あの、今回取り扱う作品、ここで言っちゃうんですけど。
はいはい。
【月】っていう映画になります。
はい。
で、今、これレコーディングしてるというか、録音してる時点で、まだ実は公開されてなくて。
公開が、えっと、2023年の10月13日の金曜日に公開予定の、
【放画の月】っていう作品なんですけど。
うん。
なんでこの作品を取り扱うかっていうと、実はいつメールが来て、
映画宣伝会社のフィノさんっていう会社の担当の方から、
この【月】っていう映画の宣伝の担当の方だと思うんですけど。
はいはい。
から、突然深めるシネマを聞いてますと。
ありがたい。
新作映画の宣伝を行っておりまして、
分かってながら、本作を深めるシネマ等でご紹介していただけたらと思いまして、
ご連絡させていただきました、みたいな感じで連絡が来たんですよ。
うんうんうん。
で、僕らいつもこのポッドキャストは、
題材にする映画って、なんか僕らがね、
喋れるなって思った作品を選んでから取り扱うっていうか。
そうね。基本的にもう僕らが喋りたいなと思ったやつを2人で。
そうそう。
もしくはその、どっちかがこれどう?って言ったり。
うん。
ないしはこう、2人でああもう次はこれしかねえなみたいな感じになったりすることもあるっていう感じだね。
そうそうそう。
なんだけど、でまあ他にも実はそういったこういうあの、
試写とかのお誘いみたいなのがあったりとかして。
はいはい。
番組で取り扱ってくれませんか?みたいなのがあったりするんですが、
まあやっぱり僕らこのポッドキャストに関してはやっぱり喋れないと、
迂闊に取り扱えないと思ってて。
そうですね。
っていうのを僕らいつもこれ、喋るために何回も見るじゃん。
結構ね。
だから新作映画ってなかなか取り上げづらいっていうのもあったりするんだけど。
うんうんうん。
まあ今回あの、実はこの月っていう映画は7年前に起こったあの、
相模原障害者施設連続殺人事件。
うんうん。
あのー、障害者殺傷事件とか言われたりするけど。
そうですね。
それを題材にした小説を元にした実写映画で。
うんうん。
あのーまあこのいただいたメールの中でも、
深めのシネマ、まあおそらくこの深めのシネマ聞いていただいて、
うちの番組のテーマに沿っているということで、
多分こういう提案をね、していただいたんだと思うんですけど。
うん。
あのー、ぜひ一度見ていただいて、
うん。
あのー、なんていうか取り上げられそうだったらぐらいの感じだったね。
そうそう、ご相談させてくださいみたいな。
ご提案というかご相談をいただいて。
そうそう。
で、まあ僕ら的にも、今回に関してはちょっとこの題材にも僕ら興味があるというか。
うん。
とてもあの、語りしろのある作品かなと思って。
そうですね。
2人でちょっと語ってみようという覚悟を持って、
えっと、今回。覚悟。
覚悟、そうね。
いやいや、まあまあ。
覚悟あります。ありますよ。
もちろんもちろん、覚悟。覚悟して今マイクの前に座っておりますんで。
そうそう。なのでまあ精神整備紹介させていただきますという形で。
そうですね。
試写でね、ちょっと見せていただきました僕ら。
うん。そうなんです。
で、それもまた僕らさっきも言ったみたいに、同じ作品何回も見てから、
やるからにはめちゃめちゃしっかり作品の底の方まで語りたいっていうのがあったので。
そうですね。
ちょっとわがままを言って、いっぱい見せてくださいみたいな。
そうです。
試写ってそんなにいっぱい見せてもらいたいしないけど。
ですね。
ちょっとわがままを言わせていただいて、4回も5回も見せてくださいっていう前提でお受けしますみたいな感じになったんですが。
ご無理を言いまして、本当に。
言いまして、それ心よく5回ダックしていただいて、見せていただいたので。
今回はそういった新作映画、なかなか普段あんまりやらないですけど。
うん。
新作映画、月っていうね、作品があるんですが。
で、なので公開からちょっとしか経ってない、13日公開で17日このポッツキャスターが公開されるので。
いつもわざわざ言ってないですけど、うちの番組を取り扱う以上はいつものフォーマットというか。
そうですね。
形でやりたいっていうのがあって、当然ネタバレは含まれます。
完全ネタバレ、全開で。
完全。
全開でいきます。
新作映画なんだけど、全開でいくので、この後オープニングが流れてその後から本編はもう完全ネタバレでいくので。
そうですね。
僕らがなんでこのそもそも月を紹介しようっていう気になったのかっていうと、
このいただいたメールもそうなんですけど、作り手の人たちの結構覚悟が文面からも現れてたりとかして。
その、まだ生まれる前のその、ね、ちょっとわかるわけじゃん、その障害を持ってるかどうかっていうチェックが診断ができる。
修正前診断がね。
そうそう、できるから、それだったらもう、いらん、もう、ストレートに言えばいらない。
うん。
ね。
妥体してしまおう。
中絶をするっていう手もあると。
で、悩むわけ。
うんうんうん。
で、そう思いましたよね、っていう。
だったらこの障害者施設にいる人たちも、そういった、その、健常者がないのである、だから。
うんうん。
いらないってことじゃないんですか、みたいな。
うるさい、黙れよって。
あいつらいらないって一度も思ったことないですか、みたいな。
うん。
ね、縦前では言うけど、そんなみんな病棟だとか言うけど。
うん。
あなた悩みましたよね、みたいなことを。
いいパンチをやっぱ打ってるっていう、あの結構長いシーンじゃん、あそこ、ほんとに。
長いね、あそこね。
議論のさ、やり合いがさ、ずっと続いていくっていう。
うん。
で、それを見てる時の俺が、もう負けるなっていう。
打て打てって。
行けって。
頼む。
俺には無理なわけ、その。
俺がそこの中で完全にその答えを導き出してないし、それ解き伏せるような球はないんだけど、お前ならできる、行け行けっていう目で俺は見てたんだけど。
うん。
託してるようなね。
あそこは、それを見てたから、すごいバトル映画だなって思ったっていうか。
なるほどなー。
なんだろうね、でもあの、あのバトルシーン、主将勝ってくれなかったね。
そうなんだ、ロッキーも負けるじゃん最後。
あ、まあそうか。
ロッキーのネタバレも含まれますっていう。
ロッキーのネタバレごめんなさい、みなさんお許しくださいって。
お許しくださいって感じだね。
だから勝てないんだよ、あそこで一回対戦するけど、やっぱ勝てない。
で、事件は起きてしまう。
結局俺らには、あの佐藤君を止めることはできなかった。
うん、そうね。
そういうパンじゃ繰り出せなかったわけ、俺ら。
そうなんだ。
けど、あの終わり方はなんかどういう風に見た?
その、ある意味まあ本当にバッドエンドというか、現実に即した形になったわけだ。
そうね。
とてつもなく、ひどい事件が起きてしまった。
うん。
で、主人公の陽子と松平、二人は見ごもった子供をどんな障害があろうがなかろうが確認せずに、
佐藤君に行こうっていう決心をするっていうところで終わる。
あれはでもさ、してんのかな?会話上、あのね、どっちとも取れるんだよ、あれって。
あーなるほど。
そう、あのー。
俺は願望が乗ってんのかもしれない。
そうね、あれね、結論出してないって思うよ、俺は。
そうなんだ。
あの、この先、何があっても一緒に頑張っていこうとか、あの、考えを尊重しますとかっていう風に、あの、松平が言ってて。
うん。
で、あの、私もあなたのことが好きやっていうようなことを、師匠、陽子が言ってるっていうところで。
うん。
あの、あれ結論出なかったよね、確か。
うーん。
出たように見えたのか?
俺には出たように見えたの。
あー、俺にはね、出なかったように見えたの。
ほー。
うん。
ってことは、え?どうなっていくと思う?あの後。
いや、そうね、どうなっていく、そうだなー。どうなっていく。
いや、というかね、このね、あの、この映画のひとつ見てて、あの、なんて言えばいいのかな、こう、大事だなって思ったことがあって。
うん。
あのね、分かんない、分からないっていうことに、ほどまる力が大事だって思ったの。
はー。
なんかあの、あの先どうなると思う?つって、分かんねえなって思ったからこう言ってるわけじゃなくて。
一向思いつかなかったから今苦し紛れに。
そう、やっとね、みたいな。
そういうことにしようって思ったわけではなくて。
その先の展開はまあ、俺は知らんな、みたいなことではなくて。
あの、なんて言うのかな、いや、あれもだからその、なんていうのかな、俺もう分かんないなと思ったのよ。
うん。
その、話し合いが、だって始まった直後じゃん、あれ最後の話し合い。
そうね、寿司屋でね。
そうそうそうそう。
開店寿司屋で話そうつって。で、ここで結論を出そうねとか言ってこう、あの、一回箸置いてさ。
うん。
で、その時に、あの、行動が入って。
うん。
で、もうあの、話し合いは途中で途切れちゃって。
うん。
で、確認し合ったのは、あの、お互いがお互いを尊重しているし、お互いがお互いを好きだよっていうことも。
うんうん。
でも結論は分かんないっていう。
そうか。
ことだと思ったから、あんまこう、この映画って断言めいたこと全く言ってないと思う。
うーん。
あの。
そうね。
うん。
おそらく意図的なんじゃないかと思うくらい、あの、ないと思うから。
うん。
そこはね、ちょっと俺はそういう風に見た感じ。
うーん。
うーん。
具体的に確かにそこまで議論が及ぶ前に、あの、できることしないとって言って。
うんうん。
出ていくんだよね。
で。
そうね。
で、回転寿司と、あの、昼間の月で終わるっていう。
うーん。
終わり方だった。
どう、どう見たの?
いや、もうなんか、二人の決心が、その前の時点でも見れてると俺は思った。
なるほど。
うん。
それ、それはもう、あの、あの事件ぐらいじゃ揺るがないだろうなって思ってた。
あー、なるほど。
うん。
あなた、私はあなたのことは好きですって言い合って。
うん。
やっぱあの二人の関係は本当にもう、もう、もう揺るがないよねって。
なるほどね。
そもそもこの映画の最初の時点って、その、一見その仲もつまじい、つましやかに。
あー。
生活してるけど。
そうだね。
うん。
ね、あの、もう結構セリフでもバンバン言ってるけど、あのね。
うん。
もう冒頭の方から、その、椅子を横に並べて座ってるわけだよ、食卓で。
うんうんうん。
で、翔平の方がなんかパッて立ち上がって、反対側に行こうとすると、やめてみたいな。
うん。
向かい合いたくないみたいな。
うん。
うん。
で、それはやっぱりその、息子を亡くしたこと。
うん。
が、でかくて。
うん。
で、その、やっぱり見ないようにしてるわけよね、そのことについて。
うん。
子供を亡くしたっていうこと。
だから、街中歩いてた子供がいたら、
うん。
ね、ずっと翔平は大丈夫、大丈夫、大丈夫、大丈夫って言ったりとか。
うん。
その。
うん。
それはもう見ないようにしましょうっていう。
うんうんうん。
関係性だった。
うん。
で、それが途中で、その、やっぱり、私、あの、なんだっけ、その息子に会いたいって、その横に行って、墓参りをしに行くじゃん。
うんうんうん。
あの時本当のこと言っていい?つって言ってんのかな。
そうそう。で、あそこで、本当に本当のこと全部言うじゃん、セリフで。
うん。
あの、墓の、お墓でね。
あのシーンはもう本当に結構感動したんだけど。
うん。
だから、あそこでもう関係性が、本当のこと言う間がなって。
もうそこで、その関係性がガッチリ決まったんだって俺は見て。
うん。
そっから先だからもう、あの、ロッキーで言えばトレーニングシーンみたいになるわけ。
その、リングに上がるのは一人だから。
なるほど。
その、えっと、師匠がもう一回捜索に打ち込むっていう。
私、書く。
うんうんうん。
今、その施設にいる現状とかも含めて書くと。
うん。
で、それはあの、旦那の、えっと、翔平は、あの、もう書くんだねって言わずにもう伝わって。
うんうんうん。
あの、応援するって、サポートするから。
うん。
で、もう、あの、そっとしておくから、頑張ってくれと。
うん。
その、部屋に閉じ込まってこうね、えっと、そこに打ち込んでる時も、自分からは何も手を出さないけど、
でもいるからね、その、ちゃんとサポートするからねっていう関係性ができてるから、離れても大丈夫になった。
なるほど。
なるほど。
こう、あそこで向き合ったことによって、あの二人の関係が、あの二人の関係は良い形に深まったというか、転換したというか。
うん。
なるほど。
ほんとに。
完全にその、今まで見なかったものっていうのをちゃんと蓋を開けて、二人で話し合って、で、この日までに決めようねってその、中絶するかどうかみたいな。
うんうんうん。
っていう風に決めて、で、自分は創作ね、えー、やると。
で、あれは、ほんとに、こう支える人がいるから、この創作を打ち込めるっていう。
かもね。
もういわゆるセコンドよね。
ははは。
あー。
打ち込めよ、セコンドなわけよ。
あ、打て打つんだ、女王ってことね。
うん。
もしくはエイドリアンだよ、やっぱり。
そうかそうか、エイドリアンがいて。
そう。
そのガイリングに、てかまあ要するに戦っていけるというか。
そう、一人で戦うんだけどね。
うん。
うーん。
っていう風に俺は言ったから、まあ二人の中でもう答えはあの時点で出てると俺は思いながら見てたんだけど。
うーん。
あ、てかもう決めて欲しいっていう願望だったのかもしれない。今聞くとね。
あ、まあまあ。
そのパンチを打って欲しいって。それが究極のパンチになり得るんじゃないかって俺は思う。
あー、なるほど。なるほど、確かに。そうか、最後の、最後のカウンターパンチになり得るわけか。
そう、だからその、どんな障害を持って生まれようが生まれてきた子供を対戦するっていうのがもう最大のパンチなわけじゃん。
自分たちはこれでいきますからっていう。
うーん。
その佐藤君に対する、いやでも偽善でしたよねみたいなことに対する最大のパンチであるから、そう、そのパンチ繰り出して欲しいって思ってたかもしれない。
なるほど。しかもこう拳に二人分、てかもう三人分だよな。
そうそう、三人分だよ。
うーん。
ドーンって。
なんならこう翔平君も乗って四人分だよ。そしたら倒せるから多分。
そう。
あーなるほどなー。
で、俺を見たのかもしれない。
なるほど、だったらもうそうしようかな。
おい。
いやいやいや。
おいおい、またお前フロイトの物取り、俺の物取り。
もうね、権威に行くし、なびきまくるっていう。
そうねー、なんかあんまりそういうこう、なんていうか、希望を持って見ることまではできなかったんだよな、俺はな。
もうちょっと違う見方したっていうか。
どういうふうに。
あのー、いや、それこそね、なんかこう、まあ映画どこ、どの映画でもそうなんだけど、やっぱりこうセリフにいろいろ注目したっていうかさ。
うん。
キーワードみたいな、単語みたいなのがいくつかっていうかいくパターンがあって、まさにその、師匠陽子と佐藤くんの対峙するシーンとかは、まさにそうなんだけど。
この映画ね、なんかこう、嘘とか奇麗事とか、そういうことがいっぱい出てくる。
そうだね。
本音ではどうなんですか。
建前はいいんです、とか。
うん。
あの、そういうのがすごいいっぱい出てくるもんね。
うん。
で、だからこう、あのファイトシーン、あなたが言ったファイトシーンなんだけど、あの戦いは絶対に勝てないようになってる。
そうです。
それこそ戦い分析をするならば。
うん、だからロッキーだから。
だって、そう、だって何を。
チャンピオンだから、王じゃないから。
あ、そっか。なんだっけ、それロッキーの相手、なんだったっけ。
ロッキー、え?
アポロだよ、アポロ。
アポロか。
アポロ・クリーズに。
いやいや、ちょっと。
イタリアの、イタリアの種馬であるボロツキが戦う話なの。
そうね。
うん。
いやちょっと。
勝てない。
思い話したくないせいで、こうあの。
どんどん逃げ、逃げて逃げて。
ロッキー、どんどん俺が逃げようとするっていうね。で、お前が手助けするっていうね。
うん。
それはまあ、あのちょっと、あの、あれなんだよ。
あの、これやっぱ勝てないようになってるっていうのは、
何を言っても、あの、それ建前ですよね。
うん。
あの、みんな頑張って生きてる。
あれ?じゃあ、いらないって一瞬でも思ったことないですか?
うん。
えー。
クヌヌ。
それとこれとは全然問題が違う。
え、でも、子供のこと、障害があるんならいらないって思ったんですよね。
嘘、ですよね、みたいな。
それ、あの、切れ事ですよね、建前ですよね、みたいな感じのことを言われるから、
あの、これね、だからどうしたって勝てない。
うん。
なぜなら、
うん。
みんな、ここはちゃんと向き合わなきゃいけないんだけど、
うん。
てか、あの、
うん。
思ってないとは言えない。
うん。
もしくは疑問に思ってないということで言えば、絶対言えないよね。
うん。
あれ?って、人の価値って何だったんだっけ?みたいな。
うんうん。
生きてるって存在してるってどういうことだったんだっけ?みたいな。
うん。
っていう時に心がないっていうことは、え?みたいな感じにこう、
うんうん。
なるところがやっぱどうしても、
うん。
あるから、
うん。
この戦いは、あの、勝てないようになってる。
うん。
うんだけど、何回か見てるうちに、
うん。
あの、こう、いわばその、佐藤くんの問題点というか、
うん。
佐藤くんは別に、佐藤くん一人の問題点ってわけじゃないんだけど、
あいつは特殊じゃないっていう風に描かれてるのがこの映画の本質だから、
うん。
なんだけど、問題点がやっぱいくつかあるなっていう風に思って、
うんうん。
そこはおか、さすがにさすがにっていうかそのなんか、そこはおかしいんじゃないかっていう風な、
うん。
その、考え方の根本の部分、
うん。
で、おかしいなって思うところが出てきてて、出てきて何回か見るうちに、
うん。
それが、つまり、建前と本音っていう、
うん。
ものが心の中にあり、
うん。
えー、建前は、
うん。
言ってること、言ってんだけど、それはキレイごとなだけで、それは全部嘘で、
うん。
本音は、すごく、あの、何て言うかな、
全部本当。
そう、全部本当で、しかもすごく残酷なことをさ、考えてたりみたいな、
いう、その何て言うかな、
そういう構造になってるっていう風に捉えてる。
うん。
で、これは、あの三階堂文の方の陽子もこういう風に捉えてるの。
そう、嘘が嫌いって、
そう。
言ってるの。
あの、お父さんがその、なんか生まれてきただけで、
うん。
あの、嬉しいんだよみたいなことを言われたのを、
うん。
なんか飲み屋でさ、里君たちと飲んでくる、里君の彼女と三人で飲んでくる、嘘ばっか言ってんじゃねーやーとか言って、
言ったり、
うん。
するその、つまり、キレイごとと本音っていうのは、
うん。
本音の方だけに本、真実があって、
うん。
キレイごと、建前の方には、その人の気持ちは全く乗っていない。
うん。
あの、嘘であるっていうことなんだよね。
そこが、嘘が、あの、ばっかり言ってんじゃねーっていう、このテーゼになって、里君のパンチが重いわけ。
うん。
とても重いっていうことなんだよね。
うん。
あの、これなんかちょっと余談になっちゃうんだけど、
あの、紙芝居をさ、里君がさ、練習して披露するじゃん。
うん。
あの、花坂じいさんなんだけど。
花坂じいさんね。
うん。花坂じいさんの、あの、あれ、えっと、本番でこうやってめくってく、話進んでいくときに、
うん。
あの、里君が、その、僕はね、ここのシーンがすごく好きなんですよーとか言って、すごい思わせぶりに、
うん。
言ったのが、その、いじわる、なんか嘘つきじいさんなのかな、いじわりじいさんなのか忘れたけど。
そう、いじわりじいさん。
うん。
が、掘ってくと、全然なんか、石しか出てこなくて、さらに掘ってくと、
うん。
あの、汚くて臭いものが出てきました。
うん。
いうふうに、言ってるシーンあるじゃん。
うん。
あのー、で、あのー、それが出てきて、えー、おじいさんは犬を、あの、こう鎌かな、鎌じゃない。
鎌。
くわで叩き殺してしまいました、みたいな。
うん。
で、この、戻ってさ、あの、この、掘って出てきた汚くて臭いものって、なんだろうね、とか言って、いうふうに。
うん。
うん。
なんだろうねーって言う。
そうだからあれ、あれは、
入所者の人たちの。
もうちょっとぶっちゃけたっぽい感じ、
うん。
の、考えだけが本音で、それ以外の、あの、理想的なことを考えたり、
うん。
ポジティブなことを思ったり、他者に対して思いやりを持ったり、とか、
うん。
そういうのが、全部それは嘘ですっていう、そういう考え方はやっぱおかしいんだよ、これは。
うん。
と、俺は、まずパンツ、パンツじゃねえかよ。
あははははは。
お前パンツはだめだよ。
ダサい。
ダサいねえ。
ダッサいわ。
あの、パンツ繰り出そうとしてパンツがずり落ちたからね。
そうね。
ああーって。
ボクシングパンツだよね、たぶんね。
ああーって言う。
ああーって。
そう。
だから、だからこれも葛藤だよ。俺の中の、お前何今正論をめいたことを、あの、
言おうとしてる。
言おうとしてる。
お前にも汚い本音があんだろっていう。
うん。
のがパンツとなって。
俺の中の、別の奴がパンツって言わせたんだけど。
うん。
あの、パンツを打ちたいわけです。
あの、二階堂ふみが本当にそれを体現してて、
うん。
あの、えーとなんだっけ、陽子ね、二階堂ふみの方の陽子。
うん。
あの、やっぱり嘘は嫌だと。さっきも言ったけど、その、自分がその創作で小説を書いてる物書きなんだけど、コンクールに出しても落ちて落ちてダメだと。
だったときに、親から、いや、あなたは生まれてきてくれただけでいいよって言われる。
うんうん。
そんなの嘘に決まってんじゃんだって。
自分の子供が才能ないことが嬉しいわけねえだろとか言って酒を煽ってんだけど。
うーん。
あの、彼女の中で特にその父親が、まあおそらく、あの、その陽子は幼い頃にまあ虐待的な大罰として虐待を受けてたみたいな話をしてたじゃん。
うんうんうん。あれもね、ひどい話だよ。
で、家自体はすごい裕福に見えて、なんかキリスト教の一家なのかな。
その、食卓の前でアーメンとか言って、もう祈りしてから食べるっていう、もうピシッとした家庭なわけ。
結構こう、経験なキリスト教とかもね。
そうそう。だけど父親は不倫してるっていうことを知っているわけ。
キリスト教からしたら一番おかしいよね。
おかしいやないかいっていう。で、お母さんなんで腹が立たないの?みたいな話を台所してんの。
うーん。
で、あそこで本当にその佐藤くんと繋がるっていうのが、そのさっき言ったその臭いものと同じで、あの食卓に並んでる魚の料理がパッてカメラで映るんだけど。
おー。
食べる前に。
はいはい。
なんか、イワシかな?
ニンファンマかな?
ニンファンマですね。
そうそうそう。
イワシかな?
食べる、食べる前の料理がパッて映って、次のシーンでその台所のシーンになった時に、その残飯が映るわけ。
はいはいはい、そうだね。
お酒になったりとか、ほんとに残飯に落ちた残飯が同じようにパッて映ってるっていう。
ああー。
だからあれもその、表面上はそういうね、あの、この食べ物に感謝とか言いつつ捨てるところもあるし、みたいなのもあるし。
そうだな、確かに。
本当に臭いし、あの汚いものでもあるし。
うん。
残飯。
で、あの時の二階堂ふみがさ、その酒を煽る俺ショットが超好きなんだけど。
あの、グッて飲みながら、カメラがグーンと寄るじゃん。
急に寄るよね。
ね、あれは。
あれ明らかに不自然に寄るよね。
ドキドキするいいショットだったけど。
うん。
グンって寄って、だからもう彼女にとって、それはもう多分自己嫌悪に近いなと思うんだけど。
うーん。
彼女の中では、彼女の中では葛藤してるわけ、割と。
うんうんうん。
そうね。
ずっと葛藤してるけど、それが嫌だから、もうあのその、表層と真相みたいなの分けたいって。
佐藤くんみたいに、もう葛藤をやめたいから、その、そういう風になってるっていう。
うーん。
彼女は、だから佐藤くんになる前に、もう何とか留まってたわけだけど。
あれをだからそのさ、だからつまり、取材、メタ探しをするのはあんまり良くないと思うみたいな。
言葉が嘘になっちゃう気がする、嘘とかさ。
それこそあのフミの方の陽子のさ、一番こう、ざわつく言葉をさ。
言っちゃったんだ。
言っちゃったんだよな。
でもあれをさ、だから自分のことに関してさ、その師匠は言ってるわけじゃん。
あの、2回目のフミからすれば、私たちは同じ、似た者同士ですよね。
私、2人とも、その創作のためのネタ探しでこの場にいるんですよねって、いう風にしたかったのに。
師匠の方が、いや私はそういうネタ探しとか、あの、あんまりね、やりたくないし、言葉が嘘になっちゃう気がするから。
あ、ごめんなさいみたいな。
でもそれがもうパンチになっちゃってんだよな、多分。
そうね。
2回目のフミが受けちゃった、パンチと捉えたから、次の飲み会でもうボコボコにしてやるぜあいつっていう風になって。
でもシラフじゃできないからもう、いっぱい飲むぜっつって。
そうね。
人間に2つの面があるのは許せないっていうのは、2回目のフミの陽子の感情なんだろうけど。
彼女をやっぱ救いたいなっていう風に思ったけど。
あーまあ確かに。
佐藤くんはダメだったけど、それこそ。
佐藤くんは掴むようがないんだよ結構やっぱり、この映画の中でも。結構空っぽに描かれてるような気がしてて。
うーん。
いやまあなんかね、空っぽはそうだな。そうね、だから佐藤くんが空っぽなのかどうかっていうとこ、まあまああの、なんていうのかな、あんまり、
あの、彼の心の動きって実は描かれてない、描かれてないように感じられる。最初見た時だからちょっとなんていうのかな、唐突だなみたいな感じにも見えたのよ。
急に決心固めてないみたいな感じになったんだけど、やっぱり佐藤くんも、
フミの方の陽子と同じようなことで傷ついてるなっていうのは、なんとなく感じるんだろうね。
で、なんていうのかな。
その傷つきっていうのが、フミの方の陽子は才能がないって結構残酷なことなんですよ。
陽子さんにはわかんないでしょうけど、まあ師匠もね、陽子さんにはわかんないでしょうけどみたいなことを言ったりとかして、
そこにも結構傷ついてるわけね。それで励まされても、全然そのなんていうのかな、奇麗事にしか聞こえない。
嘘にしか聞こえないっていうようなところにも傷ついてて。
で、実は佐藤くんも割とそういうところに傷ついているのではないかっていうふうに思う。
紙芝居さ、やってたのに、悪職員2人いるじゃん。あれ悪いね、あいつらね。
あいつらも悪いやつ。
あいつら悪いやつだね、ほんとに。悪職員たちに、そんなもん意味ねえからやめろみたいな。
お前のせいで仕事書くんだよみたいなこと言われて、つまり頑張ってやってんだけど、
お前がやってるそれは意味がないっていうふうに言われるっていう。
これ結構みんな、この登場人物たちが抱えてる傷つきで、つまりフミの方の陽子も、
全然作品がコンテストに通らないっていうところで、意味ないっていうようなことで傷ついてたりもするし、
翔平旦那さんね、旦那さんもこんな映画作っても誰も評価されないし、意味ないんだけどねーみたいな感じで言ってたり。
もっと言えば、師匠の方の主人公陽子も、頑張って生きていくしかないのか、頑張って生きてって意味あんのかなーとか。
無意味かみたいな。
翔平に、今から上がっていくしかないっしょー!みたいなことを言われて。
そうか、頑張って生きていくしかないか、でも頑張って生きて意味ある?って言ってる。
そうね。あれももう言わばすごい切れ事に聞こえるっちゃ聞こえるんだけど、あれもだって翔平の一つの考えではあるのだが、
どうでもいいんだけど、翔平が家でよく着てるTシャツ、青いTシャツがさ、ベリーベリーグッドって書いてあんだよな。
すごい、元気づけようっていう気が前に出てるんだと俺は思うんだけど。
服を選ぶのにもね、無意識に着ちゃうんだろうね、やっぱ。
ポジティブな。
そうそう、でもそういう風に励ましてもらうんだけど、やっぱりみんなね、なんか無意味感みたいなのにすごく傷ついているっていうのも。
映画は多いよね。意味とか価値。
多いね。無駄とかね。
無駄とか。
もっと進んでいくとか不必要とか、必要とか、排除とかね。
師匠と翔平がまつましやかに生活してるっていう、金銭的にも結構苦労していると。
仕事がね、あんまないからそういう仕事してるとか、っていうのも含めてそれをする描写の中でもスーパーでさ、
半額シール貼られてる食品とかやたら映るじゃん。
はいはいはいはい。
あれも価値が下がってるってことだもんね。
そうね。
価値が、自分の価値も下がってるように感じるわけよ、その半額シールがあるものを手に取るっていう。
確かに。っていうか、それやめてくれよ、なんか。
自分の価値が半額なんだっていう。
20%オフだなっていうのに。
3割引きだっつって。
3割引きだ俺はっていう。
わざわざあんなシーン入れるっていう。
そうね。
まあもちろん金銭的に逼迫もあわせてるけど、うわぁやめてくれよほんとに。
3割引きの男にしないでもらっていいかなほんとに。
これも勝手な傷つきだよね。
傷ついた。
そうなってくるとね。
いやなんかね、ここ大きいと思うんだよな、この映画で。
もう一個大きいっていうのが、つまり意味とか無駄とか。
最終的にさ、人間の価値みたいな、生きてる価値とかそういうので、あの2人はファイトシーンで議論をするわけじゃん。
で、なんだけど、そこまでに至る佐藤くんが、よく意味がわかんないように見えるんだけど。
実はその、あの議論のシーンでも言ってるわけ。こうやって頑張って仕事してるんだけど。
手取りは17万で。
であの、友達たちからは、何そんな仕事してんの?とか言われるし、誰からも別に感謝されない。
すごいこう、無意味感というか。
を抱えている。
で、あの、頑張って、その素敵な人たちのためにと思って紙芝居作っても、意味ねえからやめろって言ってられる。
とか。