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2025-02-17 04:16

#182【青空文庫】あひるさんと時計

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村山籌子「あひるさんと時計」

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Ogawa Mimei title: Duck and Clock

サマリー

あひるさんは時計を欲しがり、おばあさんからお金をもらって時計屋に向かいますが、古い時計しか手に入れられません。その後、旅行に行く約束をします。

あひるさんの欲しい時計
あひるさんと時計、村山和子、なんでもかんでも、人のまねをしたがるあひるさんがありました。
まだ子供でしたから、むりもありませんが、大きなあひるさんたちが、時計を持っているのを見てほしくてたまりません。
お父さんにお願いしました。
お父さん、時計を買ってください。
お父さんは言いました。
もっと大きくなったらにしよう。
あひるさんはすぐおばあさんのところへ行きました。
おばあさん、ぼくに時計を買ってください。
おばあさんはあひるさんをよく見て言いました。
おまえはまだ小さいから、大きくなったらにしましょう。
あひるさんは涙がでてきました。
時段だをふもうと思いましたが、すぐに大きなむしめがねをおばあさんにわたして言いました。
おばあさんは目がわるいから、これでよく見てください。
ぼくはとても大きいんだから。
おばあさんはむしめがねをかけてあひるさんをみなおしましたら、
あひるさんはもうお父さんのように大きくみえました。
おばあさんはなるほどと思って、
財布からお金をだしてあひるさんにやりました。
あひるさんはそれをもって時計屋さんに行きました。
ところが、あひるの時計屋さんのしなものは、
人間がつかいふるした時計ばかりをうっていて、
あたらしい時計などはひとつだってないのです。
なぜって?
あひるのしょっこうさんたちに、
時計のあのややこしいぜんまいやきかいがこさえられると思いますか?
あひるさんはなにもわからないので、
よりによってよくひかったのをかいました。
ニッケル製で、ねだんといえば人間せかいなら2円50センのしなもので、
ふるとがたがたおとのするたいへんなしろものです。
ですけれども、あひるさんはおおよろこびで、
ポケットからときどきとりだしてながめてよろこんでいました。
旅行の約束
するとある日、七面鳥さんからてがみがきました。
おてんきがよいから、りょこうにいきましょう。
ぼくたちはちいさくても、
ほうぼうりょこうしていろいろなことをべんきょうしなくちゃならない。
あひるくん、きっときたまえね。
ぼくたちにねんせいはぜんぶいくよ。
あすあさ、きっかり七時にとりやま駅をしっぱつだ。
あひるさんはとりさんですから、
うまれつきりょこうがすきで、
そのよるはうれしくてねむれません。
あささんじごろからおきて、
とけいとにらめっこをしていました。
七時まえになりましたから、
とぶように駅へかけつけました。
ところが、
きしゃはとっくにでていって、
のこっているのはけむりばかり。
あひるさんはじぶんのとけいをだして、
駅のとくらべてみましたら、
さんじゅっぷんおくれていましたとさ。
というとけいだ。
あひるさんはなきましたが、
もうしかたがありませんでした。
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