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考えは言えるのに理由が言えない子どもたち
2026-08-26 09:03

考えは言えるのに理由が言えない子どもたち

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全国学力テストの分析結果を取り上げます。国語と英語に共通する弱点として、根拠を示して自分の考えを表現する力が挙がりました。考えは書けているのに引用の条件を満たせない小学校の記述問題、賛成か反対かは言えても理由が続かない中学英語の話す問題。算数と数学の割合や図形の課題、そして読書や自分から取り組む姿勢と正答率の関係まで見ていきます。

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教育カフェテラスの時間です。進行役の水野太一です。
アシスタントの高橋紗友香です。この番組では、国内外の教育の話題を2人で掘り下げています。
今日は、大きな調査の話だと伺いました。
全国学力テストです。正式には、全国学力および学習状況調査といいます。
その分析結果が公表されました。
平均正当率は何件で何、という話でしょうか。毎年その報道を見る気がします。
順位の話は今日はしません。今回出てきたのは、どの問題でつまづいたのか、という中身の方です。
教育業界ニュースのリシードの8月4日の記事を元にお話しします。
中身がわかるのは、現場としてはありがたいです。
調査は今年の4月20日から5月29日にかけて、小学6年生と中学3年生を対象に実施されました。
教科は小学校が国語と算数、中学校が国語と数学と英語です。
英語が入っているんですね。
今年は中学校の英語で、聞く、読む、話す、書くの4つを、すべてパソコンで受ける方式にしたのが大きな変化です。
パソコンで話す問題を解くというのは、どんな感じなんでしょうか?
画面から音声が流れて、自分の答えを吹き込みます。その中身が、今日の話の山場になります。
平均正答率はどのくらいだったのでしょうか?
小学校が国語61.1%、算数56.6%、中学校が国語64.2%、数学57.4%です。
英語は方式が違うので、平均正答率という形では出ていません。
そう聞くと、極端に低いわけではないように思えます。
全体の数字だけを見るとそうです。ところが、特定の説問だけがはっきり落ち込んでいます。そこに共通点がありました。
共通点ですか?
国語と英語に共通する弱点として上がったのが、根拠を示して自分の考えを表現する力です。
考えを書くこと自体ではなく、根拠の方なんですね。
小学校の国語で正答率33.6%だった記述の問題があります。
暑い夏を快適に過ごすための衣服の工夫という報告文の続きを書く問題です。
想像がつきます。資料を読んで自分の考えを書くやつですね。
正答した子は、資料から白は熱を反射し、黒は吸収するという事実を正確に引用しました。
その上で、白い服を着る方が涼しく過ごせそうだという自分の考えを区別して書けていました。
事実と考えが分かれているということですか?
そこが評価されています。では誤答はどうだったか。考えそのものは欠けている子が多かったんです。
え、書けていたのになぜ点にならないのでしょうか?
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本の題名や本文の一部を適切に抜き出せていない、引用したところを鍵カッコで示していない、
そうした回答の条件を満たしていないケースが多かったと分析されています。
それは考える力ではなく書き方の作法の問題に聞こえます。
私も最初はそう思いました。ただ、どこからどこまでが人の言葉で、どこからが自分の言葉か、
それを分けて示すのは作法であると同時に考え方そのものでもあります。
あ、分けられていない子は多分自分でも境目が見えていないんですね。
国立教育政策研究所も考えと根拠を区別して表現することを意識させる指導が重要だと書いています。
中学校の国語でも同じ形の問題が39.3%でした。
小学校から中学校までずっと同じところでつまずいているということですか。
そして英語でその姿がもっとはっきり出ます。
今回一番正当率が低かったのは話すことの問題で25.8%でした。
4人に1人ですか。かなり低いです。どんな問題でしょうか。
社会的な話題について流れてくる音声を聞いて、それを踏まえて自分の考えと理由を英語で話すという問題です。
日本語でも難しそうです。
正当した生徒の答え方が具体的に紹介されています。
相手の意見に賛成だと述べた上で、自分は昼食の後によく眠くなるからと理由を続けていました。
自分の経験を理由にしているんですね。
誤答の方を聞いてください。賛成か反対かという考えは述べられているんです。
そこから理由が続かない、あるいは内容が噛み合わない、そういうケースが多かったと書かれています。
国語と全く同じ形です。考えは言えて理由が言えない。
さらに細かい分析があります。学力が真ん中あたりの層でもおよそ3割が理由を述べられませんでした。
下の方の層ではおよそ3割から4割が無回答です。
無回答というのは何も吹き込まないということですか。
黙ったまま録音が終わります。この問題全体でも無回答率が17.0%でした。
それは点が取れないより重い気がします。
私も同じところが気になりました。わからないなりに何か言うという行動が起きていません。
次に正答率が低かった各ことの問題も同じ傾向です。
正答率28.4%で一番上の層は8割以上が正答した一方一番下の層はおよそ4割が無回答でした。
できることできないことで差がついているというより各かどうかで分かれています。
算数と数学の方も見ておきます。こちらは根拠ではなく理解の中身に課題が出ました。
どんなところでしょうか。
立法体の体積の求め方、元にする量と比べる量と割合の関係、それから2本の直線が平行になる条件です。
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小学校で2つ、中学校で2つ、正答率が4割を下回った説問がありました。
割合は毎年ここで話題になっている気がします。
文部科学省は図形を具体的な活用の場面と結びつけて考えさせること、
それから量と割合の違いを図で表しながら理解を深める指導が重要だと分析しています。
公式を覚えるよりどの場面で使うのかということですね。
質問紙の調査でも面白い関係が出ています。
質問紙というのは生活について聞く方ですね。
課題の解決に向けて自分から取り組んだと考えている児童生徒、
パソコンやタブレットを使うことに自信がある児童生徒、
そして読書が好き、読書は役に立つと考えている児童生徒ほど、
各教科の正当率が高い傾向がありました。
読書はまた出てきました。前に読む力の話をした回がありました。
あの時と同じ場所を指しています。好きかどうかが点数も外にあるのに点数と結びついています。
英語についても何か出ていたのでしょうか。
はい。その場で自分の考えを伝え合う活動や、
自分の考えを英語で書く活動に取り組んでいると受け止めている生徒ほど成績が良い傾向でした。
練習した子ができているという当たり前の結果にも見えます。
当たり前なのにそこが一致していないから課題として出ているわけです。
私はこの調査で一番大事なのはそこだと思っています。
どういうことでしょうか。
理由を言う力は才能ではありません。理由を言う場面を何回通ったかで決まります。
話す問題で黙ってしまった生徒は黙るしかない練習量だったという可能性があります。
授業の中で理由を言う場面って思っているより少ないかもしれません。
私の実習でも答えを言わせて正解と言って次に進んでいました。
なぜそう思ったのかと一言足すだけでその場面が生まれます。
今日から足せるのはそこだと思います。
私この調査結果を子供の学力が下がったという話として聞き始めました。
でも聞き終わってみると指導のどこが抜けていたかを教えてくれる結果でした。
考えは言えているんですよね。それを言えているうちに理由を足す練習をさせたいです。
全国学力テストは順位を見るための調査ではなくどこでつまずいたかを見るための調査です。
考えと根拠を分けて言う。今回の結果はその一言に集まっています。
教育カセテラス、今日はここまでです。
最後までお聞きくださってありがとうございました。
よかったら目の前のお子さんになぜそう思ったのかを聞いてみてください。
また次回もお付き合いいただけたら嬉しいです。
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