まさにケーブルから直接電力を供給している状態ですね。
ええ。しかし、食後10時間から12時間くらい経過すると、肝臓に蓄積されていた予備の糖質、いわゆるグリコーゲンが手をつくんです。
10時間から12時間で予備のバッテリーが切れるわけですね。
そうです。ここで体は、「ああ、外部からの電力が足りないぞ。」と察知します。
ということは、そこでスマホの画面が少し暗くなるような低電力モードに切り替わるってことですか。
その通りです。体は生き延びるために、自分の中に蓄えられた脂肪を分解して、ケトン体という別のエネルギー源を作り出して、脳や体を動かし始めます。
脂肪を直接使い始めるんですね。
はい。これが体に備わった脂肪燃焼モード、つまり代謝スイッチがカチッとオンになる瞬間なんです。
なるほど、それが代謝スイッチ。
そしてさらに時間が経過して、16時間に達すると、今度はおっしゃるようなスマートフォンの最適化アプリが自動で起動するんです。
最適化アプリですか。それは、たまったキャッシュデータや重い不要ファイルを勝手に削除して、スマホの動作をサクサク軽くするような機能のことですか。
まさにそれです。生学生の世界ではこれをオートファジーと呼びます。
オートファジー、聞いたことあります。
2016年にノーベル生理学医学賞の大賞にもなった非常に有名な機能ですね。いよいよ外からの栄養が入ってこない、つまり飢餓状態を細胞が察知するとですね。
はい。
細胞自身が自分の中にある古くなったタンパク質や有害な細胞のゴミを集めて分解し始めるんです。
ゴミを分解する。
ええ。そしてそれを新しいエネルギーや細胞の材料としてリサイクルし始めるんですよ。
自分自身のゴミを食べて新しい部品に作り直すんですか。
はい。自分を食べて新しく生まれ変わる。これが16時間断食が究極のアンチエイジング機能と呼ばれる最大の理由なんです。
それって究極のエコシステムじゃないですか。いやー理論としては完璧ですごく魅力的に聞こえます。
そうですよね。
でもここで少し意地悪な見方をさせてください。
はい。何でしょう。
理論は素晴らしいとしてこれって本当に人間の体でしかもダイエットや健康の数値として目に見える結果が出るものなんですか。
そこでデータの出番ですね。今回分析した資料の中で特に私の目を引いたのが理論だけでなく実際の臨床データでも明確な結果が示されているという事実なんです。
ほう。どんなデータですか。
メタ分析という過去の信頼できる多くの研究データをさらに集めて総合的に分析した科学的に最も信用度の高いデータ群があるんですが。
はいはい。
それによると肥満や過体重の成人がこの16時間断食を実践した場合4週間から24週間で体重の4%から10%の減少が見られたと報告されているんです。
4週間から24週間で最大10%の体重減少ですか。それは無視できない数字ですね。体重60キロの人なら半年以内に6キロも落ちる計算になりますよ。
ええ。かなり大きな変化ですよね。さらに体重だけでなく腹肥や内臓脂肪な減少も確認されています。
お腹周りもスッキリすると。
そしてもう一つ見逃せないのがインスリン患者性の向上なんです。
インスリン患者性ですか。
はい。インスリンというのは血液中の糖分を細胞に運ぶカギのような役割をするホルモンなんですが、常に食べ物を食べているとこのカギ穴がバカになってしまって糖が血液中にあふれる糖尿病のリスクが高まるんです。
カギが壊れちゃうんですね。
ええ。でも16時間断食は胃腸を休ませることでこのカギ穴を修理して血糖値のコントロール能力を劇的に改善するんです。
ここで非常に興味深いのはですね。
はい。何でしょう。
長期的な視点、例えば6カ月以上というスパンで見ると毎日カロリー計算をしてきっちり食事制限をしたグループと16時間断食をしたグループで体重減少の差自体はそれほど大きくならないという指摘もあるんです。
ええそうなんですか。じゃあ普通のカロリー制限と変わらない。
結果だけを見ればそうとも言えます。ではなぜ16時間断食がこれほど世界中で支持されているのか。
確かに気になります。
それはカロリー計算という面倒な手間がなく時間を区切るだけで自然と1日の摂取カロリーが20から30%減るという心理的なハードルの低さが最大の利点だからなんです。
ああなるほど。人は毎食アプリで複雑な計算をするよりも時間は回るけど食べていい時間は計算しなくていいというシンプルなルールの方が圧倒的に続けやすいんですね。
ええまさにその通りです。
確かに毎食のカロリーを気にして生きていくのは精神的にきついですもんね。
ただですねここまで聞くと完璧なメソッドに思えるんですが実はソースを読んでいて一つすごく引っかかった部分があるんです。
ほうどの部分でしょう。岡山県にある専門クリニックの資料なんですが16時間断食はやめましょうと真逆の警告をはっきり出していて。
ああその資料ですね。
これリスナーのあなたも混乱すると思うんですが医学的に見てこの警告って間違っているんですか。
それはまさにこのメソッドの確信をつく鋭い指摘ですね。
結論から言うとそのクリニックの警告は決して間違っていません。
間違ってないんですか。
はい。生理学的に非常に理にかなった懸念に基づいています。
私たちは科学的な事実を中立に評価する必要がありますが彼らが指摘する反対意見の最大の根拠はタンパク質不足による筋肉の減少とそれに伴う基礎代謝の低下なんです。
オートファジーで細胞が新しくなるのに筋肉は減ってしまうんですか。
はい。細胞を新しく作り変えるには毎日一定量の新しいタンパク質を外から補給する必要があるんです。
なるほど。16時間断食をすると当然ですが食事の回数が1日2回あるいは1回に減る可能性がありますよね。
そうですね。朝ごはんを抜いたりしますし。
特に女性やもともと食が細い人がこれをやると1日に必要なタンパク質量をたった1、2回の食事で取り切れなくなってしまうんです。
食べられる量が限られてますからね。
ええ。タンパク質が不足すると体はどうするか。なんと自分の筋肉を分解してアミノ酸も取り出しエネルギーに変えようとしてしまうんです。
え〜脂肪じゃなくて筋肉を食べてしまうんですか。
そうなんです。結果として筋肉が落ちて何もしなくてもカロリーを消費してくれる基礎代謝が下がってしまいます。
それは困りますね。
すると断食をやめた途端に以前より太りやすい体になってしまうんです。
さらに長時間の絶食による低血糖で目眩や集中力の低下を引き起こす医学的リスクがあるというのも紛れもない事実です。
いやースマホの例えに戻すと、バッテリーを長持ちさせようとしてアプリを消しすぎたらOS自体が動かなくなっちゃったみたいな状態ですね。
まさにそんな感じです。
つまり、ただやみくもに食べない時間を長くすれば健康になれるというわけじゃなく、筋肉を守り健康を損なわないためのやり方こそが全てを決めるということですね。
その通りです。
ですから、初心者の方がいきなり今日から16時間食べないぞと意気込むのは、挫折や体調不良のもとになります。
リスナーのあなたも気をつけないといけませんね。
ええ。ソースの中の専門家たちも、体を慣らしながら段階的に進めるステップバイステップのアプローチを強く推奨しています。
具体的にはどう始めれば筋肉を落とさずに安全にスタートできるんでしょうか。
まずは12時間断食からスタートすることを提案します。
12時間ですか。
例えば、夜の20時に夕食を終えて、翌朝の8時まで何も食べない。
あ、それなら睡眠時間を挟むので、日常生活をほとんど変えずに達成できそうですね。
そうなんですよ。この12時間で脂肪が燃え始める感覚に体を慣らします。
そこで問題がなければ、1、2週間かけて朝食を少し遅らせるなどして14時間に伸ばすんです。
徐々に伸ばしていくんですね。
はい。そして最終的に16時間へと持っていくんです。
ちなみに、新谷博光医学博士の文献によれば、15時間でも十分に腸を休めて自然免疫力を高める効果があるとされていますから。
おお、15時間でもいいんですね。
ええ。必ずしも16という数字に脅迫観念を抱く必要はありません。
12時間なら今日の夜からでもすぐリスナーのあなたも実践できそうですね。
でも、そうやって時間を伸ばしていく中で、どうしてもお腹が空いてイライラしたり頭痛がしてきたらどうすればいいんですか?
うーん。
やっぱり気合と根性で乗り切るしかないんでしょうか?
いえいえ。気合で乗り切ろうとすると、かえってストレスホルモンが分泌されて逆効果なんですよ。
そうなんですか?
まず知っておいていただきたいのは、頭痛やめまいの原因の多くは、空腹そのものよりも脱水と塩分不足にあるということです。
脱水ですか。でも飲み物は制限されていないですよね?
ええ。しかし私たちは普段、ご飯やおかずといった食事から、気づかないうちによく1リットル以上の水分を摂っているんです。
食事から水分を摂っていたなんて、完全に盲点でした。
断食をすると、その食事からの水分が丸ごと入ってこなくなるので、意識的に水や俳優、無糖の炭酸水などで、1日1.5リットルから2リットルをこまめに飲む必要があるんです。
ご飯を食べていない分意識して水を飲まないと干からびてしまうんですね。
はい。頭痛がしたら、塩を少し舐めたり、梅干しをお湯に溶いて飲むだけで、スッと改善することが多いんですよ。
塩分補給も大事なんですね。でも、物理的にお腹が空いてグーグー鳴って、どうしても仕事に集中できないっていう時の、お助けアイテムみたいなものはないんですか?
ありますよ。例外的な救済措置として、オートファジーの働きを大きく邪魔しない食べ物があります。
おお、知りたいです。
どうしても我慢できない時は、素焼きのナッツを5粒から10粒程度、あるいは少量のナチュラルチーズや、ゆで卵の白目をつまんでみてください。
ナッツやチーズならコンビニでもすぐ手に入りますね。
ええ。これらは糖質が非常に低いため、インスリンを急激に分泌させません。つまり、体の脂肪燃焼モードを完全にオフにすることなく、空腹感をやり過ごすことができる裏技なんです。
お守り代わりにデスクに置いておくと安心ですね。よし、これで16時間はなんとか乗り切れそうです。
あの、でも待ってください。資料をさらり読み進めていくと、実はもっと重要なポイントに気づいたんです。
ほう。
ここからが本当に面白いところなんですが、どうやら16時間の断食の時間よりも、残りの8時間の食事の時間の過ごし方にこそ成功の鍵が隠されているようですね。
よくお気づきになりましたね。多くの方が陥る最大の失敗パターンが、16時間我慢したんだから、残りの8時間はケーキでもカツ丼でも好きなだけどか食いしていいんだ、という勘違いなんです。
ああ、やってしまいそうですね。頑張った自分へのご褒美ってやつですよね。16時間空けたんだからチャラになるだろうって。
気持ちは痛いほどわかりますが、それは非常に危険な行為なんです。
危険ですか?
はい。16時間休ませた断食焼きの胃腸は、カラカラに乾いたスポンジのような状態なんです。栄養の吸収率がマックスになっているんですよ。
スポンジですか?
そこにいきなり糖質や脂質の塊を放り込むと、血糖値スパイクと呼ばれる、血糖値の異常な急上昇が起きます。
血糖値スパイク?
すると体はパニックになって、やっと来た貴重な栄養だ、逃がすな!と、インスリンを大量に分泌して、入ってきた栄養を全て強制的に脂肪として溜め込もうとロックをかけてしまうんです。
うわ、恐ろしい。
さらに急激な血糖値の変動は、血管の内壁に大きなダメージを与えてしまいます。
16時間も頑張ったのに、結果的に一番太りやすくて血管を傷つける食べ方をしてしまうなんて悲劇すぎますね。
じゃあ、断食焼けの回復食、つまり最初の食事はどうすればいいんですか?
まずは消化に優しく、血糖値を急激に上げないものから口にしてください。
例えば?
コップ一杯の水を飲んで胃腸を目覚めさせた後、野菜スープや味噌汁、サラダ、あるいは無糖のヨーグルトなどが最適です。
スープやサラダから始めるんですね?
そして、先ほどの反対意見の懸念として挙がった筋肉の減少を防ぐために、この8時間の間に、あなたの体重1キロあたり1.0グラムから1.5グラムのタンパク質を絶対に確保してください。
体重60キロの方なら、1日に60グラムから90グラムのタンパク質ですね?
はい。お肉、魚、卵、大豆製品を意識してしっかり組み込む必要があります。
筋肉の材料を意図的に送り込んであげるわけですね。でも、筋肉を守るためには食事だけじゃなくて運動も必要ですよね?
ええ、もちろんです。
えー、16時間も何も溜めてなくて、お腹がさっぽくの時に重いバーベルを上げたり、スクワットをしたら、それこそ倒れちゃいませんか?
そこは非常に重要なポイントですね。運動のタイミングについては、あなたの目的によって明確に正解が分かれるんです。
目的ですか?
まず、とにかく脂肪燃焼を最大化したいという場合、これは断食の終盤。
例えば朝食を抜いているなら、お昼ご飯を食べる前の空腹時に、ウォーキングやヨガなどの軽い有酸素運動を行うのがベストです。
空腹時に有酸素運動ですね?
ええ。体の中に糖質が全く残っていないので、ダイレクトに脂肪がエネルギーとして燃やされます。
じゃあ、私みたいに筋肉を減らしたくない、あるいは筋トレをして体を引き締めたい人間はどうすればいいんですか?
筋肉を育てたい場合は、エネルギーが満ちている食事可能な8時間の中、特に食後1時間から2時間後に行うのが最適解です。
食後に行うんですか?
はい。体に栄養が十分にある状態で、スクワットや腕立て伏せなどの筋力トレーニング、いわゆるレジスタンス運動ですね。
それや短時間で負荷をかけるH.I.I.T.などを行うんです。
なるほど。
これにより、筋肉の分解を防ぎつつ、質の高いトレーニング効果を得ることができます。
空腹時のハードな筋トレは、エネルギー不足で筋肉自体を分解してしまうリスクがあるので、下げたほうが無難ですね。
なるほど。
有酸素運動は空腹時、筋トレは食後。
目的によってタイミングを分けるんですね。
これはすごく実践的です。
そうですね。
じゃあ、実際の生活のスケジュールにどう落とし込むかについても聞かせてください。
私たちの体内時計的に一番効果が高い時間設定ってあるんですか?
時間性物学、いわゆる開日リズムの観点から最も利にかなっているのは、早期時間制限食、ETREと呼ばれるモデルですね。
早期時間制限食、どういうスケジュールですか?
これは朝食をしっかり食べて、午後16時くらいまでに夕食を終えるというパターンです。
午後16時ですか?
へえ、人間の代謝やホルモン分泌は午前中から日中にかけて最も活発になって、夜間は休息モードに入るため、このリズムに合わせるのが最も脂肪が燃えやすく、睡眠の質も上がると多くの論文が示しています。
いやいや、ちょっと待ってくださいよ。
現代社会で午後16時に夕食を終えるなんて、仕事をしているリスナーのあなたにはほぼ不可能ですよね。
夕方のミーティング中に、あ、16時なんで夕食の弁当食べますねなんて言えませんよ。
ははは、ええ、おっしゃる通りです。
科学的な理想と現代人の現実には大きな乖離がありますよね。
はい、絶対無理です。
ですから、社会人にとって最も人気があり、かつ続けやすい実践的アドバイスとして提案されているのが、朝食抜きパターンなんです。
ああ、朝食を抜くパターン。
お昼の12時に最初の食事をとって、夜の20時までに夕食を終える。
それならできそうです。
これならランチタイムや家族・友人との夕食の付き合いにも合わせやすいですし、睡眠時間も断熟の16時間にカウントできるため、圧倒的に挫折しにくいんです。
確かに、朝ごはんをコーヒーや白湯に置き換えるだけなら、忙しい朝の準備時間も避けて一石二鳥ですね。
ええ。
でも、毎日夜の20時までに食べるっていうのも、残業があったりすると厳しい日がありますよね。
だからこそ、毎日完璧にやらなければいけないという脅迫観念は今すぐ捨ててください。
おっ、捨てていいんですか?
はい。ソースの中にも明確に記されていますが、週末の土日だけ実践する、あるいは一日おきに行うだけでも、十分にカロリーの調整や胃腸を休める効果は得られるんです。
毎日じゃなくてもいいんだ。
昨日は飲み会で22時まで食べちゃったから、今日はランチを遅めにして14時間だけ明けようといったようにですね。
ライフスタイルに合わせた柔軟性を持つことこそが、長く続けるための最大の秘訣なんですよ。
それを聞いてホッとしました。
ちなみに提供されたソースの中には、現代医療の観点からの情報も含まれていましたね。
はい、ありましたね。
どうしても自力で食欲が抑えられず、ストレスで破綻してしまう場合は、GLP-1などの医療ダイエットのサポートを利用するという選択肢も提示されています。
ああ、よく聞くお薬ですね。
これは満腹感を感じさせるホルモンに似た成分を使うものですが、あくまで中立的な一つの事実、現代の選択肢として存在するということは知っておいても良いでしょう。
そうですね。
無理をして心身を壊すよりは、そうしたサポートの存在を知っておくことも大切ですから。
いろんなアプローチがある中で、自分に合ったものを選べばいいんですね。さて、ここまでの話を全て総合すると、結局どういう答えに行き着くのか。
はい。
今回の分析を通じてはっきりしたのは、16時間断食は決してこれをやれば何を食べても痩せる魔法のダイエットではないということです。
おっしゃる通りです。
疲弊した胃腸を休ませて、オートファジーで細胞のゴミをリサイクルし、結果として自然と摂取カロリーを抑えるための非常に利にかなった習慣だということ。