2022-03-01 13:55

ヤッホーブルーイング編5|コロナ禍をチャンスに

クラフトビールブームの台頭を受けて、「2020年までにビール市場のシェア1%を取る!」と宣言した井手直行社長。しかし、その目標だった2020年を前に新型コロナウィルスによるパンデミックが発生。飲食業界に突如ピンチが訪れます。もちろんクラフトビールもその煽りを受け、多くの業者に厳しい状況が訪れました。この窮地を、ヤッホーはどう切り抜けたのか?その物語に迫ります。

協力:株式会社ヤッホーブルーイング
ナビゲーター:倉嶋かれん( 東宝芸能)
プロデューサー:富山真明(PitPa)
制作:株式会社PitPa

◆ご紹介製品(公式サイト)
よなよなエール
水曜日のネコ
インドの 青鬼 

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よなよなエール
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水曜日の猫が大ヒット製品となってからも、ヤッホーブルーイングは様々な製品開発に取り組みました。
カツオ節や柚子、米麹など和素材を使ったシリーズや、カエルのキャラクターが愛らしいボクビール、キミビールなど。
そして、2017年、主力製品ヨナヨナエールのリニューアルにも取り組みました。
その一人が、ヤッホーブルーイング醸造担当者の森田雅文です。
忙しかったと思って、なかなか手を付けられてもらったんですけど。
本越入れて新しいビジュアルがあったと。
1年くらいから作って、もちろん何回も話し合わせして。
自分たちの中でも何が正しいテレビなんだ、みたいな物差しを作った上で、リニューアル、レシピに向かうという感じです。
ヨナヨナエールは、結構もったりと甘くて、カラメル感とシリアル。
ホップは穏やかな、控えめくらいの、どうしようやったら、大まかな柑橘、みかんとかを思わせる香りが強い。
ヨナヨナエールのブランドコンセプト上は、もっとグレープフルーツとかレモン。
酸味を伴った柑橘類を思わせる、ジューシーな組みというところを出したんですよね、ブランド上。
突然それだけ劇的に変更させるのは、なんとなく僕の作り手として市場を見てきた感覚とか、
ヨナヨナエールのファン、支持してくださったお客様の感触を見ると、そこまで一気にドライに酸っぱくホッピーにすると、
今のヨナヨナエールの良いなと思っているところが全部なくなっちゃうことになると思ったので、
目指す方向性がありながらも、今の延長線上に置くように作ったというようなようなものですかね。
結果として今のヨナヨナエールも、クリーンな、ベタつかない甘みとか、モルトのふくよかさをちゃんと持ちつつも、
よりレモンとか柑橘を感じられる、ジューシーなエールになっているんじゃないかなと思います。
リニューアルとなったヨナヨナエールも好評を博し、ヤッホーは年々売上を伸ばしていました。
かつて井出社長が立てた、2020年までにビール市場のシェア1%を取るという目標も、
これで達成確実かと思われた矢先。
この状況は国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼす恐れがあると判断いたしました。
緊急事態宣言を発出することといたします。対象となる範囲は関東の…。
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地元の観光地の軽井沢の売り上げが激減し、
あとヨナヨナビアワークスっていう都内に8店舗ある飲食ビアレストランも売り上げ激減し…。
さらにファンとの絆を深めるために開催していた交流イベントもリアルでの開催は中止となりました。
そしてビール醸造部門はというと…。醸造担当者、森田正文です。
社内的には製造とか受注っていう部門を背骨部門と位置づけて、そこに絶対コロナを持ち込ませる。
そこにコロナが持ち込まれちゃうと事業が停止するわけですよ。創業が止まってしまうので、
そこを第一に守りどころとしようという経営方針を立てて、それに対して僕らは粛々と科学的に正しい対応してきた。
3つの基本的な方針があって、まずスタッフがコロナに罹患しないことなので、
スタッフのプライベートも含めて事情をよく理解してもらって、罹患しないように行動してもらう。
次にそれを醸造所に持ち込まないというルールですよね。
持ち込んでも広めない、移らない、持ち込まない、広めない。
この3つの柱をルール守って、全員基本的には醸造所のメンバーは出社して普通通りに創業しています。
実際、コロナによってクラフトビール業界全体を取り巻く状況は大きく変化しました。
コロナ禍で皆さん苦しんでいますというのは、クラフトビールメーカー500社以上ありますけど、
多くが観光地依存型か飲食店依存型なんです。自分でビアレストランを経営しているので、
両方ともコロナの影響を観光地と飲食事業というのは両方とも受けているので、
そこが主軸なので、コロナが始まってからもそこは今に至ってもずっと苦しい状況が続いています。
しかし、これまで様々な逆境を乗り越えてきたヤッホーの井出社長は、
これをチャンスと捉え、大きな一歩を踏み出したのです。
スーパーとかコンビニの売上とか通販の売上が上がっていったんですね。
この傾向はすぐ掴めまして、うちは悪いチャンネルもあるけどいいチャンネルもあるんだという、
そこに経営資源を集中して、悪いところはあまり無理せずいいところに集中しようと。
コロナ禍で外出が自粛となったことで、営業部員が客先に行けない状況にも直面しました。
井出社長はこれもプラスに捉え、反撃に出ます。
店舗にはなかなか訪問できなくなったんですけれども、
新規のスーパーとか酒屋さんとか、特にスーパーとかで世代で扱っていないところがたくさんいるので、
この状況をちゃんと伝えてあげて、電話とかインターネットとかメールとかで営業をして、
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置いていただければ今、その盛り需要でクラフトビルすごく売れますよと、
こんな風に今までやってなかった営業活動にシフトして。
すると、一定の割合で反応が出てくるようになったといいます。
実際に商談も新規が何件も決まり、販路が増えていきました。
中止になったイベントはオンラインで開催。
延べ1万人ほどが参加しました。
本当だったらね、あの今日は北軽井沢のキャンプ場で、
超宴やる予定だったんですけど、こういう状況なんで、
初のおうち超宴、通常の超宴に参加して、
今日は楽しんでいただけるように、スタッフ一同頑張りますんで、
よろしくお願いします。じゃあいいですか?
せーの、乾杯!
多くの企業にとってはピンチなんですけど、
ただ、すご盛り需要という、店頭、スーパーとかコンビニで、
クラフトビールを飲むきっかけ、量を飲むきっかけ、
今回確実になっているので、我々はこれをチャンスだと見て、
クラフトビールが一気に世の中で浸透する機会だと思っているので、
業界のリーダーとして、ここはもう歯を食いしばって、
ついていくしかないなというふうに、みんなにお願いしながら、
頑張っていくことです。
最終的に、コロナ前と比べても大幅な増収につながりました。
そして、醸造部門でも新たな動きがスタートしました。
信濃鉄道の駅前にある空き店舗を居延べして、
新たな醸造所がオープンしたのです。
これまでの醸造所に比べ、グッドサイズの小さい小ぶりな製造所。
醸造担当の森田雅文は、この拠点に大きな期待を寄せているといいます。
フルバーと飲み手のお客さん、
お客さんにとっては、
フルバーと飲み手のお客さんが直接対話できたり、
ビールを作っているところを直接見てもらうフレームがあるというのは、
クラフトビールを体験する上で、
すごく原始的な、原体験につながるようなことだと思うんですよね。
なので、あそこを基地としてお客さんが集まってきて、
ウォッチサイズも小さいので、試験的なビールがたくさん作れますから、
僕たちの新しい経営に対してどういう反応をするのか、
僕たちとしては見たいですし、
どういう気持ちで作っているのかというのを直接触れ合いたいですし、
お客さんの視点からすると、
そういう全く世に出ていない新しいビールを試して喜んでもらいたいですし、
僕たちフルバーにフィードバックしてほしいですし、
クラフトビールの初心者の方であれば、
こんなビールがあるのっていうのを現場とかフルバーに直接触れて、
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目覚めのきっかけ、原体験の場所にしてほしいなと。
そう、そんな風に思っています。
そして、地元企業とのコラボビールの開発も視野に入れているそう。
醸造家どっちじゃなくても、
他の業種でもいろいろ面白い取り組みをされている方々っていっぱいいると思うので、
そういった方々と新しいクリエイティブな取り組みをするということももちろんやりたい。
例えば、日本酒の高倉さんに酒を持ってきてもらって、
酒とビールを一緒に発泡させようかとか、そういうことだってもちろんできると思うんですよね。
あとは、彼氏だっておいしいコーヒーのロースターさんがいっぱいいますから、
おいしいコーヒービールを一緒に作ってみようとかっていうのでももちろんいいと思いますし。
逆境の中でも、ヤッホーは着実に一歩一歩歩みを進めています。
最後に、今後の抱負を伺いました。
なんだろう、ビール作ると直接ちょっと関係なくなっちゃうかもしれないんですけど、
僕たちのこのブルワーチームが、やっぱり日本の歴史を塗り替えてるよねって認知されてるっていうのが、
一番目指しているところかなと思います。
僕個人がすごい技術や能力を持ってやっていくっていうよりも、
やっぱりチームでビールを作るし、
その作ってるブルワーチームが、あの人たちやっぱりすごいよねと思ってもらえてる状態っていうのは、
やっぱりコツコツ10年くらいかけてやっていきたいなと思いますね。
今後はもうちょっとバカデカい抱負なんですけど、コロナが落ち着いてね、
また海外でももっともっとヨネエネールを広めていきたいなと思ってるんですけども、
将来的にはそのヨネエネールを飲んだり、僕らのサービスを通じて幸せな人を増やしていきたいなと思っていて、
それが日本だけじゃなくて世界にもそういう活動をしていった結果、
ヨネエネールでノーベル平和賞を取りたいなと、
それぐらいビール屋なんですけれども、世界平和にみんなが幸せになるような活動に、
今後はますます軸足を移していきたいなと、夢は壮大になっております。
ここまで皆様と一緒にヤホーブルーイングについてお話をしてきて、
会社を継続することの大変さとか、人との向き合い方、
ものづくりの大変さ、楽しさ、
そして何よりもビールが大好きっていう、ビールへの愛情みたいなものをすごい感じることができて、
私も愛情を持ってものづくりをしていきたいなと改めて思いました。
では、お待ちかね。ついにヨネヨネエールを飲んでみたいと思います。
おいしい。おいしいです。
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私が初めてこのヨネヨネエールを飲んだときって、本当に何も知らずに飲んでて、
いつもと違うなっていうぐらいで、おいしいなって思ってたんですけど、
今日こうやってお話をお伺いして、いろんなことを知って飲んでみると、
細かい香りだったり、香ばしい風味というか、
この一つ一つをどれだけ時間をかけて作ってきたんだろうなっていうのは、
一口飲んだだけで染み渡るというか、ただおいしいじゃないなっていう感じですね。
最高の一杯にかける挑戦者たち、
今日はここまで。
また次回この番組でビールのおいしい物語を堪能しましょう。
お相手は倉島佳蓮でした。
今回番組内で登場したビールは、
ポッドキャストの番組詳細欄に詳しく記載されていますので、ぜひご覧ください。
また、アップルポッドキャストでレビューや感想をお送りください。よろしくお願いいたします。
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