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2026-01-19 05:15

先進医療の総額1084億円突破|令和7年度実績報告で患者数21万人超に

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令和8年1月14日に開催された中央社会保険医療協議会総会(第641回)において、先進医療会議から令和7年度の実績報告がなされました。本報告では、令和6年7月1日から令和7年6月30日までの先進医療の実施状況が取りまとめられています。先進医療の動向は、将来の保険収載の方向性を示すものであり、医療機関の経営戦略を検討する上で重要な情報となります。

令和7年度の先進医療は、総額約1084億円、患者数211,153人と過去5年間で最高を記録しました。実施医療機関数は542施設に拡大し、技術数は73種類となっています。特に不妊治療関連技術が患者数全体の大部分を占め、タイムラプス撮像法による受精卵・胚培養だけで98,871件の実施件数となりました。一方で、先進医療Bでは臨床試験の進捗により実施件数が0件となった技術もあり、保険収載に向けた評価が進んでいます。

先進医療AとBの実績概要

令和7年6月30日時点で実施されていた先進医療の全体像を説明します。先進医療Aは未承認・適応外の医薬品や医療機器を用いない技術であり、先進医療Bは未承認・適応外の医薬品や医療機器を用いる技術、または薬事承認を目指す臨床試験を兼ねた技術です。両者の実績には大きな差があります。

先進医療Aは26種類の技術が456施設で実施され、患者数は210,079人でした。総金額は約1071.4億円に達し、そのうち先進医療費用(患者の自己負担分)は約121.8億円、保険外併用療養費(保険診療分)は約949.6億円となっています。全医療費に占める先進医療分の割合は11.4%でした。

先進医療Bは47種類の技術が163施設で実施され、患者数は1,074人でした。総金額は約12.5億円であり、先進医療費用は約4.7億円、保険外併用療養費は約7.8億円となっています。全医療費に占める先進医療分の割合は37.5%と、先進医療Aより高い割合を示しています。この違いは、先進医療Bでは未承認・適応外の医薬品や医療機器を用いるため、先進的な技術の費用割合が高くなることを反映しています。

不妊治療関連技術が牽引する患者数の急増

先進医療Aにおける患者数の大部分は、不妊治療関連技術によるものです。令和4年4月の不妊治療保険適用拡大に伴い、保険適用外の技術が先進医療として位置づけられ、患者数が急増しました。先進医療Aの患者数210,079人のうち、不妊治療関連技術が約99%を占めています。

タイムラプス撮像法による受精卵・胚培養は、年間98,871件の実施件数で最多となりました。この技術は307施設で実施され、総金額は約525.5億円に達しています。次いで、子宮内膜刺激術が28,090件(203施設、約118.0億円)、強拡大顕微鏡を用いた形態学的精子選択術が17,209件(90施設、約64.4億円)と続きます。

不妊治療以外の技術では、陽子線治療が739件(20施設、約26.2億円)、重粒子線治療が303件(7施設、約10.1億円)となっています。これらの粒子線治療は、平成13年・15年から実施されている歴史のある先進医療技術です。

過去5年間の実績推移

先進医療の実績は、過去5年間で大きく変化しています。この変化の主な要因は、令和4年度の不妊治療保険適用拡大です。

令和3年6月30日時点(令和2年7月~令和3年6月)の実績では、技術数83種類、267施設、5,843人、総金額約103億円でした。令和4年6月30日時点では、技術数83種類、428施設、26,556人、総金額約151億円に増加しました。令和5年6月30日時点では、技術数81種類、477施設、144,281人、総金額約765億円と急増しています。

令和6年6月30日時点では、技術数76種類、449施設、177,269人、総金額約928億円となりました。そして令和7年6月30日時点では、技術数73種類、542施設、211,153人、総金額約1084億円に達しています。5年間で患者数は約36倍、総金額は約10.5倍に増加しました。

技術数が減少している理由は、一部の技術が保険収載または削除されたためです。令和4年度および令和6年度の診療報酬改定の際に、一部の技術が保険導入または廃止されたことに留意が必要です。

令和7年度における技術の変動

令和7年度(令和6年7月1日~令和7年6月30日)における先進医療技術の変動状況を説明します。新規承認、保険収載、実施取り下げ、削除の4つの観点から整理します。

新規承認技術数は計7種類でした。先進医療Aでは2種類が承認され、先進医療Bでは5種類が承認されています。新たな技術が先進医療として評価対象に加わりました。

保険収載技術数は計2種類であり、いずれも先進医療Aからの収載でした。先進医療Bからの保険収載は0種類となっています。保険収載は先進医療の最終目標の一つであり、有効性・安全性が確認された技術が保険診療に組み込まれます。

実施取り下げ技術数は、先進医療Bで7種類ありました。これは臨床試験の終了や中止によるものです。削除技術数は先進医療Aで1種類でした。また、先進医療Bでは総括報告書が6種類受理されており、臨床試験の結果がまとめられています。

実施件数0件の技術と医療機関の対応

一部の先進医療技術では、年間の実施件数が0件となっています。これらの技術について、医療機関から0件の理由と今後の対応方針が報告されています。

先進医療Aでは、糖鎖ナノテクノロジーを用いた高感度ウイルス検査が4施設で0件でした。理由として、インフルエンザ患者の流行が小規模であったこと、新型コロナウイルスとの同時検査キットが普及したことが挙げられています。医療機関は体制維持に努めるとしています。

先進医療Bでは、腹腔鏡下センチネルリンパ節生検(早期胃がん)が0件でした。これは2020年5月に症例登録期間が終了しているためです。また、ボツリヌス毒素の膀胱内局所注入療法も症例登録期間終了により0件となり、総括報告書の作成が進められています。

自家末梢血CD34陽性細胞移植による下肢血管再生療法では、2020年8月に承認された直接灌流型吸着器(レオカーナ)が保険適用となったため、そちらが優先的に選択されていることが0件の理由として報告されています。今後はレオカーナが奏効しなかった患者に対して当該技術が適用される見込みです。

まとめ

令和7年度の先進医療実績報告では、総額約1084億円、患者数211,153人と過去5年間で最高を記録しました。不妊治療関連技術が全体の約9割を占め、タイムラプス撮像法を中心に実施件数が大幅に増加しています。先進医療Bでは臨床試験の進捗に伴い、総括報告書の受理や実施取り下げが進んでいます。今後の診療報酬改定において、有効性・安全性が確認された技術の保険収載が検討される見込みです。医療機関においては、先進医療の動向を注視し、経営戦略に反映することが重要となります。



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サマリー

令和7年度の先進医療の実績は、総額1084億円で、患者数が21万人を超えています。不妊治療がその成長を牽引している一方で、先進医療技術の数は減少しており、評価と入れ替えが常に行われていることが示唆されています。

先進医療の実績と不妊治療の影響
いやー、今回見ていく資料にある数字、ちょっと驚きますよ。はい。 総額が約1084億円で、患者さんの数が21万人超え。
これ、日本の先進医療の最新の実績なんです。 えー。 今日はですね、この中央社会保険医療協議会、
いわゆる中医協に報告された、令和7年度のデータを一緒に深く見ていきたいと思います。 はい。
この数字の急増の裏に何があるのか、これが今後の医療にどう繋がっていくのか、その確信を探っていきましょう。
えー、この報告書って、将来どんな治療が保険適用になるかの方向性を示すすごく重要な指標なんですよね。 なるほど。
しかも5年前と比較すると、患者さんの数は約36倍。 36倍? で、総額は約10.5倍にまで増えてるんですよ。
このなんというか、爆発的な伸びの理由、ここが今回の最大のポイントですね。 なるほど。では早速その中身をもう少し詳しく見ていきたいんですが、この伸びを引っ張ってるのって一体何なんですか?
もう答えははっきりしていて、不妊治療なんです。 不妊治療? はい。先進医療には未承認のお薬とかを使わないAと、使うBっていう2種類がありまして、
このAの患者さん約21万人のうち、本当に99%が不妊治療関連の技術を使ってるんです。 99%ですか?
特にタイムラプス増造法による受精卵配培用っていう技術が年間で9万8千件以上とずば抜けて多いですね。
ほぼ全てが不妊治療ということなんですね。その先進医療のAとBでは何か大きな違いがあるんですか?
そこがですね、すごく面白い対比が見られるんですよ。 患者さんの数とか金額では、今お話ししたようにAが圧倒的なんですけど、
医療費全体に占める自己負担の先進医療費の割合を見るとですね、Aが11.4%なのに対してBは37.5%。
うわぁ、全然違いますね。 そうなんです。これはBがいかに先鋭的で高価な技術かっていうことを示してますよね。
自己負担率が高いっていうことは、それだけ期待も大きい分、患者さんの経済的な負担も精神的な負担もかなり大きなものになりそうですね。
まさしく。それにこの不妊治療の技術がこれだけ増えているっていうのは、単なる医療政策っていうだけじゃなくて、
日本の少子化対策ってもっと大きな社会課題と直接つながっていることを示唆しているわけです。
先進医療が個人の治療選択だけじゃなくて、国の未来を左右するテーマにまでなっているんですね。
技術の変遷と未来への示唆
ただ一方で、ちょっと意外なデータもありますよね。患者さんの数とか金額はこんなに増えているのに、先進医療の技術の数自体は、
5年前の83種類から73種類に減っているんですよね。 そうなんですよ。
これはどうしてなんでしょう?
これをですね、もっと大きな視点から見てみると、先進医療が保険診療への投入門としてちゃんと機能している証拠なんですね。
投入門ですか?
ええ。有効性とか安全性が認められれば、保険適用になって、この先進医療のリストからは卒業していくわけです。
ああ、なるほど。令和7年度も2つの技術が保険仲裁されましたし、逆に臨床試験が終わったなどの理由で7つの技術がリストから取り下げられてもいる。
常に技術は新陳代謝を繰り返しているんですね。
なるほど。減っているのは停滞じゃなくて、むしろ進化の結果だと。
そういうことです。
あと、リストには載っているのに、年間の実施件数が0件だった技術も報告されてますよね。
例えば、早期胃がんに対する複空強化センチネルリンパ接生研、これはどういうことなんでしょう?
それも医療の進歩の一つの側面と言えますね。利用はいろいろあるんですけど。
はい。その胃がんの技術は単純に臨床試験の症例登録期間が終わったという理由です。
また、別の血管再生療法だと、もっと効果的な別の治療法が保険宅用になったので、そちらが優先されているという報告もありますね。
はあ、使われないっていう事実そのものが、次の新しい医療への移行を示しているわけですね。
ええ。
では、今日の話をまとめますと、令和7年度の先進医療は、まず不妊治療を軸に市場規模が爆発的に成長したと。
はい。
そして、その裏では常に技術の評価と入れ替え、つまり新陳代謝が活発に行われているということですね。
まさにその通りです。このデータは現在の最先端を示すと同時に、未来の当たり前の医療を映す鏡でもあるわけです。
未来の当たり前ですか。
ええ。最後にですね、一つあなたにも考えてみてほしい問いがあるんです。
はい。
今、高価で先鋭的なあの先進医療Bで評価されている技術がたくさんありますよね。
ええ、ありますね。
この中で、5年後、10年後に誰もが保険で受けられるようになっている治療は一体どれだと思いますか。
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