印刷する技術のきっかけというか、
始まり、始まりではないんだけど、
重要な発明、活版印刷というものがあります。
世界の三大発明と言われているんですけども、
三大発明の一つなんですけども、
火薬と裸信版、そして活版印刷。
これがやっぱり社会を変えた発明機械だなと思うので、
今日はその話をしていこうと思います。
今日はグーテンベルグの印刷機、活版印刷のお話です。
まずちょっと違う話から入るんですけど、
地、地球の動かし方という漫画、
読んだことありますか、みなさん。
私好きな漫画で、漫画も見たしアニメでも見たんですけど、
その中世ヨーロッパを舞台に地動説を信じていた人たちの話なんですよね。
当時の教会っていうのは天動説を正しいとしていて、
その地動説を唱えるということはもう命がけだったんですね。
それでもその事実に気づいてしまった人たちっていうのは止まれないというところで、
そういう物語なんですけれども、
この漫画の中でその印刷機が重要な役割を果たすシーンがあります。
今まで手書きで秘密輪に写していた地動説の文章というものを、
印刷機によって一気に複製して拡散しようとするんですね。
印刷で大量にプリントできれば、
その知識というものが特定の人間だけのものではなくて、
一般的な皆のものになるという、そういう瞬間が現れるわけです。
そのカッパ印刷が人々に革命を起こすと、そんなお話だったんですけれども、
そのカッパ印刷、グーテンベルグさんという方が作ったんですね。
作ったのは1450年代のドイツです。
それ以前は本はどうやって作られていたかというと、
さっき話したように写本ですね。
修道士たちが羊の皮で作ったような紙に手で書き写すんですね。
聖書一冊を写すのにも数ヶ月から数年かかったそうです。
当然その書いた人によって字も違いますので、
一冊一冊微妙に違うんですね。
文字の書き方も違うし、当然誤字にも入っちゃうかもしれないですね。
言い回しも変わるかもしれないし、装飾も変わると。
コピーするたびにある意味劣化していくと。
設計者的に言うと再現性がない状態ですね。
どうしても量産ができませんので、本というのはその当時高価で、
聖職者だったり貴族しか持てなかったそうです。
その知識というのはアクセスできる人が限られていたということですね。
グーテンベルグの印刷機の発明はその状況を解決する手段となりました。
グーテンベルグの印刷機の発明の革新は可動活字というものですね。
それ以前にも印刷する技術はあったんですけど、
文字を一文字一文字分けるんじゃなくて、同じ板に書いちゃうという状況で、
それをグーテンベルグは可動活字として、
一文字ずつ金属のブロックに分けて彫刻されたパーツを作って、
それを組み合わせることで文章を作って、
インクをつけて紙に押し付けるというものを発明したんですね。
写本というのはある意味その文章として完成したものを複製していたんですけども、
グーテンベルグはその文字をあるパーツ、部品として標準化して、
それを組み合わせる方式にしたんですね。
現代の設計手法、機械設計の手法でいうと、
モジュール化というものに近いもの、近い考え方だと思います。
この可動活字の材料には鉛だったり錫、アンチモンという合金を使ったのも良い選択だったと思います。
鉛はU点が低くて、胃がたに流し込みやすくて量産に向いています。
そして錫はその強度を補って、
アンチモンというのは冷える時に膨張する性質があったそうで、
細かい文字を鋭く再現できるそうなんですね。
こういったものをうまく配合して活字のパーツを作り上げたということです。
もう一つ重要な技術として、スクリュープレス機構というものがあります。
圧力をかける機構ですね。
グーテンベルグは、この活版印刷、活字に紙を載せてギュッと押し当てるところにスクリュープレスを使いました。
スクリュープレスの機構というのは、グーテンベルグが発明したものではなくて、
もともとあったんですね。
ただそれはワインだったりオリーブオイルを絞るための農業用の機械だったんです。
そういった他の分野の構造をゼロから発明したんじゃなくて、
既存の技術というものを活版印刷に応用したんですね。
これも設計的にはよくあることで、
革新的な製品というのは全く新しい技術を使うんじゃなくて、
既存の技術、枯れた技術ですね。
枯れた技術の水平展開というわけじゃないですけども、
それを組み合わせることで新しいものを生み出すということが多いですね。
グーテンベルグがやったのはまさにそれだったということです。
この可動活字の最大の意義というのは、
どのページも同じ品質でスレる、プリントできるということです。
100冊吸っても1冊目の1ページ目と100冊目、1000冊目の1ページ目は同じになるということですね。
これによって正しい情報が正しい形のまま遠くまで届くということが可能になりました。
写本というのは伝言ゲームだったので、写すたびに変わっていくんですね。
それに反して印刷機というのは完璧なコピーを無限に生成できるということです。
この確実なコピーが社会を変えた一番わかりやすい例が宗教改革ですね。
1517年にマルティン・ルターが95ヶ条の論題を発表します。
これはグーテンベルグのこの印刷機がなかったらあんなに広がらなかったと言われています。
このルターの文章というものは印刷されて数週間でヨーロッパ上に拡散したと言われています。
教会がラテン語で独占していた聖書もドイツ語に翻訳されて印刷されました。
民衆が自分でそのものを読めると、自分で解釈できると、教会の解釈が本当に正しいのかというのを問い直せる。
これはまさに最初のアニメの地の物語と重なるところになりますね。
知識が特定の権威だけのものではなくなると。
印刷機が作ったのは本だけではなくて知識の民主化だったということです。
グーテンベルクの印刷機を見て思うところとしては、
先ほども話したように技術的には当時の最先端じゃない部分も多い。
スクリュープレスは農業器具の典容でしたし、活字の金属加工というのも既に存在した技術だったんですね。
何が凄かったのか、何が発明だったかというと、
標準化と組み合わせ、そして再現性ということを一つの機械で実現したということなんですね。
今、工作機械だったりCNCの世界でも同じことが起きていまして、
NCプログラムを作ってそれで加工すれば、大体どの機械でも同じような精度が出せると。
設計データを共有すれば、離れた違う工場でも同じ部品が作れると。
これはグーテンベルクがやった現代版のようなものなんですね。
再現性のある情報がこのものづくりの精度と規模を変えたというところで、
社会を変える機械というのは大抵そういう再現性を持ち込んだ機械じゃないかなと思っています。
ということで、最後まとめですけれども、