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皆さん、こんにちは。石川由加子と杉田 麻里子です。
Good News for Citiesは、都市・建築・町づくり に関するさまざまなグッドニュースを、
ザック・バランに話す番組です。
はい、今回もゲストをお迎えしてお送りします。
今回はベトナムからゲストをお迎えしました。
スタジオアネッタイという建築設計事務所であり、
3Dビジュアライゼーションも行っている会社を主催している、
山田貴仁さんにお越しいただきました。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
山田さんとは、去年の末ぐらいに行われた、
マイパブリックという公共空間、自分のお気に入りの公共空間を
お勧めするというイベントでご一緒させていただいたんですけど、
ベトナムで設計事務所をやられているということで、
私たちもベトナムってどういった町づくりの取り組みだったり、
どういう活動が今行われているのかというのを、
ぜひ知りたかったので、
今日お招きしてそこら辺を話していけたらと思いました。
まず最初に山田さんの自己紹介みたいなところと、
なんで今ベトナムで設計事務所をやることになったのか、
みたいなところを教えてください。
山田と申します。よろしくお願いします。
先ほども石川さんにご紹介いただいた通り、
スタジアアネッタイという事務所を、
2019年の11月ぐらいから立ち上げて、
それまではずっとローカルのボーチョンギアアーキテクスという、
ベトナムの設計事務所で6年ぐらい、
2014年から5年半ぐらい、
建築家として、スタッフとして勤めていて、
なんでベトナムに来たのか、
そもそもなんでベトナムに来たのかというと、
結構変な経歴をしていて、
ずっと小学校から大学までずっと、
区立、都立、都立という、
東京に染まったような経歴だったんですけど、
たまたま東京都立大学というところで入った研究室が、
海外調査旅行をよくしているような研究室で、
僕が入った台は、たまたま今回は東南アジアだということで、
東南アジアで建築のリノベーションとか、
コンバージョンの調査旅行をするという、
事務所というか研究室だったんです。
そこで東南アジアを回っていく上で、
タイとかインドネシアとか、
ベトナムはなぜか行かなかったんですけど、
シンガポール、マレーシアという風に東南アジアを全部回って、
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調査旅行をしていて、東南アジア楽しそうだなと思っていて、
その中で普通に大学院に進んで、
そのまま就活をしていたんですけど、
就活を始める大学院1年生の時に、
たまたま某チョンギアアーキテクツから、
都立大学の研究室にスタッフ募集みたいなメールが来ていて、
それをよく見たら大学院に卒業して、
ある程度スキルがあって英語を喋れる人を募集していたんですけど、
それを完全に無視して手を挙げてしまって、
仕方ないからインターンなら来てもいいよということで、
インターンで1ヶ月ほど大学院に行かせていただいて、
やっぱり1ヶ月ぐらい勤めた時に、
ちょうど某チョンギアアーキテクツという事務所が
ベトナムで有名になってきている時で、
というか世界的に有名になってきているタイミングだったし、
あと僕の前に既に日本人が3人勤めていて、
そこに行けばきっと某チョンギアアーという
インターナショナルな所に食い込んでいく事務所の良さと、
あとベトナムの良さと、
日本人的なちゃんとした一級建築士だったので、
そういう日本の建築的なところも同時に学べるんじゃないかということで、
インターンが終わった直後に、
すみません就職したいんですけどということで、
お願いしてみたらいいよみたいな感じで就職が決まったと。
そこまでやっていた就活は全部蹴って、
もう行ってしまったという。
なので本当にたまたまたまたまがと、
あと自分で結構身勝手に突っ込んで行ったら、
気がついたらベトナムにいたという状況ですね。
勤めていたベトナムの建築事務所について、
もう少し聞いてみたいんですけど、
どんなプロジェクトをしているチームで、
山田さんその中でどういったところを手伝いしていたんですか?
某チョンギアアーっていうのは、
多分僕が行った時に2014年頃ってベトナムにおいて、
建築家っていう、建築設計事務所っていう設計事務所は、
本当に某チョンギアしかないぐらいの時代だったんですね、ベトナムって。
某チョンギアが最初の建築家という、
そこまでは言えないですけど、
最初のデザインをちゃんとする建築家っていうイメージで、
なのでかなり、
社長のギアさんもそこにかなり自覚的で、
自分がベトナムの建築界を引っ張っていくんだっていう、
かなり意識を持ったような事務所でした。
具体的にどんなプロジェクトをしていたかというと、
なのでかなり話が大きくなるんですけど、
06:00
ベトナムに緑を取り戻すっていう、
ハウスフォーツリーズっていうプロジェクトと、
あともう一つは、
ベトナムで鉄とかコンクリートではなく、
新しいマテリアルとして竹を使ったプロジェクト、
バンブーアーキテクチャっていうプロジェクトと、
あともう一つは、とにかくローコストな、
やっぱりメコン川周辺の人たちって、
自分の家も持てないぐらいの、
バラックみたいなところに住んでるので、
そういう人たちのための住宅、ローコストハウス、
その軸で主にボーチョンギアアーキテクツは、
プロジェクトをやっています。
その中で僕が携われたのは、
ハウスフォーツリーズっていう樹木をいっぱい植えるプロジェクトと、
あとバンブーアーキテクチャっていう、
竹を建築材料として使うっていうプロジェクトの2つでした。
これも面白そうですね。
いや、すごいんですよね。
街に緑を取り戻す方が大事だっていうところがあって、
その建物の中だけが良くなるんじゃなくて、
その街自体が良くなるっていうところまで、
ギアはかなり自覚的にやっていたというところで、
やっぱり街から見えるところに木を植える。
というか、そんなちっちゃい木を植えても仕方ないという、
かなりすごい考え方の人で。
じゃあ結構、公共の公園を作るとか、
緑を増やすみたいなところではなくて、
施設とか建物を建てるときに、
そこの建物のパブリックな部分をグリーンでデザインしていく、
みたいな考え方だったんですか?
そうですね。もちろん木が室内に作る影、
室内に作る影っていうことも意識はしていると思うんですけど、
それ以上に道の前面から見えるところに、
ちゃんと植物を植えることによって、
例えば面白かったのが、
第一弾のハウスフォーツリーズっていうプロジェクトがあって、
それは建物の前面にルーバー状のツリーポットがいっぱい並んで、
ランダムに並んでて、
正面から見ると緑しか見えないみたいな住宅だったんですけど、
その地区でその住宅のコピーっていうのが頻発して、
勝手にパクられてて、
どっちが俺らのだっけ?みたいな感じになるみたいな。
でもそれはギア的にはウェルカムなことで、
それによってその地区が緑だらけになるのが良いというところがあって、
ギアの思惑通りなんじゃないかなというところがあって、
そこの考え方に関しては、
多分あまり意識してないけどちょっと影響を受けているのかなと、
話を少し大きく切り取るというか、
社会に影響を与えるってほどではないですけど、
09:01
少し物を作るときに、
社会的なインパクトを考えた文章とか、
考え方みたいなのをまずはちょっと意識するかなというふうに思っています。
なるほど、面白い。
そういった価値観の部分だったりとか、デザインの作り方の心で、
現地のスタジオで働きながら学ぶことって、
すごいたくさんあると思うんですけど、
同僚はベトナム人が多いんですか?
それともインターナショナルなの?
僕がいたときは、インターナショナル、
外国人が半分、1割が日本人、
残り4割ベトナム人みたいな感じでしたね。
そういう環境で、
多様性がある環境で働くときに、
デザインの作り方のプロセスそのものが、
やっぱり日本の事務所で働くのと、
全然生み出し方が違うんじゃないかなと思うんですけど、
そこら辺どうですか?
コミュニケーションとか、デザインのプロセスにあたってショックだったこととか。
ただ、もちろんそれはあったんですが、
すごいメインなところで言うと、
パーソナークラスが全員日本人だった。
1人ベトナム人いましたけど。
ギアも元々日本で10年間くらい勉強した人なので、
すごい日本語もペラペラの感じなんで、
思ったほどのカルチャーショックみたいな、
進め方のカルチャーショックはなかったんですよ。
ちゃんとコンセプトを考えて文章からリサーチして、
っていうところの流れは、
むしろ彼らパートナーが手綱を握って、
インターンが来た。
めちゃめちゃな進め方も彼らがちゃんと整えてくれてたので、
スタッフとしては、
日本人としては多少やりやすかったのかなと思いつつ、
ただやっぱりベトナム人のパートナーとかと仕事をした時に、
いきなり形のスケッチから入るというか、
あとさらに言うと、
そのスケッチを模型ではなくて、
ベトナムだと3Dで起こすんです。
こっちって建築材料、模型材料がそんなに整ってないので、
っていうのもあると思うんですけど、
あと教育の段階で、
基本的に建築模型も作るけど、
それはスタディのためというよりは、
一周形の見せるための模型みたいな、
ガチガチの模型みたいなだけで、
基本的には3Dで全員作っちゃうので、
自分がバーッと鉛筆でスケッチしたのを、
そのまま自分で立ち上げて入ってきましたみたいな感じの進め方もすると。
そういう意味では、こういう進め方もあるんだなという衝撃は受けましたね。
12:02
おもしろい。ありがとうございます。
今は事務所はもう辞めて、
ご自身でスタジオは熱帯をやられているっていうことなんですか?
はい、おっしゃる通りですね。
スタジオは何年前ぐらいにスタート?
ちょうど2019年11月なんで、
今もう2年ちょい経ったぐらいですかね。
ちょうどコロナ直前に。
そうなんですよね。
なかなかスタジオは熱帯は変な事務所でして、
先ほど言った通り建築設計事務所であり、
3Dスタジオでもありっていうところなんですけど、
もともとはホテルをやるための事務所だったんですよね。
このままスタジオは熱帯でやってたことの話に突入してしまうんですけど、
スタジオは熱帯を立ち上げる前、
そもそも傍聴ギアを辞める時に、
多分日本に帰るのかなと自分で勝手に思っていたんですけど、
たまたま傍聴ギアを辞める直前に
行っていたプロジェクトは、
巨大なリゾートホテル、
1万何千平米みたいなホテルをやっていたんですけど、
なかなかこれが難しいクライアントで、
ちょっとお金は払うから、
もうとりあえず全部すぐ帰ってくるみたいな感じのクライアントで、
最終的にはもう傍聴ギアもこれ以上付き合えませんみたいな感じで、
せっかくあんだけ時間かけたのにぐちゃぐちゃになってしまったっていうプロジェクトがあって、
そんな中で、せっかくベトナムにいるんですし、
自分が自分のクライアントとしてプロジェクトをやったら、
もっとうまくやれるんじゃないかなっていうふうに自分で思ったので、
せっかくベトナムという地にいて、
施工費も安くて、賃貸料も安くて、
あとベトナムって家を借りて、
勝手にリノベしていいことが結構多いんですよね、基本的に。
もう好きにしちゃってくださいみたいな。
なので、これだったらということで、
傍聴ギアを辞める4月ぐらいなんですけど、
ぐらいの時に、アパートを2個借りて、
自分でリノベして、
それを駆動さんとして貸し出すのか、
Airbnbとして貸し出すのかっていうことをやってみようと、
じり切りやってみようっていうふうなことになって、
それは、
いくらぐらいだったかな、
自分の持ち出しは30万ぐらいで、
あとはオーナーに負担してもらって、
そこもうまいことできて、
アパート事業みたいなのと、
駆動さんと設計を組み合わせるのは面白いなというふうに思って、
やっていたところに、
15:02
ちょうど、
建物1棟丸々借りたけど、
自分がカフェやるのはグランドフロアだけなので、
残りの上の階を借りて、
ホステルやってみませんかっていう話が来たんですね、
日本人の人から。
それは面白そうだということで、
ベトナムに来た時と同じ要領で、
やりますって言って、
借りてみて、リノベしてみて、
いざ、ホステルをやるってなった時に、
これ、会社ないとダメだなということになって、
そこで、
初めて会社を立ち上げることになって、
という流れで、スタジオアネットはまずできたんですよね。
建築設計事務所というよりは、
まず駆動さんとか、ホステル、
会員宿舎をやるための会社として立ち上がりました。
なるほど。
スタジオアネットのインスタで、
写真が上がっている、
3フロアぐらいのとこなのかな?
これ。
ハンバーガーのやつ。
それは違う?
それはハンバーガー屋です、ただの。
それは設計したハンバーガー屋。
なるほど。
最近のプロジェクトで、
たぶんね、戻るってなったら、結構戻らないと。
それが、と言いますのも、
2019年11月にホステルできたってなって、
だんだんお客さんが来るようになったなっていう、
2020年2月っていう頃も、
3ヶ月ぐらいしか経ってない時にコロナ直撃しまして、
観光客が一人もいなくなって、
中央市。
その辺りは、
アパートを借りて見延べしたプロジェクト。
なるほど。
この写真見てるハンバーガー屋さんとかも、
結構なかなかスタイリッシュなデザインだな。
結構こういうデザインがウケるんだなと思って、
見たりしてました。
そうですね、ハンバーガー屋は、
これはダナンっていう、
ベトナム中部のところにある都市の、
とあるハンバーガー屋でして、
これ実はもともと住宅なんですけど、
住宅の床をぶち抜いて、
吹き抜けのあるハンバーガー屋を作って、
確かに天井高いですね。
もともとベトナムって妙に天井が高いんですよ。
多分空気がこもってしまうからというのがあると思うんですけど、
それをさらに吹き抜けさせてしまったんで、
とんでもない天井になっている。
18:01
めっちゃいいですね。
インパクトのあるハンバーガー屋、これは。
今杉田さんがフォローしてくれた。
リンク貼っておきます。
なるほどね。
ひょんなことからリルをゲットしてみたいなところだったんですね。
本当にすべてがいいタイミングで、
その人に声をかけていただいて、
たまたま不動産をやりたいなと思った時に、
アパートの話も知り合いの不動産屋の人が、
こんないいアパートあるよみたいな。
まだ作りかけでちょうど空っぽだから、
今入れば好きな設計できるかもっていうことで買わせていただいて、
まだ作りかけを作っている途中のオーナーに、
この2部屋だけこのデザインにしてみませんかって言って、
パースを見せて。
とても良くなるんで、
あとお金もそんな変わらないはずなんで、
お金出してくださいって言ったら、
ちょっと半分だけ負担させられて。
いいですね。
とはいえ施工する時って、
日本とはまた全然違うと思うんですけど、
おっしゃる通りですね。
そのタイミングまで何年も住まわれていたから、
現地のコネクションとかもあると思うんですけど、
ベトナムでやったからこそ苦労というか、
難しさみたいなところってあったんですか?
もちろんですね。
一番感じているのは、
共通言語がないってよく僕は言ってるんですけど、
普通にベトナム語が通じない、
英語が通じないっていうのはもちろんあって、
ワーカーたちが喋れないのは当然のことかなとは思うんですけど、
建築言語が読めないっていうパターンが結構あって、
要は図面が読めない。
なので、
コミュニケーションツール、
その場でスケッチするのか、
それともものすごい具体的な3Dパースを出すのか、
っていう図面よりもパースとかスケッチとかが優先されるような、
コミュニケーションツールっていうのが結構あって、
スケッチとかが優先されるようなことになっていて、
日本だと多分図面出したら、
その通りできてしまう、
良くも悪くもできてしまうというか、
そのままできてしまうと思うんですけど、
それに対してベトナムって本当に現場で決めることが猛烈に多くて、
その出戻りをなくすために僕らは、
3Dパースってものを磨いているという、
っていうスキルを一生懸命磨いて、
3Dパースを見れば、拡大すれば、
そこがどういうディテールになっているかわかる、
みたいなレベルで3Dを作り込むと。
なるほどね。
じゃあ結構イメージで作るものを、
情報としてインプットして作る、
みたいな作法だったってことなんですね。
もともとそうだと思いますね。
21:00
そうなんですよね。
現場に普通にバイトの中学生みたいなのがたまにいるので、
大丈夫なの?みたいな。
そうそう。
施工の写真とかもインスタに上がってて、
見てると友達とやってるのかな?
年齢感だな、みたいな感じで見てました。
もうおばちゃんが急に、
ワーカーたちの洗濯もしてたりするし、
すごい状況だな、みたいな。
これで成立するんだったらいいんだけど。
ただやっぱり、
図面を見た時に最終形は彼らに、
予測させるというか、
想像させることは難しいので、
やっぱりいいパースを作って、
大きく印刷して現場に貼っておいて、
みんなでこれ作ろうぜ、みたいな。
ドライよりも結構ウェットな人たちが多いので、
仲間になればすごい協力してくれるっていうところがあるので、
このいい設計を一緒に作ろうぜっていう風に載せると、
すごい親切に協力してくれるというか。
っていう意味でも、
3Dパースっていうのは、
ただの絵っていうよりは、
コミュニケーションツールとして、
今非常に必要なスキルなのかなという風に思ってます。
特にここベトナムでは。
面白いです。
ベトナムについてもね、私たちちょっと気になってて、
それこそ4シティーズを立ち上げて、
最初に行くならどの国かなみたいなのを話をしている中で、
結構優先度高く、ベトナム行きたいって話してるんですよ。
だけど、
コロナになってしまったみたいなところもあって、
ぜひ、いろいろこれから調べていきたいなと思うんですけど、
ベトナムに行きたいなと思ってます。
いろいろこれから調べていきたいなと思うんですけど、
まだベトナムに関して未知で、
どういう活動が今ホットでとか、
どういうチームが活躍しているのかとか、
ローカルの面白い取り組みとか全然知らないんですけど、
山田さんの中で今注目している動きとか、
このチーム面白いんだよねとか、
ローカルならではの動きとかあれば、
ちょっと聞いてみたいなと思います。
そうですね、個人的に、
でもこれはお二人も知っていると思うんですけど、
一つあるのは、
ベトナムにもともとある、
例えばものすごい低くてちっちゃい椅子、
路上に出ている椅子たちとか、
バインミー屋さんのワゴンとか、
昔からある列車、
南北を走っている列車っていうのがあるんですけど、
そういったもともとあるボロボロなものたちというか、
何も考えず使われてきたものたちを
リバイバルするみたいな動きが、
最近あるような気がしていて、
僕個人的に今注目しているのは、
24:02
そこが一番大きくて、
例えばさっき言った、
路上によく出ているちっちゃくて、
すぐ動かせるプラスチックの椅子を、
プラスチックピーポーが共同して、
新しくリバイバルした、
再生プラスチックでできた椅子を、
作ったっていうのがあって、
それのデザインもやっぱり、
すごいかわいいし、買いたくなるし、
さらにもともとあったプラスチックの椅子って、
移動できたり、すぐ重ねられたりっていう、
メリットがあったところを、
さらにそれがバラバラに解体できて、
もっとちっちゃく畳めるみたいなところもある。
面白いところをさらに押し進めたデザインとかがあって、
それと全然違うところであったのは、
さっき言った列車の話でいうと、
僕の元々上司で、
ベトナム人なんですけど、
AAスクールを出て、
ボーチョンギアに入ったっていう、
立ち上げたシェイプアースっていう、
シェイプアーススタジオかなっていうところがあって、
彼らが最近どういう仕事をしてるのかなって調べたら、
列車のリノベをしていて、
列車の中を、
もともと多分ただ寝台列車だった、
古い列車なのか、
そこの中をリノベーションして、
ベトナムのラタンの素材を使ってみたりとか、
そういったことをして、
その列車をリバイバルしているみたいな。
空間的な話もあれば、
もう一個はさっき出たザ・ライスっていうところが、
最近ムーンケーク、
急昇学に出てくる、
めでたいお菓子を、
伝統的なお菓子をリバイバルして、
パッケージから作り直したりとか、
ベトナムにもともとある伝統的なものを、
今のデザインで書き直すみたいなことが、
今そこらじゅうで行われているような気がしていて、
別に、
それをみんなでやろうぜっていう風になってるわけじゃなくて、
こういう動きができてて。
なので、
個人的に今一番、
その流れで自分たちもできたらいいなと思っているのは、
例えば、
路上でおばちゃんたちが引いている、
バインミーのワゴンとか、
スープとかが入ってるワゴンとか、
アイスとかが入ってるワゴンみたいなところを、
あれって一つのとある田舎の区で作られてるらしいんですね。
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なので、ある一定のところに工場があって、
路上のお店みたいなところで、
そこでみんな買ってると。
そこ行ってみたいね。
そうなんですよ。
これはベトナムにいない、
ワゴンを研究している日本人の方がいるんですけど、
これ杉田さん知ってるんじゃなかったっけな。
下寺さん?
下寺さんが見せてくれたんですけど、
ベトナムってこんなのあるんですよって、
僕らにも知らないところを見せてくれたんですけど、
こんなところで、
作ってるところがあるんですよって教えていただいて、
あれをリノベするっていうのは、
それを勝手におばちゃんたちが引いて宣伝してくれるから、
すごい街にインパクトもあるんじゃないかなと思っていて、
そのデザインとかがもしできたら、
すごい面白いなって思ってる感じですかね。
最高ですね。
今一番面白いなって思ってるのは、
僕的にはそれですね。
なるほど。
今まであったものたちを、
ちょっとずつ面白いデザインに置き換えていく、
みたいなことが起きていくと、
社会主義なので、
どっかの大きいイベントで、
例えばそういうプロダクトとか、
場所を変えるみたいなのは結構難しいと思うんですね。
国がやらない限り。
なので、そういう小さいアイテムが、
ポツポツ入れ替わっていくことで、
街が変わっていくみたいなことがあったら、
ゲリラ的な戦法なんですけど、
ベトナム的だし、面白いなって思います。
可能性があるなと思います。
ワゴンとか小さいアイテムのほかに、
建築のスケールで、
バナキュラーな技術だったりとか、
気候に合ったデザインのあり方みたいなのって、
どんなものがあるんですか。
個人的に気候に合ったデザインっていうと、
ベトナム、ホーチミンで、
今、個人的にやりたいなと思っているのは、
すごいセンスのいいデザイナーたちが、
すごい単発でホーチミンにいるんですよね。
若くて、
だけど別にでっかい会社とかではなくて、
一人でやってます、フリーランスで。
しかも彼らがものすごい細かいところに特化していて、
例えば、
寺像しかやりませんみたいな、
30:02
カーテンとかファブリックしかやりません、
木製家具しかやりません、
そういうデザインしかしませんみたいな人たちが、
彼らはベトナムの人間なので、
彼らは別に意識せずとも、
なんとなくベトナムらしいデザインとか、
ベトナムらしい素材選びをしていると思っていて、
なので、
例えば一つのプロジェクト、
最近我々がやったプロジェクトで、
一つのアパートのリノベーションなんですけど、
我々が設計はするんだけど、
床は彼ら、
床は寺像の業者、
デザイナーの人、
家具は木製家具をデザインできる人、
カーテンは全部ファブリックできる人、
すごい細かなチームアップの集積で、
空間ができているみたいな、
植物を選ぶのもいいのかな、
植物だけに選ぶのに特化しているおじさん、
みたいな人たちを集めて、
一つの空間を作る。
出来上がった空間は、
もちろん我々が設計してコントロールしているというのもあるんですけど、
なんとなくベトナムらしく、
いい意味で統率されすぎていない、
雑把感があって、
そういった空間づくりを、
彼らみたいなローカルデザイナーというか、
我々は、
創造的な他者というふうに呼んでいるんですけど、
彼らを巻き込んで、
一緒に設計ができると、
これからのプロジェクトも、
彼らのスキルを無駄にすることなく、
南国らしい空間が作れるんじゃないかな、
というふうに思ったりしていますね。
めちゃくちゃ面白そうですね、それは。
南国らしい空間。
あとちょっと、
今の杉田さんの質問に答え、
今の話ずれていたと思うんですけど、
もう少し南国らしい空間の話で、
結構ダイレクトな話で言うと、
最近面白いなと思ったのは、
こっちで日本人の方で、
元々安藤忠夫事務所から傍聴議会に来て、
今独立されている西澤アーキテクツの、
西澤さんという方がいるんですけど、
西澤さんが使っていたマテリアルで、
やっぱり面白いなと思ったのは、
農業用ネット。
すごい薄い網網のネットみたいなのを、
これがまたワンロールで、
ワンロール多分100メートルぐらいあるんですけど、
それが確か100ドルいかないぐらいの、
値段なのかなっていう、
ものすごいコスパのいいもので、
33:01
それを天井材とか、
日差しとして使うことによって、
いい影ができるっていうことになって、
そういうローカルの素材を、
ピンときれいに使うことによって、
空間に張りも出るし、
そのコストもいいっていうのに、
我々としては、いいなと思って。
ベトナムって、
ワーカーフィーが猛烈に安いので、
安いマテリアルを、
ものすごい綺麗に並べるとか、
そういうことをすると、
ちゃんと設計になるというか、
風なところがあって、
例えば最近やったプロジェクトだと、
テラポッタタイルっていう、
そこら辺のカフェで使われてる、
ただのタイルがあるんですけど、
それを丁寧に、
等間隔で隙間を開けて、
ワーカーの人に綺麗に並べてもらう。
多分日本でやったら、
ワーカーの人、
猛烈に時間取られるんで、
綺麗に並べてもらうということをすると、
ちゃんと空間になる、
ということを、
農業ネットの事例から、
我々としては学んだというか、
しかもベトナムならでは、
こういう国の状況ならではの、
やり方なのかなというふうに、
思ってますね。
そうですね。実際に足を運んで、
見てみたいなと思いました。
やっぱり、スタジオネットタイの魅力っていうのは、
日本でもいろいろお話もされてますし、
これからもいろいろプロジェクトされるとは思うんですけど、
ベトナムで作るからならではのデザインの作り方だと、
空間のあり方ってあるんだなっていうのを、
今聞いていて思ったので、
足を運んで体験してみたいです。
ハンバーガー屋とかはいいんですけど、
やっぱりベトナムって、
公共プロジェクトみたいなのが猛烈に少ないので、
社会主義のために。
放置民主内でお見せできるプロジェクトがめちゃくちゃ少ないんですよね。
これ、ボーチョンギア時代から全員悩んでたんですけど、
住宅に無理やりアポ取って、
施設に許可を取って、
見せていただくしかないっていう状況があって、
ぜひ来ていただくまでに、
我々もそういうちゃんとお見せできるプロジェクトを、
いくつか作りたいなと思いました。
今ちょっとね、
公共的な空間が、
なかなか扱いづらいみたいな話があったと思うんですけど、
それこそ最初にお会いした、
36:00
パブリックスペースのイベントの時も、
いろんな世界のパブリック空間を、
それぞれ紹介するみたいなイベントだったんですけど、
結構最後、山田さんのコメントとしては、
ベトナムにはそういった自由な公共がなかなかない、
みたいなコメントが結構印象的で、
そこら辺のベトナムのパブリックスペース事情を、
ちょっと聞いてみたいなと思いました。
山田 そうですね。
多分そのパブリックスペースのイベントの時も、
お話ししたと思うんですけど、
やっぱりその大きい公共、
国がやるような巨大な公演とかっていうパターンと、
あとさっきのプラスチックピーポーとかの、
やってるようなゲリラ的な公共みたいなのの2つが、
やっぱりあるのかなというふうに、
引き続き思っていて、
多分、
お二人がベトナムに来る頃には、
もう少し観光業が復活してると、
思うんですけど、
その時には、ぜひ行っていただきたいのは、
VVN通りっていう、
本当に道が、
普通に車とかも通る大通りの道なんですけど、
そこら中のお店から出てくる椅子によって、
道路がほぼ支配されて、
車全然動けないみたいな状況になっているみたいな、
あの、
もうそれは、
本当は普通に違法なんですけど、
さっき出てたちっちゃいプラスチックの椅子とかを、
お店からバーッと出すことによって、
目の前までその店の空間になってしまう、
っていう、
公共道路を普通に自分たちの空間として支配してしまうみたいな、
で、
もちろんそこまで椅子が出てしまうと、
道路のところでは、
ファイアーダンスみたいな、
もちろんおひねりをもらいに来た少年たちが、
火を吹いたり、
加えたりして、
ステージになってしまってるっていうパブリックスペースが、
ゲリラ的にできていて、
たまに警察が来ると、全員育成に片付けるんで、
何もなくなるみたいな。
たまに警察がお金稼ぎで来るぐらいで、
本来は観光をストップさせてはいけないので、
あんまり来ないんですけど、
なので、
そういう感じの、
どちらかというと面白いところは、
ゲリラ的な方なのかなというふうに思っていますね。
ちょっと最後に、
山田さん、いろいろベトナムで活動されていくと思うんですけど、
今後どんなことをやりたいとか、
例えば今年こういうこと仕込んでいるよとかあれば、
ぜひ教えてください。
そうですね。
39:00
最終的にどこに着地点を持ってくるかっていうのは、
まだ決まっていないんですけれども、
徐々に見えてきているのは、
先ほどお話しした通り、
こちらに、
若手ですごくセンスのあるデザイナーだけど、
無欲で、
特に別に自分の会社を大きくしようとかそういう野心は、
特に持ってないけどすごくセンスが良くて、
共同したくなるような、
デザイナーっていうのがいっぱいいて、
デザイナーだけじゃないですね。
デザイナーとか経営者とかっていうのがたくさんいて、
今はそういった人たちを周りにどんどん増やしていって、
彼らと共に、
自分の事務所に雇うとかそういうことではなくて、
各プロジェクトに対して、
このプロジェクトだったら、
彼と彼と彼と一緒にやったら面白そうみたいな感じで、
チームを作ってプロジェクトをやって、
また解散してみたいな、
そういうふうな緩くて強いような組織が、
組織というかネットワークが作れるようになって、
すごく面白いなというふうに思っていて、
なので今はそこに向かって、
いろんなプロジェクトで試しているというか、
最近やったパート、先ほど言った話だと、
家具デザイナーとファブリックデザイナーとテラゾンデザイナーと
一緒にやってみたりとか、
ハンバーガー屋のプロジェクトの時は、
ラタンだけを、
ラタンの家具を取り扱うデザイナーとか、
ネオンだけを作るデザイナーとやってみたりとか、
そういう彼らみたいな、
との繋がりをとりあえず、
いっぱい作って、
彼らにも、
こちらからいいプロジェクトをあげたいし、
彼らのいいデザインも、
僕のプロジェクトに欲しいなというふうに、
思っています。
めっちゃいいですね。
ますます行きたくなりました。
はい。
自分が最高ですよね。
そういう仲間とやっていくのが。
そういう彼らと一緒に肩を組んで、
プロジェクトできたらいいなというふうに思う次第ですね。
はい。
今日はありがとうございました。
とても面白かったですね。