皆さんこんにちは、リサーチャー・ストーリーテラーの杉田麻里子と、
エクスペリエンスデザイナーの石川赤子です。
この番組は、都市というテーマが好きで好きでしょうがない2人が、都市に関する様々なグッドニュースをザック・バランに話す場所です。
今日は、ずっとお話ししたかったゲストにお越しいただいています。
ロンドンを拠点に活動する建築家の八木祐理子さん、よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
簡単にリスナーさんに向けて自己紹介をお願いします。
はじめまして、パンプロジェクツの八木と申します。
パンプロジェクツは建築設計スタジオですが、2017年にデンマークのコペンハーゲンという町で設立した後に、
2019年の暮れにロンドンにベースを移して活動しています。
もう一人、日本人のパートナーの高田と一緒に共同設立している建築事務所になるのですが、
特にどこで活動するということを決めているわけではなくて、
もちろん日本だったり、あとはヨーロッパ、最近ではサウジアラビアとかアゼルバイジャンとか、
世界中でいろんな活動ができればなと思って活動をしています。
なるほど、めっちゃ国際的ですね。
コペンハーゲンで設立してイギリスでやってるって聞くと、すげーって感じなんですけど、
どうしてそう息づいたんですか?
皆さんにワーって言われるんですけど、結構始まりはシンプルで、
ただただコペンハーゲンで共同設立者の高田と打ち解けたっていうのはもちろんあったり、
あとは結構プラクティカルな部分で、海外で自営業って結構ビザだったり権利が必要な部分でもあって、
その権利がコペンハーゲンにいたときにたまたまデンマークであったっていうところ。
あともう一つちょっと大きかったなって個人的に思うのは、学生終わり、事務所作りたいなって思ったタイミングで参加した
チャートアートフェアっていうアートフェスみたいなものがコペンハーゲンであって、
それでパビリオンを作成したんですね、そのアートフェアのために。
それがその都市のパビリオンの1位を取ることができて、
それでその1位の副賞がお金とか商品とかじゃなくてメンターシッププログラムっていうのが副賞になっていて、
コペンハーゲンの大手デベロッパーのCEOの方、あと大手建築設計事務所のCEOの方、
あとバリバリ活躍しているスイスのデザインスタジオのCEOの方、
3人にあなたこれからどうしたいですかっていうお話を聞いてもらえる時間を取りますよっていうのが副賞として用意されていて、
その時に私も高田も一緒にそのコンペには参加したんですけど、
ぼやっと自分たちのスタジオを作って何かやってみたいって思いはあったものの、やっぱり現実味がなかったというか。
でもそこでいろんなそういう、今まで経験を積んできた方たちにお話を聞いてもらって、
現実味が増して、じゃあデンマークでいっちょやってみるかっていうような経緯で、デンマークの設立がかなったっていう感じですね。
すごい。
本当、RPGゲームみたいだねっていう話をするんですけど、
行って宝箱開けて宝入ってて、誰かに会って話しかけてサポートしてもらって、みたいなのがたまたま本当につながっていったから、
結局今それでロンドンにいるんですけど、こういう活動をしてるんだなっていうふうにはいつも感じながら生きています。
なるほど。
じゃあ学生をペンハーゲンでやっていて、就職せずにすぐに独立したってことなんですか?
それは実は、もう一人の高田の話で、私は実は学生はずっと京都の大学で学生していて、
そうなんですよ。
で、インターンで学生中に1年デンマークで働いたっていうだけで、別にデンマークの学歴を持っているわけではなんでもなくって、
でもインターンしてやっぱりすごいデザイナーとして生きやすいし、デザインしやすい国だなっていうのをすごい感じて、
で、日本に戻った時に、そのまま日本で自分がデザイナーとして建築家としてやっていくよりかは、きっと外に出て、
例えばその時はデンマークと繋がりが強かったので、デンマークで活動していった方が実は自分がやりたいことができるんじゃないかなと思って、
その後またデンマーク、卒業後すぐデンマークに行って、
先ほど言ったアートフェアに参加してっていうので、デンマークに戻ったっていう、海外に戻ったっていうような経緯ですね。
すごい飛び込んだんですね。
そうですね。今思えばよく飛び込んだなと思います。若かったってのもあるとは思うんですけど。
たぶん建築家とか建築家を目指している学生さんとかで、
ヤギさんのようなキャリアパス、すごい興味がある人がいるんじゃないかなっていうので、
そういったビザのあり方だったりとか、ライセンスの取り方とか聞きたいところなんですけど、
そもそもどういうフィロソフィーというか考え方でどんな作品を作ってるのかなみたいなところから始めたいなと。
ファンプロジェクト、何をしているのかっていうのと、今直近で動いているプロジェクトとかもあったら、
リスナーの人も想像しやすいかなと思うんですけど、どうですか。
そうですね。プロジェクトとしては、建築事務所っぽく住宅とかホテルっていうような新築だったり、
改修、リノベーションのプロジェクト、あとは店舗のインテリアっていう、
クライアントさんがいるお仕事はもちろんやっているんですけど、
それだけじゃなくて、自分たちで助成金とかお金を集めて、
実際パビリオン、小規模の建築を作るっていったプロジェクトをやったりだとか、
最近では建築、私たちは建築って呼んでるんですけど、
一般の人から見るとアートプロジェクトに近いようなプロジェクトもしていて、
本当に今12月20日で展示が終わっちゃうんですけど、
東京の六本木にある国立新美術館で、
今一つ大きなインスタレーションを展示してもらってます。
本当ですか?ありがとうございます。
まさかヤギさんがやってるとは思わず、すごいインパクトでした。
コロナワクチン打ちに行ったんですけど、
バーンって、メインエントランスですよね。
そうなんですね。皆さんに無料スペース、ロビーでやってるんで、
結構いろんな人に見てもらえて嬉しい場所にあるんですけど、
ああいうプロジェクトも最近はやっていたりだったりとか、
建築、インテリア、インスタレーションというようなところをベースに動いていて、
今はやっているプロジェクトとしては動いてるって感じですね。
なんか結構ウェブサイトを見てると、さっきの作品的なものとかを、
いろいろやられてるなと思ったんですけど、
小規模な建築というか、
自分たちで予算を獲得して小規模な建築をするという思いは、
どういうところがあってやってるんですか。
それは実は、やっぱりどういうふうに私たちが社会に
建築で関わっていけるかなっていうのを考えた結果ではあるんですけど、
結構フィロソフィーのところにもつながっているんですけど、
建築に関わっていけるかどうか、
そういうふうにやっていくかなとは思うんですけど、
ファンプロジェクト自身、作品を作るときにやっぱり毎回、
絶対的に社会に何かしらメッセージだったり、
社会を良くしていくような方向で形を作りたい、
ものを作りたいというところは絶対的にあって、
でもそれをするときに結構難しさもすごい感じていて、
そういうことが簡単に形として結果を残すことが難しいところで、
プラス、私たちが日本人がどうやって
ヨーロッパのローカルだったり、そこにある文化っていうのに
関わっていけるかなっていうところで、
小さな爆弾を落とすみたいにインパクトをポンと都市に落とすことは
アウトサイダーの私たちからでもできるんじゃないかなっていうので、
始まったプロジェクトが建築未満プロジェクトって私たちは呼んでるんですけど、
パビリオンだったりを作ってるプロジェクトで、
小さくても強いメッセージを持ってさえいれば、
社会に対して何かしらアプローチは可能になるんじゃないかっていうので、
さっき言ったように本当に小さなサイズだけどポンって置くことで
メッセージの爆弾が広がって、例えば水に浮くパビリオンとか
水上空間の公共性をもう一回ちょっと考えてみようよっていう提案を
一つの小さな急平米ぐらいにしか満たないもので都市の人に言ってみたり、
そういうことをやっぱりこっちから仕掛けていかないと
全然社会により関わるのって難しいなって思う瞬間が結構あって、
それの一個の手法として先ほど紹介いただいた
小さい建築を作るプロジェクトっていうのはやっています。
めちゃくちゃいいですね。
ありがとうございます。
爆弾を落とすってめっちゃ私たちも好きです、そういう。
ボムだからね、ボム。
確かに海外をベースに活動している建築家として結構いろんな葛藤だったり
チャレンジもあると思うんですけど、
よさ者でもそういった小さな爆弾を落とすことができるみたいなのっていいなと思って、
私たちも去年アムステルダムに住んでたときに、
よさ者として短期間しかいなくてもそこに何かしら残していけたらとかっていう話をしていて、
よさ者としてみんなで爆弾を落とし続けられたそういうプレイヤーがたくさんできたら、
もちろん今年の毎日ってもっと面白くなるんじゃないかなとか思います。
なんかよさ者としてしか見れない側面、都市の側面もあったり、
でもそのよさ者としてだけじゃなくて、その場所の人と対話をしながら
よさ者として何ができるのかなっていうような考えることっていうのがすごく大事だなと思っていて、
私たち自身も絶対的に多様性を祝福しようっていうのは決めていて、事務所の中で。
それは結局、私、もともと日本で生まれた日本人が外で活動するっていうことの大前提として