デザインの目的と意図
こんにちは、フリーランスデザイナーのちふねこです。
今日は、なんとなくを卒業する小さなデザイン習慣というテーマでお話ししていきます。
今日の内容はですね、なんとなくがキーワードになってはいるんですが、
結論から言うと、最適なものを選ぶには、ほかの選択肢を知らないと選べないよねっていうお話になります。
これは一応私はデザイナーなので、デザインをベースにお話をしていくんですけど、
多分あらゆる分野で、その特定のものを上達する、上達させる時には必要な考え方というか、同じ道をたどっていると思うんですけど、
何事もやっぱりなんとなくやってるうちって、あ、よっぽどその道の経験豊富で、感覚で、直感で、正解がわかりますよ、みたいな、
そういう熟練した方は、熟練したものについては別ですけど、そうじゃないのになんとなく選ぶ、なんとなく決めるってなってる時って、
だいたい未熟じゃないですか。私が実際にそうだったんですけど、デザインって一応目的が基本的にあるので、
誰に何を伝えてどうなってもらうみたいなゴールがある状態でデザインを作るので、それを達成するためにはある程度最適解っていうのがあるんですよね。
フォント選びだったり、色選びだったり、レイアウトだったり、載せる情報とか含めて、全てのことに意味や意図があって、
その中でより最適なものを選んでいくみたいな、これがいいデザインにつながるんですよ。
つまり、なんとなくじゃダメなんですよね。なんとなく作ったデザインじゃあ、到底最適な、これが最適だっていう根拠なんか全くないので、
なんとなくで作ったデザインは大抵イマイチですね。
っていうのを私はやってたんですよ、新人の頃に。
本当に今、特に思い出して恥ずかしいエピソードとしては、これは学生時代の話なんですけど、自分の名刺を作ってたんですよ。
で、それの裏面に猫の手描きのイラストを描いていて、それを描いた理由が、私が描ける可愛い絵がそれだけだから、猫のゆるっとした絵しか描けないって自負してたんですよ、当時。
で、それをフリーのデザイナーさんが集まっている食事会に参加する機会があって、その時に名刺交換させてもらって、自分のデザインした名刺の裏の猫の絵について、さっきと全く同じ理由。
理由でもないんですけど、こういう絵しか描けないので裏には猫ちゃん描いちゃいましたぐらいの、そういうテンションで堂々と説明しちゃったんですよ。
今思うと本当に恥ずかしいんですけど、よくそんな、なんだろう、なんとなくの極みの説明をできたなんて恥ずかしげもなく。
でも本当に当時は、そもそもデザインには全て意図があるみたいな認識がなかったんでしょうね。
だから恥ずかしげもなくそんなことを言ってましたっていうぐらい、なんとなくデザインしちゃう私だったんですけど、
選択肢を知る重要性
今ではちゃんと提案する時も意図、それぞれの案について意図が言えますし、一つ一つ作る時にフォント選びだとか色を選ぶ時にもちゃんと根拠を持って選べるようにはなってるので、
もともとなんとなくでしか作れなかった私が、なんでちゃんとそれを卒業できたのかを振り返ると、他の選択肢に興味を持ったからなんですよね。
そもそもなんでなんとなくになっちゃうのかっていうところからなんですけど、
新人の頃とかデザイン学び立てみたいな時って、色とかフォントの細かい違いがわからないんですよ。
フォント選びとか上司に相談したことあるんですけど、
なんかこのフォントが美しいからオススメだよみたいなこと言われるんですけど、その美しさがわからない。
どれも私にとっては読みやすいですけどみたいな、そういう状態なんですよ。
意識しないと全部同じに見えるじゃないですけど、私たちって大抵無意識にスルーしてるんですよ、身の回りのもの。
私たちの身の回りの完成されたもの、美しい整ったものたちって、違和感ないように作られてる、完成されてるものがきっとほとんどなので、
それがゆえに気づかないんですよ、違和感がないから。
だからその、よく目にしてるポスターだったり本の表紙とかカレンダーとか手帳のデザインとかでも、
毎日目にしてるはずなのに、それの美しさというかなんでそれが綺麗に見えるのかみたいなことって、意識しないじゃないですか。
だからまずは意識しないと、そのフォントの細かい違いとか色の種類の違いとか、わからなくて当たり前なんですよね。
ただそれがわからないことには、自分の中の選択肢、引き出しが増えないじゃないですか。
だからまずは他の選択肢を知るっていうのが大事で、その自分が今選んだものが最適だと思い込まない。
他にもより良い選択肢があるんじゃないかって常に疑うというか、最善を目指すみたいな意識がすごく大事かなと思います。
で、さっきそのなんとなくデザインしちゃう時に、そのフォントの違いがそもそもわからないとかあったと思うんですけど、
それはやっぱり作る時に、なんだろう、根拠を持たせようとしてないから、
そのこのフォントの良さがわからなかったり、なんでこれを選ぶのかっていうところまで考えてないだけだったりするんですよね。
だからちゃんと根拠を持って作ろうって思った時に、いざフォントを選ぼうってすると、
なんでこれがいいんだろうとか、他の人はなんでこれを、どういう時にこれ選ぶんだろうみたいな、そういう視点に行くので、
そうなったらもう、あとは時間の問題というか、他の事例とかたくさん見て、どういう時にこういうフォントが多いなっていうのがわかるようになってきたり。
なのでまとめると、なんとなくを卒業するために必要なのは、他の選択肢を知るっていうのが一番大前提としてあって、
かつその中で最適解を見つけようとすること。
これがあれば自然と他の選択肢の理由とか根拠に興味が行くんですよね。
こうやったらこうなるんだとか、普段の日常の中で、こういうフォントや色を選ぶとこういう印象を私受けてるみたいなのを客観的に常に吸収できるようになったりするので、
まずは他にも選択肢があるっていうのをちゃんと知る。色だったりフォントだったりを知るっていうのと、
かつ最適なものを選ぶんだっていう意識があると、根拠とか理由が自ずと必要になってくるので、
そういったマインドセットでどんどんなんとなくっていうのは脱却できるかなと思います。
他の人の視点を吸収する
たぶんこの、なんだろう、自分が上達しようと思ったら自然と興味を持つとか解像度が上がるって誰しも経験してると思うんですよ。
例えば音楽だったり、女性だとメイクとか、自分がメイクの研究してる時って人のメイク急に気になったりとかしませんか。
音楽は私はバンドを学生時代やった時に、これまで聞こえなかったベース音が聞こえるようになったりしたんですよね。
自分が弾く側になって初めて、それまでずっと聴いてた音楽なんですけど、こんなベースの音メロディー流れてたんだみたいな。
そういうやっぱ自分がやる側になったり、上達するにはどうしたらいいんだろうみたいな。
そういう視点になっちゃえば、もうおのずとあとは今まで無意識にスルーしてたものに意識が向くようになっちゃうので、
そうやって他の人がどうやってるんだろうとか、他にはどういうやり方があるんだろうみたいなのを少しずつ吸収していけば、なんとなくっていうのは脱却できるかなと思います。
以上です。今日も最後まで聞いてくださりありがとうございます。