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令和8年度改定で変わるリハ栄養口腔連携|加算2新設・地ケア病棟拡大の3つのポイント
2026-04-08 06:29

令和8年度改定で変わるリハ栄養口腔連携|加算2新設・地ケア病棟拡大の3つのポイント

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令和8年度診療報酬改定では、リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算の算定要件と施設基準が大幅に見直されます。令和6年度に新設されたこの加算は、届出率がわずか9%にとどまっていました。今回の改定は、届出のハードルを下げつつ、取組の質に応じた段階的な評価を実現することを目的としています。

今回の改定のポイントは3つあります。第一に、現行の体制加算(120点)が加算1(150点)と加算2(90点)の2段階に再編されます。第二に、加算2では土日祝日のリハ提供量とADL低下割合の基準が緩和され、より多くの医療機関が届出可能になります。第三に、地域包括ケア病棟にもリハビリテーション・栄養・口腔連携加算(30点)が新設されます。

改定の背景:届出率9%の壁

リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算は、令和6年度改定で急性期病棟向けに新設された加算です。この加算は、入院患者のADL維持・向上を目的に、リハビリテーション・栄養管理・口腔管理を多職種で一体的に実施する取組を評価するものです。算定期間は、計画作成日から起算して14日間を限度としています。

この加算の届出率は、令和6年度の実態調査で9.0%にとどまりました。届出できない理由として最も多かったのは、「常勤専従の理学療法士等を2名以上配置することが困難」(56.3%)でした。次いで、「土日祝日のリハビリテーション提供単位数が平日の8割以上を満たさない」(53.9%)が挙げられています。

一方で、加算を届け出ている施設では、ADLが低下する患者の割合が3%未満という基準を満たしていました。加算を算定していない施設では、ADL低下割合が4%以上5%未満にピークがみられます。このデータは、一体的な取組がADL維持に効果をもたらすことを示しています。

ポイント1:加算1(150点)と加算2(90点)の2段階再編

今回の改定では、現行のリハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算(120点)が2段階に再編されます。加算1は1日につき150点、新設される加算2は1日につき90点です。対象病棟には、新たに急性期病院一般入院基本料が追加されます。

加算1の施設基準は、現行の体制加算とほぼ同等です。「ADL等の維持、向上、及び栄養管理等に資する十分な体制」の整備が求められます。プロセス・アウトカム評価の要件も現行どおり、早期リハ実施割合8割以上、土日祝日のリハ提供量が平日の8割以上、ADL低下割合3%未満、褥瘡保有割合2.5%未満の4項目すべてを満たす必要があります。

加算1ではこのほか、BI研修に関する記載が見直されました。現行では「BIの測定に関する研修会を年1回以上開催すること」とされていましたが、改定後は「併せてFIM(機能的自立度評価法)の測定に関する内容も含むことが望ましい」と追記されています。

ポイント2:加算2の新設による一部要件の緩和

加算2は、加算1よりも取得しやすい施設基準が設定されています。加算2の施設基準は、「ADL等の維持、向上、及び栄養管理等に資する必要な体制」の整備を求めるものです。加算1の「十分な体制」に対して、加算2は「必要な体制」とされており、体制整備のハードルが引き下げられています。

加算2のプロセス・アウトカム評価は、加算1の4項目のうち2項目の基準値が緩和されます。具体的な比較は次のとおりです。

早期リハ実施割合は、加算1・加算2ともに8割以上で変わりません。土日祝日のリハ提供量は、加算1の「平日の8割以上」に対し、加算2では「平日の7割以上」に引き下げられます。ADL低下割合は、加算1の「3%未満」に対し、加算2では「5%未満」に緩和されます。褥瘡保有割合は、加算1・加算2ともに2.5%未満で変わりません。

つまり、加算2で緩和されるのは、土日祝日のリハ提供量とADL低下割合の2項目です。届出率を下げていた最大の要因である「土日祝日のリハ提供量が平日の8割以上を満たさない」(53.9%の施設が該当)に対して、7割への引き下げは一定の効果が期待できます。

加算2の人員配置基準は、加算1と同じです。専従の常勤理学療法士等が2名以上(うち1名は専任でも可)、専任の常勤管理栄養士が1名以上必要です。ただし、加算2の専従理学療法士等は、排尿自立支援加算、精神科リエゾンチーム加算、摂食嚥下機能回復体制加算における理学療法士等の業務との兼務が認められています。この兼務規定も、人員確保のハードルを下げる措置のひとつです。

ポイント3:地域包括ケア病棟への連携加算の新設

地域包括ケア病棟においても、リハビリテーション・栄養・口腔連携加算(30点/日)が新設されます。この加算の算定期間は、リハビリテーション・栄養管理・口腔管理に係る計画を作成した日から起算して14日間です。地域包括ケア病棟では、これまで管理栄養士の配置基準がなく、栄養管理に係る加算は包括されていました。今回の新設は、地域包括ケア病棟における一体的な取組を推進する狙いがあります。

地域包括ケア病棟の連携加算には、独自の施設基準が設定されます。専任の常勤管理栄養士1名以上の配置、リハビリテーション医療に関する3年以上の経験を有し所定の研修を修了した常勤医師1名以上の配置が必要です。プロセス・アウトカム評価としては、入棟後3日までの疾患別リハ実施割合6割以上、土日祝日のリハ提供量が平日の7割以上、褥瘡保有割合2.5%未満の3項目を満たすことが求められます。

この加算を算定する患者については、入院栄養食事指導料と栄養情報連携料も算定可能となります。地域包括ケア病棟の包括範囲から、これらの管理料が除外されるためです。この見直しにより、管理栄養士による個別の栄養指導と退院時の栄養情報連携が、経済的にも評価されることになります。

まとめ

令和8年度改定では、リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算が加算1(150点)と加算2(90点)の2段階に再編されます。加算2では、土日祝日のリハ提供量(8割→7割)とADL低下割合(3%→5%)の基準が緩和され、届出率9%という現状の改善が期待されます。さらに、地域包括ケア病棟にも30点の連携加算が新設され、入院栄養食事指導料等の算定が可能になります。急性期から包括期にわたるリハビリテーション・栄養管理・口腔管理の一体的な取組が、今後より幅広い病棟で進むことが見込まれます。



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サマリー

令和6年度に新設されたリハビリ・栄養・口腔連携体制加算は、厳しすぎる要件のため導入率がわずか9%に留まりました。令和8年度改定では、この課題を解決するため、加算1(150点)と要件を緩和した加算2(90点)の2段階評価に再編されます。これにより、土日祝のリハビリ提供量やADL低下割合の基準が現実的なものとなり、地域包括ケア病棟にも新たな連携加算が設けられることで、より多くの病院で質の高い一体的ケアが普及することが期待されます。

導入と制度の課題
想像してみてください。国がですね、入院中の患者さんの体力が落ちないようにするっていう、すごく画期的な制度をスタートさせたんです。
でも、いざ蓋を開けてみたら、全国の病院のたった9%しかそれを導入していなかったとしたら、これ一体なぜそんな素晴らしい制度が失敗してしまったんでしょうか。
森 えっと、いわゆる理想と現実のギャップというやつですね。 岡田 なるほど。今回のこの徹底解説では、あなたに向けて、その令和6年度に新設されたリハビリと栄養、それから航空連携体制加算について深掘りしていきます。
森 その制度がなぜ普及しなかったのか、そして令和8年度の改定でどう生まれ変わるのかを紐解いていきましょう。
岡田 そもそもですね、どうして9%の病院しか導入しなかったんですか。患者さんにとっても病院にとっても良い取り組みのはずですよね。
普及しなかった理由
森 まあ理由はズバリ条件が厳しすぎたんです。 岡田 厳しすぎた。
森 ええ。例えば、常勤の理学療法士などを2名以上配置してくださいとかですね。 さらに土日や祝日も平日の8割以上のリハビリを提供しなさいという要件があったんですよ。
岡田 8割ですか。それってタダでさえ、医療現場は人手不足って言われてるじゃないですか。
森 そうなんですよね。
岡田 働き方改革とかも厳しく言われている中で、物理的にちょっと無理がありませんか。
森 おっしゃる通りです。理学療法士の確保自体が難しい地域も多いですし。
岡田 うんうん。
森 労働基準法の観点から見ても、土日にそこまでスタッフを配置するっていうのは、大半の病院にとって不可能に近い要求だったわけです。
岡田 なんというか、全員が転んでしまう高すぎるハードル層みたいな状態だったんですね。
森 まさにその表現がぴったりですね。完璧な体制を求めるあまり、現場が諦めてしまったんです。
2段階評価への再編
岡田 なるほど。そこで今回の改定では報酬の仕組み、いわゆる点数を2段階に分けたんですよね。
森 ええ、そうです。これまでは一律で120点だったんですが、厳しい条件をクリアできる病院向けの加算1を150点に引き上げました。
岡田 ほうほう。
森 そしてここからが重要なんですが、条件を緩めた加算2として90点の枠を新設したんです。
岡田 なるほど。新しい枠ができたんですね。この点数って病院が新しい体制を整えるためのモチベーションや資金源になるわけですから、90点という枠ができたことで、現場の参加ハードルがぐっと下がる気がします。
加算2の要件緩和とその意図
森 ここで非常に興味深いのがですね、この加算2の絶妙な緩和具合なんです。
岡田 と言いますと。
森 まず、土日のリハビリ提供量を7割に引き下げました。それに、理学療法士の兼務も認めたんですよ。
岡田 ほう、それは大きいですね。
森 さらに、患者さんのADL、つまり日常生活動作が低下してしまう割合の基準も緩めました。これまで3%未満だったものを5%未満へと緩和したんです。
岡田 ちょっと待ってください。基準を緩めて患者さんのADLが低下する人が増えちゃったら、それこそ本末転倒じゃないですか?
森 ああ、ここからが本当に面白いところなんですよ。
岡田 はい。
森 実はデータを分析するとですね、要件を満たせずに加算を取れていない病院でも、患者さんのADL低下割合はだいたい4%から5%未満のところに集中していたんです。
岡田 ああ、なるほど。つまり3%っていう完璧な数字には届かなくても、現場の病院はすでに十分頑張って4%とか5%に抑え込んでいたってことですか?
森 その通りです。それなのに3%を超えたから、要件未達だって弾かれていたわけです。
岡田 それは病院側もやる気をなくしますよね。
森 ええ、そうなんです。
岡田 完璧な3%を求めて、たった9%の病院しか参加しないシステムを続けるより、5%未満っていう現実的なラインを引いて、より多くの病院にリハベリや栄養管理の一体的な取り組みを広げてもらう方が、結果的に助かる患者さんの全体数は圧倒的に増えますよね。すごく合理的なシフトチェンジだと思います。
地域包括ケア病棟への拡大
森 そうですね。これで旧世紀病棟のボトルネックはかなり解消されるはずです。そして、部隊は地域包括ケア病棟に移ります。
岡田 旧世紀を過ぎて自宅に帰るための準備をする病棟ですね。
森 はい。今回ここにも新たに30点の連携加算がつきました。
岡田 あれ?これまではついてなかったんですか?
森 ええ。実はこれまでこの病棟での栄養管理にかかる費用って、基本の入院料の中に丸められていたんですよ。
岡田 丸めですか?定額制の滑稽治療機みたいなイメージですかね?
森 まさにそれです。つまり、病院側がどれだけ手間暇かけて管理栄養所を配置しても、一人一人に丁寧な個別指導を行っても、追加の収入にはならなかったんです。
岡田 それだと現場としてももっと手厚いケアをしようっていうインセンティブが働きにくいですよね。
森 おっしゃる通りです。頑張っても評価されないなら、必要最低限になってしまうのも無理はありません。
森 それが今回、個別の栄養指導などが明確に評価されて、算定できるようになったと。
改定の意義と今後の展望
岡田 つまりこれはどういう意味を持つのか、これを聞いているあなたやあなたの家族が入院したときのことを想像してみてください。
森 はい。
岡田 命の危機を乗り越えて回復していくプロセスでも、途切れることなく手厚いリハビリが受けられる。
森 ええ。
森 そうですね。これを全体像と結びつけると、医療現場の深刻な人手不足に配慮して、
建物や基準緩和を認めつつ、同時に患者さんの機能維持という一番大事な目的は絶対に諦めない。
岡田 なるほど。
森 今回の改定は、理想と現場のリアルの絶妙な落とし所を見つけた見事な精度設計だといえます。
岡田 人握りのエリート病院だけができる完璧な医療よりも、みんなが実践できる良質な医療を目指すということですね。
森 そういうことです。
岡田 もしこのハードルが下がったことで、全国の多くの病院でこの手厚い連携体制が普及したら、
森 はい。
岡田 今後私たちが病院を選ぶ際の基準も変わるかもしれません。
家から近いとか有名だからだけじゃなくて、
森 ええ。
岡田 さて、あなたはどう考えますか?
06:29

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