パスポート手数料の改定と海外旅行への影響
この時間は、日替わりコメンテーターが独自の切り口で、多様な視点を提案するCatch Up。 月曜日は、元RKB解説委員長で、福岡女子大学副理事長の飯田和郎さんです。
飯田さん、おはようございます。
はい、おはようございます。
早いもので、もうあさって水曜日からは7月ということで、下期が始まっていく、2026年のまあ、まさに折り返しということになりますが、
7月1日を機に値上げされる商品も少なくないということでね、今日はあるものの値上げから日中関係を考えていくということですね。
はい、値上げの話をすると言いながら、まず逆に値下げの話から始めたいと思います。
値下げ?もう値上げばっかりに慣れてしまって、値下げって何かあるんですか?
聞き慣れないですね。
何ですか、値下げって。
海外旅行に必要なのがパスポートですね。
その発行手数料が7月1日から引き下げられますね。
7月1日以降にオンラインでパスポートの取得を申請すると、例えば10年間有効のパスポートなら、発行手数料が現在の15,900円から8,900円に下がります。
つまり、率にして44%額にして7,000円も安くなるわけですよね。
大きいですね。
ただ同時に出国税、国を出る時の税金、これが7月1日以降に航空券を購入したら、この出国税が今の1,000円から3,000円にアップしますね。
あと航空燃料費の高騰によって燃油サーチャージも上がっているということで、それによってサーチャージが加算される航空運賃というのも上がっているということですけど、
パスポートの発行手数料が大幅に引き下げられても、海外への旅行を目指す動きにつながるかというとどうなんでしょうね。
次に値上げの話に移りたいと思います。
訪日外国人向けビザ手数料の値上げとその理由
ただ、これは今説明してきた日本のパスポートを所持する私たちにはあまり関係ないんですよ。
橋本さんに紹介してもらいましょう。
日本を訪れる外国人向けのビザ発給手数料が7月1日から引き上げられます。
一時入国ビザの手数料は現在の3,000円から1万5,000円に、またマルチビザは6,000円から3万円になります。
外務省は値上げの理由として、査証手数料は1978年に定められたものであり、物価の上昇や為替相場の変動に対処したと説明しています。
査証というのはビザのことですね。
一時ビザというのは日本への入国が1回のみ認められているもの。
マルチビザというのは有効期限の中であれば何回でも日本を訪問できるビザのことですね。
ただ先ほどの上昇が聞くと、一時ビザもマルチビザも手数料が5倍に上がるということですけど、
これを高い、だからもう日本にはいかないって考えるかどうかっていうのは、海外から訪れる旅行者次第ってことですかね。
そうですね、外務省はこう言ってますね。
この値上げによってすぐにインバウンド、つまり保温地観光客に影響が出るというふうには考えてないという、こんな見解なんですよ。
ところでですね、日本に入国ビザの発行手数料が大幅に値上げということなんですけど、
これは日本に入国する場合、ビザが必要な国の旅行者が支払うものなんですよね、当然。
逆にノービザで日本を訪問できる国や地域の旅行者には、この値上げは関係ないことですよね。
そうですね。
ノービザなんですけど、距離的に近く、日本に訪れる機会の多い東アジアなら、韓国や台湾、それに中国の特別行政区の香港やマカオ、これらのパスポートを持つ人たちはビザがいらないわけなんですよ。
その反対にビザが必要なのは中国本土、モンゴルという国ですね。
北朝鮮の場合は、日本政府が今、制裁措置として北朝鮮国籍を有するものの入国を原則として禁止していますから、関係ありませんね。
なるほど。
ビザ手数料値上げが日中関係に与える影響
ビザが必要な国の中でも人数で圧倒的に多かったのが中国本土からのインバウンド、高日観光客だと思いますけども、
日中関係が悪化していることによって、中国政府は中国の国民に対して日本渡航を自粛するよう繰り返し求めている現状ですよね。
ただ、それでも日本を旅する個人の中国人インバウンドは結構いらっしゃるというか、少なくないですよね。
そうですね。東京、大阪、福岡もそうですよね。来てますね。
そういう中国人、とりわけ富裕層と言われる人たちにとっては、このビザの発行手数料が一気に5倍になっても懐が痛いという感じはないと思いますね。
ただですね、一方で額にして5倍の引上げ幅、これ以上の壁、障壁、この新たな障壁が僕は日中間で生まれるんじゃないかということが気になってますね。
新たな障壁って言うと何ですか?
はい。もちろん今回のビザの手数料の大幅値上げは、特定の国を名指した措置じゃないんですよ。
だけど中国側にはですね、なぜ世界第2の2番目の経済大国中国の国民が他の国と違うのか、そんな不満もくすぶっているわけですよ。
そんなくすぶる不満に、今回の日本政府の措置は、ある意味油を注ぐ結果を招くんじゃないかなということが気になります。
ちょっと振り返りますと、かつて爆買いって言葉がありましたよね。
電化製品や化粧品といったメイドインジャパンを大量に買い込んだ中国人の買い物ツアーでしたね。
これはすでに終わったんですけど。
その後、彼ら中国人は自分たちの国と違う、いわば日本らしさを求めてこの日本を目指すケースが増えてるんですよね。
これはのグルメや景観だけじゃないんですよ。
なんて表現しにくいんですけど、しっとりとした空気感を求めてるって言っていいかもしれませんね。
ただ、やってくる人数の多さもあってか、中国人インバウンドこそがオーバーツーリズムの元凶だって決めつける風潮が日本で広がったのは否定できないですよね。
そうですね。その上、国際社会、とりわけアジアでの中国の振る舞いや日本への姿勢などなど、こんな問題があって日本人の方も中国に対する感情が悪くなりましたよね。
このビザの免除措置なんですけど、これはその国の国際的信頼度を表すだけじゃなくて、2国間、お互いの関係も映し出してるんですよね。
日本パスポートを持つ我々は現在、短期の中国滞在であれば、中国訪問するのにビザはいらないんですよ。
だけど言ってますように、中国人は訪日ビザが求められる。つまり日中間での相互免除が実施されていないので、中国側には不公平だってことが感じるわけなんですよね。
なるほど。じゃあ当然中国政府は日本政府に対して、中国国民、自国民の訪日ビザ免除を求めていく流れになるんですかね。
そうですね。現在の冷え切った関係においては、政府間レベルの交渉っていうのは途絶えてるんですけど、これほど落ち込む以前、つまり政府間の協議が行われた昨年までのことです。
まさしく田場さんが指摘された通り、中国は日本にビザ発給の条件緩和を求めてきました。
これはいきなりノービザ、つまり中国人が日本に行く場合、入国ビザなしにせよという要求ではないんですよね。いきなりはできないとわかっていると。
手続きの簡素化などを求めてきました。ある意味、大国としての自尊心がそのような対日交渉に仕向けたのかもしれませんね。
その中国政府は、今も日本は危険だと自国民に日本への訪問自粛を繰り返し呼びかけている現状ですけども、ここまで関係が冷え込んでしまって、
法日中国人のインバウンドが減る今となっては、ビザの手数料値上げの中国人への影響というのは限定的なのかなとも思うんですが。
そうですね。しかし中国側にはこんな思いがあるんですよね。
外国人政策の厳格化と中国側の疑念
高市政権の一連の対中姿勢が今回の措置に仕向けたんじゃないかっていう疑いの目ですよね。
これは法日する観光客だけじゃないんですよ。
中国政府は昨年10月に、経営や管理ビザの許可、更新基準を大幅に厳格化しました。
これは外国人が日本でビジネスをする場合、企業をする場合は、必要な資金、資本金の要件を500万円以上という制限から今度3000万円以上に引き上げたんですよ。
これ6倍のアップなんですよね。
この他のビジネスをする場合は、上金で日本人を雇えとか、永住者の雇用も義務付けたわけなんですよ。
全体で言って、日本で暮らす外国人の在留資格を厳しく制限する方向に舵を取ってきてますよね。
在留期間の更新が認められなくて、帰国を余儀なくされた外国人家族もすでに出ていますよね。
私の友人の中にもいます。
在留外国人なんですけど、昨年末現在でおよそ412万人いるんですよね。
国や地域別のトップは中国人で93万人余りなんですよ。
前年に比べて5万7千人も増えてるんですよね。
今日ビザの話、あと在留資格の話しましたけど、日本が取る一連の外国人政策はどの国をターゲットにしているのか。
つまりそんな疑念が今の中国で広がっていますね。
はっきりと名指しするわけではないですけども、あんに私たちのことを言ってるのかっていうのはね。
そういうのは最近よく目にするなって思いますね。
まとめ
井田さんありがとうございました。
ありがとうございました。
元RKB開設委員長で福岡女子大学副理事長の井田和夫さんでした。