羊毛の意識を見直す
はい、お疲れ様です。羊飼いのまるおかです。
羊を50頭ほど育てながら、羊と繋がるコミュニティを運営しております。
よろしくお願いいたします。
昨日の続きを、喋ろうかなと思っています。
羊毛の、私の売り方というか、販売する時に気をつけていること。
昨日は、まずは売る側が羊毛を育てて、羊毛を売りたいのであれば、
まずは自分が羊毛の良さを知るところから始まるといいんじゃないのかなと思っているので、
羊毛の良さがわからない羊飼いから、羊毛をあまり飼いたいとは思わないじゃないですか。
というところがやっぱり大事なので、そこから入るのを私はお勧めしますね。
まずはそこで羊毛に対する意識を見直していただけるといいんじゃないのかなと。
その次ね、それだけだとまだ弱くて。
ここからは実際に良い羊毛をどう届けるかというところの話をしていきたいなと思うんですけど、
羊の育て方っていろいろあるんですよね。
羊毛のためにというわけではなくて、お肉のために育てているというのが日本の場合はほとんどです。
羊毛をとるために育てているのは多分、自分が羊毛を使いたいから、
自分が使うための羊を育てているという方ぐらいだと思います。
なので、そういう方はそもそも羊毛が使いたいので、
どんな状態の毛であっても大事に使っていくんだと思います。
汚れていても、多少のゴミがついていても、その人にとっては特別な羊毛になると思うので、
それは手間ひまをしんで向き合っていけるかなと思うんですが、
そうじゃなくて、羊飼いさんが育てて、そこからとれた羊毛を買うという方たちにとっては、
その羊は顔の知らないというか、直接会ったことのない羊だったりするわけだから、
ネットで羊毛販売してますみたいな感じで、じゃあ私買いますみたいな感じで手を挙げたりすると思うんですけど、
やっぱりそういう時に購入した羊毛が手元に届いて、箱を開けてみたら結構すごい状態だったっていう、
すごいの買っちゃったなみたいな感じに落ちてしまうスピナーさんって結構多いそうです。
で、皆さんそれぞれ頑張ってきれいにして使える状態に羊毛をまず洗うと、ゴミを取るっていうところを頑張られるわけなんだけど、
やっぱりそのモチベーションというか、心の持ちをというか、知っている羊とそうじゃない羊って、
やっぱり作業する側としてはすごい取り組む、汚れを取る、きれいにしていくっていう気持ちがさ、やっぱり差があるよね。
自分の知っている羊だったら、頑張ってきれいにしていこうとも思うし、ゴミがついてても愛おしく思ったりするじゃないですか。
元気に走り回ってたんだなっていう感じで思えたりもすると思うけど、
そうじゃなかったらさ、そうじゃない知らない羊だったら、この子どこをやぶん中突っ込んだんかしらみたいな、
そんな感じであんまり気持ちが乗り切らない時もあったりすると思うんです。
途中でもう投げ出しちゃうというか、もう無理だみたいな感じで、また後でやろうと思ってしまって、そのまんまみたいな感じになっちゃったりもすると思うんですよ。
こうなってきたら、毎年毎年羊毛は取れるわけだけど、来年もまた同じ人から羊毛を買うかって言ったら、多分買わないんですよね。
そう、ってなってくると、だんだん羊毛が売れなくなってしまうという悪い循環が生まれてしまうかなとも思うので、そこを羊毛販売する側は知っておいたほうがいいかなと。
使う側の気持ちっていうのもやっぱりある程度理解しておいたほうがいいと思うんです。
私も最初はお金も安いというか、もうタダでいいから持ってってっていうような感じで、欲しかったらどうぞどうぞっていう感じで、良かれと思って提供してたけど、それをやればやるほど、もう誰からも声がかからなくなるっていう状況に私も陥ってました。
そりゃそうなんだよね。タダより高いものはないというかさ、みんな羊が好きな人たちだからね、羊毛を使いたいっていう人たちは、だからどんなに汚れててもどんなにゴミや汚れがついてても、なんとか綺麗にしてなんとかしてあげたいっていう優しい気持ちでみんな向き合ってくれるんだけど、
そこに私たち飼育員というかね、羊飼いが甘えてるのが、すごいよく見かける。こっちは良かれと思って提供してるっていう、むしろ清々しい気持ちでね。どうぞどうぞって感じで渡すんだけど。
もらった側はさ、もう偉いのもらっちゃったなどうしようなって、もらったからには綺麗にしなきゃなみたいな感じで、すごい負担を押し付けてしまってるっていうところがあるから。
ここ、やっぱりね、渡す、販売する側、羊飼いは、羊毛についた汚れとかゴミっていうのは羊がつけたって思ってる人多いですけど、それはね、違ってます。
その考えは100%間違ってて、羊はそこにいなきゃいけないというか、その環境を提供してるのはあなたなので、羊飼いなので、いくら羊たちが野部の中に探検してさ、野生的なところで元気に走り回って汚れをつけたみたいな、
わけではなくて、その環境を用意したのは羊飼いなので、ここの環境にいてねってしてるわけだから、100%その汚れとかゴミは羊飼いがつけたものなんですよ。羊が勝手につけたものじゃないです。
もうそこを甘えちゃダメです。そこ甘えてたら絶対売れない。羊飼いはそこの汚れたゴミとかそういったものは取り除いてあげて販売しないとダメです。
それはあなたがつけたものなので、それを押しつけちゃダメ。次の人たちにそれを押しつけちゃダメ。いくらタダであっても。もうそれはね、マナーだと思うんだよね。
羊毛を渡す側のね、いくらタダであってもそこはちょっと、もらう側が本当につらい思いするし、そんな思いさせちゃダメだし、せっかく羊を好きでいてくれてるのに羊が苦手になっちゃうよね。
もうね、僕がさ、この国産羊毛を手掛けるようになって、ほとんどのスピナーさんから最初に聞く声がさ、国産羊毛私ちょっとダメなんですっていうね。
あれはちょっと私は国産羊毛はちょっとね、あれはね、私も嫌な思い出しかないんですよって言われることがほとんどです。最初みんなすっごい嫌な顔するんです。
とにかくゴミ汚れを渡さない。これどうすればいいかっていうと、スカーディングね。スカーディングっていうのは、刈り取った毛をさ、汚れとかゴミがひどいところをもう取り除く。
その羊毛ごとね、ごっそり取り除いて綺麗なところだけを集めた羊毛を販売する。っていうのがすごくすごく大事です。これをやるかやらないかだけで、全然やっぱ違います。
ゴミとか汚れが少ない部分だけを寄せ集めて、で販売すればいいんですよ。それをするだけで、みんな喜ぶ。みんな喜ぶし、またお願いします。また来年もお願いしますって声がかかるようになるから、このスカーディングっていう技術をとにかく学んでほしい。
学ぶっていうか、もう普通に取り除くだけでいいから。ゴミとか汚れがついてない部分だけを集めればいいだけ。もうほんとそれだけ。これをぜひやってほしい。
たぶんそれやると羊毛少ししか残らないと思うんですよ。羊一頭からたぶん1キロもないと思います。500グラムとかそれぐらいになるかもしれない。綺麗なところだけを選んだらね。
でもそれでも、ちゃんと売れると思うし、また次にも必ず繋がるから。そこでさ、ゴミとか汚れがついてるって、それってそのまま重さだから、羊一頭借りとって3キロ4キロ取れましたってすごいたくさん取れたって思ってる人いるかもしれないけど、その半分以上はもう汚れの重さだからさ、
結局は全然毛の量は少なかったっていう時もあると思うし、あまり量の多さっていうところに目を向けないで、綺麗なところだけ厳選に厳選してやるといいと思います。
ここね、やっぱね、大事。すごく大事。これをやってる羊飼いさんは、モテます。モテます。スピナーさんからね、一番やっぱり求められるところだと思うので。
感動を届ける羊毛
これはね、ぜひ真似してほしい。これの利点って他にもいろいろあるんだけどね、何よりもね、やっぱ使う側の気持ちをよく考えてっていうところね。
やっぱ羊毛を購入してみんなワクワクしながら箱を開けるわけよ。届いた羊毛ね。どんな羊毛かなってワクワクしながらパカって開けるじゃん。
開けると牧場の香りがふわっと通ってさ、羊の香りも部屋に立ち込めて、毛をひとふさひとふさ確認するわけじゃん。
そのときにゴミとか汚れとかついてたらさ、うーってなるじゃん。
うーってなるんじゃなくて、開けたときに感動してもらう。
やっぱ羊毛って美しいからね。美しいんだよ本当に。
その美しさをやっぱり届けてあげないと、やっぱね、箱を開けて感動してもらいたいじゃないですか。
なのでそこをね、ぜひね、届けてあげてほしいなと。感動を届けてあげてほしいです。
はい、ということで今日は、昨日の続きね、羊毛の売り方で大事なポイントをお話ししてみました。
えー、まだあるよ。まだあるけど、ちょっとまた明日、明日時間あったら話してみようかなと思います。ではでは。