兄弟のジローです。この番組は、手間やコストをかけたのに結果が伴わなかった、とほほな爆散事故を清掃し、ナイストライトをお届けする番組です。イエーイ!
- イエーイ!よろしくよろしく!
- あのさ、ちょっと前だけど、うちの会社で仮設トイレを設置して、消臭実験をしたことがあるのよ。新しい商品っていうのかな。これを作る前段階で、いろんなものを試すみたいな。いくつか仮設トイレを置いて。
- でも、会社のトイレは全部使用禁止にされて、夏場、それを使えって言われて。ほんでさ、いろいろ試験してるからさ、中にね、バインダーと紙とボールペンが置いてあって、つり下げてあって、使ったらレテンをチェックを入れてください。
- あーなるほど。
- 中の消臭、どれくらい使用されて、どれくらい臭いが効果を持つかみたいな、多分そんな感じだと思うんやけど、そういう時期だと思うんやけど、そういうのをやってて。
- 言われた通りしてたんやけどさ、その時のうちの上司が、ちょっと目が悪いっていうか、もうほんと弱視のぶるいの人でさ、あんまり見てへんのよ。
- うん。
- その人、もうはっきり言ってジジイに片足突っ込んだくらいの年齢の人やけさ。
- あーなるほど。
- もう、だからトイレも結構大変そうにしちゃったんやけどな。
- うん。
- 奥のトイレ入ったら、ファイルにレテンをしてください、チェックして入れてくださいってところに、直近近近レテンじゃなくて、伏せってタッピツで書いてある。
- レテンじゃなくて名前入れてるやん。
- うん、それを見た瞬間から、そのトイレ、普段の5倍くらい臭く感じて。
- 誰が使ったか分かった気持ち悪い。
- あ、なんか臭いだけじゃないんじゃないかなっていう、製品って。
- だからやっぱパッケージとかって重要なんやろうなって思ったっていう。
- レテンじゃなかったら俺もこんな思いせずに済んだのにっていう。
- じゃあね、今回はね、臭いをね、やりましょうよ。
- 臭いはね、平気に使えないんかっていう問いに答える回をやりたい。
- あー、もうちょっと使えたけどな、俺にはね。
- 実はね、何度か敵に強烈な握手を浴びせたろっていう試みは今までも行われてきて、その度に失敗してるっていう歴史があるんよ。
- へー、おもろさやね。
- そしてね、今回は以前にも紹介した科学系ポッドキャストの日、参加会でございます。拍手。
- はい。毎日参加したよね。テーマ水やったっけ、その時。科学系でもないのにね、参加して。
- 今回のテーマが臭いやったんでね、この値段にしましょうということで、ホストを務めるのはね、技術者カネマルのプラントライフさんですね。お疲れ様です。ありがとうございます。
- うん、なんかギリギリの参加なんやってね、兄が。ご迷惑かけました、本当に。すいませんでした、本当に。
まあ言い訳しかない。実は収録のタイミングがどうしてもあんくて、本当すいませんっていう感じでね。
- 概要欄にSpotifyのプレイリスト貼ってますので、いろいろ聞いてみてください。
- はい、お願いします。というわけで、今回のテーマは悪臭兵器。もうネーミングからして引き強いでございますよ。
- うん、確かに。引きが強いわ。
- 先にね、さらっと嗅覚の特徴を言っておくと、嗅覚は人間の五感の中でも大脳片鉛系ってところとの結びつきが強くて、そこに直結してると言っても過言ではないらしいんやんか。
で、他は思想っていうところのフィルターを通過してから大脳片鉛系に行くんやけど、嗅覚はもうダイレクトに行くと。
しかもその大脳片鉛系っていうのは、本能、感情、そして記憶を司る場所、そこにダイレクトってことやねんか。
- つまり、匂いは本能とか感情とかに結びつきやすいってことやね。
- そうそうそう。
- で、まあなんか感覚としてなんかわかるわ。香水って持てるためのもんって感じあるもんね。
- うん、そうそう。匂いとさ、記憶が近いのもなんかわかる感じせんへん?
- それも香水やん。あれやろ、あの、香水のせいだよーみたいなやつ。
- いいねー、そう。ちなみにそういう匂いで記憶が呼び起こされる現象っていうのは、プルースト効果って言って、
フランスの作家のマルセル・プルーストって人が書いた小説が由来らしいんやんか。
タイトルはね、「失われた時を求めて」ってやつで、話の中で、紅茶に浸したマドレーヌを食べて幼い頃を思い出すらしい。
- もったいない。別々に食うと絶対うまいそんなん。
- そうよ。何しめらしてんのよ、お前ガリア人は何もわかってへんなと思うわ。
- あれちゃう?別々に食うたほうが良かったな、やっちまったなっていう記憶ちゃう?
- それだったら理解できる。あの、脱線したけど、握手兵器の着装っていうのは、この嗅覚の特徴を生かすと。
つまりね、大脳変異型にダイレクトアタックをかまして、本能と感情を揺さぶったろやないのっていうね、そういうやつなわけよ。
- なるほど。野原博士の靴下は大脳変異型を殴り倒す武器なんや。あれ。
- そうそうそう。これが兵器にできたら最高なんよ。だってもう他の兵器みたいにさ、人を殺さんでええから、一滴の血も流さずによ、敵が全員ゲロを吐いて逃げ出す究極のクリーン兵器が誕生するっていう。
- クリーンの定義とはっていう。でもまあ言いたいことはわかるよ。
- 現実はそんな甘くないってことで、ちょっとぐったいが直面したトホホを紹介していきますよと。紹介したい一つ目のトホホは、今から80年以上前ね、1944年の頃と。
当時は第二次世界大戦も終盤ということで、これを開発してたのはアメリカの戦略情報局、略してOSSって言って、現在のCIAの前身となったスパイ組織やねんか。
- スパイね。長砲戦で悪臭爆弾を使う機会あんの?
- これはね、ちょっと狙いが違ってて、そのOSSの研究開発責任者のスタンリー・ロベルさんって人が考えた奇策なんやけどね。
ドイツ軍の内部で発言力のあるお偉いさんがめっちゃ臭かったら軽蔑されちゃうよねー作戦なんやんか。
- まあ大真面目なのにやろうけど、ものすごくバカバカしいわ。文字通り鼻つまみ物にしようっていう話ね。
- うまいね。そうそうそう。だからドイツ軍ってピシッとしててさ、清潔、規律、威厳、これが価値観みたいな感じあるやんか。
- なんかそいつにさ、うんこ漏らしたような老い人をまとわせて、嫌意を下げたれっていう。
- 発想がコロコロコミックやん。デンジャラス爺さんが当たって頭に浮かぶもん。
- あのね、ちなみに今回全編ずっとこんな調子だった。
- 悪臭兵器っていうネタがそもそも小学生っぽい。
- まあそうね。開発人のコードネームがフーミーって言って。日本語だと誰、俺って意味やんか。つまりなんか臭いけど誰?誰?誰?え、俺?みたいなそういう意味やん。
- ドイツ人はフーもミーも言わんけどな。ドイツ語やから。
- そうやね。私隠してたけどドイツ語できるんでね。こういうときはなんて言うか教えてあげるよ。
- おーすごい。ドイツ語できたっけ?
- 日は出してないと。
- おかしいな。ドイツ語できひのに今完璧に聞き取れた。
- 出してなかったもん今。
- この悪臭兵器めっちゃ頑張って作ったらしい。これを作るのに軍需用ラボがある民間会社のアーサーDリトルっていうところが協力してさらにその会社にいた100万ドルの鼻を持つ男と言われたアーネストクロッカーさんが手がけたっていうね。
- なんかようわからんけどすごそうなのは伝わった。
- これねちゃんと完成させようのがすごい。どんなものだったかっていうと哺乳類とうんこの主成分であるスカトールとあと鼻を刺すような酸味のある不配臭。
- つまりこれはヒロシの靴下臭に近いと思うけどこれ落参みたいな。あと腐った卵の異様化合物とかこんな感じの成分をめっちゃいい感じにブレンドし濃縮した特製液化粉弁濃縮薬。これが完成いたしました。おめでとうございます。
- 試作の場面が見てみたいなアメリカの偉い軍人がさみんなバーって集まってさこれ買いでさくっさこれはグッズだとか言い合ってたん。すごいやん。
- たぶん部下に出側ポジションの人がいるんやって。
- やらされてんの。勘弁してくださいよとかやってたんかな。
- これは工作員がいい感じにポケットに隠して持ち歩いてさっと吹きかけられるように5センチくらいの小型霧吹きスプレーアトマイザーですよ。これは作ったわけ。
- 社会的暗殺兵器と言ってもいいかもよ。
- 社会的な暗殺ね。ほんまそうやん。でもねここでちょっと行き詰まってしまうと。この匂いってさ遅れて聞かすってのはマジでムズいわけ。
- だからスプレーが霧状にシュッて出た瞬間よ。猛烈なスピードで空気中に聞かして拡散するわけよ。
- そしてあの工作員にもどうしても降りかかるしすぐに勘付かれてしまうやんか。
- 自爆してまうよね。
- だからドイツ商工がコサッて振り返ったら目の前に全く同じ匂いしている工作員が棒出しているわけやんか。
- 秒でバレる。無理やわそれは。
- 一応ね少数の試作品が工作員に送られたらしいんやけど、こんなもん使ったらそこバレるわボケ。せっかく苦労して潜入してんのに何さらすとくれんねんつって大クレームが入りまして、わずか2週間程度で実戦配備が見送りになったらしい。
- 頑張って開発したのになあ。もったいないなあ。
- さてね、第二次世界大戦ではこんな風にうまくいかなかった握手兵器なんですけど、喉元過ぎれば熱さを忘れるってことで、1990年代に入ってまたこの着想が出てくると。これが次の徒歩法ですわ。
- おー50年経ってやるんや。
- そうそうそう、半世紀ぶりですよ。当時ね、冷戦が終わったばっかりでアメリカ軍はソマリアとかで紫外線してたらしい。だから第二次大戦の頃とは違ってさ、もう現代ですからもう軍にも人道的な配慮ってのが求められるやんか。
- で紫外線とかやとさ、民間人とかゲリラとかが混ざってたりして、誰を撃っていいんかとか無差別に攻撃するのは結構難しいっていう話があるわけよ。
- なるほどね。人を殺さずに退散させたいわけやん。そうなると確かに悪臭兵器いいかもね。
- そうなんや。非殺傷兵器っていうふうに言うわけやけどね。ペンタゴンですよ。米国防総省が白羽の矢を立てますと。どこかっていうとペンシルバニア州のフィラデルフィアにあるモネル科学感覚センターってとこで、なんか味覚と嗅覚の研究だよね。まじで世界最高峰らしい。
- へーガチ勢出てきたやん。
- そう。そこの認知心理学者のパメラ・ダルトン博士ってとこに依頼が来たわけ。特定の文化とか民族じゃなくて、地球上の全人類が本能的に嫌悪して逃げ出したくなるような万国共通の悪臭っていうものを作れへんもんかなってことで。ちなみにこのダルトン博士、なんと女性です。当時30代半ばやったらしい。
- 妙齢の女性になんちゅうこと頼んだよね。
- でもね、これダルトン博士の研究テーマのど真ん中やったらしくて、博士はなんで文化によって良い臭い悪い臭いが違うんかとか、なんで人は臭いに慣れてしまうんかとか、慣れないような臭いはあるんかなみたいな、そういう研究っていうのを認知の部分でやってたらしいんやんか。
- なるほど。軍の研究してたら自分の研究テーマもなんかはがどりそうやねそれね。
- そうそうそう。で、ダルトン博士は世界中から被験者集めて、白人とかアフリカ系とかアジア系とか南米系とか選手民族、いろんな国の被験者にいろんな悪臭を嗅がせて、その心拍数とか発感とかを測定するみたいなところを始めたわけなんやんか。
- 絶対被験者にはなりたくないそれ。本当に。
- 臭いの嗅がされるような街がいたくない。
- 絶対嫌。
- 研究は結構難航したらしくて、テストしてる方が防護マスクなしでは無理っていう激臭のチーズとか生ゴミ臭みたいなやつが、他の地域の被験者にはちょっと汚れた排水溝っぽい匂いがしますねとか言って、耐えられたりするみたいな。なんで耐えられるみたいなことが起きるの?
- 発酵食品とかは子供の頃から食べてたら、もしかしたらもうそんなもんかなってなるんかもね。
- そうそうそう。そんな中で、一番みんなが共通に臭いっていうのに候補に近かったのが、USGovernment Standard Bathroom Maradolって言って、直訳すると、米国政府標準便所悪臭ってやって、すでに名前が持たれてる。
- 標準便所悪臭?それ作ったってこと?
- それはもともとあってん。消臭剤の二郎が最初に言ってくれた、危機を確かめるためにあらかじめテストする場所に置くトイレの匂いを真似たもんやねんか。
- 結局、人間はみんなうんこおしっこの臭いんや。
- そうそうそう。そこには普遍性があると。でも、50年前のフーミーが、アジアでは危機が弱いって言われたように、ちょっとこれだけでは足りんと。だからダルトン博士はこれをベースに、人類が進化の過程で、このDNAに刻み込んだ生物学的危険信号を全部入れしたらどうやろうみたいなことを考えたんか。
- 生物学的危険信号っていうのは何?
- これは俺が今適当に考えた言葉なんやけど。つまり人間の生存を脅かすもんってことで。例えばフラン死体みたいなのがあったら、それはやっぱり感染症の危険もあるし、だいたいそこに死体があるってことはそこは逃げたほうがいい場所やってことやんか。
- だから人間は、そういうものをもともと本能的に逃げてきた人間が生き残るみたいな。だからフラン死体みたいな匂いはみんなが逃げるんちゃうかみたいな。そういう発想やんか。
- なるほど。
- で、結果ね、ベースのうんこ臭にフランした肉から出るプトレシンとかカダベリンとかそういうのを入れたり、生ゴミと下水の匂いみたいな硫化水素みたいなやつとか、あと群れた足とか強烈な体臭とかのところにはイソキッソー酸とか、あと焼けたゴムの刺激臭とか、こういうやつを入れまくっててんこ盛りにするみたいなやつを作ったらしいんやんか。
- すごい。悪臭の数え役魔みたいな。
- 数え役魔。そうそう。ね、おもろいのがね、なんか最後に隠し味ならぬね、隠し悪臭としてね、フルーティーな匂い入れるんやって。そうすると得体の知れない匂いになるらしいんや。なんかまあレシピは公開されてはいいみたいなんやけど。
- これ女性やろ。開発中どうしてたんやろね。
- いやめっちゃ臭かったらしい。なんかね、匂いが染み付くから、家に帰ったら玄関で服全部脱いで密閉袋に行ってシャワーに入るんやって。それでもなんか匂い取れんくて、夫がいるんやけどその人から、おいマジで臭いからもっと離れて寝てくれって言われたりとか、あと顔をね反対向けて頼むって言って、息がかかると臭いとか言われたらしい。
- かわいそう。でもおっといてよかった。婚活中やったらもう積んでたもんね。
- スーパーのレジとかに並んでたら周囲の客が不審そうになって、やがて自分の周りに物理的な距離が生まれるっていうことが起きたっていうこと。
- モースやん。もしくはATフィールドやん。
- そうそうそう。そんな苦労のせいでね開発された正規の悪臭。これ名前はねステンチスープ。直訳すると悪臭スープ。そのままやな。
- スープなんや。気持ち悪いなあ。
- それねすごいらしい。やっぱね人類文化関係なくくっさってなるのはなかなか悶絶な一品となっております。匠の技でなっております。
- 嗅いでみたくはないわ。嗅いでみたくはない。うん。ない。
- ないね。ないわ。ない。これ開発は大成功と言いたいところなんですけれども。
- おお。沢山の流れ。