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2024-09-24 09:58

heldio #66. 「一つひとつ」を意識する every と each

#英語史 #英語教育 #英語学習 #語源
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おはようございます。英語の歴史を研究しています、慶応義塾大学の堀田隆一です。
このチャンネルでは、英語の先生もネイティブスピーカーも辞書も答えてくれなかった英語に関する素朴な疑問に、英語史の観点からお答えしていきます。
毎朝6時更新です。ぜひフォローして、新しい英語の見方を養っていただければと思います。
今回取り上げる話題は、「一つひとつを意識するeveryとeach」という話題です。
このeveryとeachは、一つ一つのものに注目するというふうによく言います。
everyoneもそうですけれども、every houseだとか、every day、every yearのような言い方です。
訳としては、あらゆることごとくのどの何々もとか、すべてに近い意味、つまりallに近い意味なんですけれども、
allとeveryの違いは、よく言われるのは、allというのは全体として捉えてすべて。
ところがeveryの場合は、一つ一つのものをここに見るということですね。
全体として多くのものがあるわけなんですが、ここに見てそれを総括するという意味では、allよりもむしろ意味が強いなんて言われることもあるぐらいです。
個別に見ているということは、例えばevery single dayのように、singleがつくことからも、ここに数えてのすべてということがわかると思うんですね。
そして、このここにということですと、まさにここのであるとか、おのおのの、めいめいの、それぞれの役が与えられるeachというのも、このeveryの発想に近いということにはなりますね。
例えばですね、each house on the street has a small yardであるとか、each one was successfulなんていうときには、本当に一人一人ということを個別に見ている感じがありますね。
everyとeach、だいたい似たような使い方なんですけれども、eachの方はですね、次に続く名詞が文脈からわかるようであれば、これを省略できる。つまりeach単独で使うことができる。
each was successfulのようにですね。everyはこれはできない。everyは必ず後ろにですね、何らかの名詞が来て、every dog has its dayなんていうことわざがありますが、どの犬にも前世記はある。
つまり誰にでも人生の中でですね、一度はドゥンというのは巡ってくるもんだというような例文ですけれども、ことわざですけれども。
だいたいは似たような使い方をするということですね。このように一つ一つを意識する単語というのが英語には備わっているわけですよね。
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さあ、このeveryとeachの関係について見ていきたいと思うんですね。語源的に見ていきたいと思います。
これらはですね、古英語からある、実に古い単語なんですね。
eachから言ってみたいと思うんですが、現在ではe-a-c-hと書いて、これでeachと読ませるわけなんですが、古英語の段階ですね。
あるいはそれ以前の語源の形というのはですね、a-aという瀬戸字にyea-leachという語がついて、合わさってa-yea-leachというのが実は語形性上の元の形なんです。
このaというのは何かと言いますと、これはですね、alwaysぐらいの、強めによく使ったりする瀬戸字と言いますが、
要素なんですけれども、このaというのがまずありますね。強めの副詞みたいなものです。
次のyea-leachというのはですね、直接現代に繋がるものはないんですが、このyeaは消えてしまいますね。
で、leachの部分は実はこれlikeです。似たような、何のようなのあのlikeです。alikeだかな。alikeですね。
なのでこれはlikeとかalikeという語を強めたものなんだということになります。つまり似たようなものの一つ一つということですよね。
each oneというのは複数言ったとしてもそれを一人一人似たようなものとしてですね、捉えて一つ一つ一つというふうに数え上げるということなんで、
aがついてyea-leachというような、ever-alikeぐらいの意味ですかね。現代英語にそのまま訳すんであればever-alikeみたいなものがこのeachの語源ということになります。
これがa-yea-leachというのがですね、yeaの部分が消えてa-leach、a-leachになってますね。
それからa-leach、a-leachとなり、最後にこのlが消えてa-leach、a-leach、each、eachというふうになってきたと。
つまり元々は2つの単語が組み合わさったものなんですが、どんどんよく使われるので短くなって、最終的にはですね、元の原型からはすぐには気づかないようなlなんかも消えてしまってます。
eachとなったということです。元々は似たようなもの、1つ1つのことを指すということなんですね。
この小英語段階ではelchというふうにlはまだあったんですが、その後消えて今のeachになるんですね。
小英語のこのelchですが、十分ここまでだってですね、短くなっちゃってます。
もう原型をとどめないというか、元々の語源形が推測できないぐらい短くなってしまってますね。
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よく使われると短くなるんで、よく使われて短くなると意味的にも本来のものよりも少し弱くなります。
改めてですね、強くおのおののめいめいのというふうに強めたいときにはですね、さらにこのelchに何か前にですね、強めの副詞みたいなのがつくわけです。
これが実はeverに相当する単語ですね。every、everyという単語です。
これがついていわばever eachのように言ったんですね。
every each、every each、every each。
で、後の時代にこの最後のchが落ちてですね、every、every、everyということになります。
つまりeveryの最後のyで綴られる部分ですね。
これがなんとeachなんです。
ただ思い出してください。
each自体も実際の語源形ではa plus ye reachという2つの部分からなっていた。
これがついにyにまで縮小されてしまったところですね。
で、この縮小を補うかのようにもう1回強めでeverを与えたっていうのがこのeveryの作りっていうことです。
ちなみにですね、このeverという強めなんですが、これ自身も実は2つの要素から本当はなっていて、
先ほど述べたaですね、常にとか、やっぱりこれ自身も強めの副詞なんですが、
aたす、おそらくeverのtheの部分はfar、far awayのfar、遠くということだと考えられています。
つまりever自体もある意味強めの1語なんですが、もともとは2つの要素からなっていたというふうに、
よくわからない複雑なことになってきますね。
さあ、ever eachから発達したのがeveryと言いましたが、
このeachはですね、実はこのeveryのyに残っているだけではなくて、
同じような形で実はですね、suchとかwhichっていう時のあのちにも残っています。
suchっていうのはsuarだすelchということで、いわばso eachと言っているようなものなんですね。
suarだすelch、これがsuchになっていくということです。
同じようにwhichもですね、これはfar、これwhoですね、whっていうのは疑問詞を作る部分ですね。
これにいわばeach、つまりwhat eachとかwho eachと言っているようなものなんですね、whichっていうのは。
このような形でelch、eachに相当する単語がですね、いろんなところに実は化石的に残っている。
each自体はもちろん存在しますが、それだけではなくて、ある語の一部として実は残存している。
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それがeveryの最後のyであったり、such、whichのちの部分だったりするということです。
そして繰り返しますが、このeachとてですね、もともとは2語からなっていたんだと。
aarたすyearich、つまり強めの副詞aarたすlikeに相当する似たようなものということですね。
こうしたものがどんどん使われることによってですね、縮小していって、縮小しすぎたと思ったらまた強めの語で補ってということを何度も繰り返した結果なんですね。
ただ結論としてはですね、現代でもorと違ってeveryとかeachっていうのはやはりもともとの一つ一つというニュアンスが濃厚にですね、受け継がれているということになります。
それではまた。
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