だから、思わぬ使い道で、のび太の発想力で、
考えつかないような使い方をする話とかも結構出てくるんですよね。
のび太ならではのちょっと柔軟な発想力っていうのが、
そういう話につながっていくっていうパターンもあるんですよ。
あとね、面白いのがね、地底のドライライトっていう話があって、
ドライライト?
これ、いろんな世界から燃料が消えていくって話あるじゃないですか、
石油がなくなっていくとか、エネルギー資源の問題ですよね。
それにちょろっと触れたお話やねんけど、
のび太がそのことを知って、このまま使い続けたらね、
例えばクーラーもなくなるし、電気もなくなってくる、
テレビが見れなくなってとかって言ってるところで、
ドラえもんが22世紀はね、そういうことも研究されてて、
こういうものを使ってるんだよって言って見せてくれるのが、
光るドライアイスみたいなものを見せてくれて、
太陽の光をドライアイス状に固めたもの、太陽光。
これを使って、エネルギー資源を解決してるんだよって言って見せてくれるのが、
ドライライトっていう道具なんですよ。
例えばこれを電池みたいに箱に放り込んだら機械が動いたりとか、
やかに一かけら入れたら、一瞬でお湯が沸いたりとか、
めっちゃ未来みたいな。
っていう、ちょっといい話っぽいじゃないですか、この話、導入から聞くと。
そうですね。
だめんけど、話はそう転ばないんですよ、実は。
どうなるかって言ったら、のび太がそれで金儲けをしようとするんですね。
ん?
なるほど。
で、またそんなこと考えてって、ドラえもんに止められそうになるんやけど、
ドラえもん、ドラ焼き大好きだよねって言って誘惑するんですよ。
あー、また負けちゃう。
で、もちろんって言って、お金がたくさんあればね、いくらでも食べれるよってなったら、
もうドラえもんの顔が変わってしまって、
で、ドラ、自らドライライトのセールスマンになって町内を駆け回るんですよね。
ドライライトいかがですかって言って。
で、今はちょっと欲しいけどお金がないからとかって言って、子供らに断られて帰ってくんねんけど、
あー、一個も売れなかったよって帰ってきたドラえもんに対して、
ドラ焼き食べたくないの?って言って、はい、今すぐ行きますって言って、また出かけさせると。
自分の体を動かすことなく使える部下を働かせる上司のように、
すごいなー、はい。
こういうね、ずる賢さなのか発想力の豊かさなのか、
あるいはね、ドラえもんと伸びたの悪いうっぷりなのか、
そんな話も出てくると。
だから独創的というか、人がしないような考え方ができるっていうところも彼の魅力ではありますと。
なるほど。
あと特技としてよく紹介されるのは、射撃ですね。狙い撃ち得意と。
あんまり日常で活かされる場面ってそんなにないけど、
それこそ大長編ドラえもんとかね、映画で活躍するときに、
だいたい伸びたはもうピストルとか鉄砲の担当ですよね。
そうですね。
もちろん物語補正、主人公補正っていうのも聞いてるけど、
伸びたの宇宙開拓史っていう話では、宇宙を舞台に、内容はほぼ西武劇みたいな話なんですよ。
新しく土地を探している人たちと、地揚げ屋みたいな人が出てきたりとか、
その悪者についている用心棒みたいなのが出てきたりとかいう話なんですけど、
その話ではなんと宇宙一と言われる殺し屋のギラービンっていう相手と一騎打ちで勝つんですよね。
かっこいい!
かっこいい!
そんな射撃の能力に長けてると。
あとね、射撃と綾鳥と昼寝っていう3大特技があるんですよ。
この綾鳥はもう完全にギャグ枠というか、すごいんですよ。
長い間工夫を重ねてやっと発明したんだって言って、新しい綾鳥を開発するわけです。
新しい綾鳥?
その名も踊る蝶っていうね。
え?全然想像できない。
外づかないでしょ。すぐ崩れちゃうから全然わからないけど、
右手と左手と口で加えたりとかしながらすごい立体的なやつを作ってたりとか、
あとは制作期間3ヶ月をかけてようやく完成したギャラクシーっていう綾鳥とかね。
めちゃくちゃ本気出してるじゃないですか、綾鳥に対して。
一体何を作り出したんや、この子はみたいな。
で、前に紹介してたもしボンボックスの世界で、綾鳥の世界に行く話あったじゃないですか。
あそこでは綾鳥のプロの選手になって、プロ綾っていうアスリートになるんですよ。
で、天才少年として契約金3000万をね。
とっとと契約するみたいな話になったりとか。
言ったら今はあんまり言わないけど、男の子の遊び、女の子の遊びっていう感じで、
スポット化は難しいけど、そういう女の子が夢中になるような、しかも小学生があんまり綾鳥って夢中にならないですよね。もっと下ですよね。
心の土っていう土の形をした道具を出してくれて、それを伸び田がまくんですよね。
そしたら羨まの森に意識が宿って、伸び田が寝るために枯葉のクッションみたいなのでベッドを作ってくれたりとか、
見晴らしのいいところに枝がにゅーって伸びてきてあげてくれたりとか、
で、遅くならないように帰るんだよって言ってドラえもん先に帰って、森と交流を深めていくという話があるんですね。
だから本当に伸び田はすごく人間以外からも好かれると。
ただこの話どうなっていくかっていうと、例えばジャイアンにいじめられましたとか言ったら羨まに逃げ込むじゃないですか。
そしたら伸び田が通り過ぎた後に落とし穴が自然にできて、ジャイアンとスネ夫を落としてくれたりとかして伸び田を助けてくれたりとか、
あとはママに叱られて羨まに逃げ込むと。
そしたら優しく包み込んでくれるもんやからありがとうみたいな感じで癒してくれるんやけど、
だんだん居心地が良くなった伸び田が森から出なくなっちゃうんですよ。
もう家には帰らないよとか、こっちは優しいってみんないじめてくるから。
心配したドラえもんが迎えに来るんやけど、言ったら追い返されるわけですよ。
でも優しくしてるのかなと思いきや、以前帰ろうとしない伸び田に対して、今度は森が伸び田をいじめ出すんですよ。
どうしたの今まで優しくしてくれたのにって。
いやもうこんなとこにはいられないよって言いながら結局伸び田は町に帰っていくんやけど、
結局伸び田の心の優しさに触れて、このまま伸び田が森の中にいたら彼は悪くなってしまうと思って、
心を鬼にした森が伸び田を町に返してくれたっていうような話になっていく。
なるほど。
嫌われたわけじゃなくて、やっぱり彼の心優しい部分っていうのが森に通じたからこそ、
そうやって自立できるように突き放してくれたっていう話が出てきたりとかするんですよね。
いい話ですね。
そうそうそう。
あと他の例で言うと、台風ですね。台風の風語。
名前聞いたことあるな。
ペットを飼いたい自分もって言ってね、なかなか飼わせてくれへんもんやから家でね。
何か飼いたいよーとかって言ったらドラえもんが卵出してくれるんですよ。
でもあれ、これ何の卵やったかなと思って、よくわかんないまま、まあいいじゃないって言って育てたら、
なんと台風が漏れるんですよね、卵から。
だから未来の気象観測とかの研究に使われる道具やったみたいで、
だから危ないからもう捨てようよというか、元に戻そうよって言うんやけど、心を込めて育てるって言うんやけど、
結構、だいぶ初めの頃に描きされた設定ではあるんやけど、
初めは誰と結婚するのかなっていうところで始まってるから、
ノビタのお嫁さんが静香ちゃんになってわかった瞬間の感動っていうのが、
結構大きかったなっていうのが僕の中であるんやけど。
だから子どもたちのグループの中にずっといる静香ちゃんは、
将来ノビタと結婚するっていうことが確定した中で、
いろんな日常のギャグがあったり、大きな冒険をしたりとか、
喧嘩したりとかする話も出てきたりね。
この辺りはいずれまたノビタと静香ちゃんのお話っていう感じで、
紹介できたらなっていうふうには思うんやけど。
だからドラえもん世界自体が彼をどうするぞっていうので動いてるので、
愛されるべきキャラクターとして、
ノビタっていうのはこれから見守られていくんやなっていうふうには思います。
このノビタっていうキャラクターに対して、
この先生もね、ノビタはいいところが全然ないけど、
ただ一つだけいいところがありますって言うんですよね。
彼は反省をするんです。
何か起こった時にもっと良くなろうっていう気持ちがある。
それがノビタのいいところですって言ってあって、
後年、藤子先生もノビタっていうのは自分自身ですっていうふうに言ってあったりとかね。
自分も教室の片隅で目立たないような子供やったから、
自分の子供時代のようなことを作品に入れてるっていう話もしてありましたし。
あとは、ノビタの声優を務めてた声優の小原さんっていう人、
小原のりこさんっていう人なんですけども、
この人もずっとノビタを演じてあって、
いろいろとノビタに対していろんなことをインタビューで残してあるんですけども、
どんなにダメでも最後はいつも楽観的になるノビタくんと。
これがF先生の中にあるめげないノビタくんっていうキャラクターです。
ノビタは本当はダメなやつじゃないんです。
だけど毎日頑張ってたら疲れますよねと。
だから普段はちょっと抜いてて、出る時はやるぞと。
それがノビタ。
つまり子供の頃の僕なんですって先生が言ってましたよっていうふうに言ってあるんです。
ノビタがめちゃめちゃすごい男の子ではないというところが、
私は大好きですっていうふうに小原さんも言ってあって、
悔しかったら大泣きするし、嫉妬もすれば甘えもすると。
力がないくせに突っ張ってみる。
人間みんなが持っている感情ですよね。
ただ普通は大人になっていくうちにそういった部分を押し殺していきます。