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みなさんこんにちは、Good News for Citiesの杉田まりこです。
今日は久しぶりの個人回ということで、私が今いる南アフリカについてお話ししたいと思います。
私が今アフリカにいるっていう話は、このポッドキャストでも今まで何回かしてきたんですけど、
最近はケニアの使徒であるナイロビに2ヶ月ほどいました。
ナイロビでの滞在を終えて、今度は南アフリカのケイプタウンに2週間滞在をして、
今使徒であるヨハネスブルクに来ています。
ここでの滞在はあと2週間から、もしかしたら長くなると1ヶ月ぐらいになるかなっていう感じなんですけど、
ちょっと南アフリカも都市的な視点で面白いことがたくさんあるので、少しずつシェアしていきたいと思います。
ケイプタウンは結構、街中は白人ばっかりで、
なんか本当に文脈を知らなかったらヨーロッパとかアメリカの街に見えてしまうような場所で、
で、海とか山が綺麗でゆっくりしてたんですけど、
ヨハネスブルクに来るっていう話をした時に、みんな現地の人が、
ああ、ヨハネスブルク、まじか、気をつけてみたいな反応がすごい多くて、
下調べもしつつ、かなりビビってきたんですけど、
今滞在しているエリアはそこまで危険を感じないような、すごい素敵なエリアです。
で、今日ですね、世界で最も危険な高層マンションって噂をされているポントタワーに行ってきました。
このポントタワーは、絶対にヨハネスブルクに来たら行ってみたいと思っていた場所で、
2017年のワイヤードのアフリカ特集でも取材されていました。
ただ、このポントタワー、むちゃむちゃ噂が、評判が悪いっていうのと、
あと、誰に聞いても絶対に行くなって言われる、ヨハネスブルクのエリアがあって、
ヒルブル王地区って言うんですけど、このポントタワー、このヒルブル王地区の真ん中にある場所なんですね。
簡単に説明をすると、ポントタワーは54階建てで高さ173メートルの高層マンションです。
今私が滞在しているホテルの窓からも一番目立って見えるんですけど、
ヨハネスブルクを一望できる一等地にあると。
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ただ、アパルトヘイトの後にギャングが侵入したりだったりとか、いろんなことがあって、
住民が退居せざるを得なかったりとか、
ギャング団とか、麻薬の密売人とか、売春婦の送付とか、
なんかこう、性的サービスからドラッグまで何でも数分で手に入るみたいなことを、
ポントタワーってGoogleで調べると出てくるんですね。
日本語だけじゃなくて英語でも。
で、ビビっていたわけなんですけど、
地元の組織でドララニジェ、
なんて読むのかちょっと私もまだ分かってないんですけど、
ドララニジェっていうボランティアグループがあって、
で、このグループがポントシティだったりとかヒロブローみたいな、
いわゆる評判の良くない場所みたいな、
ヨハネスブルクの評判の良くない場所みたいなところに焦点を当てて、
観光客を中心に人々を案内して、
そのイメージとはまた異なる人々の普段の様子だったりとか風景みたいなものを紹介することで、
固定概念を解体することをミッションに活動しているグループです。
彼らの提供するツアー、そこまで安くはないんですけど、
なんかウェブサイトとか読んでいて彼らのミッションにも共感したし、
売り上げの多くはコミュニティスペースの上だったりとか、
そのエリアの子供たちの教育などに使われる、コミュニティに還元されるってことで、
今日早速行ってきました。
実際、ポンテタワー集合で、中にオフィスがあるんですけど、
3人男の子が、ヨハネスブルク出身の男の子たちがやってきて案内をしてくれて、
そのうちの1人は実際にポンテタワーに住んでいる男の子でした。
ちなみにこのドララニジェっていう組織が、月に一度ヨハネスブルクのクイアーツアーをやっているらしくて、
ヨハネスブルクにおけるLGBTQコミュニティの歴史文化、
あとは彼らの差別との戦いについて、
当事者の声も聞きながら、いろんな町のクイアースポットっていうところを歩けるようなツアーになっていて、
これもかなり興味があります。
ポンテタワーなんですけど、いろいろ怖い噂たくさん聞いてたんですけど、
実際最近はかなり変化してきているって話は聞いてはいて、
正直行ったときに、綺麗だし、住民の人たちのコミュニティ感もあるし、平和な感じ。
正直私もここに部屋借りたいなって思えるような素敵な場所でした、正直。
でももちろん治安が悪いとか、ヒルブローエリア、そもそも近寄るなみたいな話も聞いてたから、
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ビビってはいたんですけど、そういった世の中に出ているイメージとは全然違うんだなっていうことが分かったツアーでした。
このタワーはドーナツ状の建物になっていて、間は空洞になってるんですけど、
かつてはそこにゴミとたまに死体が山積みになっていたみたいな話があって、
実際蓋を開けてみると、どちらももちろんゴミの山も死体もないんですけど、
かつてそれがあったっていうのは本当だったみたいで、
十何階ぐらいまで住民たちのゴミが溜まっていたというのも、
エレベーターがなかったから、わざわざ50何階もある建物にゴミを出すために、
みんな降りるの面倒だから窓から建物の空洞になっているところにゴミを捨てていたみたいな話があって、
そういった都市伝説的な昔はこうだったみたいな話を聞きながら、
実際に建物の中でガイドの人たちと一緒にご飯を食べたりとかお茶を飲んだりとかをしながら、
結構平和な感じのツアーの内容になっていました。
皆さんももしヨハネスブルクに来ることがもし将来あれば、
ぜひこのドララニゼのツアーは参加してみてもらいたいです。
そもそもなんで私が南アフリカにやってきたのかみたいな話なんですけど、
私が2019年から2020年の間にアムステルダムに1年ぐらい住んでいたときに、
オランダと植民地の関係だったりとかをいろいろ調べる中で、
アフリカへの興味が湧いてきたっていうのが一つあって、
南アフリカはもともとオランダの植民地であったっていうことと、
今もオランダ系の住民たちがたくさん住んでいて、
いわゆるアフリカンって言われている人たちとか言葉だったりとか、
そこらへんに興味がありました。
あとやっぱり南アフリカというとアパルトヘイトのイメージがすごい強いと思うんですけど、
アパルトヘイトが終わった今とはいえ、
まだ白人と黒人、いろんな有色人種の人たちが分離して生活しているっていうところ、
まだ現実は残っているらしくて、
その辺りを都市という文脈から読み解いてみたいなっていう思いがありました。
実際一番最初に行ったケープタウンでもダウンタウンとか海沿いのエリアに滞在してたんですけど、
白人ばっかりやんっていうのが正直な第一印象で、
なんかやっぱりストリート一本ではっきりと未だにセグレゲーションがある、
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裕福な白人系の住民が住むエリアと、
あとはインフラもなかなか整っていない密度の高い黒人系の人々が住むエリアっていうのが、
もう分かりやすく分かれていて、結構ショッキングな風景ではありました。
正直街中歩いていると、
未だにホワイトオンリー、ブラックオンリーっていうサインがまだ残っているベンチだったりとか、
古い建物っていうのを見かけることもあります。
バルトヘイト、制度としては撤廃されたとはいえ、
かつて自分がどの人種にカテゴライズされるかで、
どこに住めるのかとか、どんな仕事にアクセスできるのかっていうのが、
そもそも決定される世界っていうのは、すごい想像するだけでもひどい世界だと思うし、
それが未だに現実として残っているっていうのも、
グロテスクな現実でもあるなと思います。
ちなみに南アフリカの歴史とかもうちょっと知りたいって人は、
遠い夜明けっていう映画がかなりおすすめなので、ぜひ見てみていただきたいです。
バルトヘイト制作を撮る南アフリカを舞台に、
自由な理想社会を叫ぶ黒人男性、スティーブ・ビコって実際の人物と、
彼を支持する白人男性との友情の物語で、
これ一つ見るだけで、結構歴史背景とか文脈みたいなのが、
頭に入ってくるんじゃないかなと思いました。
この映画で私が印象的だったのは、一番最初のシーンで、
黒人集中拒絶に、白人の警官たちが強制撤去に入るっていうシーンで、
実際そういうふうに、黒人が集中して住んでいるエリアに、
強制的な、暴力的な撤去っていうのが入ったりっていうのは、よくあることだったみたいです。
キープタウンにいたときに、ディストリクト6っていうエリアがあったんですけど、
そこもまさにそういった強制撤去の舞台となった場所で、
ミュージアムとかもあって、歴史を学ぶことができました。
こういうふうにアパルトヘイト時代に、
黒人専用として指定されていた居住区っていうのは、タウンシップって呼ばれるみたいで、
都市の周辺部、ダウンタウンではなくて、ちょっと郊外の外れだところに、
こういったタウンシップって呼ばれるところがあって、
今もそういった場所には黒人の人たちが中心に住んでいると。
あと南アフリカの都市を読み解く上で、興味深いなと思ったのが、
バントゥースタウンと呼ばれる場所で、別名ホームランドとも呼ばれていたらしいんですけど、
かつて南アフリカに存在していた、いわゆる自治区、独立国みたいなものが、
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ホームランドと呼ばれていたみたいです。
アパルトヘイトの時期って、白人地域が南アフリカの土地の87%を占領していたらしくて、
実際に黒人が住める地域っていうのは、もともと彼らの土地であったにも関わらず13%しかなかったっていうところで、
この黒人地域に関して、主要集団みたいなものに分けられて、
それぞれにバントゥースタウン、ホームランドっていうものが付けられた。
それでそれぞれのバントゥースタウンに一定の自治を与えて、次で独立させたっていうことらしいんですけど、
それだけ聞いたら、独立と自治があるからいいんじゃないって思ったんですけど、
独立をさせることで、南アフリカの市民としての権利は剥奪されたりとか、
あと南アフリカで働く黒人の労働者が外国人労働者として扱われて、市民としての権利が無視されてしまうっていうので、
結構批判をされていた制度だったらしいです。
現地の人たちとの会話でもこのホームランドって言葉がよく出てきました。
ちなみに、アパルトヘイトが撤廃されたのが1994年、結構最近なんですけど、
撤廃された後に生まれた若い世代が、フリーダムベイビーズとか、ボーンフリーって呼ばれる新しい世代らしくて、
私より4歳とか5歳くらい若い世代、フリーダムベイビーズって呼ばれているみたいで、
彼らはまたアパルトヘイトを経験していない世代として、新しいカルチャーを作っているみたいです。
ケープタウンでは、あとはアフリカで結構有名な文芸活動、チムレンガっていう活動があるんですけど、
チムレンガのオフィスに遊びに行ったりとか、あとは地元のキュレーター、アーティストに会ったりとか、
ケープタウンで今どんどん盛り上がってきているシェアアートスタジオみたいなところを訪問させてもらったりとか、
結構見どころ満載の日々を送っています。
イファネスブルクはまだ来たばっかりなので、また新しいネタが手に入り次第皆さんにもシェアしていけたらなと思っています。
あとどうでもいいですけど、南アフリカはやっぱりワインが美味しいですね。
はい、今回はこんな感じです。
次回のポッドキャストも楽しみに!