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もし、私がですね、世界で最も経済的に安定していて、 ものすごい巨額の投資を集めているサッカーリーグは、ヨーロッパにはないと言ったらどう思いますか?
えーっと、それは…。
さらにですね、世界トップレベルの選手が全員集まっているわけでもなくて、 極めつけはチームのカブリーグへの攻殻をシステムとして完全に禁止しているなんて言ったら?
まあサッカーの常識からすると、ちょっと頭が混乱する事実ですよね。 だって強者が生き残って弱者が落ちていくっていうのがスポーツの醍醐味だと誰もが信じていますから。
ですよね。本日のジープダイブでは、まさにその私たちの知らない常識を解き明かしていきます。
はい。
ピッチ上で繰り広がられる90分間のドラマの裏側で、目に見えない巨大なビジネスの歯車がどう回っているのか。
今回はですね、各国のリーグガイドとか、歴史的背景、それから膨大なビジネス分析などの資料を書き集めました。
なかなかすごい量でしたね。
ええ。これらの資料から、世界中のプロサッカーリーグの真の仕組みを紐解いていきましょう。
リスナーのあなたが次に試合を見る時、ただの勝敗じゃなくて、その背後にある構造的な面白さに釘付けになるはずです。
このテーマって、より大きな視点で捉えると非常にエキサイティングな発見があるんですよね。
と言いますと。
リーグのルールとか所属クラブの数、あと外国人枠といったものは単なるスポーツのレグレーションじゃないんです。
ああ、もっと深い意味があると。
ええ。その国の文化とか経済構造、そしてサッカーという巨大なエンターテイメントを世界にどう売り込むかという壮大な戦略そのものなんですよ。
なるほど。じゃあ早速、サッカー界の巨大経済圏であるヨーロッパから見ていきましょう。
リスナーの皆さんもヨーロッパの主要リーグについてはよくご存知だと思いますけど、そのビジネスモデルの違いにまで注目したことは少ないかもしれません。
そうですね。意外と知られていない部分です。
例えば、現在世界最高峰と呼ばれるイングランドのプレミアリーグ。
資料を見ると、中位のクラブであっても他国の競合クラブより資金力があったりしますよね。えっと、これどういうからくりなんですか?
あの、その答えはですね、プレミアリーグが1992年に創設された際の最大の発明にあるんです。
発明?
はい。それが国内外の法営権のパッケージ化と一括販売、そしてその巧妙な分配システムなんです。
分配システムですか?
ええ。それ以前とか他国の一部リーグでは、人気クラブが個別にテレビ局と法営権を交渉していたんですよ。
ああ、人気のあるチームだけが儲かる仕組みだったんですね。
その通りです。でもプレミアリーグは、全試合の権利をリーグ機構が一括で管理して、それを莫大な金額で放送局に売ったんです。
ほほう。
そして得た収益をまずは全クラブに均等配分するんです。
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その上でテレビ放送された試合数に応じた施設量と最終的なリーグ順位に応じた功績配分を上乗せするという仕組みを作りました。
なるほどなるほど。つまりベースとなる大きな収入が全クラブに約束されているから、昇格したばかりの小さなクラブでも世界的なスター選手をいきなり獲得できるわけですね。
ええ、まさにそれです。底辺の資金力が底上げされることで、毎週末、下位チームがトップチームを倒すかもしれないという予測不可能なゲームが生まれるんです。
それがリーグ全体の魅力を引き上げていると。
はい。これがリーグ全体の圧倒的な競争力と商品価値を高めている最大の理由ですね。
なんかスタートアップも含めてエコシステム全体が潤って、常に新しいイノベーションが起きるシリコンバレーみたいですね。
ああ、確かに非常に面白い例えですね。ただ、完全にユートピアかと言われると少し注意が必要なんですけどね。
エコシステム全体が潤っているんですが、トップシックスと呼ばれる巨大クラブとそれ以外のチームの持力の差は現実には年々広がっていますから、ただシステムとして全体を底上げするという思想が根底にあるのは事実です。
その全体を底上げする思想と全く逆の歴史を歩んできたのがスペインのラリーガですよね。
ええ、まさに対極ですね。
資料を見ると歴史的にレアルマドリードが36回、FCバルセロナが28回も優勝していて、完全に2強の支配状態じゃないですか。
そうなんです。なぜそうなったのか、そのメカニズムが重要なんですよ。ラリーガでは長年法令権の個別交渉が認められていました。
さっき言っていたプレミアリーグの前の状態ですね。
ええ、人気絶頂のレアルやバルサが独自にテレビ局と契約を結んでいたため、リーグ全体の法令権収益のなんと41%がこの2つのクラブに集中するという異常な負の弊罪が起きていたんです。
41%!?なんか巨大IT企業2社が市場の富裕をほとんど吸い上げている状態じゃないですか。それじゃあ他のクラブは絶対に追いつけないですよね。
はい、おっしゃる通りです。しかし、来席にそれではリーグ自体の魅力が失われてプレミアリーグに世界市場を奪われてしまうという危機感から
やっと思い越しを上げたと。
そうです。2016年から17年のシーズンにようやく一括管理へと舵を切りました。現在は収益の45%が均等分配されるようになっています。
かなり遅い改革だったんですね。でも最近ラリーガって日曜日の昼12時というちょっと変な時間にキックオフを設定したりしていますよね。
あれもビジネス的な理由なんですか?
まさにその通りです。スペイン国内のファンからすれば日曜の昼間からサッカーを見るのは習慣に合わないという反発もあったんですけど。
そりゃそうですよね。昼間からですもんね。
ええ。でもこれは完全にアジア市場を狙った戦略なんです。アジアのプライムタイム、つまり夜のゴールデンタイムに生中継を届けるために現地のキックオフ時間を前倒ししているんですよ。
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なるほど。すべてはどう売るかに直結しているわけですね。でもお金が集まれば集まるほどいい、激しい競争があればあるほどいいというわけでもない気がするんです。
と言いますと。
資料にあったイタリアのセリエAの90年代の歴史を見るとちょっと背筋が寒くなりますよ。
ああ、当時のセリエAはセブンシスターズと呼ばれる7つの競合クラブが世界中のスター選手をかき集める大バブル状態でしたからね。
でもあの華やかなバブルは弾けましたよね。パルマラット社の紛失決算とかオーナー企業の泡満経営のツケが回って、名門クラブが次々に破綻していったじゃないですか。
ええ、本当に悲惨な状況でした。
これって結局強すぎる競争とか見栄のための過剰な投資がリーグそのものを自滅させたってことなんじゃないですか。
その分析は非常に的確です。セリエAの波乱版状な歴史はスポーツビジネスにおける重要な教訓なんですよ。
教訓ですか。
はい。その後、2006年のカルチョポリという大規模な野党庁スカンダルがあって、さらにヨーロッパ全体でFFP、ファイナンシャルフェアプレーという制度が導入されました。
そのFFPってよくニュースで聞きますけど、具体的にはどういうメカニズムなんですか。
簡単に言えば、クラブが自分たちで稼いだお金、つまり事業規模の範囲内でしか選手獲得や難報の支出をしてはいけないというルールです。
ほうほう。
昔のセリエAのように、大富豪のオーナーが自分のポケットマネーから無限に赤字を補填して大型補強を行うというチート行為を禁止したんです。
つまり、無限にお金が湧いてくる裏技をシステム的に使えなくなったんですね。
だからこそ、ユベンタスみたいに自前でスタジアムを建設して、チケットとか飲食、VIPルームで自分の力で稼ぐ構造を作ったクラブが、
ええ。
その後、全人未踏の急連覇を果たせたわけだ。
まさにその通りです。ビジネスとして自立していないA課は、砂上の牢獄に過ぎないということですね。
なるほどな。じゃあヨーロッパの勤慢な戦いから少し離れてみましょうか。
ここからが本当に面白いんですが、今回の資料によれば、世界のサッカー界には全く違う2つの極端な運営モデルが存在するんです。
ドイツとアメリカです。
ああ、この2カ国のモデルはスポーツを誰のものと定義するかの哲学が真っ向から対立していて、非常に興味深い比較対象なんですよ。
まずドイツのブンデスリーガーですが、ここには50プラス1ルールという絶対的な置き手がありますよね。あのこれどういう仕組みなんですか?
クラブの意思決定を行う議決権の過半数、つまり50%プラス1票以上を必ずクラブの母体となるファン、つまり会員正法人が保持しなければならないというルールです。
ファンが過半数を持つってことですか?
ええ、つまりどれだけ大企業が資金を出資しても、クラブを完全に乗っ取って好き勝手に経営することは法的に不可能なんです。
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なるほど、でもそれだと大規模な投資が入りにくくなりませんか?
おっしゃる通り、資本主義の観点からは明らかに不利になります。しかし、議決権をファンが握っているということは、ファンに不利な決定は絶対に可決されないという最大のメリットがあるんです。
ああ、だから分裂リーガは平均チケット価格が28ユーロちょっと、だいたい4500円くらいという、他のヨーロッパ仕様リーグと比べて圧倒的な安さを維持できているんですね?
ええ、そうです。
ファン自身が取締役会にいるようなものだから、自分たちの首を絞めるようなチケット代の土産には絶対に賛成しないと?
その通りです。結果として、ボルシアドルトモントのホームスタジアムには毎試合8万人が詰めかけて、黄色の壁と呼ばれる世界有数の熱狂的なスタンドが生まれています。ファンを最優先するエコシステムが完成しているんですね。
素晴らしいシステムに見えますけど、資料の中にちょっと気になる記述があったんですよ。レッドブル艦船のRBライフ追飛というクラブが、ドイツの連邦カルテル庁から問題視されていると、彼らはこの厳しいルールをどうやってすり抜けたんですか?
ここが法律の抜け穴の面白いところなんですよ。ライプツ比は、建前上は会員制法人を作ってルールを乱しました。しかし、その会員になるための年会費を一般のファンには到底払えないような崩壊な公額に設定して、さらに新規入会の承認権限をクラブ側が握ったんです。
ちょっと待ってください。つまり、レッドブルの社員しか会員になれないような状態を作って、実質的に企業が100%支配しているってことですか?
そういうことです。さらに、ブンデスリーガは企業名をクラブ名に入れることも禁じているんですが、彼らはラーゼンバルシポルトという言葉をクラブ名にしました。
ラーゼンバルシポルト?
はい。これは直訳すると、芝の上で行うボールスポーツという身意味な言葉なんですが、お文字を取るとRBライプツイヒーになるんです。
あー、なるほど。
つまり、レッドブルのRBを安にアピールしているわけです。
うわー、それは見事なトンチというか、かなり強引な抜け道ですね。ファン第一主義のシステムの中で、資本主義がどうやって隙間を縫うかというリアルなドラマを見ているようです。
まさに。そして、その資本主義の論理を何の隠し立てもなく、究極の形でシステム化したのが、アメリカのMLS、メジャーリーグサッカーなんです。
出ましたね、アメリカ。リスナーの皆さん、ここでちょっと想像してほしいんですが、サッカーの醍醐味といえば、シーズン終盤の血みどろの広角争いですよね。でも、MLSには小広角制度が一切ないんです。
ええ、どれだけ負けて再開になっても、絶対に来シーズンもトップリーグにいられますからね。
ヨーロッパや日本のサッカー文化からすると、異端中の異端ですよね。ぶっちゃけ私からすると、広角の恐怖がないサッカーなんて、絶対に主人公が死なないアクション映画を見ているようなもので、ビジネスとしては安心でしょうけど、ヒリヒリするような緊張感に欠けるんじゃないかと思うんです。
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まあ、スポーツとしての純粋なロマンを求めれば、そう感じるのは当然だと思います。しかし、ここで投資家の視点に立ってみてください。
投資家ですか?
ええ、数尺億円という莫大な資金でクローブを買収した直後に、株リーグに降格してクラブの価値が10分の1になる。そんな恐ろしいギャンブルに賢明なビジネスマンは投資するでしょうか?
確かに。降格という死のリスクがあるから、ヨーロッパのクラブは常に倒産と隣り合わせなんですね。
そうです。そこで、MLSはシングルエンティティ、つまり単一事業体という独自の方向像を持っています。これは30個の独立した企業が競争しているのではなく、MLSという一つの巨大な株式会社の中に30個の視点があるというイメージです。
ということは、選手は各クラブ、つまり視点と契約するんじゃなくて、MLSというリーグ全体、本社と直接契約を結んでいるんですか?
その通りです。これによって何が起きるかというと、視点同士で選手の年報を釣り上げるような無駄な競争が起きず、リーグ全体のコストが完全にコントロール可能になるんです。
なるほど。出口の安定、つまり降格なしということと、コストの管理が完璧に保証されているからこそ、莫大な資本が安心して流入してくるわけだ。
ええ。その圧倒的な資金力があるからこそ、アメリカの広大な国土の移動であっても、全チームにアウェー遠征でのプライベートジェット使用が義務付けられたりするわけです。
遠征でプライベートジェットですか?Jリーグや欧州の中堅クルブじゃ考えられない贅沢な環境ですよね。
さらに、アトランタユナイテッドFCのように、スタジアムでホットドッグを2ドル、大抵310円くらいという破格で提供して家族連れを呼び込むといった長期的なファンファースト戦略も、経営が安定しているから打てる手なんです。
面白いですね。広角がないことでドラマは減るかもしれないけれど、その代わりに局上のエンタメ空間を確実に提供できると。実際、資料によると、2025年のMLSの平均観客動員数は21,988人。熱狂的だと言われる日本のJ1リーグの21,246人をすでに上回ってるんですよね。
そうですね。完全にエンタメとして成功しています。
あと、交代時に10秒以内にピッチを出ないといけない10秒ルールとか、ゲームを退屈させない合理的なルールをどんどん試験導入しているのもアメリカらしいです。
純粋なビジネスとしてのサッカーの一つの完成形と言えるでしょうね。ただし、選手の年報が1ドル単位まで公表されて、個人の意思に関係なくトレードで売買されるという選手にとっては極めてシビアな環境でもあります。
さて、ここで私たちにとって身近なJリーグやその他の地域の事情も少し整理しておきましょうか。Jリーグは世界のモデルの中で見るとどんな立ち位置なんですか?
Jリーグはヨーロッパ型のピラミッド構造を非常に忠実にローカライズした優等生モデルと言えますね。
優等生モデル?
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A、J1、J2、J3という3部構成で現在60チームがひしめき合っていて厳格な昇降格制度があります。特定の企業名を冠した企業スポーツから脱却して地域密着を掲げて全国にクラブが点在している。これはアメリカのフランチャイズ制とは対局にある生存競争型のモデルです。
非常に理路整然としていますよね。でも資料を読んでいてちょっと頭が痛くなったのがブラジルのシステムなんですよ。これどうなっているんですか?
ブラジルはまさに迷宮ですよね。国をまたぐ全国リーグがありながらそれと並行して各州で州リーグが開催されて、さらにトーナメント戦のコパドブラジルまで走っているんです。
つまり一人の選手が同時に3つの異なる大会の枠組みを戦うような超ハードスケジュールってことですか?
はい。Jリーグの整理された構造とは真逆のある種の混沌ですね。でもその過酷な環境と試合数の多さがブラジル特有のタフな選手育成につながっているという見方もあるわけです。
なるほど。そして試合数という点において各リーグの運営側が今最も頭を悩ませているのがクラブ数の増減というダイヤルの調整なんですよね。
ええ、まさにそこが重要なんです。
23年から24年のシーズンにかけて参加クラブ数を20から18へと縮小させましたよね。
はい。
広角枠を一時的に増やしてまであえてチーム数を減らしたと。
はい。
普通に考えたらチーム数が多い方が試合数も増えて放映件量やチケット収入が儲かりそうな気がするんですけど、なぜわざわざ減らすんですか?
理由は2つあります。
1つは希少価値の向上ですね。
チーム数を絞ることで質の低い試合を減らして1試合あたりのブランド価値を高めて放映件量の単価を上げる戦略です。
もう1つは選手の疲労軽減です。
試合数が減れば怪我のリスクも減って常にベストメンバーで高いパフォーマンスを発揮できますから。
なるほど。ケーキのサイズは同じでも、切り分ける人数が20人から18人に減れば1クラブあたりの取り分も増えますしね。
ええ、その通りです。
一方でアメリカのMLSは2025年に向けてクラブ数を30へと拡張し続けている。
リームのチーム数って単なる数字じゃなくて、お金と選手のコンディションをコントロールする巨大なレバーなんですね。
おっしゃる通りです。
そしてもう1つリーグがコントロールしなければならない巨大な壁が外国人枠なんです。
ここにも各国の露骨な戦略が現れます。
ラリーガはEU圏外の選手を3名しか登録できないという厳しいルールがありますよね。
だからこそ、南米から来た若手選手がいかに早く特例などでスペイン国籍を取得できるかがクラブの運命を分けたりすると。
ええ。対して、プレミアリーグはイギリスのEU離脱、いわゆるブレグジット以降、GBEという独自のポイント制を導入しました。
そのポイント制って具体的にはどうやって計算されるんですか?
選手の国際Aマッチでの出場数とか、現在所属しているリーグのレベル、そのクラブの国内リーグでの順位や大陸大会での成績などもポイント化するんです。
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かなり細かいですね。はい。一定のポイントを満たさないとイギリスの労働許可書は下りません。
つまり本当にトップレベルの実績がある選手しか入国できないようにしたわけです。
なるほど。さらにプレミアリーグは国籍を問わず、イングランドやウェールズのクラブで若手時代に3年間育成されたホームグローンの選手を最大8名登録しなければならないという義務もありますよね。
ええ。自国の若手育成システムを守りながら、外からは超一流しか入れない。かなり計算されたエコシステムですね。
そうですね。しかし今そういった緻密に計算されたヨーロッパのエコシステムを根底から揺るがす全く新しい脅威が台頭しているんです。
サウジアラビアのオイルマネーですね。
はい。
資料によると、2023年にサウジアラビアの政府系ファンドPIFが国内の主要4クラブの株式のなんと75%を一気に取得したと。
ええ。そしてご存知の通り、クリスティアノ・ロナウドやネイマールといった世界の超トップスターを天文学的な年報で爆買いしました。
これ少し前に中国のリーグが巨額の資金で選手を集めた時期がありましたし、先ほど話に出た90年代のセリエへのバブルとも似ている気がするんですが、これは一時的なバブルの再来なんでしょうか?それとも全く新しいフェーズなんですか?
過去の企業バブルとサウジアラビアの動きの最大の違いはその背景と持続可能性なんです。セリエへのバブルはあくまで1企業、1オーナーの利益や見栄に依存していました。
しかしサウジアラビアの投資は国家の石油依存からの脱却を目指すビジョン2030という国家戦略そのものなんですよ。
つまり国家予算レベルの投資が一つのリーグに注ぎ込まれているということですね。
ええ、しかもサウジプロリーグは外国人枠を8人に拡大しただけでなく、新たに21歳以下の外国人枠を2名分新設しました。
ということは?
これはつまり引退間際のベテランスーパースターだけでなく、これから前世紀を迎える世界の有望な若手選手まで根こそぎターゲットにしているということです。
それはヨーロッパのクラブからしたら相当が脅威ですね。
ただ資料を読むと、サウジアラビア国内でも自国の若手選手の出場機会が奪われて、結果的に代表チームの弱体化につながるんじゃないかという懸念の声が上がっていたり。
ええ、そういう声もありますね。
あとは人権問題から目を反らせるためのスポーツワッシングだという批判も一部にはあるようです。
もちろん今回のディープダイブで私たちがどちらかの政治的な立場を支持するわけではありませんが、資料が示す通り様々な議論を巻き起こしているのは間違いないですよね。
はい。国家の多額化戦略としてスポーツが使われることで、世界のサッカーカレンダーや遺跡市場の構造そのものは今まさに作り変えられようとしているんです。
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いやー、ここまで分厚い資料のスタックをもとに世界のプロサッカーリーグの全貌を深掘りしてきましたが、本当に圧倒されました。
私たちが週末に見ている90分の試合は単なるスポーツの勝敗じゃなくて、言ってみればビジネスモデルと文化の代理戦争だったんですね。
まさにその通りですね。
法営権を平等に分配して全体を底上げするプレミアリーグ、絶対的なファン試験を法律で守り抜くブンデスリーガー。
はい。
純粋なビジネスとして究極のリスクヘッジとエンタメ化を押し進めるMLS。
そして国家戦略としての圧倒的な資本力でヒエラルキーをひっくり返そうとするサウジプロリーグ。
それぞれが自分たちの環境に最も適したルールを作って戦っているんです。
リスナーのあなたが次に日老のチームの試合を見るときは、ピッチ上のボールの動きだけじゃなくて少し視点を広げてみてください。
このスタジアムがいつも満員なのはファンのための安いチケットシステムがあるからなんだなぁとか、
このチームの選手がこんなに必死に走っているのは広角による数十億円の損失という恐怖が背後にあるからなんだなぁと。
その見えないシステムを知っていれば、これからのサッカー観戦は今までとは全く違う何倍もスリリングな体験になるはずです。
すべての熱狂は緻密に設計されたルールの産物なんですね。
それを知ることでより深くスポーツを楽しめるようになります。
最後にリスナーの皆さんに少し考えてみてほしいことがあります。
アメリカのMLSがコーケラーシという安全なシステムで莫大な利益と安定を生み出して、
サウジアラビアが国家主観という無人像の力でスターを引きつける中、
ヨーロッパやJリーグが長年大切にしてきた小広角の残酷なドラマは、果たしていつまで生き残ることができるのでしょうか。
なかなか鋭い問いですね。
もしたすると10年後、サッカー界の真の勝者となっているのは、
ピッチ上で最強の選手を集めたチームではなく、ビジネスとして最強のルールを作り上げたリーグになっているのかもしれません。
次回試合のホイッスルが鳴ったとき、彼らが一体どんなシステムの中でプレーしているのか、ぜひ想像してみてください。