コベカツによる改革
みなさん、こんにちは。教育カフェテラス水野太一です。
こんにちは、高橋紗友香です。きょうもよろしくお願いします。
きょうは、東洋経済オンラインの2025年9月28日掲載の記事、
過労死ラインの教員が激減、部活動の地域移行コベカツだけではない神戸市の改革をテーマにお話しします。
タイトルによるコベカツって初めて聞く言葉ですね。どんな意味なんですか?
コベカツは、神戸市の部活動改革の取り組みの名称で、学校単位の部活動を地域に移行するものです。
正式には、神戸の地域クラブ活動を略してコベカツと呼ばれています。
2026年9月から本格的にスタートするんですよ。
へえ、学校の部活動が地域で行われるようになるんですね。どうしてそういう改革を始めたんですか?
背景には、教員の長時間労働の問題があります。
神戸市では以前、中学校教員の27%が過労死ラインを超える月80時間以上の時間外勤務をしていたんです。
ですが、改革の結果、今では7%にまで減ったんですよ。
すごいですね。そんなに減ったのはコベカツだけが理由ではないんですよね。
その通りです。神戸市の教育委員会は2013年から働き方改革を続けていて、
例えば教材費の就勤システムの自動化、教頭補助スタッフの配置、夜間の電話対応、児童音声に変更など様々な工夫をしてきました。
なるほど。学校行事の見直しなんかも当たって聞きました。
そうですね。運動会や文化祭以外の行事、例えば2分の1成人式や地域フェスティバルのような行事を廃止して教員の負担を減らしたそうです。
行事の縮小は学校単独では難しいので、教育委員会が全体方針として実施したんですね。
確かに、学校だけで決めると、保護者の理解を得るのも大変そうです。教育委員会がバックアップしてくれるのは安心ですね。
その通りです。さらに、部活動も2018年から活動時間の上限が決められて、朝練廃止や週2日の休業日を設けるなども制度を整えてきました。
これが小部活に発展していった流れなんです。
部活動が地域に移ると、先生たちはその分時間はできそうですけど、生徒たちはどんな感じなんですか?反対の声もあるのでは?
一部の保護者からは不安の声もありましたが、子供の活動の選択肢が増えるという点で、理解が広がっているそうです。
生徒の多くは意外と冷静で、あれば参加するし、なければないで構わないという考え方が多いそうですよ。
生徒の方が柔軟なんですね。それにしても、地域のクラブが1000団体も応募してるってすごいです。
そうなんです。神戸市の約1100の中学校部活動のほとんどをカバーできる規模なんです。
ただし、種目や地域によっては指導者が足りていないので、今は教育委員会が協議団体などと連携して補っている段階です。
でも、地域の指導者不足って全国的にも課題ですよね。神戸市はどう対策してるんですか?
メンタルヘルスの重要性
教員の中にも、兼業許可を取って地域クラブの指導に加わる人がいますし、自分でクラブを立ち上げようとしている教員もいるそうです。
指導したい人としたくない人、両方が満足できる形を目指しているんですね。
柔軟ですね。働き方改革が進むと、教員もプライベートの時間を大事にできるようになりますね。
そうなんです。男性教員の育休取得率も45.9%まで上がっています。
以前では考えられなかった数字です。しかも、1ヶ月近く休む人も多いようですよ。
育休を取る先生が増えて、後任の先生もちゃんと配置されるようになったら、より働きやすくなりそうです。
そうですね。その一方で、メンタルヘルスの課題も残っています。
2023年度の調査では、65%の教員がメンタル不調を感じたことがあると回答しているんです。
そんなに多いんですか。教員はどんな対策をしているんですか?
2025年度から産業用2名、保健師を5名に増員して、教職員専用の相談体制を整えたそうです。
審査用教員への面談も実施して、支援体制を強化しているとのことです。
働き方改革って、単に残業を減らすだけではなく、心のケアまで含めての取り組みなんですね。
その通りです。そして神戸市が目指すのは、ちょうどいい教育活動なんです。
行事も働き方も、しつこすぎず単白すぎず、社会の変化に合わせて調整することが大切だとしています。
ちょうどいいっていい言葉ですね。先生同士の関わりも、行事もバランスが大事なんだなと感じます。
教員同士のコミュニケーションも、程よい距離感が必要なんですよ。
働きやすさと教育の質、その両方をどう両立するかが、これからのテーマになりそうですね。
今日は神戸市の神戸活動と働き方改革の話を聞いて、教育現場の変化のスピードに驚きました。
改革って、上からだけじゃなく、現場の意識が変わることでも進むんですね。
まさにそうです。制度と意識、この2つの改革が重なってこそ、真の意味での働き方改革になりますね。
私も将来先生になったら、自分にとってのちょうどいい働き方を見つけたいです。
リスナーの皆さん、今日も最後まで聞いてくださってありがとうございます。
次回も、教育の今を一緒に考えていきましょう。