今回も素敵な3冊を朗読しています^^。「ぼーっとまどろみたいlそんな夜のお供に。
【ざっくり目次】
00:00 今回は倉園さんの朗読からはじまります。
04:45 朗読(聖子)「阿刀田高の楽しい古事記」
11:08 朗読(ちえ)「ポラリスが降り注ぐ夜」
17:45 朗読(倉園)「詩を書く なぜ私は詩をつくるのか」
21:27 振り返り
【今回朗読した本はこちら】
・阿刀田高著「阿刀田高の楽しい古事記」
・李琴峰著「ポラリスが降り注ぐ夜」
・谷川俊太郎著「詩を書く なぜ私は詩をつくるのか」
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サマリー
小学生の頃、詩を書くことに困っていた主人公は、好きなものや嫌いなものについて書くことで詩を作る方法を見つけています。その結果、ユニークな詩を書くことができるようになりました。211ページではラブシーンが描かれています。213ページでは暗闇の中でユキナの唇を味わいました。230ページではLGBTのT、つまりトランスジェンダーについて語られています。259ページでは後になってうんくんが時々考えることもありました。237ページで20歳になってやっと気づいたのです。266ページではそうですよ。ちーさんが1回読むと言いました。268ページでは最後の一点を終わりにしますね。
詩の書き方
詩。こんな書き方もある。小学生。
先生に、詩を書きなさいって言われて困ったことない?
僕は小学生の頃、すごく困った。
何書いていいかわからないんだよね。
俳句なら、5・7・5って数えて、言葉を結びつければ、
なんとかそれらしいのができるんだけど、
自由に感じたままを書いていいなんて言われると、
途端に言葉が出てこなくなっちゃう。
そんなときどうすればいいか。
いくつかやり方を教えてあげよう。
そのとき、あなたが一番好きなもの。
好きな人のことを書くという手が一つある。
どうして好きかなんて書かなくったっていいんだよ。
好きな気持ちがどんなか書くのさ。
何も詩らしくなくったっていい。
秘密のラブレター書くみたいでもいいんだ。
好きな人が漫画の主人公なんてのも面白いと思う。
それから反対に一番嫌なもの、
嫌いな人のことを書く手もある。
つまり悪口さ。
でもバカ野郎とか豚とか、
そんな誰でも言うような悪口じゃつまらないな。
読む人が思わず笑っちゃうような、
ぴったりの悪口を書かなきゃ。
だから意地悪な気持ちで書くんじゃなく、
悪口をいろいろ工夫して楽しむんだ。
好きなものと嫌いなもの
うんと大げさな悪口もいいな。
英語でアクロスティックという詩の書き方がある。
退屈しちゃって、かりんと食べて、
しくしく虫歯が痛みます。
一番上の字を右から読むと、
たかしって名前があるだろ。
こんな風に先に誰かの名前とか言いたいことを決めて、
その字で始まる言葉を並べて作っていくのも面白い。
こういう時は自分の気持ちを書くんじゃなくて、
読む人が楽しんでくれそうなことを、
自分の心の中で思い描いて書くんだ。
それは嘘でもちっともかまわない。
詩を一人で書くんじゃなくて、
友達同士で書くという手もあるな。
まず誰かが何か一行を書く。
例えば桜の花が散っています。
でもいいや。
それに次の人が違う一行をくっつけるんだ。
前の一行から思いついたことなら何でもいいのさ。
例えば犬がおしっこをしていますとか、
するともう一人が布団を干しているお母さんなんてね。
詩の工夫
ちょっと絵でも書いているような感じだね。
他にもいろんな手があるんだけどね。
とにかくあんまり自分の気持ちにこだわらなくてもいいんだし、
詩の中ではどんなホラーを吹いてもいい。
言葉を使って自分も人も楽しめる工夫をしてみたらどうかと思うんだ。
詩だからといってかっこつけることはないのさ。
謎々だってしりとりだって詩の一種なんだから。
なんて読むの?
谷川俊太郎さんの詩を書くというね。
詩の書き方をつづった本なんですね。
おもしろいですね。
これ今久しぶりに読みましたけど、すばらしいね。
バカ野郎とか豚とか、そんな誰でも言うのは悪口じゃつまらない。
読む人が思わず笑っちゃうよな。ぴったりの悪口を書かなきゃ。
これがね。
ここから始めてみました。
おもしろいですね。すごいおもしろいです。
僕がこの番組で紹介している本って、
全部、そうだな、だいたい30代ぐらいから、
20代、30代ぐらいに読んでた本が多いんですよ。
久しぶりに、2、30年ぶりに読んでみるとね、
例えば今日のこの話とか、僕が今書き上げ塾、執筆講座でお話ししていることとすごく共通してたりして、
なんかこういう全然覚えてない本が、しにくになってるんだなということがよくわかりますね。
最近この前回、前々回で読んだ本も、
なんかこういう本読んでたんだなっていう不思議な感覚です。
人はそんなに悪くない。
ほっこりするつながりを思い出そう。
人間関係知恵と、
それでは今日のお話、始まります。
知恵と、
では今日は次、セイコさん。
今日もお邪魔してます。
ヘッドフォン変えましょう。
ヘッドフォンがエコーのようになってしまって、やりにくいんで。
今日は一つの画面に、セイコさんと倉田さんが入っているんで、
今日はというかね、ここ数回。
すごくレアな。
今日はですね、
安藤田隆さんの書いた、
楽しい古事記という本ですね。
安藤田さんってミステリーとか推理とかそういう方で最初有名になったんですけど、
その後こういう楽しい古事記とか、
ギリシャ神話とか、
あと聖書、新約聖書もと楽しく、
本当はなんとかの新約聖書みたいな、そういうシリーズを結構出されていて、
それ結構面白くて、
この安藤田さんの語り口、エッセイの語り口がとっても好きで、
結構思ってるんですけど、その中で、
なぜ古事記かというと、
最近ですね、私、
御主院デビューをしました。
神社に行って御主院をもらうということの楽しさと、
心の得られる清々しさみたいなのをちょっと今やってるんで、
せっかくだから神社の神様とかである、
安藤さんの見方がどうとか、そういう話をもう一回ちゃんと読み直したいなと思って、
今日はこれにしました。
じゃあ好きなとこ読んでいいですよ。
たまには。
バラバラでいく?するとも。
じゃあこれにしようか。
これちょっとね、いろんな地名とかが出てきて、
もしかして読み間違えたらごめんなさい。
大丈夫ですよ。
では行きます。
すぐ西に広島県が迫っている。
岡山県もそう遠くはない。
文字通りこのあたりは分水嶺のすらなる各県の奥地なのだ。
飯川はこの千通山の周辺を水源として、
出雲の国を南から北へ割って流れて、
新宿へ注ぐ大河である。
いくつもの乱港を働いて、
高間原から追放されたスサノオの御子とは蒸発に降りて、
飯川の上流に立った。
今でも山深いところである。
王子はどれほどの、
しんざんゆう、やっていうのかな。
しんざん。
読みきらんよ。
読みきらんね。
続けていけばいいんですか。
人のすぐ気配さえ見えない。
だがスサノオの御子が川面を見つめていると、
おや、あれはなんだ。
橋が流れてくる。
この下りは遠い時代のストーリーとしてはすこぶる秀逸な部分である。
枠ラバに混ざって何気なく流れてくる一本の細い橋。
しかしそれが木の枝ではなく橋である以上、
川上に人間が暮らしている証拠となる。
わずかな兆候が歴然たる事実を語っている。
そこが面白い。
現代の推理小説にも通ずる技法といってよいだろう。
難しかった。
古事記ってそもそも何やったっけなと思いながら聞いてました。
一応古事記と日本書紀というのはね、
日本の国の始まりの物語とされてるよね。
キリスト教のたくさんある物語みたいな感じの日本版ではないんですよね。
宗教とはまた違うんですよね。
比較して語れるほど僕は詳しくないんだけど、
何て言ったらいいんですかね。
神々の物語みたいな。
そうだね。日本がどんな風に作られたかっていう。
神話と現実が割と曖昧になっていてね。
今の天皇の流れみたいなのもここに起源があったりするんで、
どこからが神話でどこからが現実かっていうのが、
日本の歴史っていうのはそこの境が曖昧なんだよね。
だから天皇家もどの天皇は本当にいたのか、
実在してたのかっていうところが小説あったりして、
初代の神武だっけ、神武天皇はどちらなんだとかってね、
神話なのか本当にいた人物なのかみたいな、
そこはちょっと面白いとこでもありますわね。
読み進めていくとすごく面白そうですね。
私の前にいた編集部の編集長も、
ホジキと日本書紀のマニアだって言ってましたね。
IT系の雑誌の編集長なんだけど、
そういう人がこういう世界に興味を持ってるっていうのは、
とても面白いよね。
千恵さん、じゃあ行きましょう。
私はですね、
ポラリスが降り注ぐ夜。
おお、どなたが書いた?
リー・コトミさんですね。
まだ一回も読んだことないです。
実はこれですね、
ゲイの友達の子がです。
これ読みなよって言ってくれた本なんですね。
あ、そうなんだ。
ちょっとだけ読んだんですよね、出だし。
おそらく、
女性同士の恋愛の本なのかな、みたいな感じで出だしだけです。
小説?
小説だと思います。
チクマ処方っていうところから出てるので。
すごいね、ハードカバーだもんね。
なんかその、
その友達がよく出入りしている大学で一緒に作ったみたいな、
なんかそんな感じのこと言ってたような気がします。
なかなか手に取る機会がなかったので、
ここで一回手に取ってみようということで。
読んでみようか、みたいな。
いい機会だということで、手に取らせていただきました。
女性同士の恋愛の本ですね。
では、パラパラでいきます。
はい、パラパラ、いいですよ。
ハードカバーなんで。
はい、せーの、ストップ。
南十字星ね、と夏子が言った。
静かなピアノ音楽を伴い、
映像は天の天、映像は天の川を北へゆっくり、
ケンタウルス座、伊手座を映し出し、
最後に白鳥座にたどり着いた。
北のクロス。
ユキナが言った。
冬の今しか見えない。
冬にしか現れない白鳥ね、と夏子が言った。
今は冬、とユキナが言った。
あなたは現れた。
そう言いながらユキナはゆっくりと近づき、
夏子の首の後ろに手を回した。
その手はひんやりと冷えていた。
暗転するプラネタリウムの映像に包まれる中、
ユキナは夏子の首を支えながら、
静かに唇を合わせてきた。
なんでこのページになってんやろ。
しっぽり本を朗読した回
なんでラブシーンのページに。
夏子は反射的に目を閉じ、
暗闇の中でユキナの唇を味わった。
これ読み続けます?
いやいや、場所変えてもいいっすよ。
これラブシーンになっていくのかな。
ドンズバでそこを選ぶってすごいね。
そうですね。
多分前編そういうわけじゃないでしょ。
じゃあ別のところでいきましょうか。
お願いします。
お願いします。
はい、ストップ。
これ読めない漢字がいっぱいですね。
ちょっと読めない漢字を飛ばしていきますね。
飛ばすか、なんかちょっとごまかしながらいきます。
そっちじゃないよ。
おにょおにょの声は笑いを含んでいたが、
どこか緊張しているようでしわがれて聞こえた。
LGBTのT、つまりはトランスジェンダー。
うなずいたおにょおにょの体から
ひそかな身振りが指先を通して伝わってきたけれど、
うんくんの指が止まったのはそれが原因ではなかった。
女が好きだから長い間ずっと自分を異性愛の男だと思ってた。
周りもそれについては何も疑問に思わなかった。
でも違った。私は女だった。
20歳になってやっと気づいたの。
後になってうんくんの時々考えた。
後になってうんくんは時々考えた。
もしあの時もっと違う反応をしてたら何かが変わっていたのだろうか。
笑いながら軽くうんの肩を叩いて
マジか。全然気づかなかった。
もっと早く言ってくれたらよかったのに。
もっと早く言ってくれてもいいのに。
あるいは素直に教えてくれてありがとうと言ったり。
気づいてよかったじゃん。女ってなかなかいいもんでしょ。
という返事も悪くない。
数年後ならうんくんはもっと上手に応対できる。
しかし当時のうんくんはまだそんなに器用じゃなかった。
自分は女しか好きにならないと信じていたうんくんだったが
女とは何か考えたこともなかった。
だから元男の気持ちは自身のアイデンティティーを脅かすものだったし
元男でも紛れもなく女であるという点について
うんくんは考えが及ばなかった。
読んでてもよくわからないですね。
前後の文脈がないから全然よくわからへん感じなんですけど
わかりましたか?どういうこと?って読んでて思いました。
なんか気づいたんでしょうねきっと。
割と長めの文章だから1個の文章がね。
朗読向きではないのかもしれないね。
読んで味わうというかね。
ちょっとあれですね。そんな感じの本がございます。
わかりました。
しっかり読んだら面白いのではなかろうかね。
そうですよ。ちーさん1回読んで。
終わりに
読んでみます。
じゃあ私最後1点終わりにしますね。
お願いします。
さっきの谷川俊太郎さんの。
谷川俊太郎さんは僕の大好きな詩を書く人ね。
ポエムライターってことね。
いくつかあるんですけど
坂本隆一さんが作曲してね。
この人が詩を書いた。
鷹をくくろうかって曲があるんですよ。
ビートたけしさんが
オールナイトニッポンの終わりに歌ってた曲ね。
あれとかもとてもいい歌詞ですね。
じゃあいきますよ。
なぜ私は詩を作るのか。
なぜあなたは詩を作るかという問いは
詩人楽しみに詩を作る人ではなく
自分の人間としての仕事として
詩を作ることを選んだ本当の詩人にとっては
なぜあなたは生きているのかという問いと
変わらないと僕は思う。
そのまず第一の答えは
そうしたいからという答えであり
そして次の答えは
そうしなければならないからという答えだ。
この二つの答えは時に解け合って
一つの答えになってしまうほど
互いに密接に関係している。
詩人が詩を作るとき
作りたいとそして作らねばならぬ
という二つの気持ちは
作るという行為の中に消化されて
そのものになる。
作りたいという気持ちは
詩人の情熱なのだ。
そして作らねばならぬという気持ちは
詩人の広い意味で言って
モラルである。
前者は詩人のコスミックな生命の現れであり
後者は詩人のソーシャルな人間の現れである
と考えていいと僕は思う。
一つの詩は作者の意識的であるなしに関わらず
作りたいに出発して
作らねばならぬを通って
完成へと導かれるものだと僕は考える。
これさっきコスミックとソーシャルというのは
宇宙的な生命の現れであり
後者は詩人の社会的な人間の現れである
というふうにルビーが振ってあるんですね。
宇宙的にコスミック
そして社会的にソーシャルというね。
作りたいという思いは
宇宙的な生命
の現れ
そして作らねばならないというのは
社会的な人間としてのこの現れ
この二つが一緒になったとき
私は詩を作るという答えに導かれるという
こんな感じでしたね。
面白い。
どちらかだけじゃないんだね。
仕事として詩を作ることを選んだ
本当の詩人という前提があるんですね。
面白いねこれね。
確かにこの両方がないと作れない感じがしますね。
詩だけじゃなくてね。
文章だろうと何だろうとね。
これは何かあれかな。
僕らが持って生まれた
私で言うとこの価値マックスという話
それから個性と役割という幸せな役割という
この二つのことのようにも受け取れる感じがしますかね。
深い。
面白いですね。
今日登場した本をちょっと
もう一回おさらいしてもいいですか。
繰り返ってみます。
最初に寺野さんの。
これはね。
詩の森文庫。
詩というのはポエットね。
ポエットというところの谷川俊太郎さんの詩を書く
という本ですね。
せいこちゃんの門川書店の
これ後尾田たかしさんの楽しい古事記。
ちえさんのが。
りことみさんのホラリスが降り注ぐ夜ですね。
はい。
3冊でお届けしました。
あれ一番最初のやつ。
そうか同じ同じやつですね。
一番最初もそう。
しん太郎さんの本ですね。
はい。
ということで今回はこんな感じで終わりましょうか。
はいはいはい。
このポッドキャストではあなたからの
こんなテーマ取り上げてほしいだったり
ご相談だったりご質問だったり
こんな本を読んでほしいだったり
いろいろと受けしておりますので
ぜひお便り欄から概要欄のお便りから
お送りいただければと思います。
では今夜もほっこりした夜をお過ごしください。
さようなら。
さようなら。
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