1. 岡大徳のポッドキャスト
  2. 令和8年度改定|リハビリ算定..
令和8年度改定|リハビリ算定単位の上限緩和、対象患者を見直し
2026-06-27 05:32

令和8年度改定|リハビリ算定単位の上限緩和、対象患者を見直し

spotify apple_podcasts youtube

疾患別リハビリテーション料には、1日に算定できる単位数の上限がある。この上限は、原則として患者1人につき1日6単位である。ただし、別表第九の三に定める患者に限り、1日9単位まで上限が緩和される。この緩和の対象には、これまで運動器リハビリテーション料(Ⅰ)を算定する入院患者も含まれていた。しかし、適切な算定を推進する観点から、対象範囲の見直しが求められていた。そこで令和8年度診療報酬改定は、上限緩和の対象患者を見直す。

今回の見直しは、対象患者を2つの方向で変更する。第1に、運動器リハビリテーション料(Ⅰ)を算定する入院患者を、緩和の対象から除外する。第2に、脳血管疾患等の患者について、緩和が認められる60日間の起算日を明確化する。一方、回復期リハビリテーション病棟入院料等を算定する患者は、これまでどおり緩和の対象である。以下、上限緩和の仕組みと2つの見直し点を順に説明する。

上限緩和とは|1日9単位までのリハビリを認める仕組み

上限緩和とは、1日に算定できるリハビリテーションの単位数を、通常より多く認める仕組みである。疾患別リハビリテーション料は、原則として患者1人につき1日6単位までしか算定できない。しかし別表第九の三に該当する患者は、この上限が緩和される。緩和された患者は、1日9単位まで算定できる。つまり別表第九の三は、手厚いリハビリを認める対象患者の一覧表である。

この一覧表には、3つの区分の患者が並ぶ。第1の区分は、回復期リハビリテーション病棟入院料等を算定する患者である。第2の区分は、脳血管疾患等の患者のうち、一定期間内のものである。第3の区分は、早期歩行やADL自立を目的としてリハビリ料(Ⅰ)を算定する入院患者である。今回の改定は、このうち第2と第3の区分を見直す。

見直し①|運動器リハビリの入院患者を緩和対象から除外

第1の見直しは、運動器リハビリテーション料(Ⅰ)を算定する入院患者を、緩和の対象から除外する。第3の区分は、早期歩行やADL自立を目的とする入院患者を緩和の対象としている。この区分には、現行では5種類のリハビリ料(Ⅰ)が並んでいた。改定後は、このうち運動器リハビリテーション料(Ⅰ)が削除される。

削除の結果、第3の区分で緩和の対象となるリハビリ料は4種類になる。現行で対象だったのは、心大血管疾患、脳血管疾患等、廃用症候群、運動器、呼吸器の5つのリハビリ料(Ⅰ)である。改定後に対象として残るのは、運動器を除いた4つである。具体的には、心大血管疾患、脳血管疾患等、廃用症候群、呼吸器のリハビリ料(Ⅰ)が残る。運動器リハビリの入院患者は、この区分を通じた1日9単位までの算定ができなくなる。

この除外は、運動器リハビリの算定を、より適切な範囲に絞る見直しである。

見直し②|脳血管疾患等の患者の起算日を明確化

第2の見直しは、脳血管疾患等の患者について、緩和が認められる期間の起算日を明確化する。第2の区分は、脳血管疾患等の患者のうち一定期間内のものを緩和の対象としている。この期間は、現行では「発症後六十日以内」と定められていた。しかし、何を起点に60日を数えるかが、必ずしも明確ではなかった。

そこで改定後は、起算日を3つに具体化する。新たな規定は「発症日、手術日又は急性増悪の日から六十日以内」である。つまり起算日は、発症日に加え、手術日と急性増悪の日も含まれる。この明確化により、手術後や急性増悪後の患者でも、起算日を判断しやすくなる。

変わらない点と実務への影響

3区分のうち、第1の区分は今回の改定で変わらない。第1の区分は、回復期リハビリテーション病棟入院料又は特定機能病院リハビリテーション病棟入院料を算定する患者である。ただし、この区分では運動器リハビリテーション料を算定する患者が、もともと除かれている。この除外規定は、現行のまま維持される。

実務では、運動器リハビリの入院患者を扱う医療機関が、影響を受けやすい。これらの医療機関は、第3の区分を通じた1日9単位の算定ができなくなる。一方、脳血管疾患等の患者を扱う医療機関は、起算日の判断基準を確認する必要がある。施行までに、自院の対象患者を区分ごとに整理しておくとよい。

まとめ|2つの見直しで緩和対象を適正化

令和8年度診療報酬改定は、リハビリ算定単位数の上限緩和について、対象患者を2点で見直す。第1に、運動器リハビリテーション料(Ⅰ)を算定する入院患者を、緩和の対象から除外する。第2に、脳血管疾患等の患者について、緩和が認められる期間の起算日を明確化する。これらの見直しは、適切な疾患別リハビリテーション料の算定を推進するものである。



Get full access to 岡大徳のメルマガ at www.daitoku0110.news/subscribe

感想

まだ感想はありません。最初の1件を書きましょう!

サマリー

令和8年度の診療報酬改定により、リハビリテーションの算定単位上限緩和の対象患者が見直されます。具体的には、運動器リハビリテーション料(Ⅰ)を算定する入院患者が9単位緩和の対象から除外される一方、脳血管疾患等の患者における60日間の起算日が「発症日、手術日、または急性増悪の日」と明確化されます。これにより、限られた医療資源の適正な配分とルールの明確化が図られ、医療現場での記録と判断の重要性が増すことになります。

リハビリ算定単位の上限緩和と令和8年度改定の概要
リハビリの治療チケットについてなんですが、もしあなたが毎日6枚しかもらえないのに、隣のベッドの人は9枚も使っていたら、ちょっと不思議に思いませんか?
不公平に感じるかもしれないですけど、これ実際の医療現場では本当によく起きていることなんですよね。そうなんですよ。
通常患者さんが1日に使えるリハビリのチケットって最大6枚までなんです。 でも特定の VIP リストに入ると、なんと9枚まで使えるようになります。
いわゆる別表第9の3と呼ばれる手厚いリハビリの特権ですね。 ただ今回の徹底解説では、令和8年度の制度改定によって誰がこの VIP リストから外されるのか、そして逆に何が劇的に明確になったのかを深掘りして解明していきます。
そうですね。今回の改定は限られた医療資源をどこに集中させるかという非常にシビアな線引きが行われましたからね。
なので制度変更のインパクトを浮き彫りするためにも、まずは一番影響の大きい VIP リストからの除外について見ていきましょう。
運動器リハビリ入院患者の緩和対象からの除外
つまり9枚のチケットを募集されてしまう人たちが出るってことですよね。 はいその通りです。
具体的に言うと、発折などの運動器疾患で入院している患者さんですね。 えっちょっと待ってください。発折だってまた歩けるようになるには相当なリハビリが必要じゃないですか?
もちろん必要です。ただこれまでは脳卒中や心疾患の患者さんと並んでこのリストに入っていたんですが、今回の改定で対象から削られたんですよ。
なぜ運動器疾患だけが外されたんでしょうか。なんかちょっと意外というか。
そこがまさに今回の制度の革新なんです。リハビリの1単位は20分なので、9単位となると1日3時間にも及びますよね。
1日3時間結構な長丁場ですよね。
そうなんです。脳卒中のような脳欠陥疾患の場合、初期にこれくらい極端で集中的な訓練を行うことが、機能回復に直結しやすいと言われています。
あーなるほど。脳の場合は早期の猛特訓が効くわけですね。
はい。一方で骨折などの場合は、毎日3時間連続で行うことの医学的な必要性や効果が、脳疾患ほど高くないと判断されたんです。
そういうことですか。チケットを配るスタッフや予算には限りがあるから、本当に1日3時間の猛特訓が必要な脳や心臓の患者さんにリソースを集中させるってことですね?
ええ、まさに適正化ですね。
脳血管疾患等患者における起算日の明確化
でもなんか、削られるばかりだと現場の患者さんは不安になりませんか?厳しい改定だなっていう印象を受けちゃうんですが。
だからこそ、残されたVIP対象者である脳血管疾患等の患者さんに対しては、これまで現場を大いに悩ませていたルールが明確化されたんです。
明確化ですか?
はい。実はこの9枚チケットって、使える期間が60日間と決まっているんですが、これまでにここで大きな問題があったんですよね。
え?問題って何ですか?60日ならただカレンダーを数えるだけじゃないんでしょうか?
それがですね、どこを1日目とするかの解釈で現場はかなり混乱していたんですよ。
あ、いつから数え始めるかってことですか?
そうなんです。倒れて救急搬送された日を初日とするのか、それともその数日後に手術をした日を初日とするのか。
ああ、確かに。それだと起算日が曖昧ですね。
ええ。起算日が曖昧だったため、医療機関側もいつまで9単位のリハビリを提供していいのか、確信が持てなかったんです。
もし病院側がカウントを間違えたら、後でルール違反ですって指摘されかねないわけですね。それは怖くて計画が立てられないです。
そういうことです。それが今回、発症日、手術日、または急性臓膜の日、つまり急激に悪化した日のいずれかからカウントを始めると、具体的に定義されました。
ということは、もしリハビリ期間中に急変して手術が必要になった場合でも、手術日から再びゼロとしてカウントし直せるわけですね。
ええ、まさにその通りです。
それは患者であるあなたにとっても、いざという時に十分なリハビリ期間が確保される、すごく安心できるルールになったってことですね。
改定の影響と医療現場での対応
はい。ちなみに、回復期リハビリ病棟などの、もともと別の枠組みで手厚いケアを受けている患者さんの扱いは、これまで通りで変わっていません。
なるほど。全体として、運動期リハビリも上限を厳しく絞り込む一方で、脳血管疾患などの期間カウント方法をクリアにするってことですね。
ええ、医療資源の正しい配分を目指して、しっかりとメリハリをつけたわけです。
リソースの適正化とルールの明確化、これで制度の意図がすっきりつながりました。
はい、そうですね。
でも、ここで一つ気になることがあります。リハビリのチケットをいつからどれだけ使えるかが、手術日や急性増悪といった言葉の厳密な定義に左右されるようになるわけですよね。
ええ、おっしゃる通りです。ルールの枠内でいかに最善を尽くすか、現場の意思の判断と記録がこれまで以上に重要になってきます。
だとしたら、限られたリハビリ時間を最大限にあなたに提供するために、今後、医療現場での日々のカルテ記録や意思の診断プロセスは、ものすごく戦略的でシビアなものになっていくはずです。
ええ、間違いなくそうなりますね。
この冷徹な精度のルールと、目の前の患者を良くしたいという医療現場の厚い駆け引きがどう変わっていくのか、あなたもぜひ次に病院へ行く機会があれば、そんな視点で医療の裏側を想像してみてください。
05:32

コメント

スクロール