1. Good News for Cities〜都市に関する炉辺談話
  2. 【#46】都市と保存:ゲスト編..
2021-03-31 38:10

【#46】都市と保存:ゲスト編「新築至上主義って?」ちょうどいい、都市の新陳代謝を考える

「都市と保存」をテーマにした第二回目は、建築家であり、NPO法人モクチン企画、@カマタ代表の連 勇太朗さんをお迎えしてお送りします。今回は「新築至上主義」と題し、なぜ日本ではこんなにも新築の市場価値が高いのか、その歴史や文化的背景、そして不動産業界の仕組みなど、さまざまな視点で深ぼっていきます。ちょうどいい都市の新陳代謝とはなんのか、木造賃貸の再生やまちづくりに長年取り組んできた連さんの視点からも切り取っていきます。

⚫︎ゲストプロフィール
連 勇太朗(むらじ・ゆうたろう)/Yutaro MURAJI
建築家

NPO法人モクチン企画 代表理事、株式会社@カマタ 代表取締役。1987年生まれ、ロンドンで幼少期を過ごす。2012年慶應義塾大学大学院修了(政策・メディア)。2012年にモクチン企画を設立、モクチン企画は縮小型社会における都市デザインを開発し実装することをミッションに掲げた建築、デザイン、不動産。コミュニティデザインなどの専門家からなるソーシャルスタートアップである。2019年に株式会社@カマタを設立、共同代表に就任。京急線高架下開発プロジェクト「梅森プラットフォーム」を全体ディレクション、デザイン監修を実施。2019年4月にインキュベーションスペースKOCA(コーカ)を梅森プラットフォーム内にオープンし運営中。主な作品に「2020/はねとくも」「KOCA、 梅森プラットフォーム」。共著に『モクチンメソッド: 都市を変える木賃アパート改修戦略』(学芸出版社)など。


モクチン企画
https://www.mokuchin.jp/
モクチンレシピ
https://mokuchin-recipe.jp/
KOCA
https://koca.jp/
@カマタ
https://www.atkamata.jp/


00:03
みなさんこんにちは、リサーチャー・ストーリーテラーの杉田麻里子と
エクスペリエンス・デザイナーの石川赤子です。
この番組は、都市というテーマが好きで好きでしょうがない2人が、都市に関する様々なグッドニュースをザック・バランに話す場所です。
はい、ということで、今回は都市と保存をテーマにした第2回目となります。
今回のテーマは、【新築至上主義】というテーマで、ゲストをお招きしました。
建築家で木賃企画・庵田代表理事の村地裕太郎さんです。お願いします。
よろしくお願いします。
まさにこのテーマにぴったりのゲストなんじゃないかなと思って、声をかけたんですけれども、
ちょっと建築とかね、街づくりの分野で活動されている方は、彼の名前は聞いたことあるのかもしれないんですが、
ちょっと簡単に、これまでの経歴と今どんなことをしているか自己紹介をお願いします。
はい、村地裕太郎です。
僕は今、今日の話と関連するところで言うと、木賃企画というNPOをやってるんですけど、
何をやっているかというと、木賃の野望になっている木賃の略は何かというと、木造賃貸の略で、
60年代後半とかは、東京23区内の全住宅の37、8%が木賃アパートだったと言われているぐらい、戦後の日本の住まいを支えてきた、そういうビルディングタイプなんですね。
今、数はだいぶ減っているけど、それでもまだまだ街の中にいっぱい点在していて、今それがどんどん老朽化していたりとか、空き垢したりしていると。
都市計画とか建築の分野では、もう負の遺産的な扱いになっているんだけど、僕らとしてはそれを社会資源と捉えて、再生するというプロジェクトをやっています。
一番わかりやすいのは木賃レシピっていうウェブサイトをやっていて、それ何かというと木造アパートを改修するための、いろんな改修の部分的なアイディアをオープンソースで公開していて、
不動産会社とか物件オーナーさんが自分たちで木賃レシピを使って改修をできるというようなウェブサイトをやっているというような感じですね。
それから発生して、いろいろとまちづくりのプロジェクトであったりとか、そういったこともやっているというような感じですね。
結構ね、蒲田をベースに活動を展開しているっていう感じですよね。
03:00
そうね。木賃企画は全国でやって、事務所が蒲田にあって、仕事自体は全国でやってるんだけど、
もう一個やってるアット蒲田っていう会社は大田区の蒲田を拠点としているというか、これ何かというと、
蒲田近辺で自分で仕事をしているデザインとか建築とか不動産を専門としている人たち6人で出資して作ったコレクティブな会社で、
蒲田のいろんな空き家とか有給不動産を戦略的に活用して、町工場もすごい多いエリアなので、ものづくりとか新しいクリエイティブができるようなエリアにしていこうというので、
代表的なプロジェクトは今、京急線の高架下で、高架っていうものづくりをテーマとしたインキュベーションスペースをやっていたりとか、
それは町の添剤している資源をネットワークしながら、町の新しい価値を作っていくというようなこともやってますね。
木珍企画がNPOだっていうこと、私最近まで知らずにずっと株式だと思ってたんですけど、NPOにしようっていう組織の形態を決めたきっかけとかは何だったんですか?
建築とかデザインの事務所って、みんなパブリックマインドがすごく高かったりとか、何らか哲学を持ってやっているので、
もうけることも大事だけど、それだけではない、いろんな理念とかミッションを持ってみんなやっていると。
木珍企画はさらにミッションを設定してそれに向かってやっている組織なので、それがちゃんと分かるような組織にしたいというので、それでNPOにしたというような感じです。
なるほど、いいですね。
木珍ができてから8年ぐらいですか?8年ぐらい経ったって。
法人化してから8年。
活動が始まってからもっと経つと思うんですけど、何かこの時間が経った中で見えてきた変化とかってあったりしますか?
時間が経った中で見えてきた変化、始めた時はまだ空き家問題とかも全然ニュースになってなかったし、
リノベーションも結構建築の中でもそんなにメジャーっていう感じではなかったけれども、今はもう多分サービスっていうレベルでも若手の建築家の人たちもリノベーションとかそういうのは当たり前になってきたし、
空き家問題も一つの社会的なイシューとして取り上げられるようになってきたという意味では、結構この10年は、そういう社会的なフレームワークは結構変わったような印象がありますね。
なるほど。今回のテーマでもある新築市場主義、あんまり聞き慣れない言葉かもしれないんですけど、一応テーマとしては、何で日本はこんなに新築が価値とされるのかっていうところをちょっと話していければいいなと思うんですけど、
06:19
今言ったみたいに、まあ社会のムードとしてはその空き家問題とか取り上げられてきてるし、なんかそのリノベーションみたいなものも結構一周回った感もあるんですけど、やっぱりまだまだマジョリティはその綺麗な新築だったりとか、なんかまだまだそこの市場のパイは広がりきってはないんじゃないかなと思うんですけど、
なんでそもそも日本ってこんなに新築の価値が高いんですかね?
新築の価値が高いのは、まあいろんな説明の仕方が多分できると思うんだけど、そうですね、一番大きいのはやっぱり戦後なんだろう、一つは持ち家政策っていうのが、まあそのすごい重視されたっていうのがあって、
まあその社会の構成する一つの単位を家族に設定して、今まで例えばコミュニティとか町内会とかそういう単位だったのを家族っていう単位に設定して、それをこう支える空間として持ち家っていうのが必要でしたというのが一個あって、
60年代後半には住宅不足ってもう解決されてるのよ、なんだけど、まあその後、特に70年代以降は逆にその持ち家政策からさらに経済政策的な側面になっていくので、自動車をどんどん売って経済を活性化させるように住宅をどんどん作って、
まあその建設内周はその周辺産業も活性化するというようなことで、そういう経済的なエンジンを回すためのガソリンとしてかなり政策レベルで設定されてやられてきたっていうのが一番大きいかなと思いますね。
なるほど。持ち家、その家を持ちたい将来的にって価値観日本人にまだあると思うんですけど、それって戦後からずっと脈絡と続いているような考え方かなと思って聞いていました。
アメリカのその中古物件の市場の規模みたいなデータを見たときに、すごい日本のなんか5倍ぐらいは結構大きくて、なんかこれはこれで結構経済的なインパクトがあるんじゃないかなと思って見てたんですけど、なんか今こう日本米で盛り上がっているような中古を買ってそれに手を加えることで周りの経済的な波及効果もあるみたいなところもあると思うんですけど、
今なんかやっぱりその新築がそれでもまだ強いっていうのは、なんかこう賃貸の仕組みだったりとか、家を買う仕組み、持ち家の仕組みだったりとか、なんか日本的な構造みたいな課題点みたいなところがあったりするんですかね。
09:15
まあ何だろう、あれですよね。だからその住宅とかだけじゃなくて、もうこの日本自体が平成としてその社会の構造変換、構造転換っていうのをいろんな領域で多分やらなきゃいけなかったんだけど、それができてない。
だから今回のテーマで言うと、本当はそういう新築ベースの産業構造からストック活用みたいなところで産業構造自体を変えていかなきゃいけなかったんだけど、それができてないから、その一部のセンスある人たちの中ではリノベーションとかは今トレンドにはなってきてるけど、産業構造自体としてはまだまだその新築を作ることをベースにできているから、
そこが一番大きいんじゃないかなっていうふうには個人的には思うかな。
なるほど。
なんか前にオフィスの案件をやってた時も、既存のこの壁を活かしながらとか、天井を空けてむき出しのコンクリートしたりとか、あえて塗装しないで古い手触りを残すみたいなデザインをやってた時も、総務部からなんか床が汚いんですけどみたいな時とか、
デザインとしても古いものをうまく活かすってところへの理識みたいなところで、通じないんだなみたいなところもあったりして、
なんかいいと思うもの、価値観みたいなものが確かにその海外と違うのかもな、その一般の人の感覚で、そういうとこが小さい頃からなのか、なんか身についているところがあるのかなとかも思いました。
どうですかね。
確かに。
それこそ、古い良さみたいなものを活かすレシピも結構あると思うんですけど、そういったデザインっていうのは結構幅広い受け入れてもらえるもんですか。
そこは結構やっぱり幅広いってわけではなくて、活動始めた時もそのデザイン的に、例えば剥がしてかっこいいみたいになるっていうのはデザイン言語としてあると思うんだけど、それが一般に必ずしも受け入れられるかって言ったら、そうではない。
なので、最初はオープンソースにしてどんどん使ってもらえればいいみたいなノリで始めたんだけど、実際その価値とか美学をわかってもらうためのいろんな教育っていうか、学習のシステムとかサービスも提供しなきゃいけないから、
その辺はコンサルティングとかセットだったりとか、自分たちでそういうセミナーとかメディアを運営したりとかっていうのが結構大事だ。その価値観レベルで変えていくみたいなね。
12:15
そうですよね、確かに。
そのデザインだけ配れば良くなるって感じではなかった。
なるほど。正解が作りにくいというか、木造の建物って言ってもいろんなものがあるので、私の京都の家で、土壁の上に繊維壁が張られていて、私はすごい嫌だなと思って、繊維壁をはがして土壁戻したいなって思ってたんですけど、
ある建築家の友達から見たら、このボロボロの繊維壁が良いんだよ、これは残すべきなんだよ、みたいになったりとか、正解がないからこそ、いろんな事例だったりとかレシピだったりとか、アイディア例とか、そういうのが見えて、チョイスができる、話せるっていうのは素敵だなと思いました。
だから、そういう価値観をどうやって、また広げていくかみたいなものは、たぶん、次問われてるっていうか、この10年そういういろんな、美意識みたいなものは少しずつ変わってきたんだと思うんだけど、それが次どのレベルに行くのかっていうのは、今問われてるんじゃないかなって。
結構、この不動産でやってる子たちの話を聞くと、不動産業界の変わらなさみたいに、結構絶望してる子も結構いるなとか思ったりした時に、業界側から変えるのが良いのか、そういうマジョリティの消費するというか、享受する人の感覚を変えてって、それを大きな声にして業界を変えるアプローチが良いのか、
今、その何年間かこの不動産業界みたいに携わっている中で、どういうアプローチがそういう変化にとって重要な一手となりそうって思います。
人々の価値観とか新しい行いっていうかチャレンジとか実験っていうのがやっぱり一つには絶対必要だから、それはいろんな事例っていうのは社会の中で増やしていかなきゃいけないと思うし、逆に業界全体はやっぱり構造的な問題だから、そこは制度であったりとか、内部から入り込んでいくっていうのは、
多分両方、両側からやっていかなきゃいけないんじゃないかなっていうふうに思う。
たしかに。
なんかそうですね、不動産業界ってなんかファックスみたいなイメージもあって、昔インターンしてた時も本当にファックスだったんですよ、数年前なんですけど。
15:01
鶏と卵の話に似てると思うんですけど、どっちが先かというよりも、ユーザー側、消費側も業界側も一緒に相乗効果的に変わっていく必要があるのかなとか思いつつ。
僕らの仕事のレベルで言うと、多分二極化していくんじゃないかと思っていて、
一つは大きいプラットフォーム型でやっていくような不動産仲介とか不動産の管理の方法、多分DXとセットでどんどんその方向は進んでいくでしょうと。
例えば匿名的でウェブでもどんどん借りられるようになるみたいな形での効率化。
木人企画は全国で20社以上の地元密着の不動産管理会社の人たちと提携してやってるんだけど、
そういうところは地は密着なので、ただ物件を右から左に流すのではなくて、
やっぱりその街の価値とかそこに住む人のつながりとかっていうのを作っていくようなプレイヤーになっていくべきだろうというふうに僕らは思ってるので、
その不動産会社の変化っていうのは多分その二極化はどんどんしていくんじゃないかなって思ってるかな。
だから今日のテーマで言う何を残して何を変えていくのかっていうことを判断していく、
一つのプレイヤーとして不動産屋さんっていうのは結構重要な存在。
そうですね、確かに。
なんかこのエピソード聞いてる人たちの中にも、別になんか新築でいいじゃんみたいな思ってる方もすごい多いと思います。
ケースバイケースだと思うんですけど、必ずしもその新築が悪であるわけではないみたいなところで、
なんかその新築であることのメリット、デメリットであったりとか、
なんかそれと関連してなんかそもそもなんで残すべきなのかみたいな、それもかっこいいとか、その美学的なところだけではなくて、
なんでその古いものを新築ではなくリノベーションしたりとかすることに価値があるのかっていうところも含めてお伺いしたいなと思いました。
そうですね、まあすごい難しい問いだけどどうだろう。
個人のレベルでは別に新築もリノベーションも両方ありだから、それは本当に好みの問題だと思うし、
その改修だとしても中身がね新築みたいにするとかっていうのも全然あると思うから、
それはなんかあんまり新築か改修かみたいなものは個人のレベルではそんなにどっちがいいとかっていうのは当然言えないと思うんだけど、
社会全体で見たときにはこれも多分いろんな側面があって、一つはそのなんだろう、
18:02
どっちが経済的かみたいな、この経済的かも短期的なのと中期的なの長期的なのがあるから、
結局新築にすると既存のものを壊して建て替えなきゃいけないから、ゴミが出たりとかっていうのも当然出てくるし、
なのでその辺はどうなんだろうね、どんどんスクラップ&ビルドしていくっていう社会と、
やっぱりじわじわ街を少しずつ変えていくっていう社会と、今の街を完璧に保存していくっていう社会ってもう価値観とか理念のレベルで違うので、
そのレベルで多分議論しないといけないことなのかなって思う。
まあそうですよね。
僕としてはやっぱりそのじわじわと新陳代謝させながらっていうのを目進企画としてはミッションにしていて、
僕らつながりを育む街を作るっていうのをビジョンにしてるんですけど、
そのつながりっていうのがその人のつながりもあるし、時間のつながり、歴史のつながりもあるし、
あと空間的なつながりもあるけど、やっぱりスクラップ&ビルドしちゃうとそこにもともとあった人間関係とか記憶とかっていうのは一回リセットされてしまうので、
点的に起こる分には多分問題ないっていうか、それもどうやってやるのかっていうのは問題になるけど、
なんかそれが面的にやっちゃうとやっぱりそこのいろんな記憶とか関係性って一回キャンセルになっちゃうので、
そのキャンセルされちゃう関係性を経済換算するとどれぐらいになるのかみたいな、
っていうのは今多分経済の計算の資金の中には内部化されてないので、
単純に、
そこがね確かになんかなんとなく残った方がいいじゃんっていうよりかは、
違う指標で説得ができると強いですね。
その面としての、これを全く新しく作り変えるのか、この部分は残して作り変えるのかっていうところの説得として、
なんか使えるとすごく良さそうですね、それは。
だからすごい極端なケースだと、例えばその震災復興みたいな時に、
一回仮設住居に行きますと言った時に、
例えばそのもともとの隣人関係とかを考えずに、
もうなんだろうこうある種自動的に機械的に住むところ割り振っちゃうと、
今までのご近所付き合いが一回なくなっちゃうと、
そうした時にどんどんみんな孤立化して、
メンタルとかさ、いろいろやられてしまうって言った時に、
やっぱそういうものが失われた時にそれをケアするとか、
そういう状況が起きることによる、例えば経済的損失っていうのは当然あるわけで、
21:04
なのでそこはただ計算式の中に内部化されてないので、
多分そういう研究はこれから増えていくんじゃないかなって思うけど。
それは面白いですね。
確かにそういった指標があると、
ディベロッパーとかも投資しやすそうっていうふうに思って聞いてました。
なんかそもそもの質問にはなってしまうんですけど、
村地さんが木造の建物を守りたいというか、
これをテーマに活動したいって思ったパーソナルな原風景とかがあったら、
すごい急にそもそもの話なんですけど、聞いてみたいなと思いました。
小さい時にこれがあって、みたいな。
これを見てちょっとショックで、みたいな。
パーソナルな、そうね。
木珍企画自体のやろうと思ったきっかけは、
ちょっと直接関係ないかもしれないけど、どうだろうな。
個人的には小さい頃イギリスにロンドンに住んでいて、
なんだろう、小学校の頃帰国してきたと。
そうすると、何だろう、故郷の風景とか、
いろいろ、何だろう、そこに行かなきゃ思い出せないことっていっぱいあるから、
たまに住んでたとこに行くと、なんか記憶が思い出すっていうか、
よみがえってくるみたいな時に、
それが多分なくなっちゃうと、
そうすると、何となく自分の、なんだろう、
故郷的なものもなくなるし、
ある部分の記憶もなくなってしまうみたいなところはあるから、
そういう意味で、わりと少し保守的な、なんだろう、考えになってるのかもしれないですね。
なるほど。海外を見てきたからこそできた価値観みたいなのもあるのかもしれないですね。
保存っていう記憶史に関して、その話の流れでいくと、
国内だけじゃなくて海外も含めて、
なんかいいなと思っている事例であったりとか、
今気になっているような事例とかがあったら、それもお聞きしてみたいです。
なんかその保存、僕として保存っていう言葉があんまりピンときてなくて、
木鎮企画も既存の木造アパートを保存しようっていうプロジェクトではなくて、
都市の新鎮大社をいい感じのスピードにしていくみたいなところが大事なので、
今スピードが速すぎるのであれば、
それを少し緩めるようなメニューを社会の中に作っていくし、
遅すぎるところに関してはもう少しちゃんと変えていくみたいな、
新しい風を入れていくみたいな、
だからそういうイメージなので、
例えば建物の暫定利用をどうしていくのかとか、
24:05
変わっていく状態をどうやって都市の中の活気にしていくのかみたいなところは、
だから保存って感じじゃないんだよね。
スピードっていうか、街を変えていくスピードがすごい大事だと思っていて、
事例でいうと、
ベルリンのもともと統計局みたいな建物があって、
それがずっと使われてなくて、
取り壊しが決定したかなんかの段階で、
いろいろアーティストとかカルチャー周りの人たちがそこでパーティーしたりとか、
いろいろイベントをやったりみたいなプロジェクトがあって、
そういうのは結構面白いなって思っていて、
日本だと何もなくすぐに建て替わっちゃうけど、
その建て替わるのにも時間っていうのがやっぱりそこに存在してるから、
それをどう使っていくのかっていうのもあるし、
単にスクラップ&ビルドする間ではなくて、
それを引き伸ばしていくっていうこともいろいろ社会の中ではできると思うので、
時間のサイクルとして捉えるといいんじゃないかなって思いますね。
まさにそうですね。
確かになんか、亡くなる時って本当にあっけないかったり、
あれここ何あったっけっていうシーンにすごく出くわすなと思ってて、
なんかそういう儀式的なことを一般化できないかなみたいな、
なんかずっと常に思ってて、
なんかワンクッション儀式が入ると何かを壊す時とか、
記憶を分断させるんじゃなくて、
緩やかに消化させていくみたいな、
なんかそういうの日本に合いそうと思ってるので、
儀式やってほしい。
成仏。
儀式やりたい。
成仏。
確かに。
なんか家建てる時っていまだに、
いまだになんか、神社の人とか来て何て言うんでしたっけ、
地震祭みたいな感じでしたっけ?
地震祭?
地震祭。
地震祭。
土地にご挨拶をするみたいな、あるじゃないですか。
清めるみたいな。
あります。
それなんか閉じる時というか、なんかね、
ゆうかくんが今見てみたいな、
成仏のタイミングとかでも、
そういう儀式的なものがあったら面白い。
ね、面白いね。
あったら面白い。
この前木珍のイベントに来てもらった時に、
胸下ろし祭っていうのをやってる人がいて、
胸下ろし。
普通、胸上げ祭っていって、
建物の一番上にある横材を乗せる時に、
胸上げ祭をやるんだけど、おもち巻いたりとか、
27:00
逆に胸下ろしっていうのが大事なんじゃないかみたいなので、
実際建物を解体するわけじゃないんだけど、
その地域の人に来てもらって、
解体する前にみんなで建物に落書きしたりとか、
廃材を持って帰ってもらったりとかっていうので、
胸下ろし祭っていうのをやってる人とかはいますね。
めちゃくちゃいいですね。
面白そう。
それは終わりをどうデザインしていくかみたいな。
確かに。
あと、時間を引き延ばすみたいな文脈で、
もう使われなくなってしまって、
壊される、時間を引き延ばすみたいなところで、
最近知ったのが、
オランダはずっとスクワッティングが合法、
しばらく合法で、
アムステルドとかだったら、
造船所とか大きなインダストリアのスペースが中心だったと思うんですけど、
使われなくなった学校とか、家とかも含めて、
使われなくなってほったらかしで壊されるを待つだけじゃなくて、
その間に活動が行われていて、
もうすでに済んじゃってるから、
それでまた開発も遅れてみたいな、
そういう引き延ばされ方というか、
フレキシブルな使われ方みたいなのもいいなと思って聞いてました。
結局、スクワッティングとか日本はあんまりないけど、
例えば、古い理論で、
建物の古いのと新しいのが何で街の中に必要かって言ったら、
それが両方あることで、
例えば家賃とかの違いが出てくるから、
同じエリアでもいろんな多様性が生まれやすくなる。
だから新しく起業しようと思った人はお金がないから、
古い建物で家賃の低いところに住むことができるみたいな、
そういう多様性みたいなものを作っていくっていう意味でも、
新旧両方、街の中にあった方がいいよねっていうのは、
都市の理論としてはあって、
だから今のスクワッティングとかも、
そういうことのさらに、
もうちょっと過激な部分だと思うんだけど、
そういうのは日本は多分すごい少ないっていうか、
多分オプションがすごいメニューが限られてるから、
いつの間にかなくなってしまうっていうことにどうしてもなっちゃう。
新旧どちらもあった方がいいっていう話の文脈で、
街並み全体で考えたときに、
新旧なんかすごい突然急に、
隣り合わせで全く違うスタイルのがあったりとかすると、
なんかガタッと、びっくりするような光景とかもあるなと思って、
例えば京都とかで、ものすごい立派な町屋のすぐ隣に、
30:02
ピカピカのコンビニみたいなのがあると、
なんか不思議な光景だなって私は思ってしまうんですけど、
新旧を一緒に混在するといっても、
なんていうか、
ハッピーな共存の仕方っていうのがあるんじゃないかなと思っていて、
村瀬さんそこら辺どう思われますか?
それはめちゃくちゃ難しい問題ですね。
一つ外観の問題だけじゃなくて、
ヨーロッパの街と日本の街っていうと、
ヨーロッパは都市の構造が骨格がちゃんとあるから、
例えばベルリンなんかも、
全部ロの字型になってて、
そういう意味で、街の構造と建物がセットになってる。
だけど日本の場合は、
街の構造がそもそもないので、
全部建物が独立して立っちゃってるから、
その形態的な、なんだろうな、
統一感っていうのはそもそも作りにくい。
逆に隙間ばっかりの都市とも言えると思うんだけど、
新旧のはね、難しいですよね。
だから、それを楽しむっていうマインドも一時期あったけど、
要するにそれがカオティックで日本らしい街並みっていう楽しみ方も当然あったけれども、
だからこれからの、ただ外観とか見た目の問題ではなくて、
例えばその街に対する貴族意識とか、
そういうものを作っていくときにじゃあどうかみたいな、
多分そのレベルの議論が必要で、
もうみんな子がバラバラで、
そういう社会理っていうことであれば、
そういうカオティックなことも楽しめるけど、
例えばその家族とはまた別のコミュニティとか、
その行政に行く前のもうちょっと中間的な人のつながりとかフレームワークを作るのであれば、
それに適した街の空間とか、
街の作り方っていうのもあるから、
多分そのレベルの議論とセットでやらないと、
なんかこう、趣味の問題なのか、
なんか神秘感的な問題なのかみたいになっちゃうから、
なんかそこの議論が大事なんじゃないかなと。
なるほど、その通りですね。
なんかそういうのをそれこそ、
かまたとかね、ちょっとある程度の中規模のスケールで、
実験的にやっていけると面白そうですね。
まあそうね、建築とかやってると、
日本はやっぱりすごい自由ですよね。
33:01
だからそのやっぱり、
アムステルダムとかベルリンとか、
やっぱりそういうヨーロッパ的な価値観で街が作られてるところは、
やっぱりその規制とか制限もすごいやっぱり多いので、
日本はそういう意味ではやっぱりすごい自由っちゃ自由だけど、
どうなんだろうね、難しい。難しいよね。
でもなんかいいですけどね、
なんかアメリカとかこのエリアはこうとか、
もう金持ちエリアは金持ちエリア、
移民エリアは移民エリアみたいな感じで、
なんか行くたびになんていうの、
明らかにこうセグメントされてるシンガポールもなんかそんな感じだったけど、
あんまり個人的には心地よくないなと思ったので、
なんかジグハグかもしれないけど、
なんか共存してるってところにある意味可能性は感じますけどね。
だから多分、
それを前提にどうしていくかっていう議論をしなくちゃいけなくて、
日本の場合は。
その街並みを統一しましょうみたいな、
そういう街づくり運動って80年代とかもすごいあったんだけど、
やっぱりそれってプロ市民的な人はすごい頑張るけど、
結局その経済の論理であったりとか、
リゾート開発の力とかには勝てないみたいなのはどうしても出てきちゃうので、
なんかそのバラバラであることを受け入れた上で、
バラバラだけどまとまってるみたいなのを、
じゃあどうやって作っていきますかっていう、
多分そういう経路で議論を立てていかないと、
理想論になっちゃうというか。
でもなんかそれができたらめちゃくちゃすごいかも逆に。
セグメントをせずに、
ある部分での一体感とか、
共通価値観を作るみたいなことができると。
そうだね。
だから黙沈は裏プロジェクトはそう。
裏プロジェクト。
不動産会社。
単にデザインの問題とするのではなくて、
その街の重要なプレイヤーである不動産会社と、
その街に適したデザイン言語を育てていくというか、
だからベースには黙沈レシピがあるけど、
それの使い方とか、やっぱりその調整の仕方っていうのは、
地方差もあるし、
使う人にとっても色々カスタマイズはできるから、
それを街全体でレシピを使いつつ、
レシピを使わなくても、
あるバラバラだけどまとまってる感じをどう作るかみたいなものは、
建築の新しい作り方として、
個人的には目指してるところではあります。
いいですね。
なんか今後、挑戦したいことみたいなのがあれば、
36:03
最後にまとめに変えて。
挑戦したいこと、挑戦したいことね。
でも本当に、
新しい新鎮、街の新しい新鎮大社のモデルをどう作っていくのかっていうのは、
個人的にはすごい興味があって、
今日の保存というテーマにも関係するかもしれないけど、
やっぱりそれは見た目の問題ではなくて、
例えば住まいのセーフティーネットをどう作っていくのか、
例えば生活困窮者の人たちの住まいをどう作っていくのかっていったときに、
例えば空き家って結構上手に使えるよねとか、
セーフティーネットになりうるよねとか、
あるいはそれを上手に使っていく福祉系のNPOの人たちっていうのが必要だよねとか、
でもそれって全部新築の街とかになっちゃうと、
そういう関わりってすごい難しくなるっていうか、
だから保存するかしないかとかではなくて、
いろんな建物とかいろんな状態の建物があることで、
いろんな関わりとかコミットの方法もできるので、
それとセットにした建物自体の新鎮大社ではなくて、
社会のシステムとかソフトを含めた形でどう街が更新されるのかっていうことに、
個人的にはハードをやってる建築家としてはすごい興味があるので、
そこをいろんなモデルを作ってみたい、チャレンジしてみたいっていうのが、
これからの野心ですかね。
素晴らしい。楽しみですね。
面白かったです。ありがとうございます。
ありがとうございます。
今後もこの番組では都市をテーマに様々なおしゃべりを繰り広げる予定です。
毎週木曜日にニュースレターも配信しています。
ぜひこちらもご登録お願いします。
次回もお楽しみに。
38:10

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