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「その子を知ることから始まる保育」
2026-10-19 14:46

「その子を知ることから始まる保育」

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ほいくプラスは、保育に関わる人が、自分らしい保育を続け、互いに学び合えるつながりを広げるための場です。

このポッドキャストでは、保育士の等身大の声を届けることで、保育者同士の縁を育み、保育に関心を持つ人との新しい接点をつくります。現場で頑張る保育士の魅力と、実践に込められた思いを、より多くの方へ届けていきます。


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こんにちは。保育を語る在宅保育士の声です。 この番組は、保育士がそれぞれの現場で出会った経験や、保育を通して大切にしてきた価値観を語り、保育への尊敬や共鳴、気づきを広げていく番組です。
今回のパーソナリティは、ナナチコとナッチャンです。 今日は、「その子を知ることから始まる保育」をテーマに、私の保育館をお話しします。どうぞ最後までお聞きください。
はい。私は12年間就職してから現在まで、同じ保育の現場で子どもたちと関わっています。体を動かすことが好きで、よく外に出て子どもたちと遊んだり、畑活動をしたり、踊ったりして保育を楽しんでいます。
同僚や保護者からも、「元気ですね?」と言われることが多いです。また、私の園では未満児は担当生、異常児は縦割れ保育を行い、それぞれの年齢で大切にしたいことを抑えながら保育を行っています。
私自身は12年間のうち半分以上が異常児の担任をして、子どもたちと関わってきました。今日はその中でも、私が初めて担任をした時の経験についてお話ししたいと思っています。
私が初めて担任を持ったのは、異年齢で過ごす縦割りのクラスでした。その中に集団で過ごすことが少し苦手な年中児の男の子がいました。みんなが集まっている時も部屋の隅にいたり、その場から離れて遊びに行ったり
することがありました。
その子はブロックをして遊んだり、虫が好きで昆虫の図鑑を見たりすることが多い子でした。当時の私は初めての担任を持ったばかり。他にもたくさんの子どもたちがいる中で、どう関わったらいいんだろう、どうしたら
この子が集団の中で過ごせるようになるんだろう、と初めの頃は毎日のように悩んでいました。
でも、先輩の先生たちがその子に関わっている姿を見たり、相談したりする中で、まずはこの子のことをもっと知ってみよう、と思うようになりました。
集団に入ってもらうことを最初の目標にすることではなく、まずは一対一で関わり、安心して私と過ごせる関係を作っていくことから始めよう、そう考えるようになったことがこの経験の始まりでした。
そこで私はその子が何が好きなのか、どんなことをしているときに楽しそうにしているのかをよく見るようにしました。すると、その子は外遊びや昆虫が好きだということがわかりました。
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室内では昆虫の図鑑を見ることも好きだし、ブロックで一人遊び、虫や何かを見立てて遊ぶ姿もありました。そこで私はその子と一緒に虫を探したり、昆虫の話をしたりする時間を作りました。
ただ、虫が好きなんだねと見るのではなく、私自身も一緒になって、どこにいるのかなと葉っぱの裏を見てみたり、虫取り網を持って追いかけたり、いた!と楽しむことを意識しました。
その子に何かさせようとするのではなく、一緒に楽しい時間を過ごす、この先生は面白いと思ってもらえることから始めました。
そうやって少しずつ関わっていく中で、ある日、とても印象に残る出来事がありました。
その子が私のところに昆虫の図鑑を持ってきたんです。
そして、まだ言葉で上手に伝えることは難しかったんですが、一緒に読んで、一緒に見たいという気持ちを私に伝えてくれました。
その瞬間、私はすごく嬉しかったのを覚えています。
それまで私は、どうしたらこの子が集団に入れるようになるんだろう、みんなと一緒に遊べるようになるのかなと考えていましたが、
その瞬間に、この子なりに私と、この子なりに私との関係の中で一歩を踏み出してくれたのかなと感じました。
それから、その子はわからないことがあると、私を頼ってくれることに頼ってくれるようにもなりました。
その姿を見て、この子は何もしたくないわけじゃないんだ、と思うようになりました。
新しいことに挑戦するとき、不安だったり、どうしたらいいのかわからなかったりする。
でも、安心できる人がいたり、わかりやすい方法があったりすると、ちょっとやってみようかなと思えることがある。
私は、その子との関わりの中でそんなことを感じるようになりました。
そして、その子が何に困っているのかも少しずつわかるようになりました。
声の大きさだったり、人の多さだったり、遊びの中で何をしたらいいのかわからなかったり、
その子の様子を見ることで、もしかしたら今ここで困っているのかもしれない、と少しずつ先回りをして考えるようになりました。
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必要なときは、言葉だけではなく、目で見てわかるような伝え方をしたり、環境を工夫したりしました。
あるとき、その子ができたことを私がみんなの前で認めると、周りの子どもたちも拍手をしてくれました。
そのとき、その子がうれしそうな表情をしていたのが印象的に残っています。
そして、それをきっかけに、少しずつ一緒に遊ぶ虫好きのお友達もできてきました。
私はその子のご家族ともたくさんお話をしました。
縁でできたことや、その子が頑張っていたことを伝えると、ご家庭でもお話をしてたくさん認めてもらえたりしました。
そういう経験を重ねる中で、その子の表情も少しずつ変わっていったように感じています。
そして翌年、私はその子の担任をもう一度することになりました。
年長時になると、体操教室、お茶教室、お泊まり会、運動会、発表会、地域の行事の参加など、いろいろな活動があります。
そこで私が大切にしたのは、みんなと同じことを最初からできるようにすることではありませんでした。
その子ができることや得意なことを見つけて、それを役割につなげる。
そして、やってみようかなと思えるようなきっかけや環境を作る。そんな関わりを意識しました。
年長になる頃には、友達と一緒に活動するのも少しずつ当たり前になってきました。
友達もその子の好きなことを知っていて、虫を見つけたら呼びに来たり、虫いたーっと声をかけに来てくれたり、一緒に楽しんだりする姿も見られるようになりました。
縦割りグループや同年齢活動になったときも、その子を含めてみんなで楽しく過ごせる雰囲気ができてきました。
その子が不安を感じながらも、自分なりの小さな一歩を積み重ねていく姿を2年間そばで見守ることができました。
それは私にとって初めて単に思ったからこそ、今でも強く心に残っている経験です。
この経験から私は、子どもたちを変えようとする前に、まずその子を知ることを大切にするようになりました。
子どもの行動にはその子なりの理由があると思っています。
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集団から離れることも、やりたくないだけではなく、人が多くて不安なのかもしれない、何をしたらいいのかわからないのかもしれない、その活動に興味が持てないのかもしれない、いろいろな理由があるかもしれません。
だから私は、子どもの行動をすぐに、ダメ、できない、と捉えるのではなく、どうしてこの行動をしているのだろう、と一度立ち止まって考えることを大切にしています。
その子の好きなこと、得意なこと、苦手なこと、困っていること、そういうのを知っていくと、この子にはこういう伝え方が合うのかもしれない、
こういう環境だったらやってみようと心が動くのかもしれない、というその子にあった関わり方が少しずつ見えてくると思います。
そして、子どもにとっての一歩は大人から見ると小さな一歩に見えても、その子にとっては大きな挑戦かもしれません。
私があの子から教えてもらったのは、できるようにすることだけが成長ではない、ということでした。
安心できる人との関係の中で、やってみようかなと思えること、そしてやってみたらできた、という経験を重ねていくこと、
そんな小さな経験がその子の自信につながっていくように感じています。
だから私は、その子がやってみようかなと思えるきっかけを作り、その子にとっての一歩を一緒に喜べる保育士でありたいと思っています。
これまで私の経験をお話ししましたが、もちろんこれが全ての子どもに当てはまるものだとは思っていません。
保育をしていると、どう関わったらいいんだろうと悩む子どもに出会うこともあると思います。
そんな時、私自身が今でも意識しているのが、この子はどうして今この行動をしているんだろうと考えてみることです。
もし今、関わり方に悩んでいる子どもがいる先生がいたら、その子のできないことではなく、
好きなことは何かな?何をしている時が楽しそうかな?何に困っているのかな?と、少し違う角度から見てみるのも一つかもしれません。
そして、その子にとっての小さな一歩は何だろうと考えてみてほしいです。
大人から見れば、これくらいできてほしいと思うことでも、その子にとっては大きな挑戦なのかもしれません。
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逆に、私たちが気づいていないだけで、その子なりに頑張っていることもあるかもしれません。
私も保育士として12年間働いていましたが、今でも子どもたちから教えてもらうことがたくさんあります。
だからこそ、こうしなきゃと決めつけるのではなく、その子を知りながら、その子にあった関わり方を一緒に探していきたい。
そう思っています。私はその子とその子をどれくらい知っているかな?と、少し考えてみるきっかけになったら嬉しいです。
私自身、これからも保育士として子どもたちと関わる中で、たくさんのことを学んでいきたいと思っています。
そして、これまで12年間保育の現場で経験したことを、これからは自分の中でとどめるのではなく、誰かに届けることも挑戦していきたいと思っています。
保育士として働いていると、毎日目の前の子どもたちと向き合うことに一生懸命で、自分が経験してきたことにどんな価値観があるんだろう?と考えることは意外と少ないかもしれません。
でも、今回振り返ってみて、一人の子どもと向き合った経験や悩みながら考えてきたことも、誰かにとっては新しい気づきになるかもしれない。そんなふうに思えるようになりました。
これからも私は現場で学んだことを大切にしていきたいと思っています。
そして、私の経験を聞いてくださった方が、私も明日少し意識してみようかなと思えるようなきっかけになったら嬉しいです。
今回は、その子を知ることから始まる保育についてお話ししました。
私が保育で大切にしているのは、その子を知り、その子にとっての一歩を支えることです。
この番組では、これからもいろいろな先生が登場し、それぞれの保育の経験や価値観をお届けします。
今回の内容に共感していただけた方、保育についてもっと聞いてみたい方は、ぜひこのポッドキャストをフォローして、これから登場するいろいろな先生のお話も聞いてみてください。
それでは、次回の配信までお会いしましょう。ありがとうございました。
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