スピーカー 2
まあまあ、最悪5分で終わりますから、ちょっと我慢させてもらって。
スピーカー 1
はい、ということで、今日やっていきたいのは歌詞の検討ですね。
スピーカー 2
はい。
スピーカー 1
はい。で、これまでモメンのハンカチーフをやって、あとルージュの伝言ですね、をやってきました。
うん。
で、まあ、それなかなかね、お便りもいろんなお便りいただきまして、で、今回3曲目になるんですけど、今回はですね、吉田卓郎の永遠の嘘をついてくれ。
うん。
はい。こちらをやっていきたいなと思います。
はい。
で、どうしよっか。先に聞く?
スピーカー 3
聞いてみましょうかね。
スピーカー 2
ねえ、聞いてみましょうか。音源聞いてみましょう、ぜひ。
スピーカー 3
まだね、予習してない方もいらっしゃるかもしれないんでね、みんなで。
スピーカー 1
うん。ちょっと待ってくださいね。共有共有。再生していきまーす。聞こえます?
スピーカー 3
聞いてるわ。聞こえ、まあまあでかかったです。
スピーカー 1
でかい?こんぐらいかな?
スピーカー 3
あ、そんぐらいそんぐらい。そんぐらい。
よし、じゃあ。
スピーカー 1
じゃあ、頭から。
頭からいけます。
はい。
で、えっとね、一応歌詞もこっちにあるんで。
スピーカー 3
あ、ありがとうございます。
スピーカー 1
はい。
はい。
え、今聞き終わりましたけど。
スピーカー 2
まあ、嘘をついてくれと、いうことがわかりました。
スピーカー 1
ちょっとアウトロが長くて、迷いましたね。
うん。
どうしようこれ。30秒ぐらいあるけど、たぶん要因を楽しみたい人いるよなみたいな。
うんうん。
ことをね、考えながら聞き終わりましたけど。いやー、さっぱりだな。
なんか、過去一さっぱりな気がする。
スピーカー 2
うん。過去一さっぱりですか?
スピーカー 1
過去一さっぱりですね。
スピーカー 2
あー。比較的ね、具体的な情景が浮かんでくる歌だと思いますけど。
スピーカー 1
あー、そうっすか。僕はもう、どうやらニューヨークは粉雪の中らしいっていうことしかちょっとわからなかったんですけど。
スピーカー 3
レミオロメイを想像したんですよね。
スピーカー 2
そうですね。
スピーカー 1
あー、まあ確かになんか具体的なことは言ってますよね。なんか、見知らぬ誰かの下手な代筆文字とか、上海の裏町でとか。
これどういう、どういった曲なんですかこれ。ちなみに室さんの選曲なんですけどこれ。
スピーカー 2
そう、今回僕が選曲をさせていただいて。僕、あのあれなんですよ。吉田卓郎が好きなんですよね。
スピーカー 3
へー、知らなかった。
スピーカー 2
で、中島みゆきも好きなんですよ。
スピーカー 1
うん。
スピーカー 2
で、この曲って中島みゆきが吉田卓郎のために書いた曲なんですよ。
スピーカー 1
おー、なるほど。
スピーカー 2
で、曲のリリース自体は1995年なんですけど、それに先駆けて吉田卓郎の方から中島みゆきに曲を依頼したみたいなんですね。
で、ちょっと本当かどうかはここはわからないんですけど、東京のね、代々木の無国籍レストランでワイングラスを傾けながら吉田卓郎は言ったらしいんですよね。
吉田卓郎は図紙の家でね、庭をめでながらモズ鳥が飛んでこないか空を気にしたりして暮らしているっていう、
吉田卓郎が一世風靡して陰虚ムードがあったんだと。
で、遺書のような歌詞が欲しいんだと中島みゆきに頼んで。
で、中島みゆきがそれに対するアンサーとして出してきたのがこの曲だったと。
で、別のニュースソースからだと吉田卓郎から実際の俺は夢のない中年男だから夢のない歌をと依頼された。
だからそのもう陰虚ムードの吉田卓郎が歌うべき歌で、かつファンに対する遺書のような形になる歌ということで、中島みゆきに依頼された曲ということです。
で、この曲の解釈としては結構ね固まったものがあるらしくて、一つは学生運動の曲みたいなんですよ。
中島みゆきはこの1995年に作られた永遠の嘘ついてくれの他に、
例えば1977年に祭囃子っていう曲を作っていたりとか、1983年に誰のせいでもない雨がっていう曲を作ったりとかしていて、
どの曲も学生運動に失敗した人の曲っていう解釈が定説みたいなんですよね。
この曲も学生運動に失敗したんだと。
で、主人公の俺はおそらく学生運動からドロップアウトして普通にサラリーマンになって日本社会で生活しているんだ。
で、手紙を送ってきた方、君はおそらく学生運動を続けて国際指名手配とかを受けてテロリストとして指名手配を受けて日本にいられなくなったんだ。
で、この日本にいられなくなったっていうのが、この国を見限ってやるのは俺の方だと追われながらほざいたっていうところでおそらく出てるんじゃないか。
で、このテロリストになったであろう、自分の古い友達っていうのから手紙が来て、彼がどうなっているんだろうっていう、そういう曲なんだっていう話。
これは音楽史的にはちょっと面白い話っぽくて、中島美幸は今71歳で吉田卓郎は今77歳で6歳差があるんですけれども、
吉田卓郎がデビューしたのはイメージの歌っていう曲でデビューしていて、これは学生運動が下火になりつつあったタイミングでデビューしてるんですよね。
で、その後その次の次の年に出した結婚しようよっていう曲があるんですけど、この吉田卓郎の結婚しようよという曲とか井上陽水の傘がないっていう曲っていうのは何の政治性もない曲であって、
それまでの歌っていうのは政治的な話っていうのをずっとしていたんだけれども、その政治性のないフォークソングっていうのが若者の歌にとって変わったんだ。
吉田卓郎はそういう世代の歌手なんだ。で、例えば吉田卓郎、井上陽水、小倉圭、松桃屋由美っていうのがこの反革命4人組と呼ばれてたりとかして、政治的ではない人たちであったんだと。
で、そういう風な政治的でない曲を歌っていた吉田卓郎に対して、中島美幸っていうのがある種の政治性を出しながら、かつ遺書みたいなこと言ってんじゃねえよと。
中島美幸は吉田卓郎のすごいファンで、追っかけみたいなこともしてたっぽいので、この吉田卓郎に対しても永遠の嘘をついてほしいと。
あなたがメッセージソングを出していたのだから、その遺書を書いて終わりにするみたいな話ではなくて、これからもちゃんと嘘をつき続けてほしいっていうこのダブルミーニングになっている曲なんじゃないかっていう。
そういう風な解釈が可能な曲なのかなと思っています。いかがですかね。
スピーカー 2
多分その、漁師さんがいるから客権一つぐらいはあるんじゃないかな、銃砲店って。
スピーカー 1
ええ。
スピーカー 2
中須川端にあるんだけど、入り口はね宝くじウルヴァンになってて、ちょっと見えづらい。
怖すぎやろ。秘密みたいな。
スピーカー 1
合言葉とかいらないですよね。
スピーカー 2
どうだろう、いるのかもしれない。入ったことないからわからないけど。
スピーカー 1
そういうところを襲ったりしてたってことですね。
スピーカー 2
そうそうそう。
スピーカー 1
へえ、全然知らんかったな。
っていうか、あれっすね、そういうことを知らないと本当の意味がわからない曲って結構あるんでしょうね、今思った。
スピーカー 3
これニューヨークが出てきてるのは何でなの?ニューヨーク。
スピーカー 2
ええとね、僕この解説をあんまり信頼してないんだけど、
成田っていうのは成田闘争っていう学生運動がすごく流行ってたときに成田空港を建設しようとしてて、建設するときに政府が結構強引に農民の土地っていうのを接種したんですよね。
で、それに反対してそこにバリゲードを作って機動隊と戦うっていうことをやってたんですよ。
それは成田闘争って言うんですけど、だから成田からニューヨークっていう、何ていうかな、当時学生運動の人たちが倒そうとしていたものですよね。
米帝とかアメリカ帝国とか資本主義みたいなものっていうのと、あと上海ですよね。
彼らが成し遂げようとしていたものっていうのが、彼が国を出た後にどっちに行ったのかわからないっていう話だと思うんですよね。
国を出た後にやっぱりこのイデオロギーは良くないと思ってそれを捨てて、ニューヨークに行って、でニューヨークで死にかけているのか、
それともイデオロギーを持ったまんま上海にいて、でその上海で死にかけているのかわからないっていう話で。
スピーカー 1
それを確定したくないっていう話なんです。それを確定したくないから、どっちにも行けずにこの街で酔ってるんですよね。
スピーカー 2
ニューヨークに行って、そいつがそこにいるっていうことがわかってしまえば、そいつがそのイデオロギーを捨ててしまったっていうことがわかる。
っていうのは、この歌詞の主人公もこのイデオロギーを捨ててしまうっていうのが、自分は捨ててしまったわけですよね。
日本で生きていくために。その捨ててしまったことに対しておそらくじつくじたる思いがあって、で後ろめた差があるわけですよね。
でこの友達がこの世界のどこかで今もその理想のために戦っているっていうことを自分は信じたいわけですよね。
だから永遠の嘘をついてほしいわけで、で彼の人生は多分大変だったと思うんだけれども、
その大変であったっていうことが全部嘘だったとは言ってほしくないわけですよね。
だから出会わなければいない人といないと言ってほしいんですよね。
それは彼がこのような活動に行くまでにおそらく出会った人たちっていうのがたくさんいて、
でその人たちに出会わなければ自分も日本でちゃんと生活して出世できたんじゃないかって思ってほしくない。
自分がやったことが正しかったと思ってほしいっていう、まあそういう曲なんじゃないかなと思ってる。
スピーカー 3
なるほどね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
うーん。
なるほどね。
スピーカー 3
すごいね。
スピーカー 2
一同 笑
中島美之からしてみれば、ずっとかっこいい先輩だった吉田拓郎っていうのが
遺書書いてくれみたいなうじゅうじしたことを言ってくるから。
うんうんうん。
スピーカー 3
うん。
だっさい感じになってんなみたいなのがあったわけですね。中島美之から見たら。
スピーカー 2
そうそうそう。
そうそう。もうあんたはもうつき続けるしかないでしょうというのもあったのではないかと。
スピーカー 3
なるほど。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
なるほどね。
スピーカー 2
うん。
で、吉田拓郎の世代からしてみたら、仲間がおそらくみんな学生運動してたはずなんですよね。
うんうん。
で、その学生運動みたいなものから自分はドロップアウトして資本主義的に成功して。
うん。
で、全然政治的でない曲を歌って、それで対象に推奨に受けて出世したみたいなことがあって。
うんうんうん。
うん。そうやってあなたはやってきたじゃないのっていう。
うんうんうん。
うん。それが全部嘘だったみたいなことになりますかねみたいな話なんじゃないのかなっていう。
スピーカー 1
なるほどね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
一度は夢を見せてくれた君じゃないかとか。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
もうあの、メッセージなんですね。吉田拓郎に対する。
スピーカー 2
うん。そうなんじゃないかなと思うんですよね。
ああ。
うん。だから、その、ね、自分の図志の別荘とかで。
うんうん。
陰虚して、ゆっくり死んでいくんじゃなくて、傷ついた獣は最後に最後の力で牙を剥かなきゃいけないんじゃないか。
うんうんうん。
うん。
スピーカー 3
じゃあこの後の、その、なぜと、振り返しなぜと尋ねても、振り払い、風のように鮮やかに、人はみんな望む答えだけを聞けるまで尋ね続けてしまうものだから、みたいなのは、
うん。
まあ、なんていうの、大衆というか属性にいると、いろいろと、こう、聞かれる。けど、それは、その人は、が望む答えを言うまでずっと聞かれるから、望む答えを言っちゃって、
うん。
なんかしがちだけども、無視しちまえよってこと言ってるってこと?
スピーカー 2
そうだと思います。
スピーカー 3
なるほどね。
スピーカー 2
これが、その、テロリストの文脈だと、あなたは人生を後悔してるって言えっていう風に、たぶんみんなから来るんだけれども、それを言ってほしくないっていう話だと思うし、
うんうん。
吉田卓郎にも、また同じことが言えるんじゃないのかな。
うんうんうん。
スピーカー 1
うん。
スピーカー 3
なるほど。
うん。
中島みゆきかっこいい、みたいなやつじゃないですか、これ。