オープニングと講演テーマの紹介
中川 浩孝
コミュニケーション力を究めるゴールデン・トライアングル。 仕事でコミュニケーションを扱う3人が、これまでの経験や最新の話題を語りながら、コミュニケーションとは何かを一緒に考えていくポッドキャストです。
田中 愼一
皆さんこんにちは。コミュニケーションを極めると自分が見えてくる。世界が見えてくる。コミュニケーションの世界に携わって、はや40年以上。コミュニケーションが命。 シン・田中こと田中愼一です。よろしくお願いします。
高木 恵子
SEからPRコミュニケーション業界に転職して約30年、高木恵子です。
中川 浩孝
外資系企業でマーケティングを経験してきたアメリカ在住、中川 浩孝です。
田中 愼一
実は偶然なんですけど、今日、講演会みたいな講演する場があってですね、夕方なんですけどね。
で、テーマがその、いわゆる不確実性な世界ね。いわゆるAIを中心とするいろんなものが、世の中が不確実になって先が見えないっていう中で、やはりそういう中で経営を動かす言葉とは、という、そういう言葉って何なんだっていうことをですね、
みんなで考える会なんですけど、会っていうか70人くらい来るのかな。各企業のですね、いろんな実践でやられているリーダーの方々が集まって、やる会議みたいなところに招待されたっていうか、ちょっと話をしてくれって言われて、今晩話すんですけども。
でも、タイトルが経営を動かす言葉って書いてあるんですね。で、実はこれパッと見ると、我々の経験値から言っても、言葉だけではやっぱりはっきり言って経営を動かすってことは人を動かすってことですから、人はなかなか動きませんよねっていうのが多分ね、多分多くの人の実感ではあるんだけど、でも実感はみんなそれぞれ持ってるんだけど、
実はかなりの人がやっぱり、人を動かすには言葉の技術を知らないとダメで、いわゆる言葉っていうのは一種の技術論っていうのかな、相手を動かすための技術論であって、で、もっとちょっと認識が間違ってるのが、もう言葉先、いわゆる口先だけで、いわゆる言葉の技術だけで相手を動かせんだという、
一方でですね、そういうふうに思ってる人もかなりいる。だから多分ここあたりの議論をこれからしていかなきゃいけないんだろうなっていう話なんですけどね。
言葉だけでは人を動かせない理由
田中 愼一
で、じゃあ言葉だけじゃダメなら一体何がね、人をこれから動かしていくんだっていう、あるいは今までもそうですけど人は動いてるんだろうっていうことをそう考えるとですね、やっぱりそこにはそのなんていうのかな、もう少し自分の奥底にあるものから、
例えば言葉であってもね、単に表面的な言葉でなく、自分の心の奥底から紡ぎ出したような言葉っていうのは、実は人の心を動かすっていうのは、これは間違いない話なんですね。
でもそれは一般に言う単なる言葉じゃなくて、その人を支えているもの全ての、例えばどういう経験をしてきたのかとか、どういう志を持っているのかとか、あとどういうその信念や理念や思いというものを持っているのかとか、ある意味そういうものが、僕の言葉で言うと一言で言うとそれ個性なんですね。
つまり人間が生まれてからいろいろな経験の中で培っていく中で、徐々に自分の中に溜まってくる一つのものがあって、基本的にはそこからグーッと紡ぎ出した言葉っていうのは、やはり人の心を動かすってことは僕は間違いないと思うんですね。
でもそれは単なる言葉じゃなくて、そこの紡ぎ出したものが言葉という表現に変わって伝わってるってことなんで、言葉っていう背後にしっかりしたものがですね、自分の個性というものがしっかり支えになっているっていう構図なんですね。
そう考えてみると別に人間はコミュニケーションの原理原則から考えると、実は人間は表現する方法ってもう二つかないわけですね。一つの方法っていうのは言葉で表現する。でももう一つの表現っていうのは言葉じゃないもので表現する。
つまり自分の専門用語で言うと非言語コミュニケーションって呼んでるんですけど、要は表情とか動きとか声のトーンとか、様々な言葉以外で人間は表現してるわけですね。
コミュニケーションの原理原則から言うと、言葉で表現しているものと一つの表現があったときに言葉で表現しているものと言葉以外で表現しているものっていうのが同時に相手の表現となって入っていくんだけども、その時その表現の35%が言語と言われてるんですね。
つまり非言語のが65%ですから、どっちかというと言葉だけだと35%しか表現しきれてない。そうするとその言葉プラス非言語というものを一緒にして100%になるわけで、
ですから表現というのは両方が一緒になって片方だけっていうのではなくて、両方が一緒になって一つの表現として自分の外に打ち出されるっていうことを考えたときに、やはり言語だけで表現するっていうことは正直効果が低いってことですね、相手に伝わる表現としての。
表現性が少ない、もっと言うのはメッセージ性が少ないって言ってもいいと思うんですけど、相手はそれではなかなか動かない。やはり相手は自分に伝わってくる相手の表現が言語だけじゃなくて非言語も一致した形で入ってくると人間はお、なるほどっていう形で心を動かされると僕は思ってるんですね。
だからやっぱり言語に偏ったコミュニケーション、あるいは言語に偏った表現っていうのはこれからだんだんですね、効果が薄くなっていくっていうのかな。つまり今僕が感じてるのは言葉の限界っていうのが見えてきて、どうも言葉だけではもう人は動かなくなってきてますます。
言語と非言語コミュニケーションの割合と効果
田中 愼一
でさっき言葉が35%、非言語は65%と言ったんですが、どうもその言葉のシェアである35%が今の変化のスピードっていうか時代の変化のスピードが速くなるにつれてだんだん小さくなってきて35から30%から下手すと15%とかどんどんどんどん下がっていくようなね、これあくまでも実感なんですけどね、別に測定したわけじゃないんですけど。
それがあるような感じがするんですね。何でそういうことが起こってるかというと、まず言語の伝達スピードが遅いってこと。
こちらが言語で表現してから相手がそれを理解して受け入れて行動として反映させるっていうまでがいわゆる人を動かすプロセスなわけですよ。
それが言葉だと理解はする。でも言葉だけだとそれを受け入れるというところまでなかなかいかないんですよね。
もっと言うならば受け入れてさらに自分の相手が行動としてそれを示すっていうのにはやはり言葉だけではすごい大きな限界があって、
そうすると何を補完しなきゃいけないかというと、さっき言った非言語の部分、つまり自分の志とか信念とか思いとか、いわゆるそういうものを言葉だけでなく自分の表情とか話し方とか、
さまざまな自分の言語以外の表現でそれを伝えていかないと、理解から相手が受け入れ、さらにそれを相手が行動として示すまでは時間がかかってしまうんですね。
田中 愼一
ところが非言語の強さっていうのは本当にスパンと示した感じで、だからよくありますよね、この人すごいなと思うのは別に時間かかんないんですよ。
初対面でも初めの5秒ぐらいで下手すると瞬時に相手のすごさがわかるんですよ。これは相手が語ってるわけじゃないわけ。
相手から滲み出てくるさまざまな非言語がですね、こっちの心を揺るがして一挙に相手の言ってることを理解させるだけじゃなくて、それをそうだなと思い、さらにはそれを自分の行動として変えていくっていうプロセスってあるんですよ。
これは経験された方って僕はたくさんいるんじゃないかと思うし、僕自身はやっぱりそういう人っているんですね。そういう人っていうのはやはり表現が優れてるわけですよ。
自分の伝えたいことをどう表現するか、それを言葉でどう表現するのか、さらには言葉以外でどう非言語でそれを表現し、言葉と非言語を一体化させた形の表現を作り出せる能力。
これがですね、やっぱりメッセージ性の高い人とか、コミュニケーション力のある人とか、やっぱり人を動かすね、あの人はとかいう能力なんだろうなっていうふうに思ってるんですね。
コミュニケーションのフローとストック
田中 愼一
だからそこあたりのね、議論っていうかが重要で、僕の言葉で言うとそれは何かっていうと、コミュニケーションっていうのは、実はフローとストックに分かれてるって昔から僕言うんですけど、フローって何かというと、まず受信する。
さらには受信したものから発想する。発想したものから自分は行動、つまり発信する。これをぐるぐるぐるぐる回していくと、たまってくるものがある、ストックとして。だからそれは何かというと、大きく分けると2つあって、自分の外に対しては関係性っていうものが培われていく。
自分の内側にはですね、まずはじめ知識がどんどんどんどん培われるんですけども、その知識と経験っていうものも培われるんですね、一方。で、経験と知識が培われてくると何が生まれるかっていうと、知恵が生まれてきて、ウィズデムですね、英語で言うと。
だからいわゆるコミュニケーションって一言で何って言うと、受信する、発想する、そして発信する。で、それによって実は培われるものが出てきますねと。これがコミュニケーションですと。
よく説明するんですけども、その培われるものって何かっていうと大きく分けると、外との関係性、つまりいっぱい今使われている言葉で言うとステークホルダーエンゲージメントですね。
それから内側には何が蓄積され培われるかというと、基本は経験と知識が一緒にどんどん培われるんですけども、経験と知識だけで置いておいても何の役にも立たなくて、その経験と知識を合体することによって知恵というウィズデムですね。
つまりいかにその経験や知識をレバレッジするか活用するか生かすかっていう知恵の部分が蓄積、培われてくるわけですね。
だから人間は生きるって何かというと受信し発想し発信しっていうのを絶えず、瞬時に行いながら徐々に自分の中に付き合うものとして周りとの関係性、それから自分の中には知恵というかウィズデム、つまり様々な経験や知識っていうものをレバレッジする能力ですね。
この2つが培われていくわけです。僕が言っている個性っていうのは実はその2つから培われたものが個性を構成していると。
だから自分の個性をね、結論として皆さんと今日、みんなと議論できる場で何をメッセージとして伝えたいかというと、これから重要なのはリーダーにとって人を動かすことが商売なんで、
そうなった時に人を動かすための表現力って何かっていうと、そこは自分の今まで培ってきた個性の中にその原始があって、その個性を使ってどう自分の伝えたいメッセージを表現していくか、その表現というのは言葉だけでなく、基本的には言葉以外の非言語の表現っていうものをうまく発信していくってことがすごく重要で、
まあ結論からすると表題は言葉って書いてあるけど、言葉ではなく個性っていうふうにつまり人を動かす、経営を動かすのは言葉だけではなくて個性なんですよと、根本的にはっていうので締めたいと思ってるんですけどね。
個性を鍛えることの重要性
田中 愼一
いかがでしょうか。ちんぷんかんぷんだって言われるのか、なんかよくわからないけど、今適当に頭の整理上大変助かってるんですけど。
中川 浩孝
いや私は今の話を聞いていてすごく考えていたのは、どちらかっていうと、人が話したときに話したこととその時の非言語コミュニケーションが一致していることでよりパワフルになるみたいな感じのことを最初は思っていたんですけど、
でもそれはもちろんそういうカリスマがある人であったりとか、すごくしゃべるのと本当に言行が一致するような話し方ができる素晴らしいスピーカーの方もいらっしゃるので、それはもちろんそういう方にとってはできるし、訓練したらできるようになるんだとは思うんですけど、経営っていう意味で考えると別に一瞬で経営で何かがマジックのように起こることではないと思うので、
やっぱり発言したこと、それが言葉がきちんとその後実行されるか、それが非言語コミュニケーションというよりは非言語というか、言行一致ですよね本当に。だから言ったことをちゃんとその後やるのかとか、この人がこういうふうに考えていますって言ったことをちゃんとその人は本当に実行しているのかって経営の中で会社の中ではそういうのって見えるわけじゃないですか部下というかその会社の人たちが。
田中 愼一
まさにヒロさんが言う通り重要なのは、まだ今言った言語と非言語を一致させるっていうのはフローの世界でしかないんですよ。だから個性まで行ってないんですよ。その場しのぎなんですよ。言い方変えると。
そうじゃなくて、実際に行動までさせるためには何が重要になるかというと、コミュニケーションを口先三寸という形で表現してしまうと、いくら語ってもですね、言語一致がないと誰も信じてくれないわけですよ。
そうすると何をしなきゃいけないかというと、自分自身が行動しなきゃいけない。しかも正しい行動を取らなきゃいけない。それはストックから出てくるんです。つまりその人が思っている、どれだけ自分の志に対して強く信念を持っているか。
しかもそれは僕の言葉で言うとガイディングプリンシパルって言葉を使うんだけども、一つの経験から絞り出してきた苦難の中から絞り出してきた何とか知恵とでも言うのかな。それでそれが自分のすべてのビヘイビアを利するようなものになっているっていう一つのプリンシパルですね。
ただプリンシパルっていうのはまだまだですね、自分の意識の世界の中の問題なんだけど、それをもっと無意識の世界まで落として、実際に意識しなくてもそういう行動を取るというような部分で言うと、これはガイディングプリンシパルよりもっと体と一体化した、あるいはもっと無意識の世界にまで入り込んだ行動ビヘイビア。
田中 愼一
つまりコードにもうなりきる、プリンシパルからもっとコードっていう、これ僕のコードっていうのは、もう体、無意識に反応するっていうところまでのコードまで純化させないと、基本的には自分の、それが個性の表現なんですよ。
だから個性を表現するっていうのは、その場で自分を表現するだけでなく、自分自身の行動そのもの、ビヘイビアですね、ビヘイビアそのものをどういう形でしっかりと表現していくかっていうか、それはだから言行一致ですよね。
中川 浩孝
そうですね。
田中 愼一
そういうの、そういう考え方ですかね。やっぱりでもそこは確かに勘違いする人いるかもしれない。
中川 浩孝
そうだと思います。だからその言行っていうのも、言も行も行動も出てくる理由があって、それがそのプリンシパルであって、コードであってっていうそのストーリー、それこそいつも田中さんが言うストーリーがあって、どうしてこういう私は人間でこういう考え方になったのかっていうところを突き詰めていけば、
常にその行動が取れるようになるから、非常に言行一致するようになるってことですよね。
田中 愼一
そんな感じですね。いいですね、なるほど。そこは確かにね、ちょっと理解が交差しちゃうっていうか、勘違いする人もいるかもしれない。そこはちょっと気をつけますわね、なるほど。
個性を培った経験(南ローデシアでの差別体験)
田中 愼一
だからいずれにしてもその個性を鍛えるっていうのは何かっていうんで、これは僕なりの発想で別に他の人に落ち着けるつもりは全然なく、
ただ僕が言ってること、つまり個性が大事になるんだっていうのをわかってもらうために、僕の場合はどういう経験とかどういうふうに個性を培ってきたかっていう話を基本的には4つぐらいしようと思っていて、
なぜかというと今話した話っていうのはまだ抽象論が多いから、なかなかわかんないわけですよ。
その4つの話っていうのは逆に言うと、この場でも話したと思いますけど、いくつかあって、一つは僕自身が南ロデシアで経験した、初めはつらい経験だったこと、そこから幸せな経験に転じていくんだけども、
そのきっかけになった起点は何かというと、いわゆるアパルトヘイトという南ロデシアでは人種差別政策が取られた中で、唯一の黄色人種家族として名誉白人というありがたいようなありがたくないようなタイトルをいただいて、
それで白人社会の中で生きていかなきゃいけなくなったという状況の中で、6歳の子供がどういう形でそこを乗り越えていったかっていう話をする。
その乗り越えた起点になったのは、実はホンダっていう当時二輪メーカーがGPレースで世界制覇してて、偶然そこの世界チャンピオンっていうのが南ロデシア人で南ロデシアの英雄であったと。
ホンダのチームがロデシアに来ると、唯一の日本人家族である我々を呼んでいただいた。
呼んでいただくと、そこにジム・レッドマンという世界王者がいて、その人がサインしてくれたり、Tシャツくれたり、写真撮ったり、いろいろなことしてくれるわけですよ。ホンダの人が気を使ってくれたんだろうと思うけど。
で、それを何を持ったか、学校に持って行ったら、今まで軽蔑、ネグレクト、いじめという形で白人の子供たちからそういう態度で迎えられてたんだけども、その国のワールドチャンピオン、ジム・レッドマンとお前は知り合いなのかということが、それを持って行ったらみんなに分かった。
そしたら、その瞬時に全てのネグレクトとか、全てリスペクトに変わるわけですね。
それほど人間っていい加減と言ってもらえないけど、こんなことで人間の意識変わるのかよと。
差別ってどういう意味なんだよと思うほどにクリアーに変わるし、こっちも調子に乗って、じゃあ今度レッドマンに会ったらサインもらってきてやるぜとかね。
じゃあちょっとホンダの人に行ってちょっと見に来るピットのところにとか、なんかそんな言いかけなことをこう言ってる。
でもやっぱり実現しないとね、クラスみんな信用しないから。だからそれは確かに少しやったんですよ。
で、そうしたらガラッと変わってその後、僕自身は非常に幸せなわけですね。
ただそこから得た教訓っていうのは何かというと、人間は周りの役に立たないと無視されるっていう。
これは僕自身のもうね、根付いちゃってる。トラウマ的な。
だから人と話すときも何するときもまず相手に役に立つことを語るとかね。
まずさ、気持ちいいけどちょっと俺役に立つんだよっていうのをですね、徹底的に初めの。
だから僕がね、入社面接うまくないって周りから言われてるんだけど、あれは何かというと、本来は逆のことをやっちゃってるんだよね。
俺があなたの役に立つのはこうだよっていうところでボンボン言って、それに感触される人は入ってきたんだけど、
自分のこと全然聞かれなかったよって印象の人が結構多くてですね。
それで僕はとにかく自分のことばっかり話すんじゃなくて、相手の話を聞きなさいってよく言われてて、
でも別に自分のことを話したいわけじゃなくて、自分があなたの役に立ちますよっていうことを示したいためにまず自分の話をしちゃうっていう、
こういう癖になっちゃったんですね。だからそれは良い時もあるし悪い時もあるっていう話ですからね。
で、二つ目の体験、起点となった体験っていうのはやっぱりそれと同じ状況が今度ですね、
私が27歳ぐらいになった時にアメリカで起こるわけですね。
中川 浩孝
この続きはまた次回お届けします。お楽しみに。