00:25
はい、みなさんこんばんは。こんにちは。元公立高校理科教諭のちょぼ先生です。
2023年2月9日木曜日のちょぼっとサイエンスのお時間となりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。ということで、
今週の初め頃はね非常に暖かかったんですけども、今日はちょっと肌寒いなという感じで、三寒四温という言葉もあるようにね、
暖かいのと寒いのを繰り返しながらね、春がやってくるといったところでしょうか。ということで、今日のお話はですね、
防腐剤にも、絆創膏にも、おむつにもなる苔植物のお話をしたいと思います。苔です。
皆さんね、苔植物というとね、どんなイメージをお持ちですかね。なんかジメジメしたところに生えているとかね。
えっ、いつの間にかこのとこに生えてるやん、みたいな感じでね、お庭をお持ちの方はね、あまりイメージは持ってないかもしれませんけども、
今日ご紹介する苔植物、ミズゴケなんですけども、このミズゴケにはですね、
数々の素晴らしいね、エピソードがあるんですよ。
ミズゴケと聞いてね、卵などの植物を育てている方は、割と身近なのかなと思います。非常にね、吸水力に優れておりまして、乾燥ミズゴケみたいな感じでね、よく売っておりますし、
卵はね、水が多すぎると枯れちゃうので、そのまま水を吸水してくれるために、乾燥ミズゴケを土の上にね、
巻いたりとかね、土に混ぜたりしておりますよね。この乾燥ミズゴケなんですけども、数々のエピソードがありまして、まず一つ目ね、
2009年にアイルランドのギルタウン出現で、紀元前に樽に詰められたバターがなんと腐らずに残っているのが
発見されたんですね。すごいないですか? その樽の数で計270個以上、さらにさらにですね、
その出現から古代の装飾品とかミイラまでがザクザク見つかっているんですね。
なんで、なんで、その紀元前のバターも腐らずに残っているし、装飾品とか綺麗な状態でミイラもね、残っているのかというとですね、
その樽とかその出現一帯にびっしりとミズゴケが生えてたんですよ。ミズゴケ。
このミズゴケにはですね、この細胞液のところに防腐剤を持っているんですよ。腐らないようにしてくれると。
たくさん水を吸水するから、水って腐りますよね。 たくさん水を吸水するにもかかわらず腐らないのは防腐剤を持っているからなんですね。
03:10
なので、バターの樽とかにもびっしりミズゴケが入ってたから、バターが腐らずにそのままの状態で残ってたということでね。
もう綺麗な状態で装飾品も残っているし、錆びてないしね。ミイラも残っているということでね、非常にですね、防腐剤にもなるということなんですね。
その吸水性がある。水をよく吸い込むということで、イヌイットとか北欧のサーメとか戦獣民族がですね、ミズゴケをおもつ代わりにもしてたということなんですね。
これが2つ目のエピソードですね。すごいですよね。
あと最後に3つ目なんですけども、ミズゴケにはですね、細胞の中にペニシリウムなどの微生物がいるんですね。
ペニシリウムって聞いてですね、ピンと来た方はね、あなたも科学頭になっておりますよ。
ペニシリンですね。青カビからできたペニシリン、抗生物質ですね。フレミングが発見しましたけども、それと同じイッシュなんですね。
ペニシリウムという微生物がね。なので抗生物質というか抗菌作用もあるということなんですね。
この抗菌作用があるという効果はですね、古くからヨーロッパで知られていて、
第一次世界大戦と第二次世界大戦では、戦場で傷ついた兵士の絆創膏として使われてたらしいんですね。
傷口にミズゴケをぷんって塗ってですね、それで抗菌作用があるからですね、傷が早く治るということでですね、絆創膏代わりにミズゴケが使われてたということなんですね。
この絆創膏として使われてたのは、第一次大戦、第二次世界大戦で言ってるけど、もっとさらに前にもですね、絆創膏というか抗菌作用があるよということを分かってたというエピソードもあるんですね。
5300年前のミイラがですね、1991年にアルプスの山中で見つかったんですね。よくアイスマンと言いますけど、結構有名な出来事でしたけども、
それが5300年前のミイラって確定した、DNAを調べると分かってきたんですけども、このアイスマンもね、5300万年前の我々ですよ、ホモサピエンスですよ、ミズゴケを携帯してたんですよ。
常にミズゴケ持ってたらしい。衣服とか残っているから、寒いからそのまま残っているからね、割といい状態で残ってましたので、ミズゴケが出てきたと思うみたいなね。
味も栄養も特にないんですよ、ミズゴケになってね。なのになぜ携帯しているのかというとですね、結構その頭部の損傷と、あと肩のところに矢を入られて、その傷が致命傷となって亡くなったということなんですけども、
その傷口とかにミズゴケが発見できたので、これも傷直しとして、5300年前の我々の古代のホモサピエンスから、ミズゴケには抗菌作用がある、傷が早く治るから、その時から絆創膏として使われていたということなんですね。石器時代ですよね。石器時代のアイスマンもミズゴケを絆創膏に使っていたんですよね。
06:26
さらに胃の内容物とか腸の中を調べると、ミズゴケが出てきたらしいんですよ。さっきも言ったように味も栄養もないから、食べてたわけじゃないんだけど、なぜ胃の中とか腸の中にミズゴケが入ってたかというと、食料を持って歩いたりとかしてたみたいですけども、食料を包む入れ物というか、ミズゴケに包んで常時歩いてたんじゃないかと。
非常食をミズゴケで包んでいた。それは腐らないようにしていた。だから、5300何年前に絆創膏としての抗菌作用があるということと、防腐剤として腐らないようになるということが分かっていたということなんですね。
なので、包んでいたから、非常食を食べる時にミズゴケをついとって、食べた後があるということで、ミズゴケを食べていたわけではないけど、包み紙というか風呂敷みたいな感じでミズゴケを使っていたんじゃないかということも、
考えられているということで、超スーパースターやね。すごいエピソードだらけのミズゴケ。なかなか今、化学の技術が進歩しているから、抗菌作用はなかなか絆創膏じゃなくて、ミズゴケを貼っておけ、みたいなことはないんですけどね。
桃の腐れやすいからミズゴケをまいっておいてとか、なかなかそういう会話もないし、そういう知識もないから、今はそういうことはないけどもね、冷蔵庫もあるしね。
そういった生物のすごい能力にいち早く気づき、それを利用してきたという素晴らしい歴史があるわけで、ミズゴケは超スーパースターで、どんな分野でも、
波紋を利かせるというわけじゃないけど、どんな分野でも、もう頂点になってきたという歴史があるということですね。ということで、今日はこの辺にしたいと思います。それではみなさん、さよなら、バイバイ。