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みなさま、こんにちは。一隅安子でございます。 本日も三角マークをポチッと押していただきまして、誠にありがとうございます。
本日は、のような落語の回で、六席目を務めさせていただきます。 ご用意いただきましたら、どうぞ最後まで聞いてやってくださいませ。
お題は、粗忽長屋でございます。 モンブランテーパークオフショーのリクエストに答えられるかどうか、
承知いたします。 さて、2022年、虎年ももうそろそろ幕が下りようとしておりますけれども、皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
振り返れば、この一年、あれもこれもと思い出されることもたくさんおありかもしれません。 私にとりましても、なかなかもってユニークな一年となりました。
というのも、このスタイフで、大層愉快で素晴らしいお仲間に巡り合うことができたからなんですね。
6畳過ぎてからの、まさかの蚊が奮発してました。
カッカッカーと蚊が3つとか4つ、あれ? カッカッカー、蚊が3つ、あれ?
なんかこのメロディー懐かしいと思われるそこのあなた。 なんだそれと思っていらっしゃるあなたも、どちら様も、どの時代においても、おぎゃーと生まれてきたんですよね。
生まれた時はみんな同じに見えるかもしれないんですが、どうやらそうではないらしいと。
特に落ち着いたタイプと、わちゃわちゃしてる、そそかしいタイプ。 いらっしゃるかなぁ。
赤ん坊の鳴き声もそうだったのかしら。 ねぇ、にゃーにゃーにゃーって、元気いっぱい鳴く子もいれば、
おにゃーと、穏やかに鳴く子もいたりして。 まぁどちらが良いとか悪いとか、そういうんじゃないですよ、そういうんじゃないです。
ただ、どちらもトゥーマッチ、過ぎるといけませんわなぁ。 例えば、こう、そそっかしいものがトゥーマッチ、
過ぎてしまうと。 あれ?
向こうから来る人誰だったっけなぁ。 最近会ったことがあるんだけど、いやぁ、思い出せねえなぁ。
あっ、向こうも気が付きやがった。 笑いながらこっち歩いてくるぜ。
よかったなぁ。 向こうはこっちを知ってるってのに、こっちが思い出せねえってのは気まずいよなぁ。
まぁしょうがねえや、聞いてみるか。
えへへ、こんにちは。 あのー、お見すれしやしたが、どちらさんでございましょう。
あ、バカ、お前の親父だ。 なんてね、いいことにもなりかねないですよね。
03:00
まぁまぁまぁ、そうは言っても、名古屋に一人はおりますわね。 ただ、こう、ヨネさんの一方裏のあの、大工のハッツさんのとこには、もう一人いるんですよ。
そそかしいのが。 これがね、二人になると、どうにもこうにもなんかややこしいことになるんですね。
大工のハッツさん。 そう、八兵衛が朝早くに浅草の観音様の境内を通りかかると、何やら人だかりができていまして。
なんだよ、何が始まるんですかい? 行きだおれ。
なんだかじっともわからねえ。 中が見えやしねえや。
前の方で、先から見てるお人。 心当たりがなかったらさっさと行ってくんな。
同じ人にいつまで見ててもらってもしょうがねえんだから。 後ろの人、前に回って見てくんね。
誰かこの人を知らねえか?
知らねえか?なんて言われたって意味やしねえよ。 ちょっと通してくれよ。
通してくれってんだよ。 あー、この野郎。どうしても通さねえってなな。
よーし。こうなったらまたぐらく撃ちまうぞ。 オラオラオラオラオラ。
よいこら、ちょっと。ざわみやがれ。
あ、これはよく見えるや。
な、なんだよ、妙なとこから出てきたねえ。 どうも。
あんた初めて見る顔だね。ちょうどいいや。 おめえさん職人風だし、定めし顔も広いだろう。
ちょっとこの行きだおれの顔見てやってくんね。 身元がわからなくて困ってるんだ。
え?行きだおれって今から始まるんですかい?
な、何を言ってるんだよ。
行きだおれだよ、行きだおれ。 そこで倒れてるだろう。
倒れてるったってむしろが、むしろが敷いてあるだけで。
あー、この下にいるのかい。 はー、なるほどね。
この野郎、大勢に見られて決まりが悪いっていうのかね。 顔向こうに向けて。
え、え、え、何を言ってるんだよ。 行きだおれって言ってわからねえかねえ。
その人もう死んでるんだよ。
え?死んでるんですかい。
それじゃ死にだおれだ。
馬鹿なこと言ってんじゃないよ。
とにかくこの仏に見覚えないかい。
向こう向いてるから見やしない。
倒れたままだしな。
あー、なるほど。向こうへ回れば顔が見える。
あ、あんた知恵はあるね。
それじゃ、ちょいと失礼して。
顔を。
あれ?
あー、こりゃこりゃ。熊野野郎だ。
おい、おいおい。起きろよ熊子。熊。
お前さ、熊熊って名前呼んでるところ見るとお知り合いかい?
お知り合いどころの騒ぎじゃねえですよ。
同じ長屋の隣同士に住んで、
ガキの頃から兄弟同様に付き合ってる野郎なんですよ。
ちょいと寝ぼーっとしちゃいるんですけど、気のいい野郎でね。
06:02
へえ。生まれた時は別々なが、死ぬ時は別々に死のうじゃねえかって
固口かやってる中なんですよ。
あー、それ当たり前。
そうそうそう。それくらい当たり前の中なんですよ。
エレーことになっちゃったなあ。
熊子、熊、しっかりしろ。
いやいや、しっかりしよったってどうにも。
んー、まあ無理はないか。仲のいい友達がなあ、こんなことになっちゃったんだから。
さっきから言うことやることが妙だったが、
まあなるほど。童貞してんだね。
あー、無理もね。
なあお前さ、どういうことにしようか。
あたしの方でサタしようか。
それともお前さの方でこの人のおかみさんなりお子さんなりに
こんなことになっちゃったなあってことを知らせておくれかい?
うーん、かかんお子供なんも怪しねえねえ。一人見でさ。
こいつは可哀想なやつなんだよ。
両親も早くに死んじまってねえ。
木から落ちた猿の子同様、天外孤独の実の上なんでさ。
あー、そうだったのか。
じゃあ、親兄弟も親戚も?
なんもない。
じゃあ、親さんにでも来てもらって。
お、親?白鳥だからねえ。
家賃もずいぶんと貯まってたし、来るかどうか分かれねえなあ。
そりゃどうも弱ったなあ。
せっかく身元分かっていったのに、一人でがない。
どうだろうお前さん、兄弟同様に付き合ってたってことだが、
お前さんこの仏さを拾ってもらうわけにはいかないかなあ。
え?
まあまあ、そりゃようございますけどね。
これだけ大勢さんが見てますからねえ。
あの野郎、一番最後に来やがったくせに、うめえこと言って持って行っちまったなんて。
あとで痛くもない腹さぐらいの嫌だからなあ。
え、え?
いや、お前さんしっかりしなよ。
また言ってることが妙だよ。
誰もそんなこと思いやしないよ。
え、じゃあこうしよっしょ。
アッシーがこれから一っ端に長屋まで行って参りましょう。
で、トーニーここへ連れてきますから。
頼むからちょっと落ち着いておくれ。
トーニーを連れてくるなんて、トーニーはここで死んでるんだよ。
生き倒れになってるんだよ。
そうなんですよ。
何しろそそっかしい野郎でねえ。
自分で自分のやってることがわからねえ。
ええーん。
今朝はね、くまち行ったんですよ。
朝っ端から部屋の中でぼーっとしてやがって。
どうね、浅草の観音様でもお参りに行かねえかって声をかけましたらね。
塩梅が悪いから勘弁してくれーなんて言ってやがったが。
それがなんでこんなことに。
09:00
うーん、お、お、お前さん。
今朝はくまさんのところ行ったのかい?
それじゃ違うよ、違う。
この人は夕べからここに倒れてたんだ。
だから違うね。
そうでしょ。
だからこそ、トーニーが来なきゃわからねえってのはそこだよ。
まあとにかく、すぐにトーニー連れてまいりますから。
しばらくそこでバンしててくれせえ。
お、おいちょっとちょっと待ちよ。
違うよ。
大変なエロだねえども。
まったく何をしてやがるんだか。
おーい。
くまー。
くまこー。
何を当ててやがる。
何度も店のフを叩いてやがる。
ぱっ。
くまこーくまこーって大声でうるせえねえ。
長屋はあいつ一人で住んでんじゃねえってんだ。
たくあんやないやろ。
すずかしい上に切羽詞だってんだからどうしようもねえ。
やろうもそうだ呼ばれてるんだから返事ぐらいすりゃいいじゃねえか。
くまって?
誰だっけ。
あれ?
俺かな。
この長屋でくまは俺だけだな。
おー蜂蜂。
くまって俺か?
おいこっちだ。
こっちだよ。
俺ん家こっちだよ。
この野郎。
こんなところに居やがった。
こんなところだって俺の家は初めからここだよ。
どうした?
どうしたもこうしたもねえよ。
くま。
てめえもうそうやって落ち着いて煙草なんて捨てられる身分じゃなくなっちまったんだぞ。
何かあったのか。
何かあったのか。
それどころじゃねえよ。
今から俺が話して聞かせるから。
決して気を落とすんじゃねえぞ。
俺今朝行ったろう土作祭。
土作祭?
土作祭じゃない浅草へ。
拝みに行ったんだよ。
スイテングじゃなくて天神様。
観音様。
観音様観音様。
境内に入ってみると大変な人ばかりだよ。
俺が何かと思って人をかき分けて前に出てみると
驚くじゃねえか。
生き倒れだよ。
生き倒れ?
観音様の境内で生き倒れってうまくやったじゃねえか。
生き倒れってなんだっけ?
おめえも知らねえのかよ。
俺も知らなかったんだけどね。
歩いてる途中で倒れて死んじまうことを生き倒れって言うんだそうだ。
それでさ、生き倒れを世話してる人が
馬鹿に俺を悲喜にしてくれてな。
おめえさん職人風だし
定めしか面白いでしょうって面白あげて面見せてくれたんだよ。
そしたら驚くじゃねえか。
おめえなんだ。
おめえなんだよ。
何が?
この野郎まだ気がつかねえのか
12:01
おめえ指浅草でな。
ああ、死んでるんだよ。
俺が?
やせよ。馬鹿言っちゃいけないぜ。
だいち、俺死んでるような心持ちがしねえ。
それがおめえは図深だよ。
おめえこの度初めて死ぬんだろうが
初めてのここで心持ちなんてわかるわけねえだろ。
おめえ、ゆうべとかどっか出かけやしなかったか。
ゆうべ?
ゆうべは本庄のおじさんのとこ行ったんだ。
それ見る。どこか行ったに違いねえんだよ。
おじさんとこんでごちそうになって
それからほぼ歩いて
んー、屋台で酒のゴンゴンも飲んだかな。
それからフラフラフラフラしながら歩いて
観音様の脇を通ったところまで覚えてるんだけどな。
その後はどこをどうやって歩いてきたのか
まるきり覚えてねえんだよ。
それ見やがれ。
それが何よりの証拠じゃねえか。
お前は屋台で悪い酒くらって当たっちまって
そのまんま観音様の境内で我慢できなくなって
死んじまったに違いねえ。
この野郎、そそっかしいにもほどがあらん。
お前死んだのにも気がつけねえで
そのまま帰ってきちまったんだろうが。
え、え、そ、そうかな。
そうよ。
言われてみれば
今朝から頭はっきりしねえしなあ
胸はむかつくし
どれも妙な心持ちだったが
やっぱり俺は昨夜死んでたのかなあ。
この野郎。
まあいいや、気がつきゃ。それでいいんだ気がつきゃ。
え、じゃあ早速用意しろよ。
何の?
何って決まってんだろうが。観音様へ行くんだよ。
屍を引き取らなきゃならないだろう。
誰の?
まだそんなこと言ってやがるのか。
お前のに決まってんだろう。
それ、勘弁してくれよ。今更俺が。
え、ねえ。
これが私の屍でございますなんて決まりが悪くて。
何が決まりが悪いんだよ。
てめえのものをてめえで独りに行くのに何が決まりが悪いなんてことあるかよ。
こんなはっきりしたことはね。
心配すんな。向こう行ったら俺が口聞いてやるから。
おめえくらいそそかしやつはねえぞ。
もし俺が取り掛からなかったらどうなってたと思う。
誰に持っていかれちまったか分からねえってやつだよ。
ほら見てみろよ。あんなに人だかりができてる。
みんなおめえを見てるんだぞ。
こっちの方がよっぽど決まりが悪いぜ。
ちょっとどいてくれんかな。ちょっとどいてくれよ。
トーニーが来たんだからどいてくれって。そう言ってんだよ。
ごめんなさいよ。
やっと出られた。
さっきはどうも。
どうも。
また来たよ。話が分からねえ。
15:03
どうだったお前さん。そうじゃなかったろ。
家へ帰りまして一通り話をして聞かせましたところが、
はじめのうちはまだ死んだような心持ちがしねえなんて、
分かりきったことを知らばっくれて強情張ってましたがね。
足が噛んで含めるようにして道理を解いて聞かせやしたところがね、
とうとうトーニーもすすみ隠しきれなくなりまして、
そうや昨夜、観音様の境内まで来たところで、
死んだような心持ちがしてきたなんて、
やっと納得したような次第でございますへえ。
で連れてまいりました。
こいつがそのトーニーです。
お、お、熊子ほら、
昨夜から世話になってんだよ。
例の一言でも言ったらどうなんで。
また増えちゃったよ。
弱ったねえ。どうも。
実はねえ、
ああもういいやいいや。
こういう人に話をしても分からねえ。
とにかくむしろ上げて顔見てみなせ。
いやいやいや。思いなくて結構でございます。
いいからご覧なさい。
なまじ死に目に会わないほうが。
何を言ってやがんねえ。
はっきりさせないでこの方も私がたいじゃねえか。
だからそう言ってんだよ。
いいから見てみろ。
一言だからそんなこと言うけどねえ。
見るよ。見りゃいいんだろ。
あ、うーん、汚い面してるなぁ
そりゃ死に顔なんかそう綺麗なもんじゃねえや
お、俺の顔ってこんなに長かったか
一晩四つ編に当たったんだ、伸びても仕方あるめえ
あ、やっぱりそうだ
これは俺だ、間違いねえ
あー、なんて変わり果てた姿に
こんなことならもっといい飯食っとくんだった
んだろ?
じゃあお前、ほら、頭の方持ちだ
俺が足を持ってやら
だ、だめだよ、勝手に持ってっちゃう
だ言ってみて分かんねえから、お前さんじゃないんだよ、お前さんじゃ
うるせえやん
トニーがわざわざ来て自分だって言ってんのに
一体何が不満なんだよ
あー、てめえこの屍にやけにご主心だが
ことによると独り占めしようってんじゃねえだろうな
あ、あ、ハチ
なんだか分からないことになってきちゃったよ
何が分かれねえんだよ
抱かれてんのは確かに俺だけど
抱いてる俺は一体誰だろう
お後がよろしいようで