど、最後の方で個人的には2点3点じゃないですけど、
本当に最後、苦心を感じさせないね。本当に駆け抜ける感じで、僕本当にすごく心打たれたんですけど、
そういう意味ではラストは苦心しながらも、こう書いたけどこうに変わったみたいなのはあんまりないんですか?
ラストに関してはないですね。ただ、初期の段階ではラストシーンのその後みたいなのをつけてたエピローグみたいなの。
それを高橋さんにお出しして、あるのとないのと、どっちがいいですか?みたいな話し合いをして、
あんまりない方がいいですね、ということになりました。
今これ音声聞いてる方はよくわからないと思うんですけど、隣に連載担当されていた文芸俊二の高橋さんもプチ参加していただいてるんですけど。
途中から本当は高橋さんは移動されてたんですけれども、私の面倒を終わるまで見て責任を取っていただきました。
せっかくなんで高橋さんのお名前も出たんですけど、高橋さんはそのいわゆる連載の編集者側として、
今ラストの話も出ましたけど、苦しんでる市男さんに気持ちよく書いてもらうために心がけたような面白い話ありませんか?
逆に待ってる側からするとあまり苦しみを感じさせないところはありました。
市男さんちゃんとしてらっしゃるので、遅れるときは遅れるって絶対言ってくれるんです。締め切りの近くに。
なので、編集者からするとそれは非常にありがたい。
高橋さんって基本的にクールなんで、良いとこはいいってちゃんと言ってくださるし、
ここはよくわからないとか、ここなくてもいいんじゃないですかねみたいなところも、
汚く言っていただけるので、そういう意味では信頼を置いてやりやすかったですね。
フラットなので、あんまりブレないですよね。
感情が割と安定してるので、私がすぐ不安定な方なんで、やっぱりこうすればいいのかなと。
2人でなっちゃうとね、わちゃわちゃになっちゃう。
一番気になるのは当然、出せませんが、
エピローグでこの終わりの後の続きを高橋さん見ているわけですよね。
もうこの今回ね、初版限定スピンオフショー編付きですけど、そこはもう誰も知ることができないってことですよね。
今のところはそうですね。その後はわかんないですけど。
いいですね。さすがですね。
もうちょっと知りたいところで止めてますよね。
止めてますがご想像にお任せしますっていうところが。
ただこれは多分言えないですが、この最後の一文でこの話を編集したときには終わらせたかったんですよね。
それがすごい強い。
多分この一文を読んだら、この長い話を読んできた。
さらに甲斐があるっていう方がいるんですけど、読んできてよかったと。
高橋さんクールだけど最高のマーケッターですね。
今この一言言ったらみんなもう買いたくなりますよね。
ありがとうございます。
今までいちおうさんのキャリアをいろいろ振り返ったときに、
もともと二次創作、漫画家もちょっと目指してたことがあるっていうのは事実なんでしょうか?
目指していたというほどではないんですけど、漫画を描くのは好きでした。
手描くっていうのはひょっとしたらあるのかなと思うんですけど、
そのステップとしてというか、いわゆる二次創作があって、
オリジナルのBLをずっと描かれてきて、
今回ここ最近オリジナルで一般の文芸のものも描かれてきて、
これからもBLも描き続ける。
描きたいですね。それはもちろん。
なんて言うんでしょう、僕そんなにBL詳しくないんですけど、
先ほど冒頭で率直に感想述べさせていただいた通り、
イエスかのか半分かもそうですし、この光のとこにいてもそうですけど、
読む方からするとあんまり違和感がないというか、
括りとしてはさっきもやっぱり決めつけないじゃないですか、
BLか一般文芸かってあんまり当然違和感もあると思うんですけど、
大枠ではひょっとしたらいちおうさんの中では変わらないのかなって邪推してるんですか?
そんなことはない?
あんまり基本的には変わらないんですよね。
私はフィギュアスケートの規定演技と自由演技のようなものですって言うんですけど、
BLは一定のお約束っていうのは当然あって、
ハッピーエンドであることとか、一定ラブシーンは入れるとか、
絶対ではないにしろ、やはり読み手の方はそれを期待して読むので、
表現は難しいんですけど、裏切らなくていいんですよね、BLって。
どんでん返しとかは別にあってもいいけど、
それが恋愛の邪魔になるようなものであれば、いらないんですね。
箱があるわけですね。
そうですね、そういう癒しというか夢のような感じなんですよ。
永遠に心変わりしないたった一人の恋人に出会って幸せになりますっていう、
最近でもいいですし、ベストな怪談ホラーってイチゴさんにとって何なんだろう?
ベストな怪談ホラーは、今ツイキャスで配信されているマガマナシっていう。
その配信主の方が怪談を語るんですけど、
それがもうめちゃくちゃ怖くて、
いっぱいリライトしてノートとかに書いてる人もいるぐらいファンの多い話で、
それは今まで私が読んできた怪談とはすごい異質な手触りがあって、
リライトなりを読んでいただかないとわからないっていうぐらい独特なんですね。
この夏話題になった映画のネトリの樹荘っていう台湾のホラーが話題になったんですけど、
それも面白かったですし、
あとタイのホラーで女神の継承っていう劇場で公開されてて、
それも見に行って面白かったです。
タイのホラーちょっと怖そうですね。
めちゃめちゃ怖かったです。
でもそれもいわゆるあんまりダイレクトに書くっていうより、
この影を書いて光じゃないけど、直接書かないけどとか、
あと見えないものが怖いみたいな感じなんですか?もっと直接的なんですか?
樹荘に関しては直接的なところもありつつ、
人の怖さっていうか、映画自体にもちょっと仕掛けがあって、
人の悪意みたいなものの怖さであったり、
女神の継承に関しては、
土着的なものを、私たちがよくわからないタイの田舎の方のキリスト教でもなく、
そこにはシャーマンみたいな人がいて、
人にアドバイスをしたり占ったりして、
それでシャーマンの親戚の女の子が悪霊につかれたらしいっていうところから話が始まるんですけれども、
タイ版エクソジストと言ったらいいのか。
この本が出て、他にも今また書かれてますよね?
そうですね。連載という形で書いてるのは川出書房さんのスピンっていう雑誌。
あとは、公文社さんの小説宝石に不定期で短編を載せていただいたり、
というふうにポツポツとやらせていただいております。
こんなこと聞くのもあれですけど、
明日朝起きたら、一応三瀬さんこれまで積み上げてきたものが全部夢で、
そして小説も書いちゃいけないと。そしたらどうします?
どうもしないですね。
どうもしないというのは?
夢か、やっぱそうだよね、みたいな感じになるんじゃないでしょうか。
泣き出すとかないですか?
ないですね。だよねっていう納得をしてると思います。
そうすると、小説家としてデビューされてこれまで積み上げてきた中で、
もちろん慣れて嫌だってことはないと思うんですけど、
すごい高揚感が、当初は例えばあったとか、
ずっとある程度続いてたとか、