1. IFS 内的家族システムを深める
  2. IFSとパートナーシップ
2025-07-20 04:55

IFSとパートナーシップ

IFSの創始者、リチャード・C・シュワルツ博士の書籍「You Are the One You’ve Been Waiting For」の内容を簡単にまとめます。

あなたはこれまで、恋愛関係がなぜ終わるのか、その理由を探し求めてきたことでしょう。コミュニケーション不足や理解の欠如、お互いのニーズを満たせないことだと、世間ではよく言われます。セラピーの世界でも、そう信じられてきました。

しかし、もしそれが根本的に間違っているとしたら? もし、あなたが求めてきた「運命の人」が、実はすでに「あなた自身」の中にいるとしたら?
 

あなたが探し求めてきた「無限の愛の源」は、パートナーの中にあるのではなく、実は「あなた自身の内なる存在の中心」にあるからです。それをIFSでは「セルフ(Self)」と呼びます。
 

何が問題なのか?

  • 「救世主」という幻想: 私たちの文化は、パートナーがあなたの「空虚さ」を満たし、「痛み」を癒してくれると信じ込ませます。しかし、誰もあなたの「見捨てられたパーツ」を癒すことはできません。パートナーにそれを期待すると、あなたは常に失望するでしょう。
  • 文化的圧力と孤立: 現代社会は、私たちを孤立させ、過剰な労働を要求し、絶えず消費を促します。この疲弊した状態で、パートナーに「すべての幸福」を期待するのは、あまりにも大きな重荷です。

     

「勇気ある愛」とは何か?

これは、あなたのパートナーを、あなたの「パーツ」のニーズを満たすための道具として見るのをやめることから始まります。あなたが「自分のパーツの第一の世話人」になるのです。

  • 内なるUターン: 外の世界に解決策を探すのをやめ、内なる世界に焦点を向けましょう。そこに、あなたの「パーツ(感情、思考、衝動、感覚)」を見つけるでしょう。
  • パーツとの対話: あなたの「パーツ」は、「セルフ」としてのあなたからの愛と受容を求めています。彼らに耳を傾け、彼らが抱える「極端な思い込みや感情」を癒し解き放つのです。
  • パートナーを解放する: あなたが自分のパーツの世話をすることで、パートナーは「救世主」としての重荷から解放されます。彼らは、あなたが「彼らをありのままに愛している」と感じるでしょう。
  • 恐れを手放す: 「見捨てられる不安」を乗り越えるのです。あなたのパーツたちが、セルフとしてのあなたのリーダーシップを信頼すれば、パートナーがたとえあなたから離れたとしても、あなたは大丈夫だと知ることができます。
  • パートナーは「メンター(師)」: あなたのパートナーは、あなたが癒す必要のある「隠された痛み」を浮上させるための「トーメンター(苦しめる人)」、つまり「師」となるでしょう。彼らは、あなたの奥深くにある「幼い頃の傷」を示す「トレイルヘッド(きっかけ)」なのです。
  • 「パーツについて話す」こと: 怒りや批判、あるいは無関心な態度で「パーツから話す」のではなく、あなたの「セルフから」、あなたの「パーツについて話す」のです。そうすることで、あなたの言葉は相手に異なる響き方をするでしょう。

具体的な実践の道

  1. 内なる気づき: パートナーとの関係で「防衛パーツ」が活性化したとき、立ち止まり、その思考、感情、行動の「源」を内側に見つけましょう。
  2. パーツへの好奇心: その「防衛パーツ」が何から身を守ろうとしているのか、何が怖いのかを尋ねます。そうすれば、幼い頃に傷つき、見捨てられた「エグザイル(追放されたパーツ)」に出会うかもしれません.
  3. 癒しのプロセス: その「エグザイル」の苦しみに寄り添い、彼らが抱える「重荷」を解き放ちます。そうすれば、彼らは自然と「本来の価値ある姿」へと変容するでしょう。
  4. パートナーへの開示: あなたが内側で発見したことを、あなたの「セルフ」からパートナーに伝えます。特に、あなたの「脆弱なパーツ」がどのように傷ついたのかを分かち合うと、驚くほど関係が深まることがあります.
  5. 共感と修復: パートナーもまた、あなたの言葉の背後にある「痛みや恐れ」に耳を傾け、思いやりをもって応答し、心からの謝罪ができるようになります。

最終的に目指す場所

それは、「レジリエントな親密さ(resilient intimacy)」です。パートナーシップは、絶え間なく続く「パーツ同士の争い」の場ではなく、お互いの「内なる家族」を探索し、癒し、成長させる「神聖な旅」となるでしょう。

たとえ嵐が来ても、あなたは知っています。それは一時的な「パーツの乗っ取り」であり、あなたの「セルフ」はそこにあり続け、最終的にはつながりを取り戻せるということを。

この「勇気ある愛」の道は、簡単ではありません。しかし、この道を選ぶことで、あなたは「真の自由」と「深い満たされたつながり」を見つけるでしょう。

なぜなら、あなたが待ち望んでいた「たった一人の人」は、あなた自身の中に、ずっといたのですから。

サマリー

このエピソードでは、内的家族システム(IFS)がパートナーシップに役立つ方法を探ります。リチャード・シュワルツ博士の理論を通じて、自己理解と自己ケアの重要性が明らかになります。

IFSとパートナーシップの理解
こんにちは。今回は、リチャード・シュワルツ博士の、You are the one you've been waiting for この一説を深掘りします。
あのコミュニケーション、まあ一生懸命学んだのに、どうしてかパートナーシップがしっくりこない。そんな経験、あなたにもありませんか?
ええ、ありますよね。で、この本が指摘しているのは、まさに従来のアプローチが見落としがちな点なんです。
それが、内的家族システム、まあIFSと呼ばれるもので、人間関係を見る、なんていうか、全く新しいレンズなんですよね。
うん、IFS。それは興味深いですね。ということは、問題はスキルそのものというよりは、自分が気づいていないその自分の内なる部分のケアをですね、無意識に相手に求めてしまうと。
まさにそこなんです。IFSの基本的な考え方というのは、私たちの心って一つじゃなくてですね、いろんなパーツと呼ばれる、まあ副人格のようなものでできていると。
これ単なる感情とか思考の波とはちょっと違って、それぞれが信念とか目的を持ってるんです。心の中に何か委員会があるみたいなイメージですかね。
なるほど、委員会ですか。具体的にはどんなパーツが。
例えばですね、過去にすごく傷ついた経験を持つ、まあ繊細なエグザイル、追放されたパーツなんて言ったりもします。そのエグザイルをもう二度と傷つけ前として過剰に批判的になったり、逆に閉じこもったりして守ろうとするプロテクター、保護者みたいなパーツがいるんです。
あー、なるほど。
だからパートナーの何気ない一言にカチンと来たりする時って、もしかしたら昔の拒絶を恐れるエグザイルを守ろうと、プロテクターがグッと前に出てるのかもしれない。
あー、だから表面的なスキルだけじゃ、その根っこの部分の反応が変わらないと、結局同じパターンを繰り返しちゃう可能性があるわけですね。でも、なんか自分のパーツばっかり見ていると、ちょっと自己中心的になっちゃわないかななんて心配も。
大事な点ですね。でも、IFSが目指すのは自己中になることじゃないんです。むしろ逆で、自分の中に誰でも持っている穏やかさとか思いやり、好奇心、自信、こういう資質、これをIFSではセルフと呼ぶんですが、このセルフと繋がることがまず目標なんです。
セルフですか?
ええ。セルフがいわばリーダーシップを取ることで、初めて自分の傷ついたパーツ、特にエグザイルのちゃんとしたケアテーカーになれる。そうすると、結果的にパートナーを私を何とかしてっていうその無意識の機体から解放できるんですよ。
なるほど。まず自分の中のそのセルフにアクセスして、自分の内なる家族の面倒を見るのが第一歩だと。そこから本当の意味でのパートナーとの健全な関係、本質的な親密さっていうのが生まれてくる。そういうことなんですね。
まさにその通りです。で、もう一つ大事なのが、自分とかパートナーが時々見せるちょっと傷つくような行動とか反応ってありますよね。
ええ、ありますね。
あれもその人全体から来てるんじゃなくて、ある特定のパーツからのメッセージなんだと理解すること。本の中でも単一的な人格という神話に触れてますけど、自分とか相手を一枚岩みたいに捉えちゃうのが結構誤解を生むんですよね。心にはいろんな部分があるんだって理解することが関係性をすごく助けます。
これは本当にあなた自身の経験にもつながってきますよね。関係がこじれたとき、つい相手を責めたり自分を責めたりしがちですけど、そうじゃなくて、このIFSの視点があれば、今どのパーツが騒いでるんだろうとか、このパーツ本当は何を必要としているのかなって、もっと好奇心を持って見られるようになる。
自己理解と成長
えーそうなんです。焦点がなんていうか、ロマンティックレスキューって本では言ってますけど、外の誰かに助けてもらうんじゃなくて、自分の内面を理解して癒していくことにシフトしていく。セルフが主導点を握れるようになると、関係性そのものがお互いの成長の場になっていくんです。シュワルツ博士が言うところの勇気ある愛。
勇気ある愛。
相手のパーツも自分のパーツも受け入れながら一緒に成長していく、そういう愛を育めると。
では今回の探究から見えてくることっていうのは、関係を良くする鍵っていうのは、相手を変えるとかスキルを磨くとか、それだけじゃなくて、もしかしたらもっと根本的なあなた自身の内なる世界との関わり方にあるんじゃないかと、そういう視点の転換かもしれないですね。
そうですね。ここであなた自身にちょっと深く考えてみてほしい問いがあるんです。
あなたのパートナーシップで今一番困難だなと感じている側面、もしそれが単に直すべき欠点とか問題とかじゃなくて、実はあなた自身のその内なるパーツたちのもっと深い自己理解とか癒しへと続く、いわば道標なんだとしたら、少し立ち止まって考えてみる価値がありそうです。
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