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2025-08-26 47:02

S5 ep14 漆のことならどこまでも!当代漆研究記 ゲスト:COCOO&佐藤喜代松商店・佐藤貴彦(中編)

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漆を軸とした日用品を展開するCOCOOのお二人をお迎えするゲスト回第二回では、前編で超重要なキーマンとして登場した株式会社佐藤喜代松商店の佐藤貴彦さんにも加わっていただきます。漆の可能性をアカデミックに研究し製品開発を続ける佐藤さんに、なぜそのようなアプローチに進んでいったのか、漆研究の面白さについて伺っていきます。


【ゲストプロフィール】

COCOO(こくう)

代表 / 発起人 北山 浩

共同発起人 / 漆広め隊 前田 愛花

2022年、魔法瓶好きが高じ、次世代に続く本質的な仕事をしたいと考えた北山さんと、母親の故郷、岩手県二戸市の漆職人の後継者不足の実態を知った前田さんが共同で創業した日用品ブランド。「漆」という日本の伝統素材を軸に、日本に眠る技術の原石を掘り起こし、各地の匠たちと連携しながら⻑く愛されるものづくりを続けています。


佐藤 貴彦

株式会社佐藤喜代松商店 代表取締役

1921年(大正10年)京都で漆屋として創業した佐藤喜代松商店の4代目。伝統的な漆精製技術を継承する傍ら、自ら漆を科学的に研究し、新たな漆の用途開発を続けている。漆へのアカデミックなアプローチにより、建築や自動車、靴、金属工具、アーティストたちの作品など、革新的かつ幅広いジャンルのものづくりに携わる。


【今回の話題の関連リンク】

COCOO

https://co-coo.jp

COCOOオンラインショップ

https://cocoo.shop-pro.jp

株式会社佐藤喜代松商店

https://urusi.co.jp/

広報誌「とっきょ」Vol.64 2025年3月7日発行

漆のポテンシャルを引き出す特許技術を共同開発

他領域の技術を応用した精製法で高い光沢感・透明感の漆が誕生

https://www.jpo.go.jp/news/koho/kohoshi/vol64/02_page1.html


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BGM: Cradasu | mesco.

⁠⁠⁠https://youtu.be/OEbiFJKspjo?si=L0ADhS5pqqfntvyd⁠⁠


⁠パーソナリティ:岩田篤 蔡海 福原志保

サマリー

このエピソードでは、COCOOのメンバーと佐藤喜代松商店の佐藤貴彦氏が漆の歴史や伝統技術、科学的なアプローチによる漆の用途開発について話しています。特に、自動車や建築など新しい分野に漆を応用するための研究や実験が紹介され、漆の魅力が再発見されています。また、佐藤貴彦氏は、漆の技術やその可能性について詳しくお話ししています。特に、自動車に塗る漆の挑戦や、MR漆の開発がもたらす新たな可能性について掘り下げています。漆の色に関する深い知識や、伝統的な顔料の使用法、ウルシアのビジネススタイルも紹介されています。さらに、漆の製造過程での技術や様々な素材の使用についても議論されています。今回のエピソードでは、漆の表現技法や新たな発見に関する話があり、佐藤喜代松商店とCOCOOのビジネスの展望も明らかにされています。楽しく研究開発を進めることが、創造性を豊かにする重要な要素であることが強調されています。

漆の伝統と革新
CRA出しRADIOは、様々な手法で物を生まれ変わらせるコレクティブ、ConCRAのメンバーが、工芸を軸に、物と人との関係、物を作ることについて皆さんと一緒に考えていく番組です。
ConCRAの海です。
司法です。
岩田です。
そして、よろしくお願いします。
今回もまずはCOCOOのお二人。
COCOOの北山です。
COCOOの前田です。
よろしくお願いします。
前回の最後に予告していた通り、前回のエピソードで相当さんざん話題になりました。
佐藤喜代松商店の佐藤社長にお越しいただいております。
まずは一声お願いします。
こんにちは。佐藤喜代松商店の佐藤貴彦です。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
ご紹介も不要という感じもしなくもないですけど、いろいろお話を前回でも聞いたので、
あのプロフィール部分だけご紹介させていただきます。
佐藤貴彦さん、株式会社佐藤喜代松商店の代表取締役でいらっしゃいます。
1921年、大正10年、京都で漆屋として創業した佐藤喜代松商店の4代目でいらっしゃいます。
伝統的な漆生成技術を継承する傍ら、自ら漆を科学的に研究し、新たな漆の用途開発を続けていらっしゃいます。
漆へのアカデミックなアプローチにより、建築や自動車、靴、金属工具、アーティストたちの作品など、革新的かつ幅広いジャンルのものづくりに携わっていらっしゃいます。
というわけで、よろしくお願いします。
前回はまず漆というものにたどり着くまでのお二人の奇跡からお話を伺って、
そこで最重要人物として佐藤さんが登場したわけなんですけど、
喜代松さんの佐藤さんを発見したのも論文でというお話があったので、
すごくアカデミックに漆のことを研究されているというところから、
僕らの番組も一応工芸をテーマにやっていますが、
漆について取り上げて詳しくやったことも今までなかったので、
そもそも漆というところからいろいろお話を聞けるといいかなと今回は思っております。
漆の科学的アプローチ
というわけで、よろしくお願いします。
プロフィールから漆のイメージが変わった。
自動車とか、私の中で漆って室に入るサイズでなきゃ無理じゃんって。
だから箱、湿度の高い箱に入れてないと無理だけど、車とかどういうこと?
一番でかいものは建築って言いますね。建築、自動車。
今までで一番大きいものって何ですか?漆に関わった。
大きいものは?
面積で言うと建築ですよね。
フローリングを塗ったり、フローリング家具を塗ったり、
フローリング天井を塗ったりとか。
天井があるし。
それは細かい材を塗るとかじゃなくて、出来上がっているところに塗っていく?
フローリングとか、部材で塗れるものは部材で塗った方が工期も短く過ごし楽なんですけど、
どうしても施工した後の現場で塗らなきゃっていうのが時々あったので、
それを可能な限りは何でもやりましたね。
塗った後どうやって固まるんですか?
漆が固まる話は先にもされたので、
ある程度の温度と湿度がないと漆が固まってくれるんですよね。
季節を選べば、今の時期はほっといても乾いてくれるので、
それはいいんですけど、
建築の情報って真冬の1月とか2月、3月に塗ったりするのも結構あるので、
その時は漆の方で工夫するのと、現場の方で加温加湿でいえばする。
その時にはどうするかを考えますね。
漆は漆屋なので、漆の方である程度調整できるんですよ。
漆を調合して冬でも乾きやすい?
乾きやすいように調合していますね。
それは漆の調合とか配分とか、
佐藤さんの親世代の代から教わったものとか、
そういうのよりは研究されてやったこともかなりありそうなお話で聞いている感じなんですけど、
どうなんでしょう?
僕ももともと家業を継ぐつもりではいなかったので、
大学は西山産業省で、理系で農学部でやったので、
研究から漆を触って、
初めて触って、漆って面白いなと思った。
漆に触ったきっかけもあって、サイエンスの目線から入って、
漆を伝統的なものだけど、
科学的に見て分析して、ということを始めた。
そうすると、どうすれば乾きやすくなるのかとか、
丈夫になるのかとか、そういう実験を一番初めにやった。
漆にかかっているので、一番初めにやったのはそういう研究を始めた。
何の研究をされていたんですか、その農学部?
大学は農学部、農業に教科があって、
高校生ぐらいのときはバイオテクノロジーというのが流行ったんです。
ちょっと遺伝子とかを触れるようになり始めた時代。
高校のときにバイオテクノロジーに興味があって、
家内科学や農学の授業をいろいろ受けたら、
バイオテクノロジーのいく種の先生の授業を掛けたら、
あまり面白くなかった。
大洋昆虫学部の先生の授業がすごく面白かったので、
そのまま研究室は大洋昆虫学部に入ったんです。
大洋昆虫学部?
農学部なので、農業害虫の研究と、
農業害虫の点滴の研究を大学にやっていました。
それって今の漆の研究につながる部分はあったりするんですか?
研究って、軍は何をやっても、
結局やっていることは課題を見つけることですね。
あるいは課題があるのをどう解決するかという道筋ですよね。
僕ら実験をやるので、課題を解決するためにはどういう実験をするか。
その実験を実行して、客観的なデータを取って、
そのデータを客観的に分析して、解決すると
さらに新たな課題が出てきて、繰り返しですよね。
全ての研究は一緒だと思っていて、
漆にそれが置き換わってもやることは基本は一緒だなと僕は思っています。
研究と特許の重要性
これは面白いなと思っています。
それはサイエンスの目線でも面白いと思っています。
文化性とか歴史とかも面白いなと思っています。
一番初めに研究が、自動車に漆を塗ろうという。
一番最初に。
お題が。
自動車を塗るための下準備をするというのが、
僕が一番初めに漆に関わった時の実験程度というか、
それは依頼があったんですか、自動車屋さんから?
いえ、漆を買い入れを開出して、乾きやすくするとか耐光性を良くするとか、
漆の需要が減っていた中で、
うちの父親が何か漆のできることがないかと言って、
京都市の産業衣装研究所と共同研究をして、
漆を応用範囲を広げようと研究をしたんです。
そこで基本的な特許が取れてできたのがMR漆という漆で、
MR漆を従来の用途、漆器とか物端とかじゃないところへいかなく発信しようかという時に、
やっぱり車に漆を塗らなければいけない。
車にはいらない。
どこで塗るか、誰が塗ってくれるかというと、
それを塗るためにはどうしないといけない。
課題が多いですね。
そういうのがあるし。
それは大学校に出られてからのお話なのですか?
大学は修士課程に出ていて、あまり就職するときとは違うなと思って。
研究職で。
修士が出たときに、研究が何かも必要で、何かもいいかなと思って。
青年海外協力隊に行ったんですよ。
どこに?
中米のエルサルバトリー。
そこで農業の教員、外畜法従の専門家として2年間行って、
それで帰ってきたのが2002年の2月。
農業科では、ジャイ科の専門家になるということ。
エルサルバトリーに行っているときに、ジャイ科の農業プロジェクトがあって、
そこに専門家がいろいろ行ったんですよ。
そこもいろいろ出会いしていたんですけど、
佐藤君、この仕事好きやろ?
はい、と言って、楽しかったです。
佐藤君、日本に帰ったら、とりあえず博士で取って、
そのまま戻ってみなさい、みたいな。
自分もそのつもりで、2年間の協力隊に行って、
そのまま博士課程、入学試験で入っている。
それと同時で、うちの父親から、
博士の研究を、サミス研究所と共同研究をやっているから、
主任人事でいいから、博士の実験をアルバイトでやってみて、と言われて。
父さんはすでに研究…
うちの父親は研究者では全然なかったので、
研究はできなかったんですよね。
ただ、研究ってことは奨励するようなことをやらないと、やっぱりあかんなって思ったし、
その前に、うちの父親の時代に、
漆を科学する会という会を業界の人たちで立ち上げていて、
漆をちゃんと科学的に見て、科学的な見せで見ることで、
将来何をしようかという会があった。
お伺いする限り、ちょっと研究したというレベルじゃないんですよね。
そうなのよ。
私、特許庁のサイトでMR博士の記事を読んで、
あれ?聞いたことに既視感があるぞと思って。
そういえば、インタビューしたいというふうにずっと岡田さんが言っていた人、これ?と思って、
リンクを送ったら、そうって言って。
全然、特許のウェブサイトを見る人、普通にいる人はあまりいないと思うんですけど、
仕事から見るんですよ。
岡田さんもR&Dというか、新規事業のことを会社でやられていますよね。
そうですね。会社員もやっているんですけど、
会社はハードウェアの技術を新しいテクノロジーで作るということで、
だいたい今のトレンドとか、どんなものが出ているかなをチラチラ見ている。
北山さんが何か始めようとするときに、まず論文から入るみたいな。
それは同じです。
逆に会社的には、論文じゃなくて特許をあまりチェックするなというふうに怒られているんだけどね。
それはなんで?
やっぱりそこからインスピレーションが湧いちゃうから。
他の会社の特許からインスピレーションが湧いちゃうと、揉め事になりがちだから。
そこで膨らますなと。
そこから膨らますなというか、そこから着想するなと言われているけど、
個人的な好奇心で見ちゃう。
それは止められない、会社の。
特許は事実というのを全部飾っていますね。
そうなんですよ。
ワンダーランドなことが本当?みたいなことを書いていて、
結構たまに読むと面白い。
読み物として面白いサイト。
とはいえ、写真とか載っていたんですよ。
車、バイクとか、ウェブサイトもあるのでリンクを概要欄に載せていただきたい。
エレベーターのドアと矢野部賢治さんのアート作品とか。
情報量多いと。
表面だったら。
これだ、この記事だ。
特許っていう記事です。
新しい、最近。
そうです。
拝見しました。
漆の技術と挑戦
表面だったら何でもぐらいの。
ガラスにもこうやって塗れるっていうのはすごいなって思ったりとか。
これ見ました。
佐藤さんの名言が、
私は水と空気以外何でも塗れるっていう。
でも本当に佐藤さんの技術があれば、
私たちみたいな初心者、まだ2年半漆るきでも塗れたりとか。
いろんなところに。
確かに、最初に研究みたいなところで取り組まれたのが、
車っていうのの一つ、ちょっと僕も興味が湧くポイントは、
視聴者では知らない人もいるかもしれないんですけど、
車でのイメージって屋内で使う前提で、
紫外線には弱いですとか、そういうのがあって、
そこにすごくチャレンジしてるような感じもしますよね。
対抗性とか、外で漆の塗った車が走ってるとしたら、
それまでの漆だったら問題点がいろんなことが出そうな、
こう想像しちゃうわけなんですけど、
どうでした、そういうチャレンジを。
自動車に塗った後に記者発表したわけですね。
今はテレビ、新聞、雑誌、そのほか、
すんごい取り上げられて、
ちょっとびっくりするぐらい、いろんな反響があったんですね。
自動車に塗れたっていうか、塗ったっていうことで取り上げられて、
僕らがちょっと違って、
むしろ性能も多いですよね。
大きなものを抜き出すとか、
使用にも耐えるとか、
そっちをアピールして、自動車の方が取り上げられて、
ちょっと違うなと思いながらも、
それをまた見た人がいろんな問い合わせがやってきて、
その仕事の幅がめちゃくちゃ広がったら、
自動車がきっかけになって、
うるしは原点が自動車からスタートして、
その時のうるしは普通のやつなんですか?
やっぱりMRうるしのやつで、
3本ロールミル精製うるしの特徴が取られています。
3本ロールミル。
3本ロールミルっていう違いを使って、
MR漆の特性
うるしの分散を良くするっていう。
これって、今MRうるしの話で普通に会話していますけど、
MRうるしってどういうことなんでしょう?
MRのまずMとR。
3本ロールミル、マルチロールの知らん間でMRって言っているんですけど、
はじめは開発名称で、内輪でMR、MRって言っていたんです。
知らん間に業界にバーっと広がって、
みんながMR使いだしたんですけど、
商品みたいになって使っていて、
商標も今取っていて。
Rマークついてます。
そうですね。
自分ではあんまりよくわからない。
うるさすぎて。
でも当時、やっぱり画期的っていうか、
うるしの業界でそんなに新しいトピックで少ないので、
いろんな漆器産地からの問い合わせがあったし。
これは原料の混ぜる工程の精度が高いみたいな。
分散性って言うんですけど、
うるしって主成分がうるしおるっていう油で、
そこに水とか水溶性の糖とかタンパクとかが溶けているというか、
粒子になっている感じなんですよ。
訂正するときは水を飛ばすと、
糖とかタンパクの分散、粒子の細かさを細くして、
うるしおるの中に均一に分散させる。
それが簡単に言うとうるしの生成なんですよね。
今までは手グロメって言うと手でかき混ぜたりとか、
そこからハチクロメって言うとモーターでガーッと
プロペラみたいにかき混ぜたりとか、
っていうのでやっていたのが、
三本ログミルっていう機械でやると、
三ミクロ、ミクロよりさらに細かい流形まで
糖と水溶性の成分を細かくできるんですね。
そうすることでうるしの乾きが良くなったり、
艶が高くなったり、あるいは屋外で使うときの
紫外線には分解されるけど、
艶が引けないとか、艶が保たれるとか、
それが特徴がある。
そういう意味ではうるしそのものを
添加剤を入れたりとかするんじゃなくて、
そのものの性能を極限まで上げたっていう技術なんですね。
それで透明感っていうのが生まれやすくなったんですか?
糖炭酸が細かいことで透明感っていうのもあるんですね。
めっちゃバイオの話ね。
そうですね。
私の中でセントリヒュージって、
遺伝子をすごい高速回転させて、
重いものは外側っていうか、
水のバケツと同じに遠心角の話に聞こえる感じとか。
今やから顕微鏡とかいろんな分析機器あったりするから、
そういう風にすれば粉砂が良くなって、
乾きも良くなって、耐光性も良くなるっていうのが分かるんですけど、
創業の歴史と漆の市場
昔って何も分からないままそれをむしろやってたんですよね。
それはすごいな。
たまたまちょっとしたことに気づいちゃった人すごい。
中々高速な方なんですけど、
昔みたいに高速なの知らんのにそれを今使ってた。
今やから当たり前というか理解できるけど、
昔の人はすごいなって思いますしね。
ウルシアさんのご子息がたまたま、
例えば農学部とはいえ、論文を書く。
例えば僕、論文を書く学校に行ってなかったので、
論文を書くってどういうことかあまりよく分かってないから、
お作法とか手順も知らないし、
どこに提出したらいいか分からない人なんですけど、
それがたまたまウルシアさんのご子息だから、
ウルシに関する発見を論文にも書けるし、
論文で出したことによっていろんな人がそこに
平等にアクセスができるようになったっていうことが
淡々と語られてるけど、
すごいことをお話として聞いてるなって今ちょっと思ってます。
今日佐藤清正さんの本社のある京都市内でいうと
金閣寺にほど近い場所ですけど、
もともと創業時からこちらでご商売されてるんですか?
創業は京都府庁前っていうふうに聞いてます。
その場所があんまり佐藤じゃないからよく分からないんですけど、
その府庁前から上行区西陣の街中のほうへ移動して、
そこから今のここの場所に移ってきてます。
ここも西陣、一番近いと言うと西陣近いですよね。
西陣が結構ビジネスの相手としては大きい市場としてあるってことですか?
はい。京都って伝統作業がいっぱいあって、
いろんな伝統作業を伝統作業で漆を使うんですね。
うち創業100年になりましたけど、
漆屋として一番新しいですね。
そうなんですね。
京都五県、元々六県がしてるだけで、
うち一番新しくて、漆器とか別だったりするとか、
漆屋さんが言った、
こちらは西陣の漆屋って言ってますけど、
西陣寄りで漆を使うんですよね。
金漆とか銀漆とか引き分ける。
うちは西陣の地域で、
西陣で使う漆を作って供給してた。
もう一つが型ゆうぜんですね。
ゆうぜん染めの中でも手書きじゃなくて、
型紙で染める。
型ゆうぜんの型紙に漆を塗る。
書き渋塗ったりとか?
書き渋塗ったら渋字紙とかに絡まって、
昨日のシャオハルムですよ。
その上に漆で貼る。
型紙用の漆、西陣用の漆というのが多い漆。
シルクスクリーンの膜を大元の技術で出す。
またインサートやらせる。
ここに来る時にシルクスクリーンの版がいっぱいあったから、
なんでシルクスクリーンなのかと思ったら。
シルクスクリーンがここに入っています。
そういうことですね。
シルクシャが貼ってあります。
この細かい柄の。
これがシルクの糸のシャが貼ってあります。
それも異性型紙です。
じゃあこれ手彫りってことですか?
手彫りです。
これまた写真を載せないと音声メディア的に通じないけど。
狂気を感じるレベルだね。
こっちのシャも本当にシルクですか?
そうです。
うちは三重県の静岡の首都という地域に、
型紙業界のために漆を供給するために支店と工場を持っていた。
そうなんですね。
テキスタルとの関係が強い漆屋さんがいるんですね。
後で写真撮らせてもらいます。
一色十なんですよ。
だから紙に漆を塗るっていうのは本当に佐藤さんとのメインの仕事で。
前回の紙のコップの話はありましたけど。
そこは面白いな。
昨日の漆というのは佐藤さんとのアイデンティティとして既に備わっていたので。
国さんとのご関係が急に急接近していくわけなんですか?
会社の立ち上げ段階から相談に参加が来られて。
はじめはステンレスのシンクのタンフラーに漆を塗ったものを商品にして。
事業として会社を立ち上げようと思っているけれども。
それが事業として成り立つのかどうかという段階で相談が来られて。
アイデアを誰も今までやったことがないし。
これはまず面白いなと思ったのと。
あとは事業として成り立たせるためにはコストとか量産性とかそのようなことをおっしゃっていたので。
あとは経験のあるプロの職人が塗るというよりも、むしろあまり経験のない若い人たちが仕事にしたいというコンセプトがあったので。
成り立たせるにはどうしたらいいかなと思って。
なかなかまず量産試験しようって40回やったかな。
うちの社員と2人がやればいいのに。
1日で何個塗れるかという時にタイムに。
時間トライアルで。
そう。
ずいぶん考えとる。
何個できていくらできるのか。
材料どれだけ使うか計算して。
これちょっと面白いなと思って。
焼き付けやったしね。
焼き付け使うとこれちょっと面白いな。
そういう創業前段階から始まったんですね。
一緒になので、ゼロから商品を育ててくれたのが佐藤さんとスタッフでレプリコさん。
なので家族みたいな気がする。
海の親でも。
丈夫にはなるだろうと思ってたんですけど。
佐藤さんのところは染め粉や織物の西陣の漆屋なので色漆が得意なんですよね。
焼いたら色がどうなるかっていうところはそこまで今までそんなに知見がなかったのが
やればやるほどに結構思って色出るなみたいな感じが。
じゃあその西陣の漆やってなかったらそんなに色漆っていうものを扱うことは漆器とかだったらない?
漆器でも今は結構増えましたけどやっぱり赤黒の世界ですね漆器とか。
伝統的にはやっぱり色漆を使うものが少なかった。
漆の色と顔料
色漆っていうのは根本的にわかってないんですよね。
どういう形で色を表現?どういう材料で色を作っているんでしょうか?
色漆はもともと茶色茶褐色とそれに色をつけるんですけど
伝統的な昔からの顔料というと天然の岩石というのがあるんですね。
昔はあったんですけどフタン焼きの五彩と一緒で
まず黄色緑赤があってベンガラ茶色があって
黄色緑赤茶色
黄色緑赤茶色
天然なのにそれから科学的な顔料が出てきて
ウルシオの顔料メーカーさんというのがあって
そこからベースとして20色くらい出ているのかなと。
うちはそれをまた調色し直して100色以上の色を持っているんですけど
茶色茶褐色等の色をウルシオに対して顔料を練り込んで作るというのが色とします。
茶褐色がベースにあると例えば今ここにも白っぽいのがありますけど
茶褐色よりも明るい色とかを出すためには
もともとの茶褐色を飛ばすみたいな処理ができますか?
茶褐色を生かしながら
いかに茶色味を抑えながら色を明るく発色させるかというのがテクニックかなと思うんですね。
ステル調の明るい色とか蛍光色みたいなウルシは出しづらいんですけど
それをいかに出すかというと
ウルシの原料を明るい色にするものを使う
顔料の調合の仕方とか塗り方も重要ですし
だからその色の成分としては
岩を砕いたもともとの色もあるし
おっしゃっていたように
多分究極的に言うと金属の粒というか
例えば緑だったら銅とか
そういうようなイメージが湧くんですけど
そんな感じなのかな?
昔のは大体岩石に
イロンガとかにも使われて
岩にも
毒物がほとんどなのですが
今は使えないので
今の食器用に使われている岩料は
ウキ岩料とかウキ岩料のコンポジットとか混ぜたものですけど
食品衛生本通り食器でも使える岩料となって使われています
ウルシアのビジネスモデル
そうなんですね
白に関して言うと酸化チタン
前回のエピソードで
北山さんが佐藤さんに
最初にこれのキッスルになる
大元のコンセプトをお伝えして
初回のサンプルからかなりの精度が
上がってきたというお話がありましたけど
佐藤さんからの見え方としては
これはもういけるなという感じで
最初のサンプル作りに入ったという感じで
話を聞きながら
コンセプトとか
聞きながら
どういう仕上げをするか
話をしている時に考えて
話を終わることによって
基本できあがっている
あとはその工程
何工程で作るか
材料はどうするか
塗る
筆で塗るのか何で塗るのか
その工程ばーっと
手書きでばーっと書いて
あとはその実行して
やるだけやって
どれも作りたいから
決まるやったらすぐに
サンプルなので
ストレートしますし
家庭用のオーブンがあったり
あれで作ったら
1日で完成させるという
実験を渡しました
そもそものところが
だいぶ分かってなって
今日も伺っているんですけど
ウルシアさんという
業態が
僕すごく
うかがい前に
イメージしていたので
いろんな各地のウルシを
京都という場所なので
特にそうですけど
やっぱり各地から
物を集めてきて
売るというのが
京都の市内の企業さんだと
古くからやっている人だと
多いと思うんですけど
それをオーガナイズして
言ったら商社ですよね
という業態のイメージが
ウルシアさんってあったので
サンプルを作ったりとか
やっているんだなというのが
全然イメージと違ったんですけど
実際に手を動かしているのか
塗っているみたいな話が
普通に出てくるので
今も喋っている隣のお部屋で
実際に作業されていますけど
そういう場所だったのか
という感じですけど
もともと創業時から
売る方も作る方も
両方やってきたというか
全然やっていなかった
ウルシアはウルシアだったので
ウルシの木の樹液を
ウルシにして
ウルシを塗料として販売する
というのがウルシアですよね
製造技術と素材
それもずっとそうだったんです
僕が作ったりするのも
これも自然な流れで
先の自動車に乗った時に
いろんな所から
これ塗れへんか
これ塗れへんか
といった実験が来て
自分で塗るしかなかったんですよね
仕事という仕事がなかったし
アルバイトで
ウルシアの実験者だから
その合間に
産業実験室の塗装ブースを借りて
サンプルを作ったり
その時に
素地が金属もあったし
ガラスもあったし
それに対してどう塗るかは
スペース研究所の人と相談して
いろんな実験をして
ノウハウが自然とたまってきた
そうしているうちに
作る方も
その会社として
強くやるようになったんですけど
作るのが好きだったというのは
今でも好きです
ウルシをやってみたいと思って
おうちで海君がやってたんですけど
見事被れるんですよ
顔がパンパンになって
初回の時に
朝起きたら
誰っていうぐらい顔が
アンパンマン
アンパンマンみたいになってて
2回目チャレンジしたら
ちょっとだけTシャツについてて
Tシャツの袖口に
ちょっと薄さついちゃってたのが
ずっとくっついてる感じになって
1回アレルギーが出たもんですから
体が入らねえって
すぐだったね
近所の世田谷のところに
またウルシできたのねっていう
ウルシの患者ってことで
変わらないようになってたんですけど
それはなかったんですか
最初の塗ってる時とか
かぶれたのにあまり気にしてない
気にしない
あまりかぶれなかったですよね
初めてかぶれたのは
生成する時に
日本産の生成を知ってたんです
日本産原料ね
原料がひどくかぶれましてね
半端にはないけど
目の周りがかぶれて
日本産の原料だと
何か違いがあったんですか
きついですよね
そうなんですね
生成してるときに
そのときに顔がピリピリするんですよ
へえ
強烈で鎮静
鎮静なのか
日本産は強烈ですね
僕その空気に吸っただけで
僕それになりそう
部屋入っただけで
部屋入っただけで
プツプツって出せるような感じがしますね
ほとんどは中国産になるんですか
流通量で大体
日本産は
日本産は
流通量で多いな
中国産
アプローチとして
伝統工芸とか
日本産で
伝統だから
技法とかをずっと
続けなきゃいけない
っていう
あると思うんだけど
お話聞いてって思ったのが
その辺がすごく柔軟でオープンで
その
若い人がまず
塗れるようになったらいい
っていうこと
だからなんていうのかな
なんとかっけのこの人じゃないとできない
とかそういうことじゃない
思想伝感のないなさ
そうそうクローズ像じゃないし
素材もそんななんかもう絶対
メイドインジャパンじゃないとダメって
誰が言ったんだっていう
そもそもウルシっていうものは
地球でできた
素晴らしい素材である
しそれがなんか
日本って国内で取れない
取れなくなってきてる
と思うんだけども
だから絶対的な
メイドインってすごい
私いつも
商品作ってて
メイドインジャパンって
なんだっけっていうのを
思っちゃうんですよ
例えば
ファイブランドの洋服とか
ほとんど海外で素材作って
シルクとか
中国とかで
ブラジルでシルク
作って印刷だけ
イタリアのコモってとこで
エルメさんですけど
ピーってやって
メイドインイタリーって出してるじゃん
でもそうそうそうシルク
ブラジルさんや
チクリみたいなノリで
これはね
業界に知られた話
なんなんだろうって思うんだけど
何を
どうして残すのか
っていうことがすごく
みなさんがオープンに
考えてるところが
イノベーティブだなと思った
あとあれですよね
装飾としての
漆っていうか質感とか
そういうのっていうのは
わかりやすい話だなと思って
僕も漆を使いたいと思ったときは
そういう用途が大きかったですし
北山さんの機能
っていうところに着目した
っていうところが
アプローチが
佐藤さんの研究者魂に
火をつけるというか
なんかちょっとこれは普通の
装飾的な
話ではないし
彫ったらなんかちょっと
次の風景が見えるのかなみたいな
そんな好奇心を
僕は横で感じて
始めこれから
今までと
要望される内容が
違うなと思ったし
科学者とか
サイエンスの目線で
サイエンスながら
大体
物を作るときって
大体サプライチェーンを考えると
何色か
あんまり色とかのバラエティー出すと
ただただ面倒だし
色のムラとか
めちゃくちゃ
マスプロダクションって
すごい色合わせ
何ヶ月もかかる
すごいしょっちゅう
IQC OQC
インカミングコントロール
工場から
出るときと入るときで
跳ねられるとかが何パーセント
とか
そんなシビアな話になっちゃうんだけど
私この
いくつか今日見せていただいて
キッスルとかも
小村も
やっぱり
一個一個の色合いが
少しちょっと
漆の表現技法
同じ色でも
少し違うとか
小村に関しても
髪の質感が違うから
すごく
手で塗っているっていう
質感でムラがあるっていうのが
あえていいよ
そうやって表現の幅
どんどん膨らましていって
今またこれ
載せてほしいんですけど
こういう
何塗りっていうんですかこれは
これは
まならに
なんというかね
水彩画みたいな
叩きにいって言って
筆を固めて叩いたりとか
こっちはね
指で叩いてます
複数の色漆を
混ぜながら
塗ってるってことですか
やり方いくつかあって下地と
下の色と
上塗りの色をちょろっと変えたりとか
混ぜてるのもあるし
そっかそっか
3度とか塗るときの
順番に色を変えていく
下がちょっと透けて
見せたりとか
そうだからもうね
絵画みたいな感じなんで
マティエールがあるっていう
それの
言ったら
タレと絵の具を
作ってらっしゃったから
キャンバスとかステンド
のダブルウォールで
っていう風にこうやって
並べてあると
すごいわかる
お時間的にはラストクエスチョンぐらい
そうだった
あの
古空さんが
作られてから
今はこの佐藤木松商店さんの
この敷地が
社っていう形になってるんですよね
外から見るともう完全に
運命共同体みたいに見えてるんですけど
佐藤さんは
古空のお二人というか
古空のビジネスに対関して
どんな風に
期待をされていますか
今後の展開として
自由に楽しく
授業として経営とかして
っていうのが一番大事なので
収益もしっかり上げながら
楽しく
仕事をするっていうのが一番
いやでもね
佐藤さんも一緒に
売ってくれたり
何かあれば
キッスルとかをこう
押してくれていて
一緒に賞取ったりね
賞金もらったりとかね
僕ら会社は小さい
小さい会社っていうのは
チームになって
こういうことを担して
うまくいく
なんとか
やってて
近くにもいるし
すぐ話
聞ける状態だし
助けられてます
第一声が楽しくっていうのが
僕感動した
楽しくないと意味がないみたいな
辛いことやるの嫌じゃないですか
楽しいです
仕事になるとどうしてもね
辛くていうか
そうですよ
楽しくみんなでやる
いい形だと思います
ビジネスの展望と共同作業
特にね研究開発
楽しくないと
発想が
どんどん縮まっていくだけだから
私たちが
展示会に出るたびに
おっしゃって言って
研究してまた新しいものを
やってくれるのが佐藤さん
国風さんの展示は
毎回何か新しいもの
そうですね
発見が反映されている
などどうか
もうできるんじゃないかな
実はまあまあ徹夜に近い状態
楽しいと
ついやっちゃうけど
それはもう研究者ですね
ありがとうございます
また次回最後のエピソードは
またフォークのお二人に
お話を伺っていきますが
佐藤さんありがとうございました
ありがとうございます
倉田市ラジオは来週も
配信いたしますので
火曜日フォローして
お聞きいただければと思います
我々と絡むときは
ハッシュタグ
concraでお願いします
フォームもございます
出演されている国風さんと
佐藤さんの質問も
受け付けております
そして概要欄に
ECサイトなどのリンクも
貼っていますので
キッズする小村とか
ご購入はそちらで
お願いします
佐藤さんありがとうございました
来週もよろしくお願いします
ありがとうございました
47:02

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