G7サミットと日中関係の緊張
この時間は日替わりコメンテーターが独自の切り口で多様な視点を提案するCatch Up。 月曜日は元RKB開設委員長で福岡女子大学副理事長の飯田和郎さんです。
飯田さん、おはようございます。 はい、おはようございます。さて今日の話題ですけれども、先週フランスでG7サミットが開かれました。
高市総理は、中国による日本向けの輸出品規制について、G7各国や同志国に影響を与えかねない状況を深刻に懸念していると述べました。
冷え切った日中関係がG7サミットの場にも持ち込まれた形となりましたね。 そうですね。中国は即座にこの発言を批判してるんですよね。
先週木曜日の18日でした中国外務省のスポークスマンは、こんな風に反発してました。
日本が派閥を作って対立を煽ろうとする意図を反映している。必ず失敗します。
G7という主要国の派閥という意味なんですよね。
高市総理は現地フランスで行った記者会見で、中国の関係について言ってますね。様々な対話はオープンだと述べてます。
このことについても中国外務省のスポークスマンは言及してますね。
対話を叫ぶ一方で対立に奔走するのは完全な自己矛盾だ。関係の改善を望むなら、実際の行動をもって両国の関係の政治的基盤を守るべきです。
実際の行動、つまり態度で示せということですね。
ただここに来て日本側が新たに取ったまさに実際の行動、それが逆に摩擦要因を増やしてるんじゃないかなと思ってます。
「日華議員懇談会」から「日本台湾友好議員連盟」へ
橋本さんに紹介してもらいます。
国交のない台湾との友好関係を重視する議員連盟日華議員懇談会は11日総会を開き、名称を日本台湾友好議員連盟に変更することを決定しました。
議員連盟の古谷啓治会長は挨拶で、名称変更は台湾と日本が揺るぎない絆で結ばれている証と強調しました。
300人以上の国会議員が所属しているということです。
日華議員懇談会、我々は略して日華コンと呼んできました。
古谷会長は自民党のベテラン大使ですが、この日華コンは超党派の組織なんですよ。
300人を超える所属議員は自民党を中心にして様々な政党から集まっています。
政府が主導する外交とは別に、台湾とのいわゆる議員外交を推進する団体なんですよね。
この日華コン、議員連盟というのは、いつ頃からあるんですかね。
日本と中国が国交を成熟させたのが1972年。
その裏側で起きた日本と台湾、つまり中華民国との国交断鉄が間もない1973年のことでしたけど、
自民党の台湾支持派といわれる衆参国会議員が発足させたのが、名称でいうと日華関係議員懇談会。
これがそもそもの組織なんですよ。
今から53年前にスタートしてますね。
そして1997年、超党派の日華議員懇談会、日華コンに改組されました。
そして今回の2回目の名称変更となり、日本台湾友好議員連盟となったわけなんですよ。
議員外交になる国会議員の組織ということですけども、何で名前の変更が日中の摩擦要因になるんですかね。
日華議員懇談会、略して日華コン。
日華コンの華は中華民国の華ですね。
これが外されたことがポイントです。
これまでの日華という、日本と中華の華という名称は、
日本と台湾の中華民国を意識した故障として使われてきました。
そして新たな名称、日本台湾友好議員連盟、略して日台友好議連に変わったわけですね。
日華から日台へと変更は、日本からすればパートナーは中華民国ではなく台湾になったとも言えるわけですよ。
日華コンの懇談会から、今度は友好議員連盟と名前変わりましたね。
これは双方の議員交流が新しい段階に進んだことを意味します。
300人を超えるメンバーを要する日本の国会での組織が、
台湾との関係をより明確に表現したとも言えますね。
今は台湾地区にだけ存在するのが、中華民国ということですけども、
台湾という、より現実的な存在と付き合っていこうということなんですかね。
台湾の「中華民国離れ」と日本の呼応
そうですね。台湾の現在の政権も、言葉で言うと中華民国離れを進めてるわけですよ。
自分たちは台湾だという主張を強めてきました。
2つ例を挙げますけど、
まず台湾の人たちが海外へ渡航する際に使うパスポートなんですけど、
この表紙、かつては中華民国と漢字だけで書かれていました。
こういうこともあって、事情を知らない国で、
中華人民共和国、つまり中国のパスポートと混同される、不便だという声が出たんですよ。
そういう理由でデザインが変更されました。
中華民国という漢字とともに、英語のアルファベットで台湾と記されるようになったんですよ。
これが2003年のことです。
そして2020年に登場した最新のデザインは、
この台湾というアルファベットがより大きいものに変わってますね。
もう一つ、台湾を代表する航空会社の一つに、中華航空、チャイナエアラインありますね。
これは1959年の会社設立当時、中国を代表する唯一の政府は台湾にいる自分たち、
中華民国だと主張していたために、中華、つまりチャイナを名乗ったわけなんですよ。
しかし今日では社名の変更、すなわち中華を外せという声が台湾内部からたびたび出てますね。
それが中華民国離れとか、中華離れということになるんですかね。
今回、日本の国会議員が組織する議員連盟の日華議員懇談会、日華懇が、
日本台湾友好議員連盟と名前を変えて、日台友好議連というようになるわけですけど、
こういうのも台湾側の動きに日本側として連動しているということなんですかね。
そう見えますよね。
名称変更が招く日中関係への影響
当然台湾側はこの議連の名称変更を歓迎してます。
台湾の駐日大使に相当する駐日代表が、こんなこと言ってました。
日本側が行った名称変更を来政徳総統に報告したと、
総統は喜んでいたと明らかにしてますね。
今日紹介した日台とは別に、中国との間に、
こちらも超党派の日中友好議員連盟という国会議員の組織があります。
台湾からすれば、中国と同じ友好議員連盟に格上げされた、
日本から中国と同等に位置づけられたという思いもありますね。
なるほど。
確かにここ数年日本と台湾の関係は、正式な外交関係はないですけれども、
民間レベルと、そして政治レベルでも三月ぶりというのは続いているように見えますよね。
今日紹介してきた超党派の議員外交の発展は、
直接政府が旗を振るぶものではありません。
ただ、この組織の中心は自民党、そして自民党の総裁は高市総理。
こんなことを併せて考えると、
この名称も高市政権に向けた中国側の苛立ちを高めることに結びつくわけですよ。
同時に、時にヒステリックとも思える中国の対日批判が、
日本国民が抱く中国への感情を損なっています。
そして、民意に敏感な国会議員も中国への距離を広げて、
かたや日本と同じ民主主義を重んじる台湾に傾く。
そんな結果につながっていることを、中国もきちんと理解してほしいですよね。
日中関係の停滞と今後の課題
そうですね。日本と台湾の関係、そして日本と中国の関係という、
その温度の違いというのがより際立っている、明確になってますよね。
そうですね。ただ、中国との関係をこのまま放していいのかってこともありますよね。
そこで考えると、日中関係において重鎮だった元衆議院議長の河野洋平さんが、
今月8日亡くなりましたね。
河野さんは今週北京を訪問して、中国側の要人とも会談する予定だったんですよ。
もう一つ、中国と長い交流を持つ公明党が、現在の伝立政権から離脱してますよね。
こう考えると、日中パイプの目詰まりにつながっているわけですよね。
ただ、やっぱり難しい相手、厄介な相手にこそ向き合うのも、
政治勝利じゃないかなと私は思いますね。
そうですね。ずっと日中関係ひよこんだ状態が続いてますけど、
そのままにしておくというわけにもいかないでしょうからね。
今日はこの時間、元RKB解説委員長で、福岡女子大学副理事長の井田和夫さんに解説してもらいました。
井田さんありがとうございました。