IFSの創始者、リチャード・C・シュワルツ博士の書籍「You Are the One You’ve Been Waiting For」の内容を簡単にまとめます。
あなたはこれまで、恋愛関係がなぜ終わるのか、その理由を探し求めてきたことでしょう。コミュニケーション不足や理解の欠如、お互いのニーズを満たせないことだと、世間ではよく言われます。セラピーの世界でも、そう信じられてきました。
しかし、もしそれが根本的に間違っているとしたら? もし、あなたが求めてきた「運命の人」が、実はすでに「あなた自身」の中にいるとしたら?
あなたが探し求めてきた「無限の愛の源」は、パートナーの中にあるのではなく、実は「あなた自身の内なる存在の中心」にあるからです。それをIFSでは「セルフ(Self)」と呼びます。
何が問題なのか?
- 「救世主」という幻想: 私たちの文化は、パートナーがあなたの「空虚さ」を満たし、「痛み」を癒してくれると信じ込ませます。しかし、誰もあなたの「見捨てられたパーツ」を癒すことはできません。パートナーにそれを期待すると、あなたは常に失望するでしょう。
文化的圧力と孤立: 現代社会は、私たちを孤立させ、過剰な労働を要求し、絶えず消費を促します。この疲弊した状態で、パートナーに「すべての幸福」を期待するのは、あまりにも大きな重荷です。
「勇気ある愛」とは何か?
これは、あなたのパートナーを、あなたの「パーツ」のニーズを満たすための道具として見るのをやめることから始まります。あなたが「自分のパーツの第一の世話人」になるのです。
- 内なるUターン: 外の世界に解決策を探すのをやめ、内なる世界に焦点を向けましょう。そこに、あなたの「パーツ(感情、思考、衝動、感覚)」を見つけるでしょう。
- パーツとの対話: あなたの「パーツ」は、「セルフ」としてのあなたからの愛と受容を求めています。彼らに耳を傾け、彼らが抱える「極端な思い込みや感情」を癒し解き放つのです。
- パートナーを解放する: あなたが自分のパーツの世話をすることで、パートナーは「救世主」としての重荷から解放されます。彼らは、あなたが「彼らをありのままに愛している」と感じるでしょう。
- 恐れを手放す: 「見捨てられる不安」を乗り越えるのです。あなたのパーツたちが、セルフとしてのあなたのリーダーシップを信頼すれば、パートナーがたとえあなたから離れたとしても、あなたは大丈夫だと知ることができます。
- パートナーは「メンター(師)」: あなたのパートナーは、あなたが癒す必要のある「隠された痛み」を浮上させるための「トーメンター(苦しめる人)」、つまり「師」となるでしょう。彼らは、あなたの奥深くにある「幼い頃の傷」を示す「トレイルヘッド(きっかけ)」なのです。
- 「パーツについて話す」こと: 怒りや批判、あるいは無関心な態度で「パーツから話す」のではなく、あなたの「セルフから」、あなたの「パーツについて話す」のです。そうすることで、あなたの言葉は相手に異なる響き方をするでしょう。
具体的な実践の道
- 内なる気づき: パートナーとの関係で「防衛パーツ」が活性化したとき、立ち止まり、その思考、感情、行動の「源」を内側に見つけましょう。
- パーツへの好奇心: その「防衛パーツ」が何から身を守ろうとしているのか、何が怖いのかを尋ねます。そうすれば、幼い頃に傷つき、見捨てられた「エグザイル(追放されたパーツ)」に出会うかもしれません.
- 癒しのプロセス: その「エグザイル」の苦しみに寄り添い、彼らが抱える「重荷」を解き放ちます。そうすれば、彼らは自然と「本来の価値ある姿」へと変容するでしょう。
- パートナーへの開示: あなたが内側で発見したことを、あなたの「セルフ」からパートナーに伝えます。特に、あなたの「脆弱なパーツ」がどのように傷ついたのかを分かち合うと、驚くほど関係が深まることがあります.
- 共感と修復: パートナーもまた、あなたの言葉の背後にある「痛みや恐れ」に耳を傾け、思いやりをもって応答し、心からの謝罪ができるようになります。
最終的に目指す場所
それは、「レジリエントな親密さ(resilient intimacy)」です。パートナーシップは、絶え間なく続く「パーツ同士の争い」の場ではなく、お互いの「内なる家族」を探索し、癒し、成長させる「神聖な旅」となるでしょう。
たとえ嵐が来ても、あなたは知っています。それは一時的な「パーツの乗っ取り」であり、あなたの「セルフ」はそこにあり続け、最終的にはつながりを取り戻せるということを。
この「勇気ある愛」の道は、簡単ではありません。しかし、この道を選ぶことで、あなたは「真の自由」と「深い満たされたつながり」を見つけるでしょう。
なぜなら、あなたが待ち望んでいた「たった一人の人」は、あなた自身の中に、ずっといたのですから。
サマリー
このエピソードでは、内的家族システム(IFS)がパートナーシップに役立つ方法を探ります。リチャード・シュワルツ博士の理論を通じて、自己理解と自己ケアの重要性が明らかになります。