成長投資を促す金融支援策
この時間はZoom Up。毎週火曜日は経済です。 政府が検討している成長投資や危機管理投資の促進に向けた金融支援策の全容がわかりました。
今日はその中身にZoom Upします。 明治大学教授でエコノミストの飯田泰之さんです。
飯田さん、おはようございます。 今回その金融支援策の中身がわかったということですけど、どんなものになってるんでしょうか?
そうですね。まず前提としてなんですけれども、高市伊政権はこれまでの政権に比べるとかなり産業政策、新しい産業企業を育てるとか、研究開発を進めるといったふうな各産業を支援していく政策、これ産業政策と言
うんですけれども、政策の主軸においている政権なんですね。
これまで例えば安倍政権ですと、財政政策、金融政策という国全体に関わる政策が目玉だったんですけれども、高市内閣の場合はむしろこの産業支援というのが重要なキーになっている。
産業政策というと非常に評判が悪い政策だったんですね。
なぜですか?
産業政策って補助金で昔は行われてたんです。
これは日本だけじゃない世界各国そうなんですけれども、例えば政府が指定していくらお金を上げますと言って、政府にこういう事業をしたいからお金をくださいと言って、政府がお金を上げると。
補助金型の政策というのは、大変悪い言葉ですけれども、抗金躊躇と呼ばれたりして、要は補助金政策をやると各企業だったり各団体、NPO等が、自分の活動というよりも補助金を獲得するということをメインのビジネス
にした動き方をするんですね。
手段じゃなく目的になってしまってた。
そうなんです。
ですので、現代では世界各国、産業支援の在り方というのがだいぶ変わってきていて、むしろ今回出てきたのはこのなんですけれども、今回のというのは単純に言うと、金融機関が企業にお金を貸すんですね。
お金を貸すので、もちろんこれを返さなきゃいけないわけですよ、会社側は。同じなんですね。
ただ、国が支援するのは、貸しやすいように、例えば指定の産業に、例えばA銀行は貸し付けしているといろんな会社をまとめると、その中でどうしても返せない、貸し倒れというやつが発生したときに一定程度、つまり
銀行側から見ると貸しやすくなるんですね。
さらに言うと、銀行側もそれはちゃんと返してくれた方が得なわけですから、下手なものには勝たないわけですよ。
企業側も返せなければそれは倒産ですから、何でもいいからとにかくお金がもらえるぞではなくて、自分が返してかつ得が出る範囲で借りようとする。
そうすることで、いわゆる補助金型の産業支援にありがちな、むしろ補助金をもらうために一生懸命みんながんばるというのを防ごうとしてるんですね。
補助金から融資・共同設備へ変わる産業政策
実を言いますと、この産業支援の方法、国際的にもですけれども、昔とはだいぶ様変わりしています。
昭和の時代にも補助金があっていうのではなくて、例えば今回の金融型の支援、お金を借りやすくするという方法とか、
あとは今各地域の地域産業クラスターと呼ばれる、地域の産業を振興するという場合もですね、
例えば県の中で非常に自動車の部品・装置産業が多い県とかでは、どうやって検査施設というか、つまりは大変なわけですよね。
ですからそういう中の大規模な検査場とか最先端の検査機器とかを持っている検査センターを県内に一個作ると。
そうすると各企業がその検査センターを使えばいいんですね。
そういう形で支援のあり方も補助金を渡すじゃなくて金融支援をするとか、
あとはそうやって共有でできるものっていうのを公的に作るとか、そういうふうに多様化してるんですね。
ただやっぱりですね、メディアもそうですし、あとは論談もそうなんですけれども、
産業政策、補助金は時代遅れだって言って、そこで思考が止まってしまっているんですけれども、
実際はここ20年でこの産業支援とか産業政策の方法っていうのはだいぶ変わってきました。
で、今回の場合もこの金融支援ってことで間に金融機関が挟まるっていうことで、
審査もですね、どんな国がやると、または県とかですと自治体が補助金というシステムでやると、
ひどく浅くとか、あとは何かその実際にこれから成長する産業ってよりは、
自治体にとって耳障りがいい、政治から反対が起きないタイプの事業とか、
そういうところにどうしても寄ってってしまうので、それはやっぱりシビアな損得で勝つか勝たないか。
で実際に事業をやる方も、返せない金借りる奴はいないわけです。
借りて、結局は返さなきゃいけないお金ですよ、これはという形で進めると。
こういった工夫によって、この他ですね、骨太を見ていると、
最近のいわゆる産業支援に関する研究の成果というのが、一通り取り入れられているんですね。
先に言っておくと、教科書通りやると必ず成功するってわけじゃないのが経済のもちろん難しいところなんですけれども、
地域企業・人材育成を組み合わせた支援
例えばですね、一つに地域に支援を進行しようという中心になる企業っていうのを決定します。
この地域は、一社である必要はないんですけれども、ここら辺がコアになる企業だなと。
そしたらそのコアになる企業の部品や原材料を供給する企業はちゃんと地域にあるかなと。
コア企業と供給企業がやってるものは何かなとか考えていく。
あとは何かのお金をあげます。工場作ってくださいじゃなくて、
特に今回の場合製造業、特に先端製造業、ちょっと技術力が必要なやつですよね。
ということは、人材育成が必要なので、教育機関、これこそ教育してたら大変だし、これ中小企業できないんですよね。
だとしたら、たとえばこれは沖縄県の例ですけれども、工船とか工業高校の中に、
航空機整備の整備事業というのがかなり大きくなってきてるんで、
単純に沖縄はすごく多い県で、それの整備をするコースを設けたり、
あとはもうすでに大人になった人たち向けに、リスキリングって言いますけれども、
もう一度教育を受ける短期の職業訓練のシステムっていうのを公的に入れて、
それも全国一律のものではなくて、その地域の産業に合ったコースっていうのを設ける。
そういう形でですね、かなり産業支援自体が補助金みたいな形ではなくなってきているので、
補助金出すだけ出して、あとはお任せっていうようなザル勘定じゃなくて、
きちんと地域に何がニーズ欲しがってるのかとか必要なのかとか、
企業が何に困ってるのかっていうところをしっかり見た上で出すってことですよね。
ですから、こういった細かい支援と、あとはやっぱりこういう金融支援ですね。
これは審査のほうは金融機関が頑張るわけですから。
そうですね。
こういうのを組み合わせていっているので、政策を見るときは特にね、
日本全国の政策っていうふうに見るんじゃなくて、高市内閣の政策を見る場合は、
県単位で見る産業政策
我が県ではっていうぐらいの単位で見たほうが良いと思います。
県ごとに正直上手いところと下手なところは必ず出てきますんで。
九州でいうと、地域未来戦略では造船と半導体と、
そして養生風力とっていうのがね、産業クラスターが望まれているところなので。
どうやって取り入れていくかっていうときに、政策全体に対賛成ってのが難しくて、
我が県の養生風力の政策に賛成か反対かっていう視点を、
もうちょっと細かく落としてみていく必要があると思いますね。
なるほどですね。
なんかどうもね、全国一律、全部賛成、全部反対みたいな、
財政金融政策は日本全体で一つなので、分かりやすい政策話とかですね。
だけれども、産業は全体に反対、全体に賛成っていう風に評論することができないタイプの政策なので。
そうですね。
ぜひね、実は私は県とか県庁と、そして県議会がすごく重要な役割を任されたと思ってるんですね。
なるほど。今、福岡は県議会が揺れ動いてるので、しっかり見ていかなきゃいけませんね。
はい。
はい。分かりました。
飯田さん、ありがとうございました。
ありがとうございました。
この時間はズームアップ。
火曜日は経済をテーマに明治大学教授でエコノミストの飯田康幸さんに解説してもらいました。