神経可塑性の理解
おはようございます。えりむすです。この番組では、自分らしく幸せに生きるための学びについて発信しています。
さて、収録しているのは夜ですけれども、ちょっとさっきまでですね、心理教育のプログラムを作っていました。
犯罪を犯した方、法に触れた方、加害者の方の公正プログラムの一環として、心理教育を行ったりすることがあるんですが、
公正という観点からでの心理教育ってどんなものがあるかっていうと、例えばなんですけれども、ストレスが爆発しないように日頃から上手にストレスをコントロールできるようになるとか、
ストレス状況化を自分で作り出してしまっている場合もあるので、人とのコミュニケーションがうまくいかなくて、歪みが生じて、それに対して自分が怒りを覚えて爆発してしまったりとか、そういうこともあるので、コミュニケーションのスキルであったりとか、そういったこともありますし、
あとはカットなってやってしまったとか、よく教術とかで聞くかもしれないんですが、サスペンスとかでもですね、何か勢い余って行動してしまって、やってしまったみたいなシーンってよくあるかなというふうに思います。
そういう一時的な感情の高ぶりで取り返しのつかないことをしてしまうっていうのは、繰り返さないようにですね、そういったなんでカットなってしまうのかとか、そういう怒りをコントロールすること、アンガーマネジメントとかアンガーコントロールとかって言うんですが、
そういった内容のものを取り扱ったりします。
今日はですね、人間は変われるよっていう話をしたいなと思います。
神経過疎性の話をしたいんですが、過疎性っていうのは、変わるってことですよね。変化する可能性がある過疎性ですね。
神経過疎性というのがですね、昔は神経というのは一度作られてしまうとそのまま変化しなくなるものっていうふうに考えられてきたんです。
ただ研究が進むにつれて、神経というのはかなり柔軟なもので、たとえ成長した後でも新しい刺激を加えることによって、神経回路を組み替えて神経系のあり方を変えていくことができるということが明らかになってきたんですね。
この神経過疎性についての面白い研究がありまして、それを紹介したいなというふうに思っています。
ネズミを使った実験なんですけれども、ネズミAはよく世話をする親ネズミでした。
よく世話をするネズミって子供をよく舐めて育てるんですけれども、Aというネズミはよく舐めてよくお世話をして自分の子供を育てていたと。
一方、Bのネズミは舐めることも少なく、子供にあまり関心を示さず世話をしない親ネズミだったと。
よく舐めてもらったネズミというのは、セロトニンという幸せなホルモンを自分自身で自ら放出しているということが研究でわかったんですね。
一方、あまり舐めてもらわないで育ったネズミというのは、ストレスホルモンの値が高くて精神的に不安定になるということがこれもわかったんですね。
よく舐めるAに育てられたネズミは、そのネズミ自身が親になったときに自分の子供をよく可愛がると。
あまり世話をしない、あまり舐められることがなかったBの子供のネズミは、自分自身が親ネズミになったときに子供にあまり関心を示さず舐めることもなくというのがわかったんですね。
変われる可能性
今度は子供を入れ替えてですね、Bの子供をAに育ててもらって、Aの子供をBに育ててもらったんですね。
そしたら、生まれつきあまり舐めてもらえないBの親から生まれたネズミをよく舐めるAのネズミに育ててもらうと、その子供は、その子ネズミですね。
Bの子ネズミはセロトニーを十分に放出して安定した性格に成長したんですね。
なので、これは遺伝子的な要因よりもどのような環境で育つかというのが大きな影響を与えるということが証明されたということですよね。
逆にBに育てられたAの子供は、今度はBのようにですね、自分自身が親ネズミになった時に、あんまり子供に関心を示さないネズミになったということなんですね。
ちなみに、こうした環境で育ったネズミは、その後の成長した後もですね、危険な行動をAのネズミよりも取りやすいということもわかっています。
この研究は人間にも当てはまる可能性があるというふうに言われていて、こういうことからわかるように、人はまず変われる可能性があるというポジティブな側面もあれば、
幼少期の環境が自分自身の在り方に影響を与えてしまうというネガティブな側面も同時にわかるというような研究内容かなというふうに思います。
なので悲しい話かもしれないですけれども、親御さんが暴力を振るような親御さんだった場合に、子供が大人になった時にまた暴力を振るということが起きやすかったりとか、そういうのは実際にあったりします。
ただ前向きに考えたいのが、そういう連鎖はこういう仕組みで起きている、そういう幼少期の環境が影響して起きている可能性はあるんだけれども、ただ変わることもできるということにフォーカスしたいと思うんですね。
なのでまず大事なのは、負の連鎖は続くから諦めるしかないではなく、変われる可能性がある仮想性に注目するというのがとても大事だと思うんです。
そのためには自分自身が気づくとか周りが気づくとか、やっぱり自己理解・他者理解につながっていくなというふうに思うんですね。
幼少期の環境には確かにあり方に影響を与えるかもしれないんですが、やはりそれが全てを決めるわけではなくて、私たちの脳とか神経というのは変化する力を持っていて、新しい経験とか環境の変化を通じて自分自身を作り直すことができるんですね。
そういう神経系に対するアプローチってどんなものがあるかというと、これはまたいろいろ深い話になっていくんですが、ただ自分たちって感情によって、その物事の捉え方によってすごくイライラしたりとか、イライラすると身体の心臓がドキドキしたりとか、
そういう心と身体ってとても密接につながっていて、逆に言えば、身体に働きかけることによって心が穏やかになるとか、そういうこともあるんですね。
だから、身体からのアプローチ、ソマティックなアプローチとかって言いますけれども、そういったのもとても大事で、そういう中で今、マインドフルネスとか瞑想とか、そういったものも神経系とかの調整にも良いと言われています。
というわけで今回は、人は変われる、その可能性を示唆する神経仮想性についてのお話をさせていただきました。
私自身は絶対に人は変われるんだということを思っていて、その可能性を信じて日々仕事に臨んでいます。
それではまた次回の放送でお会いしましょう。
エリムスでした。