1. INTERVIEW │ インタビュー
  2. #24:小説を書く=○○を創ること..
2021-12-31 32:12

#24:小説を書く=○○を創ること │ 平野啓一郎さん(小説家)

▼本パートのインタビュー映像
https://youtu.be/Ii2SSV-8f4M

【平野啓一郎さんへのインタビュー】
〈12月21日(火)公開〉Talk.1|だれに向けて小説を書くか?  https://youtu.be/4HeFZNDi1Eo
〈12月24日(金)公開〉Talk.2| 作品が生まれるプロセス https://youtu.be/pXPuSiwZbkQ
〈12月28日(火)公開〉Talk.3| 最も影響を受けた作品 https://youtu.be/sx2_ufb--cE
〈12月31日(金)公開〉Talk.4| 小説を書く=○○を創ること https://youtu.be/Ii2SSV-8f4M
平野啓一郎さんへのインタビュー再生リスト|https://bit.ly/31VBdXo

『本心』https://amzn.to/31OGdxm

【平野啓一郎プロフィール】ひらの・けいいちろう/1975年、愛知県生まれ。
北九州市出身。 99年、京都大学法学部在学中に投稿した『日蝕』により芥川龍之介賞受賞。 以後、数々の作品を発表し、各国で翻訳紹介されている。 2020年からは芥川賞選考委員。 主な著書は、小説では『葬送』『滴り落ちる時計たちの波紋』 『決壊』(芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞)『ドーン』(ドゥマゴ文学賞受賞) 『かたちだけの愛』『空白を満たしなさい』『透明な迷宮』、 エッセイ・対談集に『考える葦』『私とは何か  「個人」から「分人」へ』 『「生命力」の行方 変わりゆく世界と分人主義』『「カッコいい」とは何か』などがある。 16年刊行の長編小説『マチネの終わりに』(渡辺淳一文学賞受賞)は累計 58万部を超えるロングセラーとなり19年に映画化。 18年に発表した『ある男』で読売文学賞を受賞。
https://k-hirano.com/
平野啓一郎さんのオンライン読書会「文学の森」 https://bungakunomori.k-hirano.com/

▶Spotify(音声/毎週お気に入りの楽曲も流します) https://bit.ly/Spotify_INTERVIEW_YH
▶Apple Podcast(音声) https://bit.ly/Apple_INTERVIEW_YH

【目次】
OPトーク
平野啓一郎作品の入門書
『日蝕』と『本心』の作風の違い
文体に対する考え
デビュー時と現在の変化
やめられない悪癖は?
コロナ禍の執筆
人生の中で怖いもの
次回作の展望
書くことで伝えたいこと
「文学の森」とは
これからの時代について
今後、行きたい場所
EDトーク

▼「会う力」養成講座 https://www.auchikara.com/

▼「月末LIVE」開催
日時:1/26(水)
URL:確定後にお知らせします
アーカイブ:https://bit.ly/3Dw3rWE

▼番組への感想・早川洋平・堀真菜への質問募集中です。
(いただいた質問は月末のYoutube Liveでお答えいたします!)
https://bit.ly/INTERVIEW_QandA

▼「QR CAFE」(毎月開催)
日時:1月19日(水)
お申し込みURL:https://www.life-upd.com/cafe/index.html
早川選書:『世界一素朴な質問、宇宙一美しい答え』(ジェンマ・エルウィン・ハリス/河出書房新社)https://amzn.to/30jly3O
(※事前に本書を読まなくてもご参加頂けます。お気軽にご参加ください。)

 ▼【聞き手・早川洋平プロフィール】 はやかわ・ようへい/新聞記者等を経て2008年キクタス株式会社設立。羽生結弦、髙田賢三ら各界のトップランナーから市井の人々まで広くインタビュー。近年は欧州を中心に海外取材を本格化するいっぽうで、戦争体験者の肉声を発信するプロジェクト『戦争の記憶』にも取り組む。公共機関・企業・作家などのメディアプロデュースも手がけ、キクタス配信全番組のダウンロード数は毎月約200万回。累計は3億回を数える。『石田衣良「大人の放課後ラジオ」』『横浜美術館「ラジオ美術館」』などプロデュース多数。 近年はユニクロやP&GなどのCMのインタビュアーとしても活動している。
https://linktr.ee/yoh.haya

▼【ナビゲーター・堀真菜プロフィール】 ほり・まな/現在、早稲田大学3年生。 コロナウイルスの流行により、人と会いづらくなったことを機に、zoomを通して色々な人の話を聴くことを始める。1年間で200人以上にインタビューを行い、聴くことの魅力に目覚める。 現在、勉強を教えない塾福幸塾と提携し「思考と対話の技術」の提供をする他、学生・若者向け対話サービス『workin’ talkin'』を立ち上げるなど、 対話、インタビューを通じて様々な事業を展開している。プロインタビュアーとして実績を積むため現在奮闘中‼︎
https://koushiro123.wixsite.com/manaroom

▼関連キーワード #平野啓一郎 #本心 #ある男

Editor : Kimi

00:01
こんにちは、堀間菜奈です。
インタビュー、この番組はYouTubeとポッドキャスト各プラットフォームよりお届けしています。
YouTubeのチャンネル登録、ポッドキャストの番組のフォローよろしくお願いいたします。
そして早川さん、今年最後、今回もよろしくお願いいたします。
そうですね、これ流れんの大晦日ですね。よろしくお願いします。
そうですよ、もう今日で1年終わっちゃう。
あっという間ですね。
どんな1年でした?早川さんにとって今年は。
今もう先に言っちゃいましたけど、毎度相変わらずあっという間でしたねっていう感じですよね。
質問の答えになってないかもしれないんですけど、これがあったよね、あれがあったよねっていうより、
なんか1週間終わったのと同じような感じで、終わっちゃったよねみたいな感じで。
やり尽くしたというか、100点満点ではないですけど、
常に毎日、前にお話したように用意どんでできることはやってるつもりなので、
おそらく後悔はないはずですけど、人生は無限には続かないので、
でも今年も終わっちゃったな、人生の残り時間もあとわずかかわかりますか?
わずかじゃないです。
わずかかわかりませんか?わずかって何故か言っちゃいましたけど、
そういうつもりでいつ終わってもみたいな感じでやってるんですけど、
まあ早いですよね。
本当に。
マナさんはどんな1年だったんでしょうね?
私早いですね、本当にとか言ったんですけど、今。
去年の12月31日を思い出すとどんな感じかっていうと、結構昔に感じられて、
今年は私の中で変化も大きくて充実してた挑戦の年だったんじゃないかなっていうのはなんとなく思います。
それは例えば何か挙げるとしたらどういうことですか?
それこそこれもですよ、そのインタビューの。
そうか、去年1年前にはここでこういう感じは全然描いてなかった。
そうですよ、だって去年の12月なんて早川さんとお仕事がしたいですって私周りに言いまくってた時期でしたからね。
僕のことは知ってたわけですね。
もちろんです。
それはありがたい。
今は来年自分で独立できるようにっていうふうに目標を立てて自分の事業とかもやってますけど、
去年の12月の31日は事業をやるなんて思ってなかったし。
そうなんだ、じゃあ激動ですね今年はね。
激動です、革命的な1年でした。
面白いですよね、やっぱりいくつになってもだと思いますし、そういうふうに思っていると実際そうなると思うんですけど、
年末とかに年始の方もいるかもしれないですけど、
次の1年というかどうしようか計画立てたりいろいろ展望を描く方もいらっしゃると思いますし、僕もそうなんですけど、
03:04
毎年必ず思ってもなかったこと、もちろん良くないこともありますけど、
良いことでもね、僕も逆にマナさんとこうやってっていうのは全然思ってなかったし、
それが毎年いつも思うのは、来年はどんなことが起きるんだろうっていうのを良い意味でも思うし、
1年振り返った時に必ずそういうことが少なくても、
起業してからはやっぱりよりそういうことを感じるようになったので、
そういう意味では今年1年どうでしたかって言われるとあんまり答えになってないかもしれないですけど、
今年1年もやっぱりいろいろ良い意味でも予想しなかったことが起きて楽しかったですっていうのはありますよね。
来年もきっと早川さんもそして私もそうであったらいいなと思うんですけど、
そうですね、そして皆様もね。
皆様もなんか挑戦とか動きとか新たな予想できない動きのある1年になったらなと思います。
そんな大晦日の放送は今回も前回に引き続き小説家の平野圭一郎さんへのインタビュー最終回です。
今回平野さんと日程調整をさせていただいて、やっぱりコロナのこともあったりとかいろんなタイミングもあって、今回はオンラインなんですね。
そうなんですね。
前回はリアルで5年前ってこともありますし、逆にオンラインのインタビューなんてなかったから、
物理的にあったけどね、そういう意味では5年ぶりに2度目ということですけど、
僕もそれ以外お目にかかってないですし、
マナさんがね、やっぱり収録とか緊張されるってたまにおっしゃってますけど、
僕ももちろん平野さん久々にお目にかかる上にオンラインだから、
オンラインでやっぱり間合いの使い方とか難しいわけですね。
難しいですね。
なのでこれ、こう言って自分で首絞めてますけど、実際オンラインでこの後流れますが、
多分ズームでインタビューしたのが流れますが、
4回目なんで少し僕もほぐれてると思いますが、
多分この4回シリーズの1回目とかちょっと固かったりとかね、
間合いとか難しいと思うんですが、その辺も含めて楽しんでいただくっていうのはちょっと適切か分かりませんが、
オンラインならではということで、今からドキドキですけど、
実際どんなインタビューが出来上がるのかなっていうのは楽しみにしていますし、
この後流れるインタビューで皆さんと確かめられればと思っています。
それでは平野圭一郎さんと早川さんの対談最終回をお楽しみください。
その意味ではこれ聞いてる方見てる方やっぱりもちろん平野さんの小説読んだ方たくさんいると思いますけど、
その読んでない方がやっぱりこれ見て聞いて、つまり全くイメージないと。
映画になった町根の終わり、その作者の方なんだみたいなぐらいの人だと、
本当好みだと思いますけど平野圭一郎的にはどれを読んでほしいですか最初。
基本的には最新作が最高傑作だと言いたいなと思ってますから、
06:02
一番新しい本を読んでもらうのがいいと思いますよね。
僕はね、僕の本はね、やっぱり頑張って最初から読もうって言って、
それぐらい読もうとしてくれる人もいるんですけどね、そうすると結構挫折した人もいる。
3年読まなくなる可能性がある。
さかのぼって読んでいくといいみたいですね、だんだん。
本心読んで、ある男読んで、町根を読んでっていう風に。
そうするとね、第2期の短編なんてこう何やってるかわかんないみたいなことで、
まあよく悪口言われましたけど、今読むとね、今やってることの方がっていうのがその中にもたくさんあるんですよね。
あの時期の試みがあったから今があるっていうことは理解してもらえるんじゃないかなと思うんですけど、
そういう意味ではだから第4期読んで、第4期読んでコンプリートしてもらったら第3期読んでもらってみたいな。
なるほど。
読み方がいいんじゃないかなって気がします。
本当にその日食と今の本心、まるで別人のというか、もう全く作風違うなと。
ただまあなんか個人的には最後のちょっと日食読んでもう一回読み出したりしても、もちろん同じ方が書いてるんであったんですけど、
ご本人の中では全然別人じゃないんですよね。
まあそうですね、僕の中では色々つながってる問題もありますけどね。
ただやっぱり、例えばマイルス・デイビスとかね、音楽を作るっていうことは要するにムードを作ることなんだって言ってるんですよね。
昔理論とかなんとかってよりも、一つのムードを作るっていうことは大事で、
それがまた新鮮かどうかっていうことなんだっていう話をね、ちょっとしてるんですけど、
根本的には小説もそうだと思うんですよ。ある一つの世界観っていうかムードっていうのをこう作って、
その中に浸りきるっていう時に、やっぱり中世のヨーロッパを舞台にするとした時のムードとかっていうのがあるし、
本心みたいなムードってあるし、それをどういう文体で描くかっていうのはことだと思うんですよね、すべては。
今文体って出てきましたけど、やっぱり文体に対する考え方というか、それこそやっぱりその日食の文体の時に開古的な文体と言われたり、
その時にそれを檜山さん当時描こうとするモチーフのために最もふさわしい文体をすごく大切にしてるっておっしゃっていて、
やっぱりデビュー時特にその文体に対するある意味、こだわりというか大切にされていることを強く見受けたんですけど、
そういう意味では今もその文体に対しての考え方というか思いというかどういう感じなんですか?
あんまり今の文芸の世界で文体文体って昔ほど言わなくなっているような気もしますけどね。
僕はやっぱり近代文学ずっと読んできましたから文体っていうのはすごく中心的な関心の一つですし、
欧米のエディターとかと喋っているとボイスって言葉をよく使うんですよね、彼らは文体っていうよりも。
09:03
だからどういう声が聞こえてくるかみたいな。それも大事ですけどね、やっぱり僕は一つの世界観を作っていく時にどういう文体かっていうのはかなりやっぱり考えて、
書き出しのあたりでやっぱりちょっと微調整もしますよね。
人によってある程度もう一つのこれぞっていう文体でいく方もいれば、やっぱり2,3個は持っている人は結構多いのかなとかって思うんですけど、
そもそもどうなんでしょう?平野さんの中ではこういう文体1,2,3みたいな概念すらないんですか?
いないですよね。でもね、谷崎純一郎とかだってね、谷崎の文体っていうと漠然とみんなイメージしてるのあるけど、
そのしせいとささめゆきとももくものわたりとそのしゅんきんしょうとかって、もう全部すごく違いますよね。
だからね、やっぱりそっからこう抽象されたところで谷崎の文体ってイメージがありますけど、
実際には結構作品ごとにそれもかなり変えていて、僕はね、やっぱりちょっとそういう小説の書き方がいいなっていうふうに思ってたんですよね。
やっぱりテーマが変わっていけば自ずと文体も変わるし、テーマが近ければね、ちょっと近い文体になる可能性もあると思いますけどね。
ある意味こだわっていくとある意味こだわってないみたいな感じですかね。
一つの文体にこだわるっていう関心はないですよね。
デビューされてそうするともう23年ぐらいだと思うんですけど、
なんかデビューした時のご自身になくて今のご自身にあるものって何でしょうね。
まあいっぱいありますけどね、やっぱりその間本もたくさん読みましたし、書いてきたし、ありきたりだけどやっぱり経験じゃないですか。
さっきの最初の読者っていう存在を長く接してきたっていうことが大きいと思いますけど。
逆はどうですか。デビューしたての自分にあって今はないなって思う。
もっと言うと、あえていうと失ったもの。
まあ失ったのか単にこう、そういうふうに自分の書き方が変化していっただけなのかってのはちょっとわからないですけどね。
技術的には今のほうが上がってる気がしますけど、昔の作品を読むと若者が書いてるさえとかきれいとかもあったりもしますし、
まああとやっぱり体力とか。
想像とかやっぱりね、非常に老成した作品だというふうに思われてましたけど、やっぱり今読むとあの
なんていうか、あれだけのものをあの短い時間でこうガーッと書いてたっていうのを、若い生命力が欠かせた作品だって感じしますね。
いやなんか5年前ね、インタビューさせていただいて、やっぱりそのあんま体力のことまだおっしゃってなかったんで。
僕の中で平野圭一郎はいつもかっこよくて冷静沈着でもう衰えが、衰えって言っちゃいけないかもしれないイメージです。
やっぱり5年でそういうフィジカル的にはやっぱりありますか?
多少ね、まあその、あえて今って言われるとそれぐらいしか思いつかないから言っちゃうとこもありますけど、まあ多少やっぱありますよね。
12:06
あとやっぱコロナっていうのもありますよね。
そうですね。今ちょっとさらっと言っちゃいましたけど、勝手に平野さんはかっこよくてクールで冷静沈着で崩れないイメージあるんですが、
なんかあえて、すいません、せっかく出ていたあれですけど、なんかこれ辞めたくても辞められない悪癖みたいなのあります?
悪癖とまでは言わないですけど、やっぱりね、周りでお酒を辞める人たちがすごく増えてきたんですよ。
ちょっと前に町田幸さんにも会ったんですけど、町田さんももう5年間ぐらい。
あ、そうなんですか。
って言ってて、まあ僕もね、若い時はそれこそ考えたこともなかったけど、この歳になると、まあお酒辞めてもいいかなって思う時が時々あるんですよね。
だけど、昔は僕はね、ほんとにこうスピリッツばっかり飲んでたんですよね。
で、特にウォッカが好きで、まあ抜けもいいですね翌日の。
あ、そうか。
で、まあ味も好きだし、でもまあ、なんていうか酔い方が好きだったんですね、ウォッカっていうのと。
で、まあある男にもちょっとそういう描写しましたけど、でもその頃はね、もうなんかお酒好きで飲んでるのかなーっていうのもちょっとよくわかんなくて、
外でみんなと喋ったりするの楽しいからとかもあって、やめようと思ったらいつでも辞めれるんじゃないかなっていう気がしたんですけど、
ワインを飲むようになるとね、やっぱりこれはね、明らかにやっぱり味が美味しいんですよね。
なるほど、味が美味しいと。
味が美味しいんですよ。でね、辞めれなくなっちゃったんですよ。
それで、まあでも酒もね、いろいろポリフェノールが良いとか何が良いとか言ってたけど、
アルコールがもたらす害と相対的に比べればそんなの、もう吹けば飛んでいくぐらいの大したことない効能で、
基本的には精神的に良いっていう以外は、あんまり体に良いっていうことはないみたいで、
まあお酒飲まなくて済むんだったらその方がいいかなとか思うことも結構あるんですけどね。
ちょっとなかなかやめられないですけど。
なんかまあご自宅の時間が結構多いかもしれないですけど、やっぱりそのコロナになってから増えてはいない?
いや、去年はね、どうかな、外で飲むことがなくなったんで。
ああ、そっか。
その分家で飲む機会はちょっと増えたんですけど、やっぱりあんまり良くないなと思って、
仕事もできないですよ、飲むと。
そうですよね。
だから基本的には今も週末しか飲まないようにしてます、家で。
なんかね、昔は前回のインタビューの時は夜結構原稿を書くっていうので、
やっぱりご結婚されてお子さん生まれてから、やっぱりまあ必然的にお子さんがね、いろいろあるので、
なんかもうちょい朝方というか、なったっておっしゃいましたけど、
それはまあまたこのコロナ禍でね、かなり崩れたと思いますけど、ちょっと今戻りつつありますけど、どんなですか?
いや、基本的にはもう変わらないですね。だから12時ぐらいに寝て、6時ぐらいに起きてますけどね。
でももうそこから基本書く感じですか?
いや、朝はもう子供の朝ご飯作ったりしないといけないんで。
あ、平野さん作るんですか?
15:00
そうです。僕は作ってます、朝。
なんか美味しそうですね。代替肉のなんかあるんですか?
いやいや、全然もう卵焼いたりとか、パン焼いたりとか大したことしないですけど、
まあだから朝はあんまりちょっと、多少やったりしますけどね、
でもどっちかっていうとちょっと、新聞読むような感覚でザーッとネットの情報を目を通してとかいうぐらいですかね。
なんか書き上げなきゃいけないものがあったりとかいうときはちょっとその時やったりもしますけど。
なるほど。平野さんの今の人生にとって一番怖いものを一つ挙げるとしたら何でしょう?
まあさ、究極的には自分が死ぬことだと思いますけどね。
日本社会見てると怖くなりますよ。どうなるのかなって思ったり。
本当ですよね。
やっぱりなかなかちょっと良くなっていく兆しが見えないので、それを変えていかないといけないですけど、
やっぱりなかなかその危機意識が社会に広がっていかないので、それは怖くなりますよね。
やっぱり直ちになるわけじゃないから、でもじわじわ感が昔よりボディーブローに来てますよね。
来てるし、もう日本の貧しくなっていく状況っていうのはもう如実でしょ。
他の国との賃金との格差とか見てると。だからやっぱり怖いですよね。見てると。
今の話もちょっと沈む話でありますけど、全体的なこれからっていうところで、
まず作品としてのやっぱりこれから、第5期、次回作、そろそろ構想されてるのかなとか、やっぱりコロナと何かコロナ後の話なのかなとか、
今お話しできる範囲なんですけど、どういう感じなんでしょうね。
僕は新しいシリーズ始める前はちょっと短編を書くんですよね。
短編の中でいろいろ考えたことがその次の展開につながっていくことがあるので、
今年から来年にかけてはその三島彦論を仕上げるのと並行してちょっと短編を書きたいなと思っています。
その後にまたちょっと長編かなっていう感じですね。
今日の話でいくとあれですよね。頭の中には何かあるんですよね。いくつか。
そうですね。ただ、コロナとどう向き合っていくのかっていうのはやっぱりちょっとこの先10年ぐらいの作家活動にみんな大きな影を落とすと思いますけどね。
感染症の流行自体はどっかの段階で終わると思いますけど、そのダメージを受けた人たちは相当社会にたくさんいるので、やっぱりそのテーマに関わらざるを得ないっていうところはありますけど、
コロナにうんざりしてるってとこもちょっとみんなそうですし、どういうふうに作家を取り組んでいくのかっていうのはちょっと僕自身も明確じゃないところもありますね。
18:01
やっぱり平野さんの今回の本心とか、最近の作品もいろいろやっぱりもう一回読ませていただいて、とにかく読画感がやっぱりすごくいいなっていう。
すごく明るくなるっていうのってちょっと意味が違うんですけど、いろいろあるけどやっぱり本当に今もねこの先日本どうなんだとかありますけど、捨てたもんじゃないまで言い切らないけど、でも光があるかなちょっと頑張ってみるかみたいな感じをいつも僕は受けるんですけど、
やっぱり小説家の方によってはね、別に言いたいことなんてねーよとか、ちょっとアマルチェックで言う方もいますけど、平野さんは何かそういうのやっぱり書くことで何かを伝えたいとか、もしくはちょっとわかんないけど何かあるんですか?
初期の3部作とか、やっぱりこう美的にいい終わり方っていうのを意識してましたし、ただまあ結界っていう小説でやっぱりこうあまりにも希望がなくて、どうやって生きていっていいのかわからなくなったってことは随分と読者に言われて、で読者に言われただけじゃなくて、やっぱり僕自身も本当にこうニヒリズムを徹底して書いたんで、やっぱり結構ね、
自分で書いてっていうのもおかしいけど、すごく精神的なダメージを負ったんです。 結界したんですね。
でちょっとね、その後の第3期の仕事は僕自身の立ち直っていくプロセスみたいなところもあるんですよね。 あ、そうなんですね。
まあ文人主義っていうアイディアもその一つですし、そういう中でね、やっぱり自分の小説の終わり方っていうのをちょっと考えるようになったところはありますね。
で、現実の社会がどんどんやっぱり辛くなって過酷になっていってるんで、そういう中で今人が読むっていう時にどういう終わり方なのかっていうのは、ただあんまり取ってつけたみたいなハッピーエンドですけど、読者もそのちょっと白けるっていうか置いていかれるっていうか、なんだこれってなっちゃうんで、
非常にこう微妙な差事加減みたいな話ですけどね。 絵をまあ今読むならっていうようなことはちょっと意識しながら考えますね、今終わり方を。
でもそういう意味ではこうね、そのある男が20万突破って話もありましたし、その何万人に向けて書くかとか、なんかそういったことを多分意識されてるとおっしゃってましたけど、そういう意味ではより今まではね、小説一書のうち何回かしか見たい人がたくさんいると思うんですけど、
なんかより多くの人にこの小説の持つ力とか価値てますと思うし、平野さん的にはどうですか、そのやっぱりより多くの人に読んでもらう、僕としてはなんかそういう価値というか。
まあだから海外の作家とか見てもね、フランスのウェルベックとかイギリスのマキュアンとかカゴイシグロとかみたいに、いわゆる純文学作家として非常に高く評価されつつ、10万無単位で国内でも読まれてるっていう作家たちがいて、僕は自分の仕事としてはなんかそういう仕事の仕方をしたいなっていうふうにある時から思うようになったんですよね。
21:07
それぞれの人が書いてる作品が好きかどうかというのがまたちょっと別の話として、最初に言ったような規模感で、何万人という人に読んでもらう、まずは読んでもらいたいなと思って書いてますよね。
文学ってことに出てきましたけど、平田さん、文学の森、今、これはまだ始まってそんなめちゃめちゃはたぶんない。
そうですね、今年から始めたような。
これはせっかくなんでね、見てる方、聞いてる方、どんな感じで、これからどう展開していくんですかね。
基本的にはオンライン読書会みたいなもんで、3ヶ月かけて一つの作品を読んでって、1ヶ月目には僕が解説したりして、2ヶ月目にはゲストを読んだりとか、3ヶ月目にはまた読者とさらに深読みするみたいな感じで、じっくり一冊の本を読んでいきましょうっていう企画で。
僕の文人理論で言うと、やっぱりみんなこういろんな文人を社会の中で生きてる中で、読書をする文人っていうのもね、あると思うんですけど、それをシェアする場所っていうのは意外と、その自分を生きる場所っていうのは意外とあるようでなくて、
身の回りの人と文学の話をできる人はいいけど、案外いないとか。だけど、1ヶ月に1回ぐらいそういうふうに本読む人たちと集まって、本の話をするっていう場所を何らかの形であったほうがいいなと思って、読書クラブとか読書会とかいろんな人やってると思うんですけど、そういう場所を僕が作るのもいいんじゃないかなっていうふうに思って、始めたことなんですよね。
三ヶ月で一冊とおっしゃいましたっけ?
そうですね。
いいですね、なんか贅沢な感じ。毎月だとね、なんかセカセカしてきて。
もうね、やっぱりまぁだいたいスローリーディングとか本書いてるじゃないですか。
そうですよね。
早く読もうとするとね、みんな大変だし、ちょっともうやけやさせちゃうと思うんで、時間のあるときに読んで、みんなの意見聞いたり、僕の話聞いてもらったりとかっていう、まぁ緩い感じでやるのがいいんじゃないかなと思って。
どうです?なんかすいません、僕の勝手なイメージですけど、やっぱり平野さんってこうね、発信もされたり、メディアとか何か今日も出ていただいたりとか、そのイメージはあるんですけど、いわゆるこのインタラクティブというか割と双方向というか、こういうものって単発ではあると思うんですけど、継続的、これ当然継続的だと思うんですけど、こういったものって今まであったんでしょうか?
いや、今初めてですかね、その定期的っていうのは。だいたいね、定期的になんか言うのは嫌な。
ですよねってすいません、勝手なイメージですけど、だからちょっと意外だったんですけど、なんででしょうって言われてもあれですけど。
やっぱりコロナも一つあるのかなって気がしますけどね、リアルなイベントとかも本当なくなっちゃって、読者と触れる機会っていうのもなくなりましたし、読者自身がやっぱり本について人と語り合う場所っていうのを失ってしまっていたので、
24:06
オンラインでそういうことができるような環境が今整ってますから、やっぱりそれはあった方がいいんじゃないかなっていうことをちょっと思うようになったんですよね。
なるほど、楽しみですね。3ヶ月で一冊はいいですね。
皆さんぜひ覗きに来てください。
ぜひぜひリンクも貼っておきますので、ありがとうございます。やっぱり今作品、そしてその会話で文学の森、これからについて伺いましたけど、
本当に世界の未来を予見みんなできないですけど、皆さんやっぱりどうなると思いますかという非常に大きくて誰もわからないことですけど。
大きな課題がいくつかははっきりしてますよね。一つはもう気候変動で、これはもう待ったなしで危機的な人類の存続に関わるぐらいの大問題ですから、
それは退除しないといけないし、日本の場合はやっぱり少子高齢化っていうのが必ず、もう今現在進行形で起こっていることだし、
その上でもう一個世界規模では格差の問題っていうのがあるので、こうした問題はなかなかやっぱり相当頑張らないとどうにもならないということですけど、
もうやらないと生きていけないですから、やらないといけないと。
その一方でやっぱりたくましく生きていく術っていうのも人間は編み出していくっていうふうに多少楽観的にも考えないといけないことはあって、
いろいろテクノロジーも進歩していって、そのおかげで面白いことも起きつつありますし、あんまり悲観的にならない程度にやっぱり悲観的なビジョンも現実的に見据えながら、
やっぱり人生を楽しくする術も工夫していかないといけないなと思いますよね。
そういう意味ではまだまだコロナはわかんないですけど、来年ある程度もし行けるようになったら、やっぱり海外、平野圭一郎といえば海外のイメージが勝手にあるんですけど、どこか行きたい、もう行くって決めてるとこありますか?
ちょっと3月末ぐらいにイタリアに来ないかって言われていて、その後ちょっといくつか話は来てるんで、行きたいですけどちょっと状況次第ですね。
ヨーロッパもあんまり状況が良くないし。
じゃあ行ければ、その辺りに。
久しぶりにちょっと外の空気も吸いたいなって気はしますね。
じゃあまずは読者としては三島の楽しみに待ちつつ、短編はどこかに連載?
文芸誌でちょこちょこ書いて、そのような分量が溜まったら短編にしようかなと思います。
そしてどこかでたぶんひっそりと長編を少しずつ温めて書き始めるかもっていう感じですね。
エンディングのお時間です。
インタビューでは皆様からの早川さんへのご質問や番組へのご感想、取り上げてほしいテーマなどを募集しております。
エピソード説明欄のURLからどしどしお寄せください。
皆様からいただいたご質問等は月末のYouTubeライブにてお答えしていく予定です。
27:03
たくさんのご質問募集しております。
12月31日年の瀬ってしみじみした気持ちになっちゃいますね。
いつも12月31日はどうしてるんですか?
年越しそば食べて、紅白見て、夜暗いうちに初詣に行って、りんご飴を食べるっていう。
いいですね。年越しそばはちゃんと作るんですか?
それか赤いキツネと緑のタヌキなのか?
私はあいにく実家暮らしなので母親がちゃんと作ってくれるっていう。
あいにくじゃなかったですね。
全然あいにくじゃなかったです。
何を言っているんだ。
その年越しそばはお雑煮じゃないんですけど、家によって何が入るかとか。
椎茸かまぼことかほうれん草のお浸しじゃないけど、柚子とか。
おいしいです。
年越しそばで、紅白か。
人によると全然昔から紅白見なくて。
周りはみんなもちろん好きで見てるんですけど、やっぱりあれなの。
もちろん紅白自体が面白いっていうのもあるかもしれないけど、やっぱりそれ自体がイベント。
見るのがそういう流れでみたいな感じ。
なんとなくBGM代わりにつけてるみたいな。
いいね。
俺も年取ったな。確かに昔楽しかったな。
そんなしみじみついでに年を感じないでください。
良くも悪くもずっと変わんないのね。1年経って。
もちろん全く大晦日は何もしないってことは多分ないと思うんですけど。
基本的には多分、9時、5時、5時、9時の生活を送ってるので。
寝てんじゃないかな。紅白まで持たない。
紅白が興味ないんですよ。実際は持たない。
寝てるから。
女爺の鐘とか鳴ったら、鳴る前に行くんですか?
鳴ってからです。私は。
初詣でもこれはまずいと思うんですけど、まともに行ったことはあるんですけど、
ちゃんとそういう感じに開けたらすぐ行くとかないんだよね。
マナさんみたいなちゃんとした方が相方になっていただいてよかったです。
こういう話ができて。僕一人だったら9時、5時で寝てますっていう。
何の季節感もない話だったので感謝です。
正月だけどいつも通りの。なんなら初日の出なんて早川さんいつも見てるしみたいな。
そうですね。ある意味ね。
これ実際聞くのは皆さん12月31日なので、どこでどんな感じでっていうのは。
30:06
いつも番組でお便り募集していますけど、これ流れる頃12月31日なんで、
12月31日どうしますかってことじゃないんですけど、もしよかったら年明けで全然構いません。
どんな感じで年末年始過ごしたかとか、あとお正月をどう過ごしたかみたいなものはまたお便りいただけると。
単純に年末年始もクリスマスもそうですけど、
みんな日本人はその辺は多分基本的には、僕はちょっと極端かもしれませんけど何かはするはずなので、
どんな感じに過ごしますか過ごしましたかっていうのはちょっと聞いてみたいですね。
私も聞きたいです。皆さんはぜひ教えてください。皆様の年末の過ごし方を。
それでは今年最後の放送でした。
皆様とまた来年もお目にお耳にかかれますことを楽しみにしております。
良いお年をお過ごしください。
皆さん本当にこの1年10月からですけども、この番組ご視聴いただいてありがとうございました。
来年もですね、マナさんとともに、そしてまだ見ぬインタビューさせていただく方とともにですね、
人生を更新するようなお話をいろいろお届けしていきたいと思いますので、引き続きご視聴いただけたら嬉しいです。
ということで、今マナさんも言ってくださいましたけども、改めてこの2年ぐらいコロナのこともあってみんな大変だったと思いますが、きっと来年は良い年になるはずですので、
素敵なこの年末そして年始をお迎えいただけたらと思います。
良いお年をお迎えください。それではまた。
ごきげんよう。
ご視聴ありがとうございました。
32:12

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