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2023-12-14 14:01

「自然派ノラジヲ」5回目(10/30)放送 有機水稲栽培③

「自然派ノラジヲ」5回目放送

サマリー

自然派ノラジヲは、自然農法国際研究開発センターの提供でお届けしています。稲と雑草の割合が稲育ちの具体的な違いを説明し、好ましい管理方法について話します。自然派ノラジヲの5回目の放送では、有機農業について話が展開されました。有機農業の割合はまだ低いですが、地域での需要を増やすことが重要だと話されました。

稲と雑草の重量比率の差
自然派ノラジヲ、このコーナーは、公益財団法人自然農法国際研究開発センターの提供でお送りします。
三木さん、今週もよろしくお願いします。
はい、よろしくお願いします。
先週は、稲と雑草の乾燥したときの重量の割合というマニアックなお話を聞いたところで終わったんですけど、
実際、うまくいくときとうまくいかないとき、稲の生育が具体的にはどう違うんですか?
そうですね。先週申し上げた通り、実は稲に良くない管理をした場合、
初夏の7月上中旬の稲と雑草の割合というのが、悪い管理をすると雑草8割、稲が2割の重量比率になると。
良い管理をすると、それが逆になっていて、9割以上が稲で、雑草は10%未満の重量比率になると申し上げたんですが、
それはどんなことをしたかって、一応、私、研究の真似事をしてるんで、どんな研究したかっていうと、
例えば、そのときの試験っていうのは、耕耘時期ですね。耕す時期。これを秋から耕すことをするか、春に耕すか、春に初めて耕すかっていうような比較ですね。
その他には、肥料をやる時期ですね。肥料をやる時期を早めにするのか遅めにするのかとか。
で、そのときにその有機肥料を深く混ぜるのか、浅く混ぜるのかとかっていうのは、これ結局田植え前にしてることなんですよ。
で、それで今の結果が大きく変わる。
あー、そうか。
なんで先週申し上げましたけど、田植えからスタートしたんではダメなんですよ。
全然間に合わないですね。全部対症療法になっちゃう。
そうです。なんで、やっぱり稲が育ちやすい環境を整えて、で、良い苗を良いタイミングで植えてやると、
うんうん。
あの、稲がぐんぐん育つおかげで、先々週お話しした通り、稲が元気だから雑草が結果的に相対的に抑えられる。
抑えられる。
ええ、いうところになります。
なるほど。その稲2割、雑草8割の頃は、どの時期に耕耘して、どの時期に肥料を与えて、どういう与え方をしたんですか?
はい、えーと、そのやり方がですね、春に初めて耕耘をして、
春に、はい。
はい。そうすると、地表に稲藁があるから。
それが初めて土の中に混ざるわけなんですね。
うんうんうんうん。
で、肥料も田植え前にまくんですね。
田植え前に、直前ですか。
直前ですね。
おー。
で、その組み合わせって、詳細はまあ、さておき、養分が一番効く管理なんです。
あー。
ところが、あの、化学肥料は、あの、養分をやったら養分として使えるんですけど、
はい。
有機肥料や稲藁ってのは、あの、窒素というその、
うん。
まあ、タンパク質をこう、あのー、と関連する、
はい。
あのー、成分があるんですけれども、
うん。
この窒素だけではなくて、一緒にその繊維分、
うん。
好ましい管理方法
炭素を含むわけなんですね。
はい。
で、その炭素を分解しながら、
うん。
あのー、その窒素というその、主要な栄養が出てくるわけなんで、
時間かかりますよね。
そうですね。
で、その時に、あの、土にうまく馴染んでない、未熟な状態であると、有害なガスや酸が出て、
はい。
適応できない稲は、養分があるのに、
うん。
根が傷んで、吸えなくなっちゃうんですよ。
なるほど。
でも、その環境に適応する雑草は、
うん。
あ、養分がいっぱい余ってる。
へー。
じゃあ、俺、これ使ってどんどんでかくなってやろう。
あー。
っていうので、雑、雑草が8割、稲が2割っていう関係が出来上がります。
へー。
で、もう一つあの、細かいところを言うと、春に初めて耕耘をするもんですから、
はい。
それまで、土壌が、あの、土が撹乱されてないんですよね。
はい。
実は、撹乱されることによって、雑草の目覚めだったり、雑草の生存率に影響を与えるんですよ。
撹乱した方が、どうなるんですか?
えーと、減ります。
減るんですね。
ええ。
ところが、撹乱せずに、春に初めて、撹乱してるから、撹乱が少ないんですよ。
だから、彼らが保存されつつ、稲が弱るような管理をして、かつ、その余った養分は草に、適応した草に、上手に使われてしまう。
それは、稲作としては、最悪のやり方ってことですね。
そう。
そうですね。
あー。
えー、面白いですね。そうなんだ。
で、えーと、今、あの、慣行栽培の方で、秋に幸運する方っていうのも、まあ、半分ぐらいはいらっしゃると思うんですけど、半分はやってないんじゃないかなっていうのが、私の、これ、感覚なんですけど。
へー。
これ、化学肥料って、やっぱ、素晴らしくて。
あー。
その、有機栽培では、それが問題になるのを、化学肥料では、それほど大きな問題にさせないっていうのが、また…
なるほどね。
すごいところなんですね。
そっかー。
それで、これだけ、世の中に普及されて、
普及するわけですね、化学肥料が。
そうなんですよ。
便利なんですね。
だから、逆に言うと、そこは、あの、あの、化学肥料を使わない栽培で、有機物で、なんとかしていこう、というようにやった場合は、雑作のことも知らなきゃいけないんですけど、有機物のことも知らなきゃいけないわけですよ。
例えば、稲藁は、あの、地力窒素って言って、
はい。
土壌に、まあ、言ったら、最近、あの、よく聞くような話だと、炭素貯留に繋がる。
おー、あー、そっか、土の中に。
繊維が、すごく多いので、分解するのに、7年かかっちゃうんですよ。
んー、そんなかかる。
有機栽培の注意点
肥料は、多分、2週間とか、そのぐらいで、あの、分解して、土になってしまうんですよね。
はい。
だから、それだけ、その、炭素分が多いか少ないかによって、分解する速度が変わってきちゃうんですよね。
なるほど。
で、逆に言うと、その分解が長いものは、危険な、先ほど言った、有害なガス屋さんが出る期間ってのも、長くなるんですよ。
あー、出続けちゃうんだ。
出続けちゃうんです。
なるほど。
肥料は、割と比較的短い期間で終わっちゃうので、ちょっと工夫すれば、それを避けることもできる。
うんうんうん。
じゃあ、なんとなく、一概に有機農業は、なんか、環境にも良くて、作物にも良くて、人間の体にも良いっていうイメージがあるかもしれませんが、
やりようによっちゃ、稲に毒なことをしてるってことですね。
そうですね。
なんで、あのー、えっと、例えば、昔、篤農家っていうような言葉もあったと思うんですけど、
はい。
篤農家の方っていうのは、何でもしてたんだと思うんですね。
あー。
で、有機栽培を、あのー、やる人は、多分、それ、求められるんじゃないかと思うんです。
篤農家の知識とか技術が。
そうですね。
あー。
えー、結局、えっと、先ほどの、その、藁の問題も、藁は、長期的に、7年かけて分解するってことは、7年間効果があるとも言えるんですよね。
あー、なるほど。
それはメリットなんですよ。
うんうんうん。
で、稲は(慣行栽培でも)、あのー、土からの、あの、地力窒素で、
うん。
体の大体、えー、6割、7割を作ってるんですよ。
結構ですね。
で、残り2、3割は、化学肥料とか、他のもので、体を作ってるんですね。
だから、その土の、あのー、能力を高めるっていうのに、稲藁ってすごく貢献してるんですよ。
なるほど、なるほど。
だから、すき込むわけですね。
そうですね。
田んぼの中に。
ええ。
あー。
あのー、まあ、昔はね、あのー、その、分解するのに、藁が出るのは、昔の人は分かってたので、
うん。
まあ、私の趣味でもある、
はい。
藁細工じゃないですけど、
生活用具として、例えば、俵を作ったり、傘を作ったり、箕を作ったりして、昔の人は、稲藁入れてなかった人が多かったんですよ。
そうなんですか。
で、それを、生活用具なりなんなりで使った後に、堆肥化して、で、それをまた戻すって形で、危ない期間を避けた、地づくりっていうのを、昔の人はやってた。
超賢いですね。
すごい合理的な。
天才ですね。
おー、天才だと思います。
すごい。
うん。
感動した、今の話。
いや、いや、私自身が、あの、藁細工をやって、すごく感動したんですよ。
あー。
こんな編み方だったり、こんなテクニックで、お米が漏れない、お米の袋を作っとったんだって、米俵で、まずそれで感動して。
あー。
で、それから、いろんな、あの、藁細工、生活用具も僕も作るようになってきて、あ、こういうことをやって、生活にも、で、えっと、この藁をだから、なんていうんですかね、輝かしたわけですよ。
すごい。
うん。
で、邪魔にならないように、ちゃんと。
土にまた戻していくっていう。
いやー、素晴らしいなー。
だから、それも、やっぱ、昔の人の知恵なんですよね。
知恵ですね。
で、そういう、その、まなざしを持って、その、物を扱うっていう感覚が、こう、有機農業では絶対必要だと思うんです。
うん。
あー、例えば、雑草のことも知った方がいいし、土壌のことも知った方がいいし、気象も知った方がいいし、うん、有機物も知った方がいいし、で、害虫病気のことも、で、水の特徴だったり、いろんなことを知っていくことによって、あのー、こう。
有機農業の現状と目標
予防ではないけども、どうやって健康を維持していくか、っていうことは、それを構成するものを理解しないと、コーディネートだったり、あのー、いい塩梅の環境づくりってできないんですよ。
そうですよね。
だから、最初の放送で申し上げた通り、難しくないですよ、っていうのは、それを理解すれば難しくない。
それを理解するまでが難しいですね。
で、理解できちゃうと、ほんと簡単なんですけど、理解できないと、何が原因でうまくいかないのかが、結局わかんないから、同じことを繰り返して、
しがちになってしまう。
うんうんうん。
うん。
あー、やっぱ技術職だな、農業は。
んー、いや、面白いと思うんですよ。
だから、逆に、そういうのが好きな方にとっては。
そうですね。もう、完全に理系ですよね、農業ってね。
まあ、理系かどうか、あれなんですけど、でも、やっぱり、その人間ってのは、あのー、なんですかね、こう、建物だったり、文明みたいなもので、自然の脅威から、
うん。
あの、自分たちの生活圏を守るってこともやってるんですけど、
はい。
一方で、
はい。
見方としては、自然と寄り添って、
うん。
まあ、生活している。
うん。
うん。で、自然があるからこそ、自然の脅威はあろうけれども、その恩恵を受けて、
うん。
うん。生活してるのであれば、やっぱり、その自然のことを、こう、理解していくってことは、どうしても避けられないし、今の潮流で言えば、この持続可能な社会っていう話で、
えー、どうしても、その自然の理解を深めて、
うん。
で、結局、我々が、永続的に、今のその地球環境と一緒に、あのー、持続できるような、
うん。
こう、生活様式に、どんどんして、
うん。
いかないと、未来がどうのっていうような話になってるわけですから、
うん。
まあ、そういう意味で言うと、その、有機農業っていうのは、
はい。
あのー、その生活だったり、えー、そういったその、自然との関わりっていう意味で言うと、非常に分かりやすいというか、
うん。
まあ、勉強しやすい産業なんだろうなと。
なるほど。
まあ、いうふうには思いますね。
じゃあ、今こそ適合してますね、この時代に。
しやすいと言ったらいいですかね。
うん。
え、今、日本って有機農業の割合って、すごく低いですよね。
そうですね。
今のところ、あのー、統計で出てるのが0.5%。
0.5。
はい。
ヨーロッパからしたら、もう足元にも及ばないですね。
そうですね。それを、あのー、50、2050年までにね、25%にしない観点で、相当野心的な、あのー、えーと、みどりの食料システム戦略に関しては、野心的な計画だなというふうには思いますね。
あー、できるのかな。でも、頑張ってほしいな。
有機農業の課題と展望
まあ、頑張りたいんですけど、多分、あのー、なんていうんですかね。
うん。
えー、まあ、
今までの近代農業に関わってる人たちからすれば、まあ、ちょっと、それは、やるのは難しいんじゃないかな。
うん。まあ、そうですよね。現実的じゃないと思われるでしょうね。
うん。それはもう、否めないなっていう気はしてますね。
そうですね。ただ、あの、なんだろうな、懐具合、化学肥料がもう高騰しすぎてるっていうのは、まあ、有機農業からすると、結構、追い風なのかな。
あー、そうですね。
やっぱり、そういうことに、あの、また、チャレンジしてもらう。
うん。
うん。より、ね、あの、今の近代農業は、あの、えー、持続可能な社会に向けて、まあ、特に長野県は、あの、環境保全型で先進的に取り組んで、あの、農薬や化学肥料を減らしてきたっていう実績のある県なので、
はい。
まあ、それがより、えー、そういうふうに、あの、進んでいくことは、いいことかなというふうに思ってます。
そうですね。あの、岩堀さんにも有機給食の話を聞いて、ちょっとずつ広がってるっていう話だったんですけど。
ちょっとずつ広がってるっていう話だったので、有機農業も一緒に進んでいけたらいいですね。
そうですね。まあ、あと、問題として危惧してるのは、あの、有機肥料も今、全国流通になってるものは結構あるんですよね。
はい。
で、例えば、今の近代農業の人たちが、あの、化学肥料削減のために、そういうものを使い始めると、多分、今までやってた人たちが、あの、
そっか。
競合になってきて、で、結果的には肥料が高騰してって。
高騰しますね。
っていうことも、きっとあるんですね。
うん。
あるだろうし。
そうか、そうか。
まあ、それ考えたときには、やっぱり、その、地元の、あの、すぐ近くで手に入るような、そういった、その有機物を、どうやって、うまく、その、悪さをさせないように、メリットの方を引き出して、
あの、稲作だったり、野菜作に使えるかっていうような、どっちかっていうと、こう、どうやってローカルに落としこんでいくかっていうことの方が、うん、早急にね、あの、考えていかなきゃいけないことでもあるのかなって。
どのみち、あの、
なんていうんですかね、需要が増えれば、
うん。
あの、競合だったり、
そうです。
奪い合いっていうのは、先々発生するもんだろうというふうに思いますので。
市場研究ですね。
それは有機農業でもあると。
はい。
そうか。
仕方ない資本主義社会だから。
そうですね。
うん。
なるほど。
だから、今週も面白い話を伺いました。多岐にわたって。
三木さん、ありがとうございました。
はい。ありがとうございました。
このコーナーは、
公益財団法人、
自然農法、
国際研究開発センターの提供でお送りしました。
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