1. エンジニアリングマネージャーの問題集
  2. #027 ネガティブ・ケイパビリ..

マネジメントにとってとても大切な「ネガティブ・ケイパビリティ」について話しました。

<トピックス>

ネガティブ・ケイパビリティとは / マネジメントでどう活かす? / ネガティブ・ケイパビリティの一歩先


<Twitterハッシュタグ>

#EM問題集

<メッセージフォーム>

https://forms.gle/Yx2PjtoYPWtBuUY77

See Privacy Policy at https://art19.com/privacy and California Privacy Notice at https://art19.com/privacy#do-not-sell-my-info.

サマリー

エンジニアリングチームで起きている問題について、技術、組織、ビジネスといった複数の観点で深掘りしています。ネガティブケイパビリティというのは、答えを出さずに問題を解く力のことです。問題解決の方法や考え方についてお話ししています。ネガティブケイパビリティは、答えを出さないまま問題を置いておく力であり、特定の問題に対する心構えやタイミングのコントロールに役立てられます。また、自分自身の内面や異なる視点に気づかせる美術館なども、人生において重要な存在です。

ネガティブケイパビリティの概念と実際の活用
株式会社株区スタイルの後藤秀典です。
この番組では、エンジニアリングチームで起きている問題について、
技術、組織、ビジネスといった複数の観点で深掘りし、問題の正体へアプローチしていきます。
今回のテーマは、ネガティブ・ケイパビリティとその一歩先、です。
このネガティブ・ケイパビリティという言葉、もしかするとまだ聞いたことない方もいらっしゃるかもしれませんが、
実はマネジメントにとって結構大事かなと、僕自身は思っている考え方なので、
それは何なのかといったあたりから、いろいろ今日はお話しさせていただきたいと思います。
エンジニアリングマネージャーの問題集。
今日は、このネガティブ・ケイパビリティというものに関して、
私がいろいろ、どんなふうにこれを知ったのかだとか、
実際の仕事でどんなふうに活かしているのかとか、
そんな話をしてみたいなと思っています。
最初に、ちょっと関係ないかもしれないんですけれども、
皆さんがこのネガティブ・ケイパビリティを理解するのに、
ヒントになるんじゃないかなと思う話を一つさせていただきたい。
実は収録しているのが、2023年の9月19日なんですけれども、
この前の3連休に、娘と一緒に東京に出かけておりまして、
そこで東京都現代美術館へ行ってきたんですよ。
特に行く予定があったわけではなく、
フライト足を運んだという感じだったんですが、
そこでやっていた展示があって、
あ、共感とかじゃなくて、というタイトルの展示でして、
7月15日から11月5日まで開催されている展示なんですね。
ちょっと興味深い内容だったので、これを見てみました。
共感がすごく求められている世の中だよね、
というところに対する主張というか、
異なる視点というか、そういうものを提供してくれる、
一連の展示みたいなものがされていて、
そこで強く改めて感じたのが、
一つの展示を20分ぐらいの映像作品みたいなものがあったりするんですけれども、
見ていると出てくる映像に、
おそらく深い意味はないんだろうなと思うんですけれども、
なんですけど、見ていると自分の脳というか心というかが勝手に、
これってきっとこういう目的のためにこういうことをしているのかなとか、
この人はこういう気持ちでいるんだろうなとか、
そういったことを脳というか心というかが勝手に考えてしまうんですよね。
そういう自分の中の自動的に行われている活動っていうんですかね、
それは意図的に僕が考えたわけじゃなくて、
そういうふうに脳が自然に動いていたという感じではあったんですけれども、
そういう自分を観測しまして、
少なくとも僕の中には何かこうあるものを注目しているものが、
どういった目的で行われているのかというか、
ある種答えっていうんですかね、
これはこうであることが正解だみたいな、
正解を探すような活動というのが勝手に自分の中で行われているっていうことがありました。
展示の主題である共感みたいなものとちょっと軸が違ったかもしれないんですけれども、
僕の中ではその発見自体がすごく面白かったんですよね。
展示の中身に関しては、もしタイミングが合う方は実際に見ていただければとは思うんですけれども、
そういった何か分かろうとする、もしくは正解を分からなければならぬみたいな、
ある種人間の本能みたいなものがやっぱりどこかにあって、
それがあらゆるビジネスの現場っていうか、
マネージメントの現場みたいなところでも、
何か正解を出さなければいけない、当然それが求められる時もあるんですけれども、
何かより強くそちらに引っ張られてしまうというか、
いうことが起きているのかなと思っています。
で、今日話したいネガティブケイパビリティというのは、
この何か正解を出したい、もしくは正解を出さなければならぬといったことに対して、
一石を投じるというか、ちょっと違った解決策というか、
アプローチの仕方、考え方みたいなものかなと思っています。
僕がこのネガティブケイパビリティという言葉、
言うだけでちょっと気持ちよくなっちゃうような横文字なんですけれども、
これを初めて知ったのは割と最近でして、
前職、メルカリ時代ですね。
で、仕事をしていた時のある上司からワンオワンの中で教えてもらいました。
後藤さんはネガティブケイパビリティという考え方があるんですよという感じで。
本当にそれを聞くまでは全然この考え方を知らなかったですね。
当時の僕、いろいろ難しい課題にぶち当たっていて、
マネージャーとしても成果を出しきれないというか、
自分が正しいと思って取り組んでいてもなかなか結果に結びつかないみたいなことで、
問題解決の考え方とリソースの効果的な利用
結構悶々としていた時にそういった考え方を教えてもらったというところがあります。
ネガティブケイパビリティ、僕の言葉で説明すると、一言で言うと、
答えを出さないままにしておく力というんですかね、スキルというか。
そういった考え方かなと思っています。
なので、それの反対を答えを出す方なので、一般的に皆さんが普段やっていることだと思うんですよ。
問題が起きたらその問題の原因は何かだったりだとか、
その問題の原因に対してどんな解決策があるのか、どの解決策が効くのか選択して、
実際それを実行していくみたいな形で問題を解いていく。
その問題の解き方がある種、効果が発揮されれば正解だというような感じで、
そういった答えを一定の仮説内容を出し、正解というかあるべき姿に向かわせていくということが、
特にマネージャーの仕事ではあると思うんですけれども、
僕自身もとにかく問題を解決したいタイプの人間なので、
目の前に見えてくる問題がある程度自分のフィルターをかけて大事な問題だと思えるものに関しては、
とにかくがむしゃらに解いていこうとしていたという時があるんですけれども、
ただやっぱり一人の人間ができることって限りがあるわけじゃないですか。
時間的な問題だったりとか、考えられる限界だとかもあったりするので、
全部の問題を解こうとしていてもうまくいかなかったりとかする中で、
このネガティブケイパビリティという概念に出会ったといった感じですね。
先ほども言ったように答えを出さないままにしておく力という感じなんです。
これを聞いて、本当にそれって意味があるのって思う方もいらっしゃると思うんですよ。
聞いてる方には。問題ってわかってんだったら、とにかく問題解けよって思う方もいらっしゃると思うんですが、
やっぱりリソースは有限だったりするので、
特にビジネスの現場においては、リソースを効率的に使っていくということが一定というかかなりの程度求められます。
その一定のリソースの中で解くべき問題は何かを決める。
ということは解かないでおく問題を決めるということでもあるので、
何を解かないかという部分は問題を解かないままにしておく。
答えを出さないままにしておくということでもあるので、
そういった観点でも一定のネガティブ・ケイパビリティ的な行動というのは
意図的ではないにせよマネージャーの皆さんは特にこれまで使ってきてるんではないのかなと思ったりもします。
答えを出すというか問題をすぐ解くことだけが優先順位の話だけではなく、
問題そのものをすぐに解かれるべきものじゃない場合もあるかなと思っていて、
極論すると優先順位と非常に近い話ではあるんですが、
解くべきタイミングではないだとか、
これもタイミングの言い換えみたいになっちゃうんですけれども、
問題自体の大きさがそこまでではないみたいな状態だったりだとか、
自分ではない誰かが解いたほうがいいとか、そういった場合もあるかなと思うんですよね。
なので、問題だからといって全部すぐに解くっていうわけではなく、
何らかの状況判断の結果、自分がその問題を問題のまま抱えておくっていうことが、
結果的に1年後とか、そういう時を見据えた上で、
正しい、より良い選択になっていることっていうのが結構あるのかなと思っています。
ちょっと話忘れちゃったんですけれども、
このネガティブ・ケイパビリティっていう概念、
割とそんなに歴史の古い言葉ではなく、
あと割と最近注目されている言葉でもあるかなと思っていまして、
不確実性の高い世の中というか、
より変化の激しい世の中で求められているスキルみたいな紹介のされ方をすることが多いかなと思っています。
なので、将来が見通せないという前提に立つと、
今見えている問題、これが問題の全貌とは限らないんですけれども、
見えている問題、問題の一部に対して何らかの答えだったり解決策を出して手を打ったとしても、
3ヶ月後、半年後には何か問題の別の側面が見えてきて、
打った手が場合によってはより悪い方向に作用してしまうようなケースもあるかなと思うので、
そういった場合も踏まえて、より問題の形がはっきりするまでは解かないでおくというような考え方という形で導入される時もありますよね。
といった昨今注目されているネガティブケーパビリティというものです。
このネガティブケーパビリティというものを上司から教えてもらって、
私自身現場で何となくネガティブケーパビリティというものを意識して、
自分のマネージメントというものをよくすることができたのかなと思っております。
特に問題を解かねばならぬと思っていた時期からすると、
解かなくてもいいというか、むしろ解いてはいけないというか、
解かないままにしておくという選択肢を一つ自分の道具として持てることで、
自分自身のリソースだったりチームも含めたリソースというのが有限である中で、
より今何を解くべきなのか。
今解くべきじゃない問題に対しては何でしょう。
ただ寝かすというのもあるし、何らか準備だけはしておくとか、
そういう考え方をより柔軟に持てるようになるんですよね。
それ以前というのは分かった問題に対してはとにかく全部並べて解いていかなければならぬ
みたいな感じだったので、なかなか自分自身の力の使いどころが
うまく調整できなかったりだとか、もしくはすごい大事な問題だと思って取り組んでも
組織に刺さらないというか、別の言い方をすると結果に結びつかないだったりだとか、
そういうことが起こっていたので、それと比べるとだいぶ結果というものを意識しながら
どうやったら結果を出せるのかというところをよりコントロール可能になったというか、
そういった考え方をできるようになったのかなという気もしています。
ネガティブケイパビリティの意義と注意点
なので結果に結びつきやすいというのとネガティブケイパビリティが直接結びついているわけではないんですけれども、
タイミングをコントロールするという考え方に至ったのがネガティブケイパビリティだったというところがあるので、
もちろん聞いていらっしゃる皆さんの中には特にネガティブケイパビリティという概念がなくとも
うまくタイミングのコントロールとかされている方もいらっしゃると思うんですが、
僕自身に関してはここがマネジメントの幅を広げるきっかけの一つだったのかなというふうに思っています。
ここまでお話しするとネガティブケイパビリティってすごいいいもんだっていうか、
どんどんネガティブケイパビリティを身につけようみたいになるかもしれませんが、
ここは一つ注意しておかなければならない点があるのかなというところをお話ししたいと思います。
それは何かというと、ネガティブケイパビリティって答えを出さないままにしておく力というか、
そういう選択肢ということなんですが、何でもかんでもネガティブケイパビリティということを理由にして
答えを出さないことがいいことであるように考えがちになってしまう時期があるんじゃないのかなと思うんですよ。
僕にはありました。
で、それってやっぱり本来あるべき姿じゃないわけですよ。
本来やっぱり一定な答えを出さなきゃいけないものは当然あるわけですよね。
特にタイミングとして今やらなきゃいけないのか、今でなくてもいいのかみたいな判断をした上で、
今やらなくてもいいものは答えを出さないまま持っておくっていうのがネガティブケイパビリティなので、
今答えを出さなきゃいけないものまで答えを出さないってするのはちょっと違うわけですよ。
ここは間違っちゃいけないところかなと思っています。
一度ネガティブケイパビリティっていう考え方を知ってしまうと、
何が今答えを出すべきで、何が今じゃなくてもいいのかっていうところの判断基準っていうのがすごく曖昧になってくるんですよね。
ここを改めて自分の中で確立する必要があるのかなと思います。
ここがネガティブケイパビリティは便利なんだけれども、
モロ派の剣として、ネガティブケイパビリティが悪い方向に行かないようにするための歯止めのようなものとして、
ある程度あらかじめというか、意識的に考えておいたほうがいいことかなと思っています。
問題解決の優先順位とタイミングのコントロール
僕の中ではどんな基準があるのかっていうと、大きく2つぐらいあるかなと思っていて、
結構当たり前な感じの基準ではあるんですけれども、当然ですが問題の優先順位、重要度みたいなものをちゃんと客観的に自分で判断しろと。
優先順位が高くて重要度も高いような問題を今答えを出さないってしてたら当然おかしいので、
そういった問題はちゃんと答えを出していく。
例えばそこまで緊急ではない重要な問題、これはアイゼンハワーのマトリックスとかだと、それもちゃんと取り組んでいくべきっていう指針があったりもするんですが、
例えばそういうものをリソースの都合によってだとか他の理由によっては今は答えを出さないとすることもあるかなと思います。
なのであくまで自分だったり事業戦略だったりみたいなところから見たときの優先順位、重要度みたいなところで今答えを出すべきなのか、今じゃなくてもいいのかっていうのを判断するっていうのが1つですね。
あと何回か前のこのポッドキャストで紹介した偉大な組織の最初抵抗経路という本に書いてある考え方であったりするんですが、
何か組織の変革的な改善活動ですよね。そういったものを進めるときに組織全体が持っているモチベーションというか、
組織全体が持っているモチベーションというか、そういったモチベーションを持っているというか、そういったモチベーションを持っているというか、
あるとやっぱりうまく進むので、そういう力の作用みたいなものに乗っけるというのが非常に大事なんですよ。
今やるべきか、今じゃないのかっていうことを判断するときに、そういったベースにある力学的なものが発生してるのかしてないのか、今あるのかないのか、
もしくは半年後までにそういった力学みたいなのを、モーメンタムみたいなものを作っておいて、じゃあそこから問題の時にかかろうとか。
そういった考え方で今なのか、今じゃないのかっていうのを判断したり、判断というか、どっちかというと設計する的な感じかもしれないんですが、
っていうことをしたりしますよね。
というので、たぶんまとめると、この答えを出さないままにしておくっていうこと自体は非常に大事なんですが、
とても有用だし、僕自身、マネジメントのスキルがおそらく一段階上げられたきっかけになった考え方だと思っているんですけれども、
同時に、じゃあ今やるべきことは何か、今じゃなくてもいいことは何かっていうことを見極める力ですね。
これは何と呼ぶのかわかんないんですが、そちらも合わせて持っていただくように皆さんは意識していただけるといいのかなと。
そういった物事のタイミングをコントロールするマネジメントっていうんですかね。
そういったことができると、このネガティブ・ケイパビリティみたいな個々の問題に対する心構えというか、
いうところもよりうまく使いこなせるんじゃないのかなと思っております。
はい、というわけで今日はネガティブ・ケイパビリティということについて、私が知ったきっかけだとかいろいろお話しさせていただきました。
正直、僕の中でもまだまだ体系立てて整理されたような状態でもないんですけれども、
とはいえ何か一定現場でも使えてるかなというところで紹介させていただいたので、こういった概念他にもいろいろあるので、またお話ししていければなと思っています。
それから今日美術館の話もしたりしたんですが、普段の仕事だとか日常生活から離れて、
自分自身の内面だったり、ちょっと違う視点だったり、そういうところに気づくきっかけを与えてくれるものかなと思って、
僕自身は結構好きだったりするので、そういった場みたいなところも皆さんの人生の中でもいろいろあるかなと思うので、
こういうところに行くと面白いですよとか、そういった声も聞かせていただけると私の参考になったりします。
さて、この番組では感想や質問、リクエストなどお待ちしております。
番組詳細欄にあるリンクよりお気軽にご投稿ください。
TwitterではハッシュタグEM問題集をつけてツイートしてください。
EMはアルファベット、問題集は漢字でお願いします。
そしてApple PodcastやSpotifyのPodcastではレビューもできますので、こちらにも感想を書いてもらえると嬉しいです。
お相手は株式会社株区スタイルCOO兼CTOの後藤秀典でした。
22:51

コメント

スクロール