さて、カーペンターズの話をするとね、
主には妹のカレン・カーペンターのね、
とても辛い人生を取り上げてね、
ドキュメンタリー番組だとか、そういったところで紹介されることが多いかとは思うわけですけれども、
一般的なそういうドキュメンタリーの番組で取り上げるような話題は、
今日ほとんどしません。
ドキュメンタリー番組で言うと、冒頭の5分とかね、
10分くらいでさらっと触るか触らないかのようなところの話をね、
していきたいと思っておりますけれども。
まずですね、このカーペンターズですけれども、
最初からカーペンターズではなかったんですね。
どういうことかと言いますとですね、
このカーペンターズというバンドを結成する前に組んでいたバンドがあるんですね。
それがリチャード・カーペンター・トリオと言います。
このバンド名を聞くと、なんとなく想像できるんじゃないかなと思うわけですけれども、
実はこのカーペンターズ、もともとはトリオのジャズバンドだったんですね。
どういう経緯でね、ジャズバンドを組んだかというと、
そもそもね、このカーペンター兄弟、このお兄ちゃんも妹もですね、
高校に通っている時に、このね、高校のマーチングバンドのメンバーになると、
体育の授業が免除されるということで、2人ともこのマーチングバンドに入るんですね。
リチャードはこの頃ね、ピアノを学んでおりましたのでね、
このマーチングバンドでもピアノの技術を活かして頑張れるんじゃないかということを思ったらしいんですけれども、
ここでリチャードは思わぬ問題に直面するわけですね。
そうなんです。ピアノは持ち運べないんですね。
ということでですね、リチャードはそんなピンに陥ったというようなことが書いてあったんですけれども、
当たり前ですよね。マーチングバンドですからね。何を思ったのかというところですけれども。
それからね、妹のカレンの方はですね、このマーチングバンドに入ってグロッケンを担当します。
グロッケンというのは持ち運びができる鉄筋ですね。
おへそのところから棒がシュッと出ていて、その棒の両側に鉄の金属の板がね、
ついている。ですから鉄筋の鍵盤がこうなんていうか、スルメイカのようにですね、
こう広がっている。それをバチでね、右手でトントンと叩くという、そういうのがね、グロッケンでございます。
鉄筋ですね。で、こういうところからですね、彼女は打楽器というものを持ち運んでいます。
そして、同じバンドの仲間のですね、フランキーチャベスという人のこのドラムスキルというものをここで見ることでですね、
ものすごく衝撃を受けて、私もこのドラムをやりたいということで、
小さい頃僕もやりましたし、皆さんもやったと思うんですけれども、
この食器をドラムに見立ててですね、この机だとかそういったものを叩いてドラムをやる。
でも日本人だと箸をね、スティック代わりにやりますよね。
お父さんお母さんに怒られますけど、絶対。
うちの子やんないなあ。うちの子やんないなあ。
で、まあそういうドラムですけど、海外の場合ってスプーンとかフォークとかナイフですからね、
そんなんで叩いたらお皿割れちゃう気がしますけどね。
どうやってやってたんでしょうか。指ですかね。ちょっと分かんないんですけど、
まあそんなことで遊んでいます。
で、このドラムを使ってですね、こういう感じのドラムスキルをやります。
ということでね、もうお分かりだと思いますけれども、
このリチャード・カーペンター・トリオというのは、
兄のリチャード・カーペンターがリーダーとしてピーターとして、
ピーターがで弾かれているようなね、
やろうと思ったら、
その後、ギターを使って、
そうやって弾いているんですね。
で、このリチャード・カーペンター・トリオというのは
兄のリチャード・カーペンターがリーダーとしてピアノを弾いて、妹のカレンはドラムを叩いていたんですね。
それからね、チューバーとベースを弾くウェス・ジェイコブスという方と一緒にジャズバンドを組むというのがね、実はこのカーペンターズのスタートになってきます。
このリチャード・カーペンタートリオですけれども、主にね、ボーカルのないインストルメンタルの曲を演奏していたわけなんですけれども、
リチャードのね、強い要望でこのカレンに歌を、ボーカルをね、取らせることが時々あったようですね。
すでにこの時点で、やっぱり彼女の歌声の素晴らしさというものにリチャードは気づいていたということなんですけれども、
そうしてですね、バンド活動を続ける中で、このリチャード・カーペンタートリオというのは、なんとレコードレーベルと契約をします。
ところがこのレコードレーベルというのがすぐに潰れてしまってですね、結局この日の実を見ることはこの時点ではなかったんですね。
それにどうもね、やっぱりカレンの歌声というものが一番フューチャーされていたようで、
このトリオとしての需要があったというよりは、カレンの歌声を引き立てるためのバンド、カレンのソロみたいな形で売り出したかったようですけれども、
まあ潰れてしまいましたからね、こちらのレーベルというのはなくなってしまいます。
しばらくするとですね、このリチャード・カーペンタートリオですけれども、1966年にハリウッドボールで開催されたアマチュアコンテストに出場して、
なんとこの大会で見事優勝を収めます。
リチャードはね、彼自身、それからカレンが好きだった飲み物がアイスティーだったということでね、このアイスドティーという曲を書いて、それを演奏をします。
さらにもう一曲、イパネマの娘、これボサノバの定番曲ですけれども、こちらのカバーも演奏をしていて、
この2つについては実際に音源がYouTubeの方にありましたので、概要欄の方に貼っておきたいと思いますから、
ぜひこのカーペンターズが演奏するジャズというのを聴いていただきたいと思います。
もちろんリチャード・カーペンターのピアノというものも、カーペンターズの時の美しい音色で、
住んだ湖の透き通るような、ああいう美しいような音色ではなくて、ちゃんとジャズしてますから、スイングしてますよ。
さらにこのカレンのドラム、皆さんが想像しているカレンの歌声というものから、
到底想像できないようなアグレッシブなね、それでいて何というか上手いとかいうよりも若々しさを感じるというかね、
そういうドラムを叩いています。
しかもジャズドラムということで、かなりカレンのドラム技術が高かったということを知れると思いますので、
なかなか聴く機会ないと思います。ぜひ一度こちら聴いていただきたい。
残念ながらサブスクの方には音源がございませんので、もし興味がある方はこちらの映像の方を確認をしていただきたいと思います。
そのコンテストが終わってから、リチャードとカレンは正式にレコード会社からスカウトをされ、
そしてですね、チューバベースをやっていたお友達ですけれども、残念ながらこのお友達は一緒に契約するには至らなかった。
なぜかというと、ジャズトリオというものにね、この時代もうすでに商業的な価値を見出せなくなっていたレコード会社は、
このジャズトリオとしてではなくて、あくまでカレンのボーカル、そしてリチャードの作曲・ピアノ・アレンジ能力というこちらの方に注目をしておりました。
ということでですね、このベースを弾いていたジェイコブスというのは契約には参加せずに、ここでトリオは解散。
ジェイコブスはね、コンサート音楽という新しい道に進むために、このジュリアード音楽院に入学をして、
別の道を歩いていくということになります。
ここからカーペンターズの歴史が始まるわけですけれども、意外と皆さん知らなかった人が多いかもしれませんけどね、
このカレン・カーペンターという方はドラマーなんですよ。
本人がやりたかったのはドラムなんです。
歌よりドラムが好きだったんです。
ドラムがやりたかったんです。
だからカーペンターズになっても実はカレン、ドラムを叩いているんですよ。
意外とこのドラムを叩いているカレンというものが映像として映されることってそんなに多くないかもしれないですよね。
でもね、実際にリリースされているCDの中で、クレジットこそないもののカレンが叩いている曲というのがたくさんあります。
実際にどんな曲をカレンが叩いているのかということをまとめたサイトもありますのでね、ちょっと調べてみると面白いかなと思いますけれども。
このカレンがドラムを叩いていたっていうことが実はこの後のカレンの人生に大きな影響を与えるわけですけれども、
カレンがね、ドラムを叩く。
カレンが好きなドラムっていうのはタムがいっぱいついたドラムだったんですね。
タムっていうのは、いわゆる小学校で使う小太鼓っていうのがスネアドラムということで一番よく使うやつ。
ドラムのセットのハイハットシンバルの横に置いてあるのがそれ。
そして真ん中の足元にあるのがバスドラム。
その上に取り付けたトントントントンっていうような音階があるやつね。
トントントントンとかおかずで叩くような。
あれがいわゆるタムと言うんですけれども、タムがたくさんついたドラムが好きだったようなんです。
ところが、カレンはボーカルなんです。
売れてくるとですね、テレビに出るようになってきます。
テレビに出ると当然、カレンというのは非常に見た目も美しい女性でしたから、
ファンからね、もっとカレンの姿が見たいという要望が出てくるんですね。
そうなってくると、ドラムに座って歌っているカレン、
これではファンは納得しなくなってくるんです。
カレン自身はこのドラムの後ろで叩きながら歌うという、
これに非常に心地よさを覚えていたので、
彼女自身はそのドラムに座りながらね、
ドラムをプレイしながら歌を歌う、そういうスタイルを最後まで希望したんですが、
やはりこのマーケティングの都合でですね、
ドラムを叩かずに、よりカレンの姿が見える形でテレビに映されるようになります。
で、これはね、諸説あるんですけれども、
ご存知の通りカレンカーペンターというのは、
そのこの後、虚飾症に悩まされて、その命を削っていくことになるわけですけれども、
その脅迫的な虚飾症への道をたどった原因の一つが、
このドラムを取ってテレビ出演をするようになったことだというふうにも言われてますね。
そのテレビ出演をしている姿をね、見たカレンは、
自分自身の姿が太いというふうにね、感じたそうなんです。
もともとね、なんか色々調べていくと、
カレン自身は当時の平均的な女性の体型よりは少しふっくらとした体型だったらしいんですね。
ですから、そういった体型のことをからかわれたりね、
嘲笑されたりするってことも時々あったらしいんですけれども、
それをね、映像として客観的に自分で見てしまったっていうことが、
一つの原因だったんじゃないかというようなことをね、言っているものもあります。
はい、ということでお送りしてきました。いかがだったでしょうか。
やっぱり昔の曲、昔の曲というか自分がね、多感だった時期。
もう今はね、なかなかこう感受性のアンテナというものが
開いている瞬間というのは少なくなってきてますよね。
やっぱ中学・高校ぐらい、あの頃の自分の感性というかね、
このアンテナの張り方というのは、やはり今考えると特別なものがあったんだろうなと思います。
実際にね、リスナーの皆さんもあの頃自分が聴いていた曲って
やっぱり心に残っていると思うんですけれども、
そんな心に残っているミュージシャンが、
もしもジャズを演奏していたら、というような回だと思ってください。
もしかするとね、皆さんが聴いているミュージシャンもね、
ジャズを演奏しているなんてことがあるかもしれません。
もしそんなミュージシャンがいたらね、ぜひ教えてほしいと思います。
私、他に知っているのはね、スピードのヒロがジャズミュージシャンをやっているということとね、
サイズのボーカルのチャカがですね、サイズ解散後にインディーズでジャズボーカルをしているというのは知っているんです。
チャカの…マニアックな話になってきました?
チャカのね、ジャズボーカル聞いてみたいんですけどね、
未だに音源に出会うことがなくてですね、聞けてないんですけれども、
どなたか知りませんですよか。
もし知っている方がいましたらね、元サイズのチャカがですね、歌っているジャズの音源、
ぜひ聞かせていただきたいなというようなことを思っております。
ちょっとカーペンダーとだいぶ離れちゃいましたけれども。
ということでお送りしてきましたジャズの入り口案内所は、
各週金曜日、大人の時間午後8時頃に配信予定となっております。
番組への感想やお便りは、
また概要欄に貼ってあるリットリンクのリンクから入っていきますと、
お便りフォームもあります。
またその中に今までのプレイリスト、
今やっているスモーキンのプレイリストも聞けるようにリンクが貼ってありますのでね、
もしよかったらそちらからいろいろ調べて聞いていただけると嬉しいかなというふうに思っております。
それでは、ありがとうございました。
ということで今日もカーペンダーズの歌うジャズメドレー、
こちらのナンバーもプレイリストに加えたいと思いますのでぜひ聴いてみてください。
そしてカレンカーペンダーが叩くドラム、
こちらのほうもぜひ聴いていただきたいというふうに思います。
最後に一つだけお知らせ。
第2回ポッドキャストスターアワード、このジャズの入り口エントリーしております。
もしもお聞きのリスナーさんの中で、
ぜひ面白いこのジャズの入り口を推したいよという方がお見えになりましたら、
概要欄に貼ってあります特設サイトのほうからですね、下のほうにずっと行きますと、
このリスナー賞を選ぶ、番組を選ぶ項目がありますのでね、
そちらからジャズの入り口案内所というところをチェックしてですね、
メールアドレスを入れていただいて投票いただくと、
ジャズの入り口に一票入ります。
言うて裏路地にあるちょっと敷居の高そうな隠れたバーみたいな番組ですから、
そこまで有名になろうという気はないですけれどもね、
一票ぐらい入ると嬉しいかなと思いますので、
もしよかったら一票入れていただいてもいいですし、
また私がもう一個やっているしたラブというポッドキャスト、
こちらでもエントリーの方をしております。
どちらかというと、この下ラブのほうはね、
しっかりアピールしていきたいなというふうに思ってやっている番組ですので、
両方とも聞いているよという方はね、
下ラブのほうに入れていただけるとより嬉しいのかなというようなことも思っております。
はい、ということで最後にお知らせを挟みまして、
今日のジャズの入り口はこの辺でお開きとさせていただきたいと思います。
最後までお付き合いありがとうございました。
案内役はフランク・ナッパでした。