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  2. 谷崎潤一郎『刺青』の感想戦 #2
2022-09-13 34:14

谷崎潤一郎『刺青』の感想戦 #2

前回の『身体を彫る、世界を印す―イレズミ・タトゥーの人類学』の流れそのままに、谷崎潤一郎の名作を。

・女は黙って頷いて、肌を脱いだ

・良い比喩

・メタファーとしての、2階に連れ込まれる体験

・続編があるとしたら

00:11
話が生き生きしちゃってあれだけど、この『刺青』っていうタイトルでしょ。この一行目がさ。
私も一行目の話したかったよ。
一行目素敵よね。一行目超いいよ。
昔々あるところにって言ってるだけじゃん。昔々あるところにこんな風におしゃれな言うことできるんだって思った。
昔々あるところにの導入として最高よね。
最高よ。後で言おうと思ってた。
24歳で65歳のおっさんがこれ書いてたらうざいじゃん。
確かにね。
昔良かったなーって言ってるみたいなことじゃない?
自分の若い時を美化してるんじゃないよみたいになっちゃうね。
それはまだ人々が愚かという尊い徳を持っていて、世の中が今のように激しく気に合わない時分であったっていう。
24歳で書くんだーっていうこの一行目ね。
短い中でさ、時数制限とかがあったのかどうかわかんないけど、ちょっと短く書かなきゃいけないとすると、もっと書きたいこといろいろあったりするじゃない?
聖吉の変わったところだったりさ、女性の綺麗さだったりさ、入れ墨を入れた後の諸々みたいなやつもさ、書けたら書けたら素敵じゃない?
じゃなくて一行目、昔々あるところにこんな風に書くんだっていう。
今ふと思ったけど、やっぱりこの1910年でも昔々あるところには最初に入れとかないとちょっと炎上したのかもしれないなって今思った。
確かにね。
今の話じゃないよ、昔いつかどこかわからない時の話だよっていうのを入れとこうって思ったのかなって。
自分の危険すぎる欲望をそのまま出しすぎてしまった、冒頭にこれを入れとこうっていうことだったかもしれない。
当時の芝居でも全ての美しいものは強者であり、醜いものは弱者であったっていうのをそのまま今言っちゃうとちょっと今叱られそうだもんね。
その時には良い掘り物、良い入れ墨が入れてあるカゴ書きの人に選んで載せてもらうっていうのが良かったし、美しい入れ墨が入っている人に吉原の女の人たちも惚れてたんだっていう。
美しさを追求する時の究極が肌を美しくするということだった。
03:04
っていう文化があったんですよっていう導入から始まっていくっていう最初ですね。
美しさんが本当に言うように、こんなにいろいろ展開があるのに短くギュッとまとまっていて、痛そうなんだけど諦めず読めるっていうか、読みたくなるっていうのが才能なんでしょうね。
やっぱり良い作品って全部そうですけど、ビジュアル的ですよねすごく。
そうね浮かぶね。
浮かぶ。しかも浮かばせたいっていうか考えるのが楽しくないですか。書いてないかわかんないけどこういう感じかなとか思いながら読みたいじゃないですか。
一番最後の終わり方のところで掘り終わって、色を定着させるためにもお湯に使うじゃないですか色あげをするっていう。
すごい痛そうにして、最後この人が帰っていくっていうところで終わりますと。
絵が浮かびますもんねこれね。
綺麗だったんだろうなっていう。
服を脱いだじゃないのもすごくないですか。
服を脱いだ?
女は黙ってうなずいて肌を脱いど。
確かに。確かにそうだ。
こういうとこはいちいちエロいんだよな。
いちいちエロい。
いちいちエロい。
服が下りて背中が見える感じが浮かんでくるじゃないですか。
確かにね。確かにね。
先週の引用を聞いてたときに、
ポッドキャストのね。
はい。
皮油の話が出てきたんですよ。
ほうほうほう。
その時に芸人のサンキューたつおさんが、
誰だ?ちょっと誰か忘れちゃったんですけど、谷崎純一郎的な時代の文豪が、
女性の唇を表現するときに、
ヒルのような唇っていう表現をしたと。
なんか聞いたな。私もそれ。
誰なんだろう。ヒルのような唇。
それが難しいじゃないですか。
ヒルっていう生物を知ってなきゃいけないけど、
知ってる人にとってはすごくイメージがつくと、
06:05
ちょっと厚めなんだなとか、
川端康成か。
川端康成の雪国に出てくる芸者さんの容姿を表現した文章らしい。
ほんとだ。
なんていうんですか。口づけをしたときに離さないっていう感じがするじゃないですか。
ヒルっていう生き物を思い述えるとね。
ヒルっていうものを通じていろんなメッセージを込めることができるっていうのが、
優れた作家っていうことだっていう話を
サンキュー達夫さんがしてて、ほんとになるほどなと思ってたんだけど、
確かに今のミキさんのこの肌を脱いだっていうのも、
脱ぐことできないじゃないですか。肌を脱ぐって。
確かにこう考えるとそうだなと思うし、エロいっすね。
一行一行がね、一文一文がこのテンションで全部エロいからネタネタして感じるんですよね。
過剰なエロさ。
これはすごいな。現代でこういう文体で書く人は何を書いているんだろう。
ちょっと難しいですね。こういう文体の端微ってことですか。
それとも新しい表現ジャンルにチャレンジしている人ってことですか。
端微が近いかな。
端微ね。
こういうのを書いて読むっていうジャンルは未だに存在しているんだろうか。
ほぼ同世代ですけど夢の旧作とかですよね。
それはもう古いもんね。
恋愛系になるとやったらあっさりさせちゃいがちだし、
エロっぽい端微な文章になるとエロい文章になったらエロい文章になってしまうっていう。
その間のこの感じって何なんだろうっていう。
何なんだろう。どれなんですかね。
全然思い浮かべても書いている人いるんだろうな。
教えてGoogle先生。
Twitterの集合値を使っております。
素晴らしい。
カネハラひとみを。
これ一回何かで読んだな。全然合わなかったんだよな。
ヘビニリアスとか。
合わなかった?
合わなかった。
端微っていうか、何て言うんだろう。
暴力みたいな感じで終わっちゃったんだよな。
自称的な部分も多いか。女の人の自称的なエロみたいなこととか多いかな。
09:04
そうなんだよね。
辛いなってなっちゃったんだよな。
でもただそうなのかもね。
同じ放物線というか、同じところが近いのかもしれないね。
何だっけ。純一論章の受章作をやったらいいのかな。
それは素晴らしいリサーチテクニック。
受章してる作家さん全然知らない。
あら、そうですか。
2015年エグニカオリが受章してる。
出てきませんでした。
残念。
残念。
この文章は素晴らしいですね。
前の人類学の中の話でも出てきたように、
何かの象徴っていう。
女狼雲を選ぶっていうのも、
聖吉おいちゃんの見出した何かの象徴を刻むってことなんだろうし、
美しくなる過程っていうことでもあるんだろうし、
いろんなものが詰まった意味合いですね、この姿勢。
もちろん女狼雲のモチーフとかを選んだのは聖吉ですし、
綺麗に彫ったのも聖吉ですけど、
彫られた人が自覚するじゃないですか。
自分はとても美しくなった。
自分はもともと男なんてイケメンにして過ごす存在だ。
自覚して堂々と帰っていくわけですけど。
その目覚めが美しいなって思って、
あくまでやっぱりその人の話なのかなっていうふうに私は読みますね。
お前はたまたまなんだろって思っちゃう、聖吉とかについては。
っていうふうに読むと、
諸々のノイズが除去されて、
いいね、美しいねってなる。
そうじゃないと聖吉が見つけてあげた、
聖吉がコントロールしたとかって思うと、
なんかもやもやしちゃう。
へぇー。
それは一種のレイプですよねってなっちゃうかもしれない。
はぁー。
なるほど。
逆はいいんだ、別に。
なんて言うんだろう。
美しくなるために聖吉をある種使いました、みたいなやつは全然。
全然いいよ。
難しいね。
聖吉は養分にされたっていう読み方になっちゃうかも、私らと同士。
それ以外がちょっと政治的に拒否かも。
へぇー。
聖吉という歴史の法師を養分にした女の話みたいに読んでるな。
ほぉー。
それだと特にあれなんだ、繰り返しになるけど、
12:00
それだと普通に読めるってことか。
普通に読める。
いいね、エロいね、美しいねってなる。
へぇー。
なんか男女の断絶は深そうだね。
確かに。
それは深そうだな。
多分同じようなこと言ってるからさ、どっちも。
あ、そうそうそうそう。
でも多分、普通に考えるとどっちかが受け入れられて、どっちかが受け入れづらいっていう価値観になるんだろうと思って。
そうね。
私も三木さんが言うように、この女の人が綺麗になって最高だなと思うんですよ。
うんうん。
しかもそれは内側からね、外側を加工しただけなのに内側から美しくなるっていうのが美しいなって思う。
へぇー。
その内側の美しさがさ、特に出ているところってどのあたりとかってね、三木さんあるわけ?
この中で、このシーンに内側の美しさ出てるなぁみたいなやつって、例えばどの辺とかにある?
あのお風呂に色染めを、色上がりを良くするためにさ、熱い湯入れに入らなきゃいけないっていう時にも、全然美しくさえなるならどんなにでも進歩をしてみせましょうよって言って。
堂々と入り、だけどお前は見てるんじゃねーよって言って追い出すみたいなところとかに。
なるほど。強さね。強さね。
いやだからそこまで目覚めた感じがありますよね。
はぁー。確かに。
昨日とは打って変わった女の態度に、聖吉は一方ならず驚いたっていうのが出るぐらい多分もう全く別の人になってるってことですもんね。
確かに。お前さんは真っ先に私の肥やしになったんだねって言ってるし。
はぁー。好きなんだろうなぁ、こういう女の人、谷崎自身が。
ね。ミューズみたいな人好きなんだろうね。自分でインスピレーションをくれるミューズみたいな。
はぁー。好きだなぁ。私も。
好き。
こういう人好き。こういう人好き。
コンプラを守った姿勢っていう、レイヤー版の姿勢ちょっと読んでみたいですね。
最初にこの契約書に、アプリとかで同意とかしてくれない?
いやいやいや。全然面白くなんない。
じゃあどうするの?かけがままに。
全く面白くならない気がするなぁ。
うーん。
一個一個と同意とってね。
うんうんうん。
痛み取るためだけにしっかり薬も出してあげて。
うんうん。
帰る前に一度そのイメージも見せてくれた。
もちろんSNS等で拡散はしないし、撮影もしませんみたいな。
言ってから分かりました。
いやー。レイヤーは面白いことやるのが難しい時代ですね。
うーん。確かに。
こっそりやってるんだろうな、みんな。
なんじゃない?
こっそりやらないと、なんていうんだろう。
15:01
うん。
ちょっと変な言い方になるけど、
こういう欲求なり世界ってあるじゃない?
うん。
この、絶対さ、この女の人もさ、
うん。
この、なんだろう。
聖吉にさ、親が会ってきたよって言われた時に、
いやーこれ入れ墨やったら私人生変わるやろうな、みたいなことって思わないじゃない?
うんうんうん。
やったら変わっちゃいましたみたいなことで、
それはレイプなんだが、
うん。
確かに。
でもそういう、こう、同意を得ないと、
なんていうのかな。
同意はしたくないんだけど、
うん。
していたであれば、
いったであろう世界がその人にとって実は意外と良かったっていう世界って、
まあまああるじゃない?
あるあるあるある。
そうなんだよな。
いやその、あの、先々週ね、
うん。
一晩だけ病院に入院するっていう機会がありまして、
あー、なんか体調崩してね。
そうなんですそうなんですよ。
大丈夫でした?
全然大丈夫で、何て言うんだろう、意識もバッチリあってですね、
うん。
あったんですけど、最初は救急に入りまして、
その後一晩4人部屋かな?の部屋に入院をしてたんですよ。
はいはい。
で、私みたいな人間でもすごい数のこう、
同意書みたいなやつにサインしなきゃいけないんですよ。
うーん。
なんとかっていう薬をいざ使おうと思った時に、
使えるようにする同意書とか、
病院の中でこういうものを貸し出すということの同意書とか、
めちゃくちゃ書かなきゃいけないんですよ。
私でそうなのであれば、
たぶん同じ部屋にいたおじいちゃんたちはみんなもうちょっとこうヘビーに入院してるんですね。
あーはいはいはいはい。
飲んでる薬も多いし、手術もするやろしみたいなことを言うとさ、
まあでも普通にやりゃいいんだけど、
ゴーネティタルとかするわけですよ。
怖いからやりたくないとかさ、家族がさとか、
ああいうの見てるとなんかこう、
ね、普通に考えると、やっぱ本人の同意がない中で何かするのは、
虐待と一緒であってみたいなのがさ、こう、ね、
それっぽいじゃない?
ただなんかね、難しいよなって一晩ずっと思ってた、なんか。
たしかに。それは、うーん。
もう救急に運ばれてきたおばあちゃんなんかも半分ぐらい認知症なんだと思うんだよね、もう。
もう1分前に、何だろ、説明されたことをもう一回聞くために、
すいませんって呼んじゃうみたいなさ。
看護師さんしんどそうやなーみたいな。
それはそんなに難しいね。
どこまでが自分で判断を下せる主体なのかっていうのがね。
うーん。
その対象がまた病院もそうだし、この姿勢もそうだけど、
18:02
自分の体じゃない。
そうね。
そうなってくるとね、
普通に考えると、ぜひ本人の同意側になるんだけど、
姿勢に出てくるテーマ、なんか一個も、一個も同意ないもんね、なんかね。
うんうん、一個もない。
しかもどちらもさ、不可逆な行為をね、身体に対しての。
医療行為も、入れ墨も。
そうだね、そうだね。
取り返しつかないからね。
その不可逆っていうのが、その前回の人類学の中でもそうだけど、不可逆っていうのがある種、
いいというか、通過儀礼にとってもいいし、
集団としての何か共通性を示すっていう意味でももちろんいいし、
刑罰を受けた人だってことを示す上でもいいってことなんだろうね、不可逆っていう。
私、改めて今ね話してて、入れ墨がなんかかっこいいなって思うのは、
そのやっぱり不可逆な感じとかも含めていいと思ってるのかなって思いましたわ。
うんうんうん、帯路を立った感みたいなこと?
そう、一発で決めたという感じというか、帯路を立った。
消せない、衣装残すつもりで描いてるみたいな。
うーん、そうね。
レイシックでさえ私はあんまり決意できないもんな、不可逆だから。
かくまく削るんだもんね。
そうね。
私も誰か、腕利きの女性の彫り師に麻酔をかけられて、
2階に連れ込まれるぐらいのことをしないと、たぶん一生入れ墨を彫ることはなく終わるんだろうな。
比喩としての、やっぱり2階に連れ込まれて入れ墨彫られたりですね、人生でおいて。
え?比喩としてね。
比喩としてね。
リアルにやると怖いからね。
事件だけど、そういう経験ってやっぱり人生で欲しい気持ちはありますよね。
そういうのはないと難しいね。
大人になっていくと何でもかんでも自分で選んでっていうところにしか行かなくなるもんね、確かにね。
最近どうですか?2階に連れ込まれた経験は?比喩としての2階に連れ込まれは何かしましたか?
ないですよ、そんな全然。面白いお芝居を見た時にちょっと頭殴られた気持ちになったぐらいですね。
それは何?見るつもりじゃなかったけど的なやつってこと?
こんなに面白いと思ってなかったけどみたいな。
あー、ていうこと。連れ込まれる経験ってなかなかな。
なかなか暴力的じゃないですか。
大人になってからの喜びって仕込んでた種が芽生えて、こういうことかって疑問が増加した時とか、
21:02
食べてたインプットの点が繋がって一つになったような気がする時とか、そういう喜びに注視してるような気がしてきましたね、改めて。
なるほどなー。
子供の時の方がひとり友達と喧嘩したとかでも人生が終わるような衝撃とかだったりするじゃないですか。
そうね。
最近2階に連れ込まれてないなー。
なんかちょっと自分で階段登って最後だけ引き込んでもらいましたぐらいのことは多分あるんですけど、
もう道歩いてたら5年間お前を追っていたっていう人から狙われることあんまりないもんな。
そう、やっぱり自分で全く選んでない入り口だったっていう経験ってあんまなくないですか?
自分から足突っ込んでるじゃないですか、最初。
そこですよね、確かに。入り口、全く自分にかけなかった入り口でしたっていう経験ね。
それで不可逆な。
どうぞ。
でもやっぱり人生はヒュー&テイクだから、まずは私が友達を2階に連れ込んでいかないと、2階に連れ込んでもらえないんじゃないかって思いました。
それはミキさんの大好き舞台に連れ込んでいくみたいなそういうこと?
例えばね。
そうね。
舞台はそこまでもないけど、暴力性ないけど。
それも億劫になっちゃうもんな。億劫っていうか、LINEとかで聞いちゃうもんな。
なんとか好き?とか言っちゃうもんな。
私だってそうですよ。舞台誘うときに、これは広瀬すずが出てるから生で広瀬すずが見えるよとか保険を打ってから見に行きますよ。
ミキさん、聖吉はそんなことしないよ。
そう、絶対しないの。
何か開いてる?池袋18時ぐらいですよね。
そうね。
行くよって連れてって3時間閉じ込める。
池袋じゃない世田谷とかのシアターはそこから行くってことですよ。池袋待ち合わせで。
そういう意味だと、ギリギリこれを2階に連れ込んでるなって思ったのが、学生時代に、前も話したことあるかもしれないんですけど、学生時代演劇サークルの新館が新館合宿をしますって言って、
高田馬場のロタリーとかに集合するんですけど、来た新入生に目隠しをして車に乗せて、
全然知らないところに連れて行って、そこで先輩の成人葬みたいなお葬式をやるみたいなやつをやってました。
それが新館のイベント。
それ、歓迎としての目隠しってこと?
面白いじゃんって言うだけなんですけど。
やっぱりあの大学、危険思想が詰まってるな。
しかも私じゃなくて、その後輩主催してるイベントですけどね、やってたんですけど、ギリ2階に連れ込んだ感あるイベントだなって思いました。
ギリどころか、そこそこ連れ込んでるねそれは。
演劇サークルの先輩のサークルライフを聴けると、バイビキューでもしながら聴けるって思ってたら、
24:02
隠しされて、知らないところに連れて行かれたら挙句、お葬式ですからね。結構やばいですよね。
それはなかなかの世界観だな。
でもそれで入るんですよ。なかなかですよね。
いいスクリーニングなのかもね。それで耐えられるっていうか、いいなって思えるっていうのは、それは確かに才能だな。
100%私マジギレするだろうな。
マジギレするんですね。
マジギレすると思う。
そういう機会を多分谷崎純一郎も求めてたし。
だからあれなんでしょうね。関東大震災が契機とはいえ、突然神戸来ちゃうみたいな、足柄来ちゃうみたいなことなんでしょうね。
本の感想の話に戻りますけど、視線を読んで初めてペティシズムっていう概念を知った気がするんですね。私は高校生ぐらいの時に。
それまでフェチとか、カジュアルに使うけど何フェチとか、高校生だったら太ももがフェチとかあるじゃないですか。
フェチにちょっとエロい意味があるような気がしてたのはこういうことかっていうふうに改めて理解した姿勢を読んで。
し、SとMっていうのは両極間じゃなくて、ほぼ同じなんだなってこれを読んで理解しました。
なんでかっていうと、セイキチンが本当は理想の女に入れ墨を彫って切り伏せたいみたいな気持ちがある。
けどそれを日頃、ごまかすために大の屈強の男に入れ墨を彫っては痛がる様子を見て、ちょっと笑って冷ややかに見ているみたいなことをしてて。
どっちもだなって思ったんですよね。
だからその屈強な男が入れ墨に痛がる様を見て喜んでるっていう性質はすごいレスっぽいけど、
本来は最高の女に自分の入れ墨を施して切り伏せたいという気持ちをごまかすためでしかなかったんだっていうのがわかるじゃないですか、この小説で。
本当の屈強男犯の方なんだなって思うと、かなかSMってほぼ同じなんだなって理解したような気がします。その小説から。
確かにな。そうさな。
同じ人なんだもんな。セイキチンの中では。
一貫してるんですよね。一貫中か。
一貫してるんですよ。
彼の中ではね。
なるほどな。これ彫った後のセイキチってどうなるんでしょうね。
結構彼の願望をフルで果たして、この女の人に去っていっちゃうわけじゃないですか。名前も聞いてないし。
27:03
で、たぶん帰ったらもう二度と会わないでしょう。
会わないのかな?わかんないけど、この後どうなると思います?女の子自身でもセイキチでもいいんですけど。
二つあると思う。作家として一声を掛けて、より良い彫師になる可能性もあるし、もう一つは気が抜けた毒気のない大人になってしまうということもあるのかなと。
しばらくしたら、次はこの女に行って、より上位を求めるような気持ちがふつふつと湧いてきてしまって、また幻の女を求めて彫師を続けるっていう、より豪音の深いところに行っちゃう可能性もあるのかなとは思います。
ミキ作家ならどっちを描きたいですか?谷崎の後を引き継いだミキ作家だとしたら。
作家だけじゃわかんないけど、読者として読みたいのは豪音の深い方ですよね。
ミキさんそう言いそうですよね。
だけど、展開として日常系4コア漫画みたいなのがあって、毒気のないゲッター堀士のおじさんっていうのがあって、実は堀崎孝だったっていうおじさんとして、姿勢みたいな話がある作品でありますよね。
スラムダンクの案在先生パターンね。
そうそうそうそう。
孝行家になるパターンね。
だから孝子、堀崎の塾を始めて、良い孝子になる可能性あります。
なるほどなぁ。
で、生徒が先生はどうしてそのように穏やかなのですか?とか聞くと、もうなんか私はもうやり切ったみたいなことを答える。
謎の曖昧な回答をする先生。
この掘った女の子の目1個ぐらいが出てくるんですよね、多分ね。
そうね。
足でわかるんでしょうね、またそれで。
足でわかる、足でわかるみたいな。
安いなぁ、令和のストーリー安いなぁ。
でもなんか豪華不開放もありそうですよね、これね。
確かにな、前回のアサイリオンの性欲の話もそうでしたけど、名前をつけられない欲求みたいな。
欲求って本来そういうもんじゃないですか、名前はついてないはずなので衝動だから。
SとかMっていうフレームだったり、フェティズムの中での分かりやすい足フェチとかになってくると。
そういうもんじゃないんだけど、そういうものとしたほうが捉えやすいっていうものに入っちゃうがばっかりに、あれではないってなっちゃうがありそうですよね。
同じSなんですよ、同じ人の中にSっぽいものとHFしたいものが同居するって多分普通にあることなんだと思うんですよね。
確かになぁ。
聖吉なぁ、私も血が見えてたら聖吉の気持ち超わかるもんなぁ。
血が見えてたら?
血がすごい苦手なので、他人の血を見るのも苦手だし。
でももし私が血を見るのが好きな人間だったとするじゃないですか、だとしたら聖吉にすごい同化できそう。
30:06
なるほど。
これや!っていう女の人を探しながら、屈強なオレイキャルデっていう男の人に優しい感じで行きますって言いながら、その人が痛がってるのを楽しく見てるっていうのは楽しそうな生活だなって思いましたね。
全然わかんないですね。
え?
フェチがない人間だと思うな、本当私は。
そう?そう?
フェチか、難しい。
これ描いた人と結婚していった谷崎純一郎の妻達いるじゃないですか。
みんな似た子だった。
でも線の細そうな美人だった記憶なんだよな。
写真で二人目の奥さん見てますけど、二人目の奥さん超可愛いですよ。
みんな可愛いんだよ。
そうなの?私は二人目の奥さんがタイプ。
どういうとこで見てるんですか?
今Zoomのチャットに送ってた。
みんな可愛かった記憶あるんだよな。
本当。
三番目の奥さんに手紙書くときは、自分を下僕の手で手紙書いてたって書いてありましたよ。
へー。
独特。
ミューズにヒレフスタイン、自分にインスピレーションを与えてくれるミューズが欲しい。
すげーな。
すごいな。ミューズ欲か。
谷崎純一郎結構、落語家さんとかだったらモテそうな日本男児顔だな。
確かに高段顔。
谷崎純一郎が若い時にお母さんとして歌舞伎を見てて、歌舞伎に衝撃を受けて作家を志したって書いてある。
へー。
最初に書いたのも結局なんだけど、結局は諸事情で出版されず、知性が諸著作になった。
へー。
そういうライブパフォーマンス好きだと思う。
もう少し遅くに生まれていたら役者とかやってたんじゃない?
あー、なるほどね。
役者っていうか、その、劇局とかを演出家とかやってるかもしれない。
だってなんか奥さんをさ、女優にしたりとかしてるよね、確か。
あ、そうなの?
うん。
そう、奥さんの妹、生子、お芸名、早山美知子で女優にしてるみたいな。
wikipediaに書いてあった。
ほー。
えっと、初婚の時に、初婚の奥さんの妹を好きになっちゃうの。
で、たぶん妹おもちゃを焼いて、妹を女優デビューさせてる。
そうですかー。
そうですかー。
だいたい奥さん20くらい下なんだなー。
すげー世界にみなさん生きてらっしゃるなー。
姿勢ねー。
33:01
久しぶりに読んで、やっぱ今より子供の高校生の時読んだ時よりはそのエロさを理解できるようになってる気がしました。
今の方が一層深く味わえる。
今の方が一層深くエロいなと思いながら味わえている気がしました。
これは確かにエロいねー。
エロい、これは。
作品っていうか、文体と谷崎純一郎がエロいね。
自分の欲望を心底から満たしきってるっていう感じがすごいしてるのがエロいんだよね。
これで50とか60までこの文体で書き続けるわけでしょ。
関西に移って文体が変わったみたいな話はあるけどさ。
ささめゆきとか代表作を得たのって結構後半だね。
それでも書くんだもんな。
34:14

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