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ペンとインキ、夢の旧作
ペン先がインキにこう言いました。
お前くらい嫌なものはない。
私がいくら金の衣服を着ていても、
お前はすぐに錆びさして役に立たなくしてしまう。
私はお前みたいなもの、大嫌いさ。
インキはこう答えました。
ペンは錆びるのが役目じゃない。
インキは亡くなるのが勤めじゃない。
一緒になって字を書くのが役目さ。
錆びるのが嫌なら、
鉄に生まれてこない方がいいんじゃないか。
インキが嫌なら、何だってペンに生まれてきたんだえ。